ウィリアムソン:ピアノ・ソナタ第1番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ウィリアムソン:ピアノ・ソナタ第1番 | Sonata No.1 in F | 初版出版地/出版社: Boosey & Hawkes 献呈先: 作曲家両親 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第一楽章:Allegro | No Data | No Image |
2 | 第ニ楽章:Poco lento | No Data | No Image |
3 | 第三楽章:Ben allegro ma misurato | No Data | No Image |
作品解説
第一楽章:Allegro
第ニ楽章:Poco lento
第三楽章:Ben allegro ma misurato
1956年、イングランド最大の音楽祭オールドバラ・フェスティバルにて作曲家ウィリアムソン自身の演奏で初演。ウィリアムソンはこの作品を、自身の楽曲の中でも、ストラヴィンスキーの新古典主義的なピアノ・ソナタに匹敵するものと考えていた。
ピアノ・ソナタ第1番
ブラームス:ピアノソナタ 第1番 ハ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ブラームス:ピアノソナタ 第1番 ハ長調 | Sonate für Klavier Nr.1 C-Dur Op.1 | 作曲年: 1852-1853年 出版年: 1853年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro | 10分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Andante (nach einem altdeutschen Minneliede) | 5分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Scherzo: Allegro molto e con fuoco | 6分00秒 | No Image |
4 | 第4楽章 Mov.4 Finale: Allegro con fuoco | 7分30秒 | No Image |
作品解説
この曲の手書きのスコアには、「ソナタ第4番」という書き込みがあり、ブラームスの最初のソナタではない。出版の都合がおもな原因で、作品1となったが、実際は、作品3やソナタや作品4のスケルツォよりあとに作曲されたものである。
第1、2楽章は1852年4月に、3、4楽章は1853年春にそれぞれハンブルクで作曲された。
このソナタは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「ヴァルトシュタイン」と「ハンマークラヴィーア」からの影響が顕著にあらわれている。しかしその一方で、当時流行の表題的な傾向とも無縁ではない。のちのブラームスのピアノ音楽の特徴となる、ダイナミックな動きや広い音域の活用なども認められる。若きブラームスのあふれんばかりの情熱が注ぎ込まれた大作であり、ブラームス自身もこのソナタに自信をもっていたようである。
全曲は第1楽章の第1主題の進行形で統一されている。
第1楽章:アレグロ、ハ長調、四分の四拍子。ソナタ形式。はじめの第一主題は、ベート
ーヴェンの「ハンマークラヴィーア」の冒頭主題と酷似していることが話題になった。
第2楽章:アンダンテ、ハ短調、四分の二拍子。自由な変奏曲の形をとる。「古いドイツのミンネリートによる」と記されていて、楽譜では、主題12小節の旋律にその歌詞がつけられている。ブラームスがのちに編曲した49曲からなる「ドイツ民謡集」の第49曲も、この歌詞をもっている。その歌詞の大意は次の通りである。
独唱:ひそやかに月はのぼる
合唱:青い青い小さな花(月のことをさす)
独唱:しろがねの小雲をぬいつつ天ののぼる
合唱:青い青い小さな花
ばらは谷間に、乙女は広間に
おお世に美しきばらよ
この詩は楽章全体の性格や、音楽の表情を示している。
主題に三つの変奏が続く楽章で、切れ目なく、次の楽章につづく。
第3楽章:アレグロ・モルト・エ・コン・フォーコ、ホ短調、八分の六拍子。スケルツォ、三部形式。この楽章も、次の楽章に切れ目なくつづく。
第4楽章:アレグロ・コン・フォーコ、ハ長調、八分の九拍子。ロンド形式で、A-B-A-C-A-コーダの形をとっている。スコットランドの民謡的な詩人の詩「わが心はハイランド」のドイツ語訳から霊感を受けてこの楽章を書いたといわれている。
ローゼンブラット:ピアノソナタ 第1番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ローゼンブラット:ピアノソナタ 第1番 | Sonata #1 | 作曲年: 1986年 |
作品解説
第1番のソナタは単一楽章。3曲のソナタ作品はそれぞれ(リズムとハーモニーにおいて)ロマンティック・モダン・ピアニズム以降の伝統的な要素を持つジャズの特徴と、古典的な形式とを融合させているという(作曲者の言)。
林 光:ピアノソナタ 第1番
ミャスコフスキ:ピアノ・ソナタ 第1番 ニ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ミャスコフスキ:ピアノ・ソナタ 第1番 ニ短調 | Sonata for piano No.1 in D minor Op.6 | 作曲年: 1907-09年 出版年: 1913年 初版出版地/出版社: Jurgenson |
ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ 第1番 ニ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ 第1番 ニ短調 | Sonata for Piano No.1 Op.28 | 作曲年: 1906-07年 出版年: 1908年 初版出版地/出版社: Gutheil |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro moderato | 14分30秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Lento | 10分00秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Allegro molto | 17分00秒 | No Image |
作品解説
ラフマニノフは、2曲のピアノソナタを残している。近年比較的とりあげられるようになってきている《ソナタ第2番 変ロ短調 作品36》に対して、この《ソナタ第1番 ニ短調 作品28》は演奏される機会が非常に少ない。演奏には約40分もの時間を要する。その複雑さと長大さゆえに全体像がつかみにくいこと、また技巧的に難易度が高いことなどが、この曲が敬遠されがちな理由としてあげられるだろう。しかしながら、名ピアニストによってそれらが達成されたとき、そこに立ち現れるのは、壮大で輝かしい傑作である。1906~07年にかけて作曲され、初演は1908年、友人のコンスタンティン・イグムノフによってモスクワで行われた。
この作品は、ゲーテの戯曲《ファウスト》に念頭において作曲されており《ファウスト・ソナタ》とも呼ばれる。もともとは、1~3楽章が、順に「ファウスト」「グレートヒェン」「メフィストフェレス」と題されておりそれぞれの楽章に、同一の主題が循環して現れる。それぞれのタイトルは出版の際に外されている。
第1楽章:アレグロ・モデラート。短いが印象的な序奏にはじまる。メノモッソの短い第一主題に続き、アレグロで16分音符が激しく上下したのち、もとのテンポへ。主題は徐々に発展し、豊かな響きを増していく。第2主題は、変ロ長調オクターブのユニゾンでたっぷりと奏される。
第2楽章:レント。三連音符の波のような動きの合間をぬって旋律がゆったりとうたわれていく。中間部では徐々に激しさを増し、クライマックスへむかう。カデンツァののち、再び冒頭の雰囲気をとりもどす。コーダでは、トリルが装飾的にとりいれられ、美しい音響効果をあげている。
第3楽章:アレグロ・モルト。力強く厚みをもった音で印象的なはじまりをみせる。非常に複雑で、演奏にも高度なテクニックを要求する。さまざまな主題が登場し、大胆な力強さ、神秘的な雰囲気、リズムの面白み、また旋律の叙情性など、多様な側面をもった魅力的な曲である。
コルンゴルト:ピアノ・ソナタ 第1番 ニ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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コルンゴルト:ピアノ・ソナタ 第1番 ニ短調 | Sonate Nr. 1 d-moll für Klavier allein | 作曲年: 1908-09年 出版年: 1910年 初版出版地/出版社: Universal |
ザウアー:ピアノ・ソナタ 第1番 ニ長調
シマノフスキ:ピアノ・ソナタ 第1番 ハ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シマノフスキ:ピアノ・ソナタ 第1番 ハ短調 | Sonata fortepianowa Nr.1 Op.8 | 作曲年: 1903-04年 出版年: 1910年 初版出版地/出版社: Piwarski |
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調 | Sonate für Klavier Nr.1 C-Dur K.279 K6.189d | 作曲年: 1775年 出版年: 1799年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel |
作品解説
最初期の散逸した作品を除けば、これがモーツァルトのピアノ・ソナタ第一作。1775年初頭、ミュンヘンにおいて、第一番から第六番までが連作された。この6曲はデュルニッツ男爵の注文によって作られた。
調性はハ長調。なお、6つのソナタのうち第四番までは、それぞれ前曲の5度下の調性(下属調)が採用される。すなわち、第二番はヘ長調、第三番は変ロ長調、第四番は変ホ長調。いっぽう、第五番は第一番ハ長調の5度上の調(属調)で、第六番は更にその5度上のニ長調である。
3楽章すべてがソナタ形式。アルペジオや16分音符の装飾的なパッセージ、あるいは装飾音が、バロック期のチェンバロ音楽を想起させる一方、強弱の交代やスタッカートとレガートの対比が見られる。これらの特徴から、ピアノでの演奏を想定していたことがうかがえる。
ステンハンマル:ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ステンハンマル:ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調 | Piano Sonata No.1 in C major |
ウェーバー:ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ウェーバー:ピアノ・ソナタ 第1番 ハ長調 | Sonate für Klavier Nr. 1 Op.24 | 作曲年: 1812年 出版年: 1812年 初版出版地/出版社: Schlesinger |
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 | Sonate für Klavier Nr.1 f-Moll Op.2-1 | 作曲年: 1793-94年 出版年: 1796年 初版出版地/出版社: Artaria |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 1.Satz Allegro | 4分00秒 |
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2 | 第2楽章 2.Satz Adagio | 5分30秒 |
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3 | 第3楽章 3.Satz Menuetto-Allegretto | 3分00秒 |
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4 | 第4楽章 4.Satz Prestissimo | 4分30秒 |
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作品解説
ベートーヴェンはボン時代にネーフェに師事した成果として、既に《3つの選帝侯ソナタ》WoO.47を作曲、出版していたが、作品番号(Opus-Zahl)づけがなされる本格的なソナタの創作に着手したのは1792年にヴィーンでハイドンに師事するようになってからのことである。1793年にハイドンがイギリスへの演奏旅行に出発すると、ベートーヴェンはおそらくボン時代から暖めていたであろう作品の創作に着手する。このソナタもそうしたものの1つで、第2楽章の主題が《ピアノ四重奏曲》WoO.36-3における第2楽章の主題から転用されている。
全4楽章からなり、全楽章がヘ調に統一された構成はバロックの組曲の名残りを感じさせる。またヘ短調という調性の選択は、当時としては異例である。というのも、この時代におそらく用いられていたであろう「テンペラメント」という調律方法(現在の平均律とは異なる)では、調号が4つ以上の調性では響きの濁りが強くなるため、中間楽章の調性としては用いられても、主要楽章の調性としては用いないのが一般的であった。こうした点にも、ベートーヴェンの独創性の一端を垣間見ることができる。
(第1楽章)ヘ短調 2分の2拍子 ソナタ形式
明瞭なアレグロ・ソナタ形式であるが、主題の調性選択に既に後年のベートーヴェンを予感させる試みがみてとれる。提示部と展開部+再現部がそれぞれ反復されるハイドンやモーツァルトのソナタによくみられる、古典的なソナタ形式である。
[提示部]
マンハイム・ジャンプと呼ばれる上行する主和音のアルペッジョと、下降する装飾的な音型、そして1拍目に休符を置くことで拍節感のズレを生み出す和音の刻みによって特徴づけられる主要主題に対し、属音上でなだらかに下降する副次主題は変イ長調である。主調のヘ短調に対し、変イ長調は短3度の関係にあり、一般的な近親調関係では平行調にあたる。
この後、主要主題の分散和音要素と副次主題の下降音型の要素をバス声部とソプラノ声部に共有するもう1つの副次主題が変イ長調であらわれた後、主要主題の変形によるコデッタが置かれ、変イ長調に終止する。
[展開部+再現部]
展開部ではまず主要主題の要素が変イ長調であらわれ、増6の和音を介して変ロ短調へ転調する。下降する副次主題がゼクエンツ風に繰り返され、変ロ短調からハ短調を経由し、変イ長調に転調すると、提示部にはみられなかった楽想が経過的に挿入される。
やがてヘ短調の属音上に主要主題の装飾音型が断片的にあらわれ、再現部を準備する。
装飾音型に導かれて主要主題が再現するが、ここでは冒頭で提示された際と特徴的だった拍節のズレが修正されている。副次主題は共に主調のヘ短調で再現さる。
(第2楽章)ヘ長調 4分の3拍子
アダージョの緩叙楽章。付点八分音符+十六分音符のアウフタクトと6度(または3度)のオブリガートをともなう順次下降の主題が変奏されながら繰り返される。
主調(ヘ長調)から平行調のニ短調、属調のハ長調をめぐり、ヘ長調へ回帰し、じょじょにターンによる装飾と短い音価による装飾が多用されてゆく変奏技法はモーツァルトを彷彿とさせる。
(第3楽章)4分の3拍子 メヌエット:ヘ短調-トリオ:ヘ長調
トリオとダ・カーポを有する典型的なメヌエットだが、調性は第1楽章と同じヘ短調である。6度(および3度)の響きを基調とする仄暗い音響と、ユニゾンによる強奏が対比的に置かれている。
トリオは同主調のヘ長調に転調し、2声および3声の幾分自由な転回可能対位法を用いた楽想が反復される。
(第4楽章)ヘ短調 2分の2拍子 ロンド・ソナタ形式
プレスティッシモのフィナーレは、前半(提示部)と後半(展開部+再現部)がそれぞれ反復されるロンド・ソナタ形式(A-B-A-B-C-A-B-C-A-B)。
[提示部]
三連音符の分散和音上に和音が刻み付けられる主要主題によって開始される。主要主題はこのp(ピアノ)とf(フォルテ)の対比によって特徴付けられる和音動機と、これとは対照的な同音反復と4度跳躍を特徴にもつ3声部書法による動機からなっている。
副次主題は属調のハ短調で提示される。このオクターヴ順次下降する副次主題でも三連音符の分散和音が背景となっている。コーダは主要主題の上下(三連音符の伴奏と和音動機の配置)が転回された形で形成される。
[展開部+再現部]
展開部はまず変イ長調で新たな主題が提示される。1拍目に休符を置く和音の刻みによる伴奏形は第1楽章の主要主題に通じている。この主題がオクターヴ化されるなどして繰り返されたのち、主要主題の三連音符をともなった和音動機が断片的にあらわれ、これに導かれるように再現部に至る。このブリッジ手法も第1楽章と通じているとみてよいだろう。
副次主題も主調のヘ短調で再現され、コーダも同様にヘ短調で簡潔にしめくくられる。
ベネット:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ベネット:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 | Piano Sonata No.1 in F minor Op.13 | 作曲年: 1836-37年 出版年: 1838年 初版出版地/出版社: Kistner |
スクリャービン(スクリアビン):ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スクリャービン(スクリアビン):ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 | Sonata for Piano No.1 Op.6 | 作曲年: 1893年 出版年: 1895年 初版出版地/出版社: Belaïev |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 | No Data | No Image |
2 | 第2楽章 | No Data | No Image |
3 | 第3楽章 | No Data | No Image |
4 | 第4楽章 | No Data | No Image |
作品解説
《ソナタ第1番》は、スクリャービンがモスクワ音楽院の卒業試験を終えて間もない、1892年の夏に書かれた。この時期のスクリャービンは、過度のピアノの練習から右手を麻痺させてしまい、神経衰弱に瀕していた。コンサート・ピアニストを目指す20歳のスクリャービンにとって、それは克服しがたい障壁であった。彼はかつてない敗北感を味わい、人生の価値や宗教、神をめぐり思索するようになる。当時のメモには、このようにある。「私は熱烈に、心の底から祈り、教会に行った…。運命に対して、神に対して叫んだ。〈葬送行進曲〉つきの《ソナタ第1番》を作曲した。」
第1楽章(ヘ短調)は、悲劇的な感情の激発を思わせる第一主題に始まり、対照的に優しく穏やかな第2主題(22~30小節目、変イ長調)とともに、慣習的なソナタ形式のなかで緻密な主題労作がなされる。冒頭とは対照的に長調(へ長調)のppppで閉じられる。
第2楽章(ハ短調)は、静かで悲しげなコラールで始まる。主題を繰り返しながら、徐々に装飾的で繊細なテクスチャーが紡ぎ出されてゆく。第1楽章と同じく長調(ハ長調)で終止する。
第3楽章(ヘ短調)のプレストでは、脈動するリズムで、左手(オクターヴ)のシンコペーションが不穏な楽想を生みだす。スクリャービンはこれを、神や運命を前に屈しての“ропоты(不平のつぶやき)”と呼んだ。この主題が帰還してfffへと激発した後、レントのフレーズが最終楽章への架け橋をする。
第4楽章(ヘ短調)では、葬送の行進のリズムが低音で刻まれ、心の押しつぶされるような旋律が荘重に歌われる。中間部では極めて静かに(Quasi niente)、天上的なハーモニーが聞こえてくる。葬送の歩みが再び始まり、行列が過ぎ去るように静まった後、フォルテの悲痛な終止和音が響く。
メトネル:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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メトネル:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 | Sonata for piano f moll Op.5 | 作曲年: 1902-03年 出版年: 1904年 初版出版地/出版社: Belaïev |
カバレフスキー:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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カバレフスキー:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ長調 | Sonata for piano No.1 in F major Op.6 | 作曲年: 1927年 出版年: 1929年 初版出版地/出版社: Muzykalny sektor |
ルビンシテイン, アントン:ピアノ・ソナタ 第1番 ホ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ルビンシテイン, アントン:ピアノ・ソナタ 第1番 ホ短調 | Piano Sonata No.1 in E minor Op.12 | 作曲年: c1848-54年 出版年: by 1858年 初版出版地/出版社: Peters, Hamelle |
シェーグレン:ピアノ・ソナタ 第1番 ホ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シェーグレン:ピアノ・ソナタ 第1番 ホ短調 | Piano Sonata No.1 in E minor Op.35 | 出版年: 1903年 初版出版地/出版社: Copenhagen and Leipzig |
メンデルスゾーン:ピアノ・ソナタ 第1番 ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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メンデルスゾーン:ピアノ・ソナタ 第1番 ホ長調 | Sonate für Klavier Nr.1 E-Dur Op.6 U 54 | 作曲年: 1826年 出版年: 1826年 初版出版地/出版社: Hofmeister |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegretto con espressione | 6分30秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Tempo di Menuetto | 6分00秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Recitativo: Adagio e senza tempo | 7分00秒 | No Image |
4 | 第4楽章 Mov.4 Molto allegro e vivace | 6分30秒 | No Image |
作品解説
1826年、メンデルスゾーンが17歳の時に作曲、出版された。ベートーベンからの影響が随所にみられるが、《ソナタト短調 作品105》と比べて、独創性が増している。全4楽章からなり、続けて演奏される。平均演奏時間は25分程度。
第1楽章 ホ長調 アレグロ。コン・エスプレッシオーネ:ベートーベンの《ソナタ第28番 イ長調 作品101》を参考にして書かれており、非常に似通った性格をもっている。ソナタ形式で、短い展開部をもつ。全体的にゆったりとしたテンポを崩さず穏やかな雰囲気を保っている。
第2楽章 嬰へ短調 テンポ・ディ・メヌエット:スタッカートで軽やかに、そして優雅に奏されるメヌエットの部分と、ピウ・ヴィヴァーチェ、レガートで、柔らかく奏されるトリオの二つの部分から成る。
第3楽章 レチタティーヴ・アダージオ・エ・センツァ・テンポ:譜面では、第2楽章から続けて書かれている。レチタティーヴでは、調号と拍子記号がなくなり、小節線もかかれておらず、文字通り、話すように奏される。徐々に声部が増えていくため、注意深い耳と集中力をもって各声部を弾きわける必要がある。アレグレット・コーメ・プリマでppからffへ、響きに厚みを加えながら盛り上がり、その勢いのまま4楽章へ続く。
第4楽章 ホ長調 モルト・アレグロ・エ・ヴィヴァーチェ:全体的には、ソナタ形式に近い形をしており、2つの主題による部分、展開部的な性格をもった中間部、再現部に続き、アレグロ・コン・フォーコ、アレグロ・コン・エスプレッシオーネと続く。全体的に勢いよく曲が進むが、アレグロ・コン・エスプレッシオーネでは、これまでの勢いとは対照的にトランクイッロで奏される。第1楽章の主題が再び現れ、循環形式が用いられているが、これもベートーベンからの影響である。最後は、分散和音の静かな下降音形で、穏やかな雰囲気を増しながら、静かに曲を閉じる。
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第1番 ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シューベルト:ピアノ・ソナタ 第1番 ホ長調 | Sonate für Klavier Nr.1 E-Dur D 157,154 | 作曲年: 1815年 出版年: 1888年 初版出版地/出版社: Breitkopf & Härtel |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro ma non troppo | 5分30秒 |
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2 | 第2楽章 Mov.2 Andante | 7分00秒 |
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3 | 第3楽章 Mov.3 Minuet: Allegro vivace | 3分30秒 |
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作品解説
シューベルト初のピアノ・ソナタ。18歳の作品である。同時期に作曲された第2番と同様に、第4楽章を欠く全3楽章のソナタ。これ以前にはD 154のソナタに取り組んだが、未完に終わっている。形式は古典的ソナタの枠に収まっているが、特に第2楽章における和音の扱いなど、すでにシューベルト独自の感性が発揮され、ロマン派への入り口を開く作品である。
チェルニー(ツェルニー):ピアノ・ソナタ 第1番 変イ長調
フックス:ピアノ・ソナタ 第1番 変ト長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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フックス:ピアノ・ソナタ 第1番 変ト長調 | Sonate für Klavier Nr.1, Ges-dur Op.19 | 出版年: 1877?年 初版出版地/出版社: Leipzig |
グラズノフ:ピアノ・ソナタ 第1番 変ロ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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グラズノフ:ピアノ・ソナタ 第1番 変ロ短調 | Sonata for piano No.1 Op.74 | 作曲年: 1901年 出版年: 1901年 初版出版地/出版社: Belaïev |
シューマン:ピアノ・ソナタ 第1番 嬰ヘ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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シューマン:ピアノ・ソナタ 第1番 嬰ヘ短調 | Grande sonate pour le pianoforte Nr. 1 fis-Moll Op.11 | 作曲年: 1832-35年 出版年: 1836年 初版出版地/出版社: Kistner |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Introduzione: Un poco adagio - Allegro vivace | 15分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Aria | 3分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Scherzo: Allegrissimo. Intermezzo. Lento | 5分30秒 | No Image |
4 | 第4楽章 Mov.4 Finale: Allegro un poco maestoso | 12分00秒 | No Image |
作品解説
(諸説はあるが)1832、3年に着想され、1835年に完成。
四楽章構成。
シューマンは、3曲のソナタと、未完のソナタ(第4番)のソナタを残しているが、ソナタを書くこと自体、決して得意とはしていなかったようだ。
当時シューマン、このソナタに生命力が乏しいことを述べたあと、ソナタ形式にそのものに限界があり、今後、より自由で新しいものを創造すべきだ書き残している。
第一楽章:序奏付きソナタ楽章 嬰へ短調
1832年の作品「アレグロ・ファンダンゴ」を改作したもの。ファンタンゴとは、スペインのアンダルシア地方に伝わる舞曲リズムである。激しい感情を伴った第一主題の楽想が、楽章全体を支配する。シューマンの外交的な性格を象徴するような想像上の人物、フロレスタン的な要素が強い。
第二楽章:アリア イ長調
1827年の歌曲「アンナに寄せて(ケルナー詩)」に基づいてかかれたものである。
シューマンの内向的な一面を象徴するオイゼビス的な要素が強い楽章。情熱的ではないが、表情豊かに。
第三楽章:スケルツォと間奏曲 嬰へ短調
アレグリッシモのスケルツォ。トリオのかわりに、「ゆっくりと、ブルレスカ風に、けれど盛大に」と指定された間奏曲が挟まれている。
第四楽章:フィナーレ 嬰へ短調
繰り返されるフロレスタン的な主題に、オイゼビウス的なフレーズをもつ対位楽想も加えられ、情熱的なコーダでしめくくる。自由なロンド楽章。
スコット, シリル:ピアノ・ソナタ 第1番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スコット, シリル:ピアノ・ソナタ 第1番 | Piano Sonata No.1 Op.66 | 作曲年: 1910年 |
ショスタコーヴィチ:ピアノ・ソナタ 第1番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ショスタコーヴィチ:ピアノ・ソナタ 第1番 | Sonata for piano No.1 Op.12 | 作曲年: 1926年 出版年: 1926年 初版出版地/出版社: Muzykalny sektor |
作品解説
(1926年11月、レニングラード音楽院で作曲され、同年12月にショスタコーヴィチ自身によって初演された。当時、ショスタコーヴィチは、西欧の新しい音楽に深い興味を示しており、ストラヴィンスキーやプロコフィエフ、ヒンデミット、クシェネックらから大きな影響をうけた。この作品は、ショスタコーヴィチの初期のモダニズム、ラディカルな姿勢をよく示す怪作の一つである。しかし、そのあまりに前衛的な性格のためか、後にショスタコーヴィチ自身はこの作品に対して否定的は発言をしている。初期作品にしかみられないような書法の数々は、注目に値する。演奏所要時間は、約15分。
音楽は、単一楽章からなり、主に2つの主題が自由な展開をみせる。伝統的なソナタ形式にはのっとってはいないが、レントで奏される静かな中間部があり、これに緩徐楽章的な役割が与えられている。
音楽は非旋律的、その印象は極めて抽象的である。暴力的ともいえるほど力強く、重量感あふれる音楽の中に、めまぐるしく動き回るパッセージ、密なテクスチュア、半音階的な動き、不協和音の連続、平行和音の多用、オルガン風の響き、クラスターの効果など、あらゆる書法が盛り込まれている。この作品をみても、ショスタコーヴィチの、ピアニストとしての卓越した技量がうかがえるだろう。ちなみに、この作曲の翌年、ショスタコーヴィチは、第一回ショパンコンクールにソ連代表として出場しており、名誉賞を与えられた。
ミヨー:ピアノ・ソナタ 第1番
ヒナステラ:ピアノ・ソナタ 第1番
ブーレーズ:ピアノ・ソナタ 第1番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ブーレーズ:ピアノ・ソナタ 第1番 | Sonate pour piano No.1 | 作曲年: 1946年 |
カプースチン:ピアノ・ソナタ 第1番(ソナタ・ファンタジー)
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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カプースチン:ピアノ・ソナタ 第1番(ソナタ・ファンタジー) | Piano Sonata No.1 (Sonata-Fantasia) Op.39 | 作曲年: 1984年 |
アイスラー:ピアノ・ソナタ 第1番
ヴァイン, カール:ピアノ・ソナタ 第1番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヴァイン, カール:ピアノ・ソナタ 第1番 | Piano Sonata No. 1 | 作曲年: 1990年 出版年: 1990年 初版出版地/出版社: Chester 献呈先: Michael Harvey |
作品解説
シドニー・ダンス・カンパニー(振付家グレアム・マーフィー)の委嘱を受けて作曲され、マイケル・ハーヴィーに献呈された。初演は1992年5月、シドニー・オペラハウスにてダンスパフォーマンスとして行われた。演奏はハーヴェイ。
2楽章構成、明確な形式感、迫力ある激しいリズムと重厚な音響は、高い演奏効果をもたらす。
ヴァーレン:ピアノ・ソナタ 第1番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヴァーレン:ピアノ・ソナタ 第1番 | Piano Sonata No.1 Op.2 | 作曲年: 1906-1912年 |
ヒアネオ:ピアノ・ソナタ 第1番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ヒアネオ:ピアノ・ソナタ 第1番 | Sonata para piano Nr.1 | 作曲年: 1917年 |
ピアソラ:ピアノ・ソナタ 第1番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ピアソラ:ピアノ・ソナタ 第1番 | Sonata para piano No.1 Op.7 | 作曲年: 1945年 |
オムス:ピアノ・ソナタ 第1番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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オムス:ピアノ・ソナタ 第1番 | Sonata para piano No.1 |
スタマティ:ピアノ・ソナタ 第1番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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スタマティ:ピアノ・ソナタ 第1番 | Sonate pour piano N゜1 Op.8 | 献呈先: François Benoist |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro | 10分00秒 | No Image |
2 | 第2楽章 Mov.2 Andante non troppo lento | 5分30秒 | No Image |
3 | 第3楽章 Mov.3 Allegro vivace | 5分00秒 | No Image |
作品解説
ソナタというジャンルは19世紀に入ると過去の遺物とされ作曲の機会が非常に少なくなった。しかし世紀中葉、過去の「大家」の作品に「永遠の価値」が見出されるようになると、このジャンルの見直しが始まり「現代の古典」として同時代のピアニスト兼作曲家たちはソナタを手掛けるようになった。スタマティの作品8は、フランスのピアニストたちがノクターンや練習曲から古典的なジャンルに歩み寄り始めた時期の作品である。スタマティが早くから古典音楽に傾倒していたことを考えれば、彼がこの曲でベートーヴェンを、とりわけ《熱情ソナタ》を意識したという考えはおそらく間違いではない。実際、各楽章の調性プラン、緩徐楽章を和弦的な主題とその変奏で構成している点など、両者の間に一致点は少なくない。息の長い声楽的な主題に慣れ親しんだ同時代の作曲家はソナタにおいてしばしばベートーヴェン流の動機労作ができずに苦しんでいるが、スタマティはリズミックな主題を用いることで劇的な展開を実現している。彼の作品20と共に19世紀の傑出したピアノ・ソナタの中に位置づけられよう。音楽院オルガン科教授で作曲の助言を受けたブノワFrancois Benoist (1794-1878) に献呈。
ロゼラン:ピアノ・ソナタ 第1番
ショパン:ピアノ・ソナタ第1番 ハ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ショパン:ピアノ・ソナタ第1番 ハ短調 | Sonate c-Moll Op.4 CT201 | 作曲年: 1827-28年 出版年: 1851年 初版出版地/出版社: Haslinger, Richault |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
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1 | 第1楽章 Allegro Maestoso | 7分30秒 |
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2 | 第2楽章 Menuetto | 4分30秒 |
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3 | 第3楽章 Larghetto | 4分30秒 |
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4 | 第4楽章 Finale | 7分00秒 |
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作品解説
ワルシャワ音楽院院長で師ユゼフ・エルスネルの指導監督の下に書かれたショパンの最初のソナタ。形式習得のために書いたといわれ、全体的に未熟な書法が目立つ。あるいはむしろ、すでに独自の音楽世界を持っていた天才を、旧来の規則や規範で無理に絡め取ろうとした無残な結果なのかも知れない。後年はエルスネルもショパンの天才性を認め、自身の音楽観を押しつけるような作曲指導を断念した。ショパン自身、この作品の未熟さを認識しており、名声が確立された後に出版社がこの作品の刊行について伺いを立てたところ、ショパンが不快感をあらわにしたといわれている。
今日も演奏される機会は少ない。
第一楽章アレグロ・マエストーソ 二分の二拍子、ソナタ形式
第二楽章メヌエット 四分の三拍子 三部形式
第三楽章ラルゲット 四分の五拍子
第四楽章フィナーレ 二分の二拍子 ロンド形式
ピアノソナタ第1番
「ピアノソナタ 第1番」の例文・使い方・用例・文例
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