マグロ マグロの概要

マグロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/14 05:54 UTC 版)

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マグロ属
生息年代: ルテシアン現世
[1]
地質時代
新生代古第三紀始新世中期ルテシアン - 現世第四紀完新世サブアトランティック[ja])[1]
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
: サバ科 Scombridae
: マグロ族 Thunnini
: マグロ属 Thunnus
学名
Thunnus
South1845
英名
Tuna (その一部)

呼称

学名

属名 Thunnus仮名転写例:トゥンヌス)は「マグロ」を意味するラテン語[注 1]

諸言語名

日本語の「マグロ」は目が大きく黒い魚であること(目黒 - まぐろ)に由来するという説がある。

他にも保存する事が困難とされた鮪は、常温に出しておくとすぐに黒くなってしまう為、まっくろ→まくろ→まぐろ。と言われるようになったと言う説も存在する[要出典]

現代日本語では、マグロ属の中の1種であるクロマグロ学名Thunnus orientalis)のみを指して「マグロ」と呼ぶ場合も少なくない。また、「カジキマグロ」(カジキ俗称)および「イソマグロ」(イソマグロ属)は和名に「マグロ」を含むが、学術上はマグロ(属)ではなく、生物学の成立以前から存在した通俗名(梶木鮪、磯鮪、など)を引き継いだものである。

英語Tuna は「マグロ」と日本語訳されがちであるが、実際は上位分類群のマグロ族 (Thunnini) 全般を指し、マグロだけでなくカツオソウダガツオ(マルソウダ、ヒラソウダ)、スマなどを含む(詳細はツナを参照)。

特徴

全長は60 cmほどのものから3 mに達するものまで種類によって異なる。最大種タイセイヨウクロマグロは全長4.5 m・体重680 kgを超える。

水中生物としてはかなり高速で遊泳することができる。全長1.7-3.3 mのタイセイヨウクロマグロの群れの遊泳速度を測定した結果、平均の遊泳速度は時速3.6-10.8 kmと計算されている。また、瞬間的な最大速度は時速80 kmに達すると推定されている[2]

体型は紡錘形で、体の横断面はほぼ楕円形、は胸周辺を除けばごく小さいかほとんど無く、高速遊泳に適した体型である。吻はわずかに前方に尖る。尾鰭は体高と同じくらいの大きな三日月形だが、それ以外の各鰭は小さい。第二背鰭と尻鰭の後ろにはいくつかの小離鰭(しょうりき)がある。ただし、種類や成長段階によっては胸鰭・第二背鰭・尻鰭などが鎌状に細長く伸びるものもいる。

筋肉内の血管動脈静脈が近接する、奇網(きもう : Rete mirabile)という構造を持つ。これで体内の熱が逃げるのを防ぎ、体温を海水温より高く保って運動能力の低下を抑える。

生態

全世界の熱帯温帯海域に広く分布するが、種類によって分布域や生息水深が異なる。海中では口と鰓蓋を開けて遊泳し、ここを通り抜ける海水呼吸する。泳ぎを止めると窒息するため、たとえ睡眠時でも止まらない。

食性は肉食で、表層・中層性の魚類、甲殻類頭足類などを捕食する。海洋の食物連鎖においてはクジラアザラシカジキサメなどと並ぶ高次の消費者である。それ故に相対的に個体数が少なく、また、生物濃縮によって汚染物質を蓄積しやすいため、様々な問題も起きている(後述)。


注釈

  1. ^ 大プリニウス『博物誌』にも用例がある。この語自体は古典ギリシア語 θύννος欧字転写:thýnnos、仮名転写例:テュンノス)からの不規則な借用。

出典

  1. ^ a b Sepkoski, Jack (2002). “A compendium of fossil marine animal genera”. Bulletins of American Paleontology 364: p.560. オリジナルの2013-02-26時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/cYGWq 2010年4月6日閲覧。. 
  2. ^ Wardle, CS and Videler, JJ and Arimoto, T and Franco, JM and He, P (1989). “The muscle twitch and the maximum swimming speed of giant bluefin tuna, Thunnus thynnus L.”. Journal of fish biology 35 (1): 129-137. 
  3. ^ a b 「大間のマグロ3億3360万円 豊洲初セリで史上最高値」朝日新聞デジタル(2019年1月5日)2020年1月19日閲覧
  4. ^ Richard Thomas Lowe (1802-1874, British botanist, ichthyologist, malacologist, and clergyman) or Percy Lowe (1870–1948, English surgeon and ornithologist)
  5. ^ 「マグロ、48時間熟成でうまみ増加 くら寿司と東大院」日本経済新聞ニュースサイト(2019年11月7日)2020年1月19日閲覧
  6. ^ 家計調査 (二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング 総務省統計局
  7. ^ “大間のマグロが過去最高値3億3360万円 豊洲市場で初の初競り”. NHKニュース. (2019年1月5日). オリジナルの2019年1月5日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/Thoeh 
  8. ^ 青鉛筆『朝日新聞』昭和48年(1973年)2月7日朝刊、13版、19面
  9. ^ 遠洋殺人が急増 大半、マグロ漁船内『朝日新聞』1976年(昭和51年)1月25日朝刊13版、19面
  10. ^ 臼福本店(宮城県気仙沼市)遠洋マグロ船、快適に 個室増やしWi-Fi完備日本経済新聞』朝刊2020年1月21日(東北経済面)2020年2月4日閲覧
  11. ^ 「現代の奴隷」 台湾の漁船ではびこる人権侵害”. AFP (2021年6月3日). 2021年6月3日閲覧。
  12. ^ 米「中国漁船で強制労働」 操業企業からの輸入禁止へ”. 日本経済新聞 (2021年5月29日). 2021年6月3日閲覧。
  13. ^ 読売新聞政治部『検証 国家戦略なき日本』新潮社 ISBN 410136771X 145-146頁
  14. ^ 近畿大学水産研究所 世界初、完全養殖クロマグロ養殖用稚魚を出荷 「近大マグロ」普及、天然資源保全へ大きな一歩”. 近畿大学. 2011年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月31日閲覧。
  15. ^ a b 『朝日新聞』2010年3月12日朝刊
  16. ^ “クロマグロ:「半減」の危機 完全養殖が日本の食卓救う?”. 毎日新聞. (2010年3月11日). オリジナルの2010年3月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100313124603/http://mainichi.jp/life/food/news/20100311k0000e040055000c.html 2010年3月16日閲覧。 
  17. ^ TAFCOの事業(クオリティー)まぐろ養殖”. 大洋エーアンドエフ. 2016年3月5日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年10月12日閲覧。
  18. ^ “「近大マグロ」いよいよ世界へ”. ニュースイッチ (日刊工業新聞社). (2017年10月8日). https://newswitch.jp/p/10655 
  19. ^ 川上宏之、天倉吉章、堤智昭、佐々木久美子、池津鮎美、稲崎端恵、久保田恵美、豊田正武「マグロ肉における脂質含有量とダイオキシン類,総水銀およびメチル水銀レベルの関係について」『食品衛生学雑誌』第51巻第5号、日本食品衛生学会、2010年、 258-263頁、 doi:10.3358/shokueishi.51.258NAID 130000454952
  20. ^ What You Need to Know About Mercury in Fish and Shellfish: EPA and FDA Advice For Women Who Might Become Pregnant, Women Who are Pregnant, Nursing Mothers”. FDA (2004年3月). 2013年3月17日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年8月18日閲覧。
  21. ^ “High Mercury Levels Are Found in Tuna Sushi”. The New York Times. (2008年1月23日). http://www.nytimes.com/2008/01/23/dining/23sushi.html 2008年2月22日閲覧。 
  22. ^ 2008/02/01熊本日日新聞記事「進むマグロの水銀汚染」について”. 国立水俣病総合研究センター. 2012年5月17日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年12月11日閲覧。
  23. ^ 厚生労働省の公開文書:2003年6月2005年6月
  24. ^ a b 欧州食品安全機関(EFSA)、水産物中のメチル水銀のリスクと比較した魚介類/水産物摂取の便益に関する声明書を公表 食品安全委員会 2015年(平成27年)1月22日
  25. ^ 笠松不二男「海産生物と放射能 -特に海産魚中の137Cs濃度に影響を与える要因について-」『Radioisotopes』第48巻第4号、日本アイソト-プ協会、1999年4月15日、 266-282頁、 doi:10.3769/radioisotopes.48.266NAID 10002684756
  26. ^ 文部科学省日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  27. ^ 厚生労働省日本人の食事摂取基準(2015年版) (PDF)
  28. ^ USDA Food Composition Databases”. United States Department of Agriculture. 2019年3月31日閲覧。
  29. ^ 河端 治、石坂公成、三浦利之 ほか「メバチマグロ刺身によるアレルギー樣食中毒とその原因細菌」『日本水産学会誌』1956年 21巻 10号 p.1100, doi:10.2331/suisan.21.1100
  30. ^ 佐々木広治「マグロの照り焼きによるヒスタミン食中毒」『食品衛生学雑誌』1989年 30巻 5号 p.454-455, doi:10.3358/shokueishi.30.454
  31. ^ 鈴木淳「魚類からの粘液胞子虫の検出状況」『日本食品微生物学会雑誌』2012年 29巻 1号 p.65-67, doi:10.5803/jsfm.29.65
  32. ^ 札幌市中央卸売市場に流通する鮮魚介類の粘液胞子虫寄生状況について『札幌市衛研年報』39,48-52(2012) (PDF)
  33. ^ 第54回 微生物・ウイルス専門調査会/資料4:クドア属粘液胞子虫 評価の方向性について(案) 食品安全委員会 クドア属粘液胞子虫の食品健康影響評価について
  34. ^ 東京都内で発生したクドアが原因と考えられる下痢症について 国立感染症研究所
  35. ^ 生鮮「マグロに広がる寄生虫汚染の実態 全国で食中毒多発、メジマグロは67%が汚染」ビジネスジャーナル 記事:2015.02.12
  36. ^ 食中毒疑い事例で収去された魚からのクドア属粘液胞子虫の検出状況 東京都健康安全研究センター
  37. ^ 川瀬雅雄、吉岡丹、細谷美佳子 ほか「【原著】Kudoa hexapunctata 寄生メジマグロが原因と疑われる有症事例と患者便検査に関する検討」『日本食品微生物学会雑誌』2015年 32巻 1号 p.48-53, doi:10.5803/jsfm.32.48






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