市川伸とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 市川伸の意味・解説 

市川伸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/14 08:39 UTC 版)

 市川 伸 五段(退会)
名前 市川 伸
生年月日 (1935-10-18) 1935年10月18日
プロ入り年月日 1954年08月15日(18歳)
引退年月日 1968年(32歳)
出身地 鳥取県西伯郡手間村
(現・南部町
所属 退会までは日本将棋連盟関西
師匠 大山康晴十五世名人
段位 五段(退会)
テンプレートを表示

市川 伸(いちかわ しん、1935年10月18日[1] - )は、元・将棋棋士。棋士時代は関西本部に所属し[2]大山康晴十五世名人門下であった[2]鳥取県西伯郡手間村(現・南部町)出身[2]。1967年、引退・退会[注釈 1]

経歴

9人きょうだいの第2子として生まれる[2]。父親の将棋好きに影響されて6歳頃から将棋に興味を覚え、小学生時代は同県のアマチュア、椿四段、新居初段の指導を受ける[2]

1949年(昭和24年)8月、父親の意向もあり、隣県岡山県大山康晴十五世名人への入門を懇請、14歳の時に内弟子となる[2]。同時期の入門であった有吉道夫とともに大山の愛弟子として生活、日夜将棋に明け暮れる日々を過ごす[2]。当時大山は倉敷市在住だったが、有吉と2人で屋根裏の四畳半に住み、3年半生活を共にした[4]

入門試験は飛落の7級で[2]、入門から1年9か月後の1951年5月には2級、1952年に初段[2]

1954年(昭和29年)8月15日に四段昇段[5]。同1954年8月1日付で四段昇段した加藤一二三に続く四段昇段であった[5]

同1954年9月より第9期順位戦C級2組に参加[5]。順位戦参加1年目の成績は6勝6敗の指し分け[2]

翌1955年度の第10期順位戦は12勝4敗でC級2組2位の好成績であったが、同成績であった関根茂四段による「頭ハネ」で昇級はならなかった[2]

東西二組に分かれて行われた1956年度の第11期順位戦では西組2位の8勝4敗の成績で、同成績の東組2位であった佐藤庄平四段との東西決戦を制し(不戦勝)、C級1組への昇級を果たして、1957年4月より五段昇段[6]。佐藤の不戦の原因は二度寝による寝坊であった[7]

1967年度の第22期順位戦の最中、32歳にして一身上の都合により引退・退会[8][注釈 1]。『将棋世界 1968年4月号』では、市川の退会は「自家の都合」と記されている[9][10]。引退後は、有吉によれば「米子に帰った」という[4]

棋風はオールラウンダーで、有吉曰く「ナマクラ四つ」。非常に力強い棋風だったという[11]。若い頃は有吉よりもむしろ市川の方が将来を嘱望されており、有吉も「将棋を続けていれば、間違いなく八段まで昇った」とのちに語っている[4]

昇段履歴

主な成績

在籍クラス

順位戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[12]
名人 A級 B級 C級 0
1組 2組 1組 2組
1954 9 C217 西組6-6
1955 10 C208 12-4
1956 11 C204 西組8-4 (西2位)
東西決戦 勝利
1957 12 C113 4-8
1958 13 C201 8-6
1959 14 C204 5-8
1960 15 C208 3-9
1961 16 C209 5-6
1962 17 C207 7-6
1963 18 C205 4-8
1964 19 C209x 3-9
1965 20 C215*x 5-7
1966 21 C214*+ 6-6
1967 22 C206*x 2-10 (退会)
順位戦の 枠表記 は挑戦者。
右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位
( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )

脚注

注釈

  1. ^ a b 「将棋年鑑 昭和43年版」[1]に「五段 市川 伸……42年一身上の都合により退会」とある[3]

出典

  1. ^ a b c d 「43年の引退棋士」『将棋年鑑 昭和43年版』日本将棋連盟、1968年、293頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 近代将棋 1956年7月号』110-111頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  3. ^ 検索結果」『国立国会図書館デジタルコレクション』。
  4. ^ a b c 『有吉道夫名局集』(マイナビ、2012年)p.78
  5. ^ a b c d 近代将棋 1954年10月号』57頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  6. ^ 山本武雄将棋百年 改定新版』時事通信社、1976年、316-321頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  7. ^ 近代将棋 1957年5月号』129頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  8. ^ a b 山本武雄将棋百年 改定新版』時事通信社、1976年、522-527頁。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  9. ^ 検索結果」『国立国会図書館デジタルコレクション』。
  10. ^ 将棋世界 1968年4月号』。 - 国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  11. ^ 『有吉道夫名局集』p.70
  12. ^ 名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  市川伸のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「市川伸」の関連用語

市川伸のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



市川伸のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの市川伸 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS