演奏効果
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ヨーロッパで最初にタムタムが用いられたのは、グルックによる、フランス革命の指導者ミラボーの葬送行進曲(1791年)とされるが、それ以降、ヨーロッパにおいてタムタムは嘆きや恐怖をドラマチックに表現するため、金管楽器の重い和音と一緒に使われた。 弱音での使用(単音) 単独で叩かれるタムタムの弱音は、独特のぞっとするような痛ましげな音がする。ベルリオーズの『管弦楽法』では、 での効果的な使用例としてマイヤベーアの『悪魔ロベール』第3幕の音楽が挙げられている。ロマン派以降においても、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」第4楽章での、トロンボーンとチューバの絶望的なコラールを導き出すタムタムのソロ(なお、「悲愴」交響曲においてタムタムが使用されるのはこの1打のみである)や、マーラーの『大地の歌』第6楽章「告別」冒頭部分での、低音楽器と組み合わせられたタムタムなどの使用例がある。 ロールによるクレッシェンド 最弱音から最強音まで演奏が可能であり、タムタムが最も本領を発揮する使用方法である。この方法で得られる はオーケストラの響きによく溶け込み、全体の響きを倍加させる効果がある。このような使用例としては、メシアンの『トゥーランガリラ交響曲』の第5、第10楽章の終結や、マーラーの交響曲第2番の第5楽章、ウェーベルンの『管弦楽のための6つの小品』第4曲などがある。タムタムは巨大な金属の塊であることに加え、桴が硬質でないことから反応速度が遅い。このため、ロールでのクレッシェンドも時間をかけて行われることが普通であるが、ストラヴィンスキーの『春の祭典』、レスピーギの交響詩『ローマの祭り』第1曲「チルチェンセス」のように、短時間で音量を上げることを要求する楽曲もある。 強音での使用(単音) ロールによる最強音と違い、単音での強音はオーケストラの響きからは分離した、圧倒的なアクセントとなる。クライマックス部分で見られる他、オルフの『カルミナ・ブラーナ』や、コープランドの『市民のためのファンファーレ』のように、曲の開始に使われる場合がある。刺激的な金属音であることから、レッド・ツェッペリンのようにハードロックでの使用例もある。 エスニックな表現として 中国由来の楽器であるため、アジア、特に中国をイメージさせる楽器としての使用方法もある。ラヴェルの『マ・メール・ロワ』第3曲「パゴダの女王レドロネット」の中間部に使用例がある。また、中国を舞台としたプッチーニの歌劇『トゥーランドット』ではタムタムやゴングが効果的に使用されているが、特に第1幕では、求婚の合図として「3発の銅鑼」が設定されており、ストーリーのうえでも重要な位置を占めている。
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