クドア・セプテンプンクタータ
英語:Kudoa septempunctata
ヒラメに寄生することが知られている寄生虫。クドア属の寄生虫の一種であるが、単に「クドア」と呼ばれることも多い。
クドア属は粘液胞子虫と呼ばれる寄生虫の一種で、主にゴカイ類などに寄生する。クドア・セプテンプンクタータは特にヒラメの筋肉に寄生し、ヒラメを刺身にして食べた場合に人体に取り込まれ、下痢や嘔吐などの食中毒症状を引き起こす場合がある。
クドア・セプテンプンクタータは、他の粘液胞子虫と同様、人には寄生しないと考えられている。クドア・セプテンプンクタータが人に寄生した例は報告されていない。一過性の食中毒症状を起こした後は回復するとされる。
2012年7月14日に、山形県新庄市で5人が食中毒に罹り原因調査が進められていた件で、7月18日に、患者らが食べた韓国産ヒラメの刺身からクドア・セプテンプンクタータが検出されたことが発表された。
関連サイト:
ヒラメを介したクドアの一種による食中毒Q&A - 農林水産省
ヒラメの寄生虫による食中毒について - 山口県生活衛生課
クドア【Kudoa】
クドア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/08 21:20 UTC 版)
クドアは主に海産魚類に寄生することで知られる粘液胞子虫である[2]。以前より魚肉の美観を損ねることで水産業上重要視されていたが、2010年代に海産魚類の生食による食中毒の原因となることが判明して食品衛生の観点からも注目を集めている。分類学的にはクドア属に100種ほどが知られており、この1属をもってクドア科を構成する。
- ^ a b c d Paul A. Meglitsch (1947). “Studies on Myxosporidia from the Beaufort Region. II. Observations on Kudoa clupeidae (Hahn), gen. nov.”. J. Parasitol. 33 (3): 271-277. doi:10.2307/3273561.
- ^ a b c “衛生環境研究所にゅーす”. 京都市衛生環境研究所. 2019年5月30日閲覧。
- ^ a b c d “ヒラメのKudoa septempunctata (PDF)”. 寄生虫評価書. 食品安全委員会 微生物・ウイルス専門調査会 (2015年11月10日). 2019年5月29日閲覧。
- ^ a b Whipps et al. (2004). “Phylogeny of the Multivalvulidae (Myxozoa: Myxosporea) based on comparative ribosomal DNA sequence analysis”. J. Parasitol. 90 (3): 618-622. doi:10.1645/GE-153R.
- ^ 佐藤宏、笠井亨浩「日本ならびにその近海で記録されたクドア属粘液胞子虫(1930〜2016) (PDF) 」 『獣医寄生虫学会誌』第15巻第2号、2016年、 111-138頁。
- ^ 横山博・長澤和也「養殖魚介類の寄生虫の標準和名目録 (PDF) 」 『生物圏科学』第53巻、2014年、 73-97頁。
- ^ a b c 横山博「クドア症」『魚病研究』第51巻第4号、2016年、 163-168頁、 doi:10.3147/jsfp.51.163。
- ^ Thélohan, Prosper (1895). “Recherches sur les Myxosporidies”. Bull. Sci. France & Belgique 26: 100-394 .
「クドア」の例文・使い方・用例・文例
- ハッチバックドアがついた車
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