黒沢怜生とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 黒沢怜生の意味・解説 

黒沢怜生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/20 12:31 UTC 版)

 黒沢怜生 六段
名前 黒沢怜生
生年月日 (1992-03-07) 1992年3月7日(33歳)
プロ入り年月日 2014年10月1日(22歳)
棋士番号 298
出身地 埼玉県熊谷市
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 高橋道雄九段
段位 六段
棋士DB 黒沢怜生
0
配偶者:和田あき(妻、女流棋士

_義妹:和田はな(女流棋士)
2025年6月20日現在
テンプレートを表示

黒沢 怜生(くろさわ れお、1992年3月7日 - )は、日本将棋連盟所属の棋士高橋道雄九段門下。棋士番号は298。埼玉県熊谷市出身[1]

棋歴

プロ入りまで

小学1年次に、児童館で教えられたことが将棋を覚えたきっかけ[1]。翌年には埼玉県小学生準名人を獲得するほど上達する。

2001年、熊谷市立東小学校4年の第26回小学生将棋名人戦では、東日本代表として決勝トーナメント進出し準優勝する。この模様はNHK教育テレビで放送された[2]。 2002年、熊谷市立東小学校5年の第27回小学生将棋名人戦では、東日本代表として決勝トーナメント進出し4強で敗れる。この模様は前述同様NHK教育テレビで放送された[3]。 2003年、熊谷市立東小学校6年の第2回全国小学生倉敷王将戦高学年の部では4位[4]

2003年9月に高橋道雄門下で奨励会に入会。入品までは順調に昇級を重ねるも、初段では降段点となる「B」を2度取るなど昇段に3年超の期間を要した。二段では3連勝、1敗を挟み8連勝の成績として、二段昇段から3か月余りで三段リーグ入りを果たす。

三段リーグでは、初参加の48回では当回で四段昇段を決めた阿部光瑠の最終局に勝利し1位昇段を阻止するなど見せ場を作ったものの、54回までは参加7期で63勝63敗と中位の成績に留まっていた。

2012年よりNHK杯テレビ将棋トーナメントで記録係を務める。

第55回三段リーグでは、10戦目までで5敗の後、6連勝し11勝5敗(7番手)で最終日を迎えたが、最終日に2連勝した終了時点でも、上位者3名中2名が勝つと昇段できない状態であった。そのうち増田康宏のみが勝利したため同星2位で四段昇段を遂げた[1][5]。師匠の高橋は、四段昇段をもう少し早く予想していたことを述べつつ、今後の活躍に期待する旨を公式ブログで明らかにしている[6]

プロ入り後

第66回(2016年度)NHK杯将棋トーナメント予選・決勝で長岡裕也五段に勝ち、奨励会時代に長らく記録係を務めていたテレビ棋戦に初出場(第65回は予選2回戦で佐藤紳哉六段に敗れている)。 対局者としては初めてとなる1回戦では、師匠である解説者の高橋道雄九段が見守るなか健闘するも、第1期叡王戦優勝者の山崎隆之八段に敗れた。

第29期竜王戦でも連勝を続け、5組ランキング戦準決勝で村田顕弘六段に勝ち、4組昇級とともに2年連続昇級により五段へ昇段[7]

つづいて決勝でも先崎学九段に勝ち、5組優勝と本戦トーナメントへの出場を決めた。本戦1回戦では、6組優勝者の青嶋未来五段に敗れた。

第43期(2017年度)棋王戦挑戦者決定戦トーナメントでは、行方尚史八段、橋本崇載八段、鈴木大介九段らに勝ちベスト4進出。準決勝で三浦弘行九段に敗れるも、敗者復活戦で佐藤天彦名人と敗者復活戦に回った三浦に勝利して挑戦者決定二番勝負に進出。2連勝が必要となる永瀬拓矢七段との対戦は1勝1敗に終わり、挑戦はならなかった。

棋風

振り飛車党。持久戦が得意で、2015年度竜王戦での青野照市戦、島本亮戦のような長時間、長手数の将棋も多い。

人物

麻雀を趣味とする囲碁・将棋棋士各8名が出場した、第5回囲碁・将棋チャンネル杯麻雀王決定戦(2023年開催)で優勝した[8]

女流棋士和田あきと結婚したことを、2025年6月20日に日本将棋連盟を通じて公表した[9]

昇段履歴

昇段規定は、将棋の段級 を参照。

  • 2003年09月00日 - 6級(奨励会入会)[1]
  • 2007年08月00日 - 初段
  • 2010年06月00日 - 二段 [10]
  • 2010年09月00日 - 三段(第48回奨励会三段リーグ〈2010年度後期〉より三段リーグ参加)[10]
  • 2014年10月01日 - 四段(第55回奨励会三段リーグ成績2位) = プロ入り [1]
  • 2016年05月13日 - 五段(竜王ランキング戦連続2回昇級、通算37勝18敗)[7][11]
  • 2021年03月18日 - 六段(勝数規定/五段昇段後公式戦120勝、通算157勝104敗)[12][注 1]

主な成績

いずれも奨励会員時代の実績。

  • 加古川青流戦 3回戦(第1期・第3期)

在籍クラス

順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[15]
(出典)竜王戦
出典[16]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
2014 73 四段昇段前 28 6組 -- 3-1/昇3-0
2015 74 C245 6-4 29 5組 0-1 5-0 (1位)
2016 75 C218 6-4 30 4組 -- 2-1/昇0-1
2017 76 C215 7-3 31 4組 -- 0-1/昇0-1/残1-0
2018 77 C208 7-3 32 4組 -- 1-1/昇0-1
2019 78 C211 4-6 33 4組 -- 0-1/昇0-1/残1-0
2020 79 C230 7-3 34 4組 -- 0-1/昇1-1
2021 80 C212 8-2 35 4組 -- 2-1/昇3-0
2022 81 C206 5-5 36 3組 -- 0-1/昇1-1
2023 82 C225 6-4 37 3組 -- 0-1/昇0-1
2024 83 C217 8-2 38 4組 -- 0-1/昇0-1/残1-0
2025 84 C210 - 39 4組 -- -
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典) 通算成績
2014年度 9 7 2 0.7777 [17] 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2015年度 42 28 14 0.6666 [18] 51 35 16
2016年度 47 29 18 0.6170 [19] 98 64 34
2017年度 50 33 17 0.6600 [20] 148 97 51
2018年度 44 24 20 0.5454 [21] 192 121 71
2019年度 42 23 19 0.5476 [22] 234 144 90
2020年度 28 13 15 0.4642 [23] 262 157 105
2014-2020
(小計)
262 157 105
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典) 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021年度 37 26 11 0.7027 [24] 299 183 116 0.6120 [25]
2022年度 43 24 19 0.5581 [26] 342 207 135 0.6052 [27]
2023年度 30 17 13 0.5666 [28] 372 224 148 0.6021 [29]
2024年度 36 21 15 0.5833 [30] 408 245 163 0.6004 [31]
2021-2024
(小計)
146 88 58
通算 408 245 163 0.6004 [31]
2024年度まで

出演

  • AbemaTV初級講座(2017年4月配信開始、AbemaTV[32]

脚注

注釈

  1. ^ 第79期順位戦C級2組10回戦(2021年3月5日対局)開始時点の黒沢の対戦成績は、棋譜中継コメント(3手目)より「156勝103敗」[13]、この対局に敗れ「156勝104敗」。この次の対局が六段昇段局(2021年3月18日対局)[14]となり、通算成績は「157勝104敗」。

出典

  1. ^ a b c d e 増田康宏三段と黒沢怜生三段が四段に昇段」『日本将棋連盟』2014年9月13日。
  2. ^ ~公文杯~第26回小学生名人戦 日本将棋連盟
  3. ^ ~公文杯~第27回小学生名人戦 日本将棋連盟
  4. ^ 第2回全国小学生倉敷王将戦
  5. ^ 第55回奨励会三段リーグ戦」『日本将棋連盟』。
  6. ^ 高橋道雄黒沢君、四段昇段!」『みっち・ザ・ワールド』2014年9月13日。2014年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  7. ^ a b 黒沢怜生四段が五段に昇段」『日本将棋連盟』2016年5月16日。
  8. ^ (要購読契約)第5回 囲碁・将棋チャンネル杯 麻雀王決定戦#16<決勝四番勝負4回戦> - YouTube(2024-03-22)
  9. ^ 黒沢怜生六段と和田あき女流二段が結婚」『日本将棋連盟』2025年6月20日。
  10. ^ a b 関東奨励会二段【2010年4月~2010年9月】」『日本将棋連盟』。
  11. ^ 通算成績(2016年5月15日対局分まで)」『日本将棋連盟』。2016年5月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  12. ^ 黒沢怜生五段が六段に昇段」『日本将棋連盟』2021年3月19日。
  13. ^ (要購読契約) 黒沢-黒田 - 2021/03/05 第79期順位戦C級2組10回戦」『名人戦棋譜速報』2021年3月5日。
  14. ^ 2021年3月|月間対局結果|対局予定・結果」『日本将棋連盟』。
  15. ^ 名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
  16. ^ 竜王戦」『日本将棋連盟』。
  17. ^ 2014年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  18. ^ 2015年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  19. ^ 2016年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  20. ^ 2017年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  21. ^ 2018年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  22. ^ 2019年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  23. ^ 2020年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  24. ^ 2021年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  25. ^ 通算成績(2022年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2022年4月1日時点のアーカイブ)
  26. ^ 2022年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  27. ^ 通算成績(2023年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2023年4月1日時点のアーカイブ)
  28. ^ 2023年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  29. ^ 通算成績(2024年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2024年4月1日時点のアーカイブ)
  30. ^ 2024年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  31. ^ a b 通算成績(2025年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2025年4月1日時点のアーカイブ)
  32. ^ AbemaTV 将棋講座”. AbemaTV. 2017年9月25日閲覧。

関連項目

外部リンク





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「黒沢怜生」の関連用語

黒沢怜生のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



黒沢怜生のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの黒沢怜生 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS