大地の歌とは? わかりやすく解説

だいちのうた【大地の歌】


セヴラック:大地の歌(7部からなる農事詩)

英語表記/番号出版情報
セヴラック:大地の歌(7部からなる農事詩)Le Chant de la terre作曲年: 1900-1901年  出版年1903年  初版出版地/出版社: Édition mutuelle 

作品解説

2007年11月 執筆者: 和田 真由子

セヴラック作品には組曲形式をとるものが多い。《大地の歌》もこの形式をとっており、組曲ラングドック地方にて(1903~1904)》、《セルダーニャ(1908~1911)》、と並んでセヴラック重要な作品一つである。1900年作曲された。「7部からなる農事詩」という副題つけられており、各曲に詩がつけられている。自由で独創性に富む後の諸作品と比較すると、この頃書法にはまだ厳格さ残っており、作曲の師ヴァンサン・ダンディ影響認められるところどころ旋律未熟さや、不器用さみられるものの、絵画的イメージ喚起をめざすそのピアノ書法中に独創性芽生え始めていることをコルトー指摘している。地の底からわきあがってくるようなプロローグから天空消えていくようなエピローグまで、まさに一つ大きな自然のサイクル描きだされている。どの曲にも、絶え移ろいつづけていく自然の姿が感じられ、「田舎作曲家」と形容されるにふさわしい、大地香り豊かな一曲である。

1.序曲大地の魂) / Prologue一ページ強の短い序曲。「主題の提示」では、拍子縦線はかかれていない厳粛な雰囲気の中で、グレゴリオ聖歌のような旋律が祈るように歌われる。この主題は、後に変形された形で何度登場するが、それによって曲全体統一感が与えられている。

2.耕作 / No.1"Le Labour":畑仕事描いた曲。序曲続き重みのある雰囲気をもっている。リズムのっそりとした牛の歩み、左の伴奏耕されていく土のようであり、旋律澄みきった空気のように絶え流れ続ける。終結部愛されしもの」では、重苦しさなくなり夢見るような高音響きわたる。

3.種まき / No.2 "Les Semailles":畑仕事描いた曲。4分の6拍子8分音符伴奏微妙に変化しながら、揺れるような動き静かに繰り返し続ける。付点リズム音型を伴いながら歌われる右手旋律初々しく、春の希望にみちている。「天使」と註が記されたところでは、ひそやか鐘の音遠くからきこえてくる。

4.間奏曲-夜のおとぎ話 / Intermezzo "Conte á la Veillée":おばあさんが語る夜のおとぎ話題材になっている曲。4分の5拍子静かに歩みすすめられていくその曲調はムソグルスキーを想わせる。民俗的な懐かしさや、素直な優しさ兼ね備えた旋律に、ほっと一息つくことができるだろう。

5./ No.3 "La Gr êle":組曲で最も盛り上がりをみせるこの曲では激しく降り注ぐ(ひょう)を描いている。ここでもムソグルスキーの影響感じられる。「祈願行列」の部分では、田畑の無事を祈る人々の哀願音の高まりとともに、その想い激しいものになっていく。遠くからきこえる「弔い鐘の音」。ピレネーいくつかの地方では、嵐の時に鐘をならす習慣がある。嵐が静まってゆくのと同時に左手音符の数が徐々に減り音量もppppまで落とされる最後消えるように曲をとじる。

6.刈り入れ時 / No.4 "Les Moissons":冒頭から秋の空気を感じさせる3度和音清清しく響きわたる。収穫祭りである。そこには重々しい空気もうない2拍子系のスウィングにのせて、人々の胸の弾み喜び感謝の気持ち表現されているかのようだ。〈プロローグ〉、〈耕作〉でみられた主題再度登場し、曲全体統一感を与えている。終わりに響く婚礼の鐘は、終曲にぎわい暗示している。

7.エピローグ婚礼の日 / Epilogue "Le Jour des Noces"
組曲《大地の歌》は、婚礼歓喜の中で終結迎える。8分の3拍子リズムにのせて、活気満ちた旋律賑やかに歌われる。ここできかれる「大地の歌」は、神々しいほどの光を帯びた大地賛歌”である。空に溶けていくような音色奏される夜明け告げる鐘がなり、音楽は再び、果てのない自然の中に包み込まれるようにして消えていく。


大地の歌

作者ブクン・イシマハサン・イシリトアン

収載図書海よ山よ―十一民族作品集
出版社草風館
刊行年月2004.3
シリーズ名台湾原住民文学


大地の歌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/25 04:59 UTC 版)

大地の歌』(だいちのうた、: Das Lied von der Erde)は、グスタフ・マーラー1908年に作曲した、声楽(2人の独唱)を伴う交響曲連作歌曲としての性格も併せ持っている。


  1. ^ EAM: World Premiere of Krzysztof Penderecki's Symphony No. 6 with the Guangzhou Symphony Orchestra”. www.eamdc.com. 2020年7月14日閲覧。
  2. ^ 柴田 (1990), pp. 192-193.
  3. ^ ダイヤの玉





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