第30期竜王戦とは？わかりやすく解説

第30期竜王戦
開催期間	2016年12月12日 - 2017年12月5日
前竜王	渡辺明(11期目)
第30期竜王	羽生善治(7期目・永世竜王資格)
△ 昇級 △
次期1組	稲葉陽; 佐藤康光; 永瀬拓矢; 広瀬章人;
次期2組	村山慈明; 畠山鎮; 小林裕士; 大石直嗣;
次期3組	佐々木勇気; 千葉幸生; 飯塚祐紀; 斎藤慎太郎;
次期4組	増田康宏; 伊藤真吾; 宮田敦史; 三枚堂達也;
次期5組	藤井聡太; 近藤誠也; 金井恒太; 石井健太郎;
▼ 降級 ▼
次期2組	山崎隆之; 三浦弘行; 深浦康市; 佐藤天彦;
次期3組	中村太地; 行方尚史; 鈴木大介; 及川拓馬;
次期4組	西尾明; 塚田泰明; 高崎一生; 谷川浩司;
次期5組	長沼洋; 田村康介; 堀口一史座; 阿部隆;
次期6組	高野秀行; 福崎文吾; 泉正樹; 有森浩三;
引退ほか
死去	伊藤能（6組在籍、2016年12月25日）
	竜王戦; < 第29期第31期 >
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第30期竜王戦（だい30きりゅうおうせん）は、2017年度（2016年12月12日 - 2017年12月5日）の竜王戦である。

概要

挑戦者決定三番勝負は、1組2位の羽生善治二冠が1組優勝の松尾歩八段を2勝1敗で下し、7年ぶりの竜王挑戦を決める^[1]。竜王戦七番勝負は、羽生善治棋聖^{[注 1]}が渡辺明竜王に4勝1敗で制した。羽生は15期ぶり7期目の竜王位を獲得し、2人目の永世竜王資格の獲得を果たした^[4]。これにより2017年よりタイトル戦となった叡王戦を除く7つのタイトル戦で永世資格を獲得し史上初の永世七冠を達成した。

15年ぶりの復位は、2019年度終了時点で、タイトルの復位としては史上最長記録^{[注 2]}である。

羽生はこれまで、1980年代・1990年代・2000年代でも竜王を獲得しており、同じタイトルを4つの十年紀で獲得した史上2例目のケース^{[注 3]}となった。

七番勝負

対局者	第1局	第2局	第3局	第4局	第5局
対局者	2017年 10月20日・21日	2017年 10月28日・29日	2017年 11月4日・5日	2017年 11月23日・24日	2017年 12月4日・5日
渡辺明竜王	●	●	○	●	●
羽生善治棋聖	○	○	●	○	○	竜王位奪取

決勝トーナメント

1回戦

2回戦

3回戦

準々決勝

準決勝

挑戦者決定三番勝負

1組優勝

松尾歩八段

○

1組4位

久保利明王将

○

松尾歩八段

●○●

1組5位

阿久津主税八段

●

久保

●

4組優勝

佐々木勇気五段

○

佐々木勇

●

5組優勝

佐々木勇

○

増田康宏四段

●

6組優勝

藤井聡

●

藤井聡太四段

○

1組3位

丸山忠久九段

●

2組優勝

稲葉

●

稲葉陽八段

○

挑戦者

2組2位

羽生善治二冠

○●○

佐藤康光九段

●

3組優勝

村山

●

村山慈明七段

○

羽生

○

1組2位

羽生善治三冠

○

1組

◎：決勝進出　△：昇級　◇：残留　▼：降級

3位出場者決定戦

	決勝

N	丸山忠久九段◎	○	3位(決勝Ｔ)

M	糸谷哲郎八段	●

4位出場者決定戦

	1回戦		決勝

I	屋敷伸之九段	●
			阿部健治郎七段	●
K	阿部健治郎七段	○

L	久保利明王将◎	○
			久保利明王将	○	4位(決勝Ｔ)
J	郷田真隆九段	●

5位出場者決定戦

▼:降級

1回戦

2回戦

決勝

H

三浦弘行九段

千●

▼

豊島

○

A

豊島将之八段

千○

豊島将之八段

●

B

藤井猛九段

○

藤井

●

F

山崎隆之八段

●

▼

D

佐藤天彦名人

●

▼

高橋

●

C

高橋道雄九段

○

阿久津主税八段

○

5位(決勝Ｔ)

E

深浦康市九段

●

▼

阿久

○

G

阿久津主税八段◎

○

2組

◎：決勝進出　△：昇級　◇：残留　▼：降級

昇級者決定戦

▼:降級

1回戦

2回戦

3回戦

決勝

G

及川拓馬六段

●

▼

澤田

○

E

澤田真吾六段

○

澤田

●

J

木村一基九段

●

広瀬章人八段

○

昇級

C

広瀬章人八段△

○

広瀬

○

F

鈴木大介九段

●

▼

広瀬

○

K

飯島栄治七段

●

N

橋本崇載八段

●

M

杉本昌隆七段

●

I

森内俊之九段

●

永瀬

○

H

永瀬拓矢六段△

○

永瀬

○

D

中村太地六段

●

▼

永瀬拓矢六段

○

昇級

A

佐藤和俊六段

○

佐藤

○

B

行方尚史八段

●

▼

佐藤

●

L

真田圭一八段

●

3組

◎：決勝進出　△：昇級　◇：残留　▼：降級

昇級者決定戦

▼:降級

1回戦

2回戦

3回戦

決勝

K

西川和宏六段

●

小林

千○

E

小林裕士七段△

○

小林

○

H

西尾明六段

●

▼

小林裕士七段

○

昇級

C

塚田泰明九段

●

▼

野月

○

F

野月浩貴八段

○

野月

千●

L

佐藤紳哉七段

●

N

中座真七段

●

M

北浜健介八段

●

D

大石直嗣六段△

○

大石

○

B

谷川浩司九段

●

▼

大石

○

J

島朗九段

●

大石直嗣六段

○

昇級

I

横山泰明六段

●

森下

●

A

髙﨑一生六段

●

▼

森下

○

G

森下卓九段

○

4組

◎：決勝進出　△：昇級　◇：残留　▼：降級

昇級者決定戦

1回戦

2回戦

3回戦

4回戦

5回戦

決勝

c

飯塚祐紀七段△

○

昇級

Y

黒沢怜生五段

●

X

佐々木慎六段

○

佐々木

○

佐々木

○

F

北島忠雄七段

○

北島

●

O

田村康介七段

●

ハ

佐々木

○

Q

阪口悟五段

○

阪口

●

P

八代弥六段

●

イ

日浦

●

G

日浦市郎八段

○

佐々木慎六段

●

V

戸辺誠七段

●

矢倉

●

L

矢倉規広七段

○

矢倉

○

N

長沼洋七段

●

ニ

井上

□

W

井上慶太九段

○

井上

○

A

中川大輔八段

持○

井上

●

中川

●

M

佐藤秀司七段

持●

ヘ

b

先崎学九段

■

1回戦

2回戦

3回戦

4回戦

5回戦

決勝

a

村田智弘六段

●

S

遠山雄亮五段

●

渡辺

○

渡辺

○

C

堀口一史座七段

●

ロ

渡辺

○

B

渡辺大夢五段

○

渡辺

○

E

菅井竜也七段

○

菅井

●

H

桐山清澄九段

●

チ

中田

●

渡辺大夢五段

●

U

中田宏樹八段

○

Z

畠山成幸八段

○

K

山本真也六段

○

山本

●

畠山

●

I

阿部隆八段

●

ホ

髙見

○

R

髙見泰地五段

○

髙見

●

T

増田裕司六段

○

増田

●

D

中村修九段

●

ト

村中

●

J

村中秀史六段

○

d

斎藤慎太郎七段△

○

昇級

残留決定戦

▼:降級

	1回戦

ニ	長沼洋七段	●	▼

ヘ	佐藤秀司七段◇	○

チ	桐山清澄九段◇	○

ロ	堀口一史座七段	●	▼

ハ	田村康介七段	●	▼

イ	八代弥六段◇	○

ト	中村修九段◇	○

ホ	阿部隆八段	●	▼

5組

◎：決勝進出　△：昇級　◇：残留　▼：降級

昇級者決定戦

1回戦

2回戦

3回戦

4回戦

5回戦

決勝

b

千田翔太六段

●

M

中田功七段

○

中田

●

宮田

○

E

神谷広志八段

●

チ

竹内

●

X

竹内雄悟四段

○

宮田

○

Q

宮田敦史六段△

○

宮田

○

P

髙野秀行六段

●

ホ

宮田敦史六段

○

昇級

長岡

●

F

長岡裕也五段

○

a

勝又清和六段

○

J

佐藤慎一五段

●

ニ

藤倉

●

勝又

●

G

藤倉勇樹五段

○

石田

●

R

石田直裕四段

○

阿部

●

U

阿部光瑠六段

○

阿部

○

N

南芳一九段

○

南

●

L

福崎文吾九段

●

ロ

c

船江恒平六段

●

1回戦

2回戦

3回戦

4回戦

5回戦

決勝

d

三枚堂達也五段△

○

昇級

Y

渡辺正和五段

●

A

泉正樹八段

●

ハ

窪田

○

窪田

●

D

窪田義行七段

○

窪田

○

W

中村亮介六段

●

窪田

○

V

安用寺孝功六段

○

安用

●

I

藤森哲也四段

○

富岡英作八段

●

藤森

●

O

大平武洋六段

●

イ

Z

富岡英作八段

○

K

伊奈祐介六段

○

伊奈

●

富岡

○

H

有森浩三七段

●

ト

村田

○

T

村田顕弘五段

○

村田

●

C

青嶋未来五段

○

青嶋

●

B

川上猛六段

●

ヘ

片上

●

S

片上大輔六段

○

残留決定戦

▼:降級

	1回戦

イ	大平武洋六段◇	○

ハ	泉正樹八段	●	▼

ニ	佐藤慎一五段◇	○

ロ	福崎文吾九段	●	▼

チ	神谷広志八段◇	○

ホ	髙野秀行六段	●	▼

ヘ	川上猛六段◇	○

ト	有森浩三七段	●	▼

6組

◎：決勝進出　△：昇級　◇：残留　▼：降級

昇級者決定戦

1回戦

2回戦

3回戦

4回戦

5回戦

6回戦

決勝

R

藤原直哉七段

○

藤原

○

Z

豊川孝弘七段

●

藤原

○

c

浦野真彦八段

●

藤原

○

i

佐々木大地四段

●

小倉

●

藤原

●

X

小倉久史七段

○

m

神崎健二八段

●

脇

●

q

脇謙二八段

○

H

宮田利男八段

●

青野

○

脇

○

Q

青野照市九段

○

青野

●

f

井出隼平四段

●

都成

●

e

今泉健司四段

●

星野良生四段

●

都成

○

d

都成竜馬四段

○

t

星野良生四段

○

V

上野裕和五段

●

石川

●

D

石川陽生七段

○

髙野

○

L

加藤一二三九段

●

星野

○

髙野

○

髙野

○

E

髙野智史四段

○

n

所司和晴七段

●

C

小林宏七段

○

髙野

●

小林

○

J

西川慶二七段

●

小林

●

O

伊藤博文七段

○

伊藤

●

松本

●

B

宮本広志五段

●

p

松本佳介六段

○

v

金井恒太六段△

○

昇級

1回戦

2回戦

3回戦

4回戦

5回戦

6回戦

決勝

u

石井健太郎五段△

○

昇級

l

梶浦宏孝四段

○

梶浦

●

Y

瀬川晶司五段

●

r

近藤正和六段

●

牧野

○

j

中尾敏之五段

○

中尾

○

牧野

○

I

木下浩一七段

●

中尾

●

b

堀口弘治七段

●

牧野

○

a

島本亮五段

●

牧野

○

g

牧野光則五段

○

o

田中悠一五段

○

牧野光則五段

●

N

田中寅彦九段

○

田中悠

●

田中寅

○

G

室岡克彦七段

●

田中寅

●

S

門倉啓太五段

○

門倉

●

P

土佐浩司八段

●

大橋

○

F

大橋貴洸四段

○

大橋

○

T

森信雄七段

●

大橋

○

M

小林健二九段

○

大橋

●

小林

●

大橋

○

K

東和男八段

●

k

平藤眞吾七段

●

s

岡崎洋六段

●

脚注

[脚注の使い方]

注釈

^ 竜王戦の間に王位・王座と奪取されタイトル戦までに棋聖一冠に後退^[2]^[3]
^ それまでの記録は二上達也が第37期棋聖戦で達成した14年半。なお当時、棋聖戦は年2回実施されていたため、期としての復位はこのときの29期ぶりが最長記録。
^ 大山康晴が王将位を1950年代〜1980年代に獲得している。

出典

^ “第30期竜王戦、羽生善治二冠が挑戦者に”. 日本将棋連盟 (2017年9月9日). 2021年7月25日閲覧。
^ “第58期王位戦、菅井竜也七段が奪取”. 日本将棋連盟 (2017年8月30日). 2021年7月25日閲覧。
^ “第65期王座戦、中村太地六段が初タイトルを獲得”. 日本将棋連盟 (2017年10月12日). 2021年7月25日閲覧。
^ “羽生善治が竜王位を奪回し、史上初の「永世七冠」の資格を獲得”. 日本将棋連盟 (2017年12月5日). 2021年7月25日閲覧。

外部リンク

竜王戦：日本将棋連盟
- 第30期七番勝負 / 棋譜一覧（竜王戦中継サイト）
- 第30期決勝トーナメント / 棋譜一覧（竜王戦中継サイト）
- ランキング戦・出場者決定戦(昇級者決定戦)
  1組 / 2組 / 3組 / 4組 / 5組 / 6組
- TOPページ｜竜王戦中継
- 竜王戦中継plus

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[4] 竜王戦の間に王位・王座と奪取されタイトル戦までに棋聖一冠に後退^[2]^[3]

[6] それまでの記録は二上達也が第37期棋聖戦で達成した14年半。なお当時、棋聖戦は年2回実施されていたため、期としての復位はこのときの29期ぶりが最長記録。

[7] 大山康晴が王将位を1950年代〜1980年代に獲得している。

[1] “第30期竜王戦、羽生善治二冠が挑戦者に”. 日本将棋連盟 (2017年9月9日). 2021年7月25日閲覧。

[2] “第58期王位戦、菅井竜也七段が奪取”. 日本将棋連盟 (2017年8月30日). 2021年7月25日閲覧。

[3] “第65期王座戦、中村太地六段が初タイトルを獲得”. 日本将棋連盟 (2017年10月12日). 2021年7月25日閲覧。

[5] “羽生善治が竜王位を奪回し、史上初の「永世七冠」の資格を獲得”. 日本将棋連盟 (2017年12月5日). 2021年7月25日閲覧。

[1]

[注 1]

[4]

[注 2]

[注 3]

[2]

[3]

表話編歴各期の竜王戦
十段戦より発展
01 (1988) 02 (1989) 03 (1990) 04 (1991) 05 (1992) 06 (1993) 07 (1994) 08 (1995) 09 (1996) 10 (1997)
11 (1998) 12 (1999) 13 (2000) 14 (2001) 15 (2002) 16 (2003) 17 (2004) 18 (2005) 19 (2006) 20 (2007)
21 (2008) 22 (2009) 23 (2010) 24 (2011) 25 (2012) 26 (2013) 27 (2014) 28 (2015) 29 (2016) 30 (2017)
31 (2018) 32 (2019) 33 (2020) 34 (2021) 35 (2022) 36 (2023) 37 (2024) 38 (2025) 39 (2026) 40 (2027)

第30期竜王戦
開催期間	2016年12月12日 - 2017年12月5日
前竜王	渡辺明(11期目)
第30期竜王	羽生善治(7期目・永世竜王資格)
△ 昇級 △
次期1組	稲葉陽佐藤康光永瀬拓矢広瀬章人
次期2組	村山慈明畠山鎮小林裕士大石直嗣
次期3組	佐々木勇気千葉幸生飯塚祐紀斎藤慎太郎
次期4組	増田康宏伊藤真吾宮田敦史三枚堂達也
次期5組	藤井聡太近藤誠也金井恒太石井健太郎
▼ 降級 ▼
次期2組	山崎隆之三浦弘行深浦康市佐藤天彦
次期3組	中村太地行方尚史鈴木大介及川拓馬
次期4組	西尾明塚田泰明高崎一生谷川浩司
次期5組	長沼洋田村康介堀口一史座阿部隆
次期6組	高野秀行福崎文吾泉正樹有森浩三
引退ほか
死去	伊藤能（6組在籍、2016年12月25日）
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