堀口一史座とは? わかりやすく解説

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堀口一史座

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/03 10:24 UTC 版)

 堀口一史座 八段
名前 堀口一史座
生年月日 (1975-02-28) 1975年2月28日(49歳)
プロ入り年月日 1996年4月1日(21歳)
棋士番号 218
出身地 東京都
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 伊藤果八段
段位 八段
棋士DB 堀口一史座
戦績
一般棋戦優勝回数 1回
2022年12月15日現在
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堀口 一史座(ほりぐち かずしざ、1975年2月28日 - )は、将棋棋士伊藤果門下。棋士番号は218。東京都出身。

棋歴

第18回(1995年度後期)奨励会三段リーグで1位(14勝4敗)の成績を収め、プロ入りした。

プロ3年目の1998年度、NHK杯戦で決勝進出。決勝の相手は羽生善治四冠(当時)であった。堀口の先手で横歩取り模様の出だしで14手まですらすらと進んだが、15手目、通常▲3四飛と横歩を取る一手のところで堀口の手が止まり、序盤早々に時間を使う。そして結局、横歩を取らずに飛車を2八に引き、相掛かり腰掛銀の戦形になった。結果は羽生の勝ちで、堀口は準優勝に終わる。

第30回(1999年度)新人王戦で準優勝(優勝者は藤井猛)。

公式戦として1期目の第8期(2000年度)銀河戦で、本戦(ブロック)で米長邦雄島朗らを破り15連勝。決勝トーナメントでは佐藤康光森内俊之らを下して準優勝(優勝は羽生善治)。

全日本プロ将棋トーナメントを発展させ、準タイトル戦としてスタートした2001年度の朝日オープン将棋選手権において、決勝五番勝負で杉本昌隆を3-1で破って初代チャンピオンとなり、選手権者として1期在位した。祝勝会でのスピーチでは、「朝日オープンはお金がいいので」というあからさまな発言をした[注 1]。翌年、深浦康市を迎えた初防衛戦では、頭を五厘刈りにし決意の程を見せるも、1-3で敗北する。

第61期(2002年度)C級1組順位戦と第62期B級2組順位戦で2年連続昇級を決め、B級1組に昇級。

2005年9月2日の順位戦B級1組青野照市との対局で、56手目の一手に、昼食休憩を挟む5時間24分の記録的な大長考をしたことで話題となった。順位戦の持ち時間は6時間であるため、持ち時間の9割を費やした計算になる。局面は、角換わりの先後同形からの激しい攻め合いの途中であった。結果は、76手までで堀口の勝ち。後日「囲碁・将棋ジャーナル」に出演した際、「長考できたのは気力が充実していたということだ」と語った。

2013年7月の第72期順位戦B級2組2回戦以降、2013年度の残りの公式戦を病気療養のため(病名は公表されず)すべて休場した[1]。途中休場のために残る8局は不戦敗となり、成績下位による2つ目の降級点が付きC級1組へ降級した。翌2014年6月から公式戦復帰を果たし、第73期順位戦C級1組1回戦で澤田真吾と対局した。

第77期(2018年度)順位戦4局目で勝利以降連敗が続き、第78期(2019年度)は全敗し2期連続の降級点でC級2組へ降級となった。翌第79期(2020年度)の2回戦で梶浦宏孝に勝利するまで17連敗を喫した。3回戦でも福崎文吾に勝利したが、その後は7連敗で降級点が付き、翌第80期(2021年度)も10戦全敗で、降級点2となった。

2022年12月15日、第81期順位戦C級2組7回戦で佐藤紳哉に勝利し、勝数規定により八段昇段[2]。『昇段まであと1勝』から12連敗を経ての昇段であった。また、この勝利により第79期から続いていた順位戦の連敗を23で止めているが、順位戦の成績は2勝8敗で3つ目の降級点を喫しフリークラスへの陥落が決定した。なお、順位戦の23連敗は歴代2位の記録[注 2][注 3]となる。

棋風

居飛車党であり、対振り飛車では自玉を固める将棋が多く、相居飛車では矢倉相掛かり横歩取り角換わりなどを一通り指しこなす。

長考派である一方、早指し戦にも強い。

人物

  • 将棋を覚えたのは10歳ぐらいの頃で、きっかけは、母親の実家で将棋盤を見たことである[3]
  • 「一史座(かずしざ)」という名前はガイウス・ユリウス・カエサル(シーザー)に由来する[4]
  • 三段時代は自ら志願して羽生善治の対局の記録係を数多く務めた[4]
  • 四段昇段した際、「(年齢制限規定などで)プロを断念したり、これからも苦しい戦いを続ける仲間がいる中で祝賀会に参加するわけにはいけない」として奨励会最終日に奨励会幹事による恒例の昇段祝賀会を辞退した[注 4]。なお、祝賀会の辞退を決心したのは、半年前に自らが次点で昇段を逃したときであった[5]
  • 将棋をゲームと割り切る棋士が多い中、インタビューにおいて自己の内面性と将棋との関連について語るなど思索的な面をみせる。特に追い詰められたような状況では、指し手に必ずその人の内面性が出ると言い切り、哲学書などにあたって常に内面性を鍛えることを怠らない。
  • 愛読している作家は、トルストイドストエフスキー[3]

昇段履歴

  • 1988年00月00日 : 6級 = 奨励会入会
  • 1991年00月00日 : 初段
  • 1993年01月00日 : 三段(第13回奨励会三段リーグ<1993年度前期>からリーグ参加)
  • 1996年04月01日 : 四段(第18回奨励会三段リーグ成績1位) = プロ入り
  • 1999年10月14日 : 五段(勝数規定 /公式戦100勝[6]
  • 2002年10月01日 : 六段(特別昇段 = 第20回朝日オープン選手権優勝)[7]
  • 2004年04月01日 : 七段(順位戦B級1組昇級)[8]
  • 2022年12月15日 : 八段(勝数規定 /七段昇段後公式戦190勝[2]

主な成績

棋戦優勝

優勝合計1回

将棋大賞

  • 第27回(1999年)新人賞

在籍クラス

順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦 (出典)竜王戦
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
1996 55 C250 6-4 10 6組 -- 4-1
1997 56 C220 7-3 11 5組 -- 3-2
1998 57 C206 6-4 12 5組 -- 2-2
1999 58 C213 9-1 13 5組 -- 5-1
2000 59 C121 8-2 14 4組 -- 1-2
2001 60 C104 5-5 15 4組 -- 1-2
2002 61 C114 9-1 16 4組 -- 5-2
2003 62 B219 8-2 17 4組 -- 4-2
2004 63 B113 4-8 18 4組 -- 0-3
2005 64 B111 6-6 19 5組 -- 4-2
2006 65 B108 6-6 20 5組 -- 4-1
2007 66 B108 6-6 21 4組 -- 1-2
2008 67 B107 5-7 22 4組 -- 1-2
2009 68 B109 2-10 23 4組 -- 1-2
2010 69 B202 5-5 24 4組 -- 1-2
2011 70 B210 6-4 25 4組 -- 4-2
2012 71 B209x 3-7 26 4組 -- 1-2
2013 72 B223*x 1-9 27 4組 -- 休場
2014 73 C102 3-7 28 4組 -- 3-2
2015 74 C124x 2-8 29 4組 -- 2-2
2016 75 C137+ 6-4 30 4組 -- 0-3
2017 76 C112 3-7 31 5組 -- 1-2
2018 77 C127x 1-9 32 5組 -- 0-3
2019 78 C136*x 0-10 33 6組 -- 1-2
2020 79 C202x 2-8 34 6組 -- 1-2
2021 80 C248*x 0-10 35 6組 -- 1-2
2022 81 C251**x 2-8 36 6組 -- 1-2
2023 82 F編 37 6組 -- 1-2
2024 83 F編 38 6組 --
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。

年度別成績

公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
1996 36 24 12 0.6667 [9]
1997 44 31 13 0.7045 [10]
1998 38 23 15 0.6053 [11]
1999 62 47 15 0.7581 [12]
2000 49 32 17 0.6531 [13]
1996-2000
(小計)
229 157 72
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2001 41 24 17 0.5854 [14]
2002 31 22 9 0.7097 [15]
2003 42 23 19 0.5476 [16]
2004 40 24 16 0.6000 [17]
2005 29 10 19 0.3448 [18]
2006 36 21 15 0.5833 [19]
2007 38 20 18 0.5263 [20]
2008 28 12 16 0.4286 [21]
2009 32 10 22 0.3125 [22]
2010 28 12 16 0.4286 [23]
2001-2010
(小計)
345 178 167
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2011 24 11 13 0.4583 [24]
2012 30 13 17 0.4333 [25]
2013 17 2 15 0.1176 [26]
2014 27 11 16 0.4074 [27]
2015 28 11 17 0.3929 [28]
2016 27 11 16 0.4074 [29]
2017 23 5 18 0.2174 [30]
2018 24 4 20 0.1667 [31]
2019 26 4 22 0.1538 [32]
2020 22 3 19 0.1364 [33]
2011-2020
(小計)
248 75 173
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 25 4 21 0.1600 [34]
2022 22 3 19 0.1364 [35]
2023 14 3 11 0.2143 [36]
2021-2023
(小計)
61 10 51
通算 883 420 463 0.4756 [37]
2023年度まで

脚注

注釈

  1. ^ このスピーチは、囲碁・将棋ジャーナルで紹介された。朝日オープンの優勝賞金は、破格の2000万円であった。また、当時、賞金額が公表されていた棋戦は、竜王戦と朝日オープンだけであった。
  2. ^ 順位戦の23連敗の内訳は、第79期C級2組4回戦から7連敗、第80期C級2組10局全敗、第81期C級2組6回戦まで6連敗。
  3. ^ 順位戦連敗記録の歴代1位は青野照市の24連敗(第80期C級2組を4連敗、第81期C級2組を10連敗、第82期C級2組を10連敗)。
  4. ^ この時退会した4人の中に、後にアマチュアで活躍しプロ編入試験でプロ棋士になった瀬川晶司がいた

出典

  1. ^ 休場のお知らせ日本将棋連盟 2013年9月6日
  2. ^ a b 堀口一史座七段が八段に昇段”. 将棋ニュース.日本将棋連盟. 2022年12月22日閲覧。
  3. ^ a b 平成10年版「将棋年鑑」
  4. ^ a b
  5. ^ 将棋世界」2000年1月号付録
  6. ^ 近代将棋(2000年1月号)』近代将棋社/国立国会図書館デジタルコレクション、171頁https://dl.ndl.go.jp/pid/6047377/1/86 
  7. ^ 棋士の昇段など(日本将棋連盟からのお知らせ)(web.archive.orgによる2002年10月時点のアーカイブ)”. web.archive.org (2002年10月12日). 2024年7月25日閲覧。
  8. ^ 日本将棋連盟からのお知らせ(2004年4月4日時点のアーカイブ)”. web.archive.org (2004年4月4日). 2024年7月25日閲覧。
  9. ^ [1][名無しリンク]
  10. ^ [2][名無しリンク]
  11. ^ [3][名無しリンク]
  12. ^ [4][名無しリンク]
  13. ^ [5][名無しリンク]
  14. ^ [6][名無しリンク]
  15. ^ [7][名無しリンク]
  16. ^ [8][名無しリンク]
  17. ^ [9][名無しリンク]
  18. ^ [10][名無しリンク]
  19. ^ [11][名無しリンク]
  20. ^ [12][名無しリンク]
  21. ^ [13][名無しリンク]
  22. ^ [14][名無しリンク]
  23. ^ [15][名無しリンク]
  24. ^ [16][名無しリンク]
  25. ^ [17][名無しリンク]
  26. ^ [18][名無しリンク]
  27. ^ [19][名無しリンク]
  28. ^ [20][名無しリンク]
  29. ^ [21][名無しリンク]
  30. ^ [22][名無しリンク]
  31. ^ [23][名無しリンク]
  32. ^ [24][名無しリンク]
  33. ^ [25][名無しリンク]
  34. ^ [26][名無しリンク]
  35. ^ [27][名無しリンク]
  36. ^ [28][名無しリンク]
  37. ^ [29][名無しリンク]

関連項目

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