抒情交響曲とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 音楽作品 > 楽曲 > 交響曲 > 抒情交響曲の意味・解説 

抒情交響曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 14:29 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

抒情交響曲』(ドイツ語: Lyrische Symphonie作品18は、アレクサンダー・ツェムリンスキー1922年に作曲した声楽つき交響曲である。1924年プラハで初演された。ツェムリンスキーの代表作の一つである。交響曲協奏曲カンタータオペラといったジャンルが綜合された作品であり、新旧のさまざまな音楽語法(調性旋法複調無調)が援用されている。

グスタフ・マーラーの『大地の歌』と同じく、アジアの詩に曲付けされており、2人の歌手が歌い交わす体裁をとる。ただしマーラー作品では漢詩が使われ、男女もしくは男声同士のどちらでも可能であるのに対して、ツェムリンスキーの作品は、ラビンドラナート・タゴール英語散文詩『園丁』のドイツ語版から相聞歌のみが選ばれており、男声同士で歌うことはできない。『抒情交響曲』において男女は、恋愛について語らいながらも、すれ違いを続けて意思疎通ができずに終わる。このような展開になるように、作曲者自身によって詩の配列も変えられている。

構成

以下の7つの楽章から成り、全曲を通して演奏するのに45分前後を要する。プログラム表記の必要から、便宜上、慣習的に各曲のインチピット(歌い出し)が楽章名に使われてきたが、出版譜においては、楽章の番号は付されていても、題名までは記されていない。

  1. わが心、穏やかならず Ich bin friedlos, ich bin durstig nach fernen Dingen
  2. お母様、若い王子様が O Mutter, der junge Prinz
  3. お前は夕暮れの雲 Du bist die Abendwolke
  4. いとしいお方、私に話して下さい Sprich zu mir, Geliebter
  5. 恋人よ、お前の甘い口づけから解き放してくれ Befrei mich von den Banden deiner Süße, Lieb
  6. 最後の歌を歌い終えたら、お仕舞いに Vollende denn das letzte Lied
  7. 安らぐがよい、わが心よ Friede, mein Herz

アルバン・ベルクはこの作品に触発されて、《弦楽四重奏のための抒情組曲》を作曲し、ツェムリンスキーの第3楽章を自作に引用している。

編成

本作では、マーラーの好んだ弦楽器のグリッサンドや、シェーンベルクが用いたトロンボーンのグリッサンドが援用されている。






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「抒情交響曲」の関連用語

抒情交響曲のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



抒情交響曲のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの抒情交響曲 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS