蒼き鋼(蒼き艦隊)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 04:33 UTC 版)
「蒼き鋼のアルペジオ」の記事における「蒼き鋼(蒼き艦隊)」の解説
千早群像率いる、元“霧”の艦であるイ401を旗艦とした艦隊。艦艇色は青系統と灰色(軍艦色)。現在イオナ、ヒュウガ、タカオの三艦が所属。イ401以外は一度船体を失って“霧”側に回収されているため、霧の艦艇としてはイ401のみが単独で存在する状態だが、代わりに人類側の新世代の潜水艦である白鯨と共同で行動するようになっている。なお、イ401のクルーは静を除き、横須賀の海洋技術総合学院の同級生である。 千早 群像(ちはや ぐんぞう) 声 - 福山潤 / 興津和幸 本作の主人公。18歳。海洋技術総合学院の士官候補生だったが、物語開始時の2年前に海洋技術総合学院へ生徒として潜入していたイオナと出会い、政府の制止を振り切り2人で出奔、イ401の艦長となる。タカオからの攻撃を直前で察知するなど戦況分析に秀でる。海洋技術総合学院での成績は総合2位(杏平曰く「万年2位」)。常に冷静沈着で、若くして政府高官とも対等に渡り合えるほどの度胸を持ち、聡明な頭脳と機転で的確な戦術を即座に立案する。その姿勢はタカオのように敵さえも魅了するほどだが、ゾルダンに敗北した際は自室で感情的になるなど内面には年相応の幼さも残る。 上陰次官補より鹿島沖に展開中の“霧”の巡洋艦の撃沈依頼を受けた。 新兵器・振動魚雷のアメリカ合衆国への移送依頼を受ける。 “霧”の艦艇の多くがメンタルモデルを持ち始めたことを受け、メンタルモデルによってコミュニケーションが可能であるのではないかと考えており、その事実こそが世界を変える鍵だと考えている。 対黒の艦隊戦ではマツシマをコアとしたオプション艦による超重力砲を自らが搭乗した状態で戦闘を行うという、いわば自身を囮にした作戦を行う。しかし作戦は成功したが、コンゴウが撃沈寸前に放った攻撃がマツシマに直撃してしまう。その後、船首のみとなったコンゴウに激突される形でマツシマから回収され、束の間の会話を行ったあと、負傷した肉体の修復も兼ねてハシラジマに設置された医療カプセル内で眠りにつくことになる。 Depth:094にて、アドミラリティー・コードの手によって回復措置を施されて覚醒する。グンゾウ コンゴウやチョウカイが損傷した群像の身体を新たに構築し、群像の記憶や心を再現しようとしたクローンだが、完全再現には至らず子供の姿をしている。 コンゴウやチョウカイが群像の魂を幾度も移そうと試した結果、グンゾウには群像の精神の鋳型しか受け継がれず、結果的にメンタルモデルと人間のハイブリッドとして固有の自我が芽生えつつあり、群像の復活後もハシラジマに滞留している。 アニメ版 顔つきがより中性的になっている。イオナとの出会いが少し変更されている。コンゴウを招いて硫黄島で会食を開くなど、独自のアプローチで霧と分かり合おうとしていたが、警戒していたコンゴウの策でそれも失敗に終わる。コンゴウとの交戦を切り抜けた先でイ400に撃沈され生命の危機に陥るもイオナの尽力で助かり、タカオ達に救助された。その後は復活したイオナの指揮を取ってアメリカへ向かい、追跡してきたコンゴウを退けてアメリカに振動弾頭を届けることに成功した。『DC』ではヒエイに「誰もが幸せになるために生まれてきたんだ」と説き、電波ジャックで姿を現した翔像の姿に驚愕する。しかし、『Cadenza』ではムサシと邂逅したイオナから過去の真相を伝えられ、翔像が人類を裏切っていなかったことを知り安堵した。そして、イオナ・タカオ・ヒュウガ・ハルナ・キリシマ・コンゴウらと共に「蒼き艦隊」としてムサシを倒し、役目を終えて消えていくイオナを涙ながらに見送る。全てが終わった後は翔像と沙保里の墓に訪れ、終わったことを報告した。 イオナ【イ401】 声 - 悠木碧 / 渕上舞 元“霧の艦隊”所属の艦艇で、旧帝国海軍伊四〇〇型潜水艦二番艦・伊四〇一の形状を模す。「イオナ」の名は人類からもらったという。「霧乃イオナ」と名乗り海洋技術総合学院へ生徒として潜入していた時期があり、この時のデータを元にタカオやイ402が人類と接触するための行動パターンを構築している。現在は自分の意思で群像達をクルーと認め、その指示・操作に従って行動している。 ヒュウガの手による改装で本来“霧”の潜水艦には搭載されていない超重力砲を装備。ただし戦闘能力と引き換えに、同型艦のイ400やイ402が持っている超戦艦並の探査能力を犠牲にしており、タカオの捜索に後れを取る要因となった。硫黄島放棄後は、ヒュウガが副処理装置としてサポートに付き、超重砲艦「イツクシマ」「ハシダテ」その中枢艦兼随伴補給艦「マツシマ」などのオプション艦を用いたミカサ戦術システムの運用など、飛躍的に戦闘能力を高めている。なお、オプション艦はヒュウガが自身の使った旗艦装備を元に作ったもので、従来の霧の艦とは異なり重要部だけナノマテリアルが使用されたハイブリッド艦となっている(401自体も補給が難しいナノマテリアル消費を抑えるために、人類側の資材で代替可能な部位はそれに置き換えている)。さらに霧では運用を止めている艦載機としてセイランを3機搭載している。 メンタルモデルであるイオナは銀髪の小柄な少女の姿をしており、服装はTシャツにショートパンツなどのカジュアル系が多い(コンゴウ艦隊との戦闘突入後は群像が別行動しているからか、「万年二位代理」と書かれたTシャツを着ている)。必要なこと以外はあまり喋らない寡黙なタイプであるが、ふざけた言い回しをしたり、いわゆる「ギャグ顔」的なとぼけた表情が描かれることもあり、無愛想というわけではない。実はなかなかイイ性格をしており、イ402によるとタカオに負けず劣らずなツンデレである模様。演算キャパシティの余裕にもよるが、人手不足などで手が必要な場合、額に番号が振られた3頭身くらいにデフォルメされた小柄な分身体を出現させて作業に従事させることもできる。メンタルモデルを持つ“霧”の艦の中ではヤマトに並ぶ最古参の一人。対コンゴウ戦においては、船体コントロールの全てをクルーに任せて自身はセイランのコントロールに集中するなど、群像を含めた401クルーに対して強い信頼を持っていることが伺える。 霧の艦隊を離れても戦術ネットワークに繋がったままであるのは霧側の者達も本人からすらも疑問に感じられていた事柄だったが、二時間のシステムチェックとして眠りについている間に行われた「自己診断プログラムみたいな物」を名乗る存在との精神世界での会話(自己診断プログラム曰く「これは夢のようなもの」)によって、実はイオナそのものが戦術ネットワークであり、自分自身を切り離せるわけがないという事実が明かされる。その会話の際のイオナの姿は普段表出しているメンタルモデルとは髪色や服装がまったく異なっており、自己診断プログラムによるとこのイオナのことは表のイオナ自身を含めてまだ誰にも気づかれておらず、ネットワークの件もこのイオナのことも表のイオナが知らないのは自分自身で設定したことであり、それが正常で完璧に動作している証であるという事実も判明。「自己診断プログラムみたいな物」も含めたイオナについての新しい謎が描写された。しかし目覚めたイオナはこの会話のことを記憶しておらず、他にも何かあったようなという感覚はあってもログにはシステムチェックと記録されているのみだった。アニメ版 性格が大きく変わっており、服装は青いセーラー服で統一されている。分身体も存在しない。原作のようなギャグ表現をすることは無くなり常に無表情で、無垢で機械的な少女といった風になっており、群像を乗せた理由についても初期時点では「『群像を乗せ、群像に従え』という命令に従った」と言っている。しかし、硫黄島で出会ったタカオの問いかけを切っ掛けに自らの存在に思い悩むようになり、感情を表すようになった。ヒュウガ曰く、スペシャルで突然変異の存在であり、それが進化なのかあるいは癌細胞のような悪性変異であるのかは未知数とされる。また、刑部邸襲撃の際にメンタルモデル姿で乱入し白兵戦で陸軍部隊を壊滅させ、ハルナや蒔絵を救出する場面が新たに追加された。彼女が霧側のネットワークの基幹的存在である事実はアニメ劇中では言及されないが、メンタルモデルが概念伝達にてコミュニケーションを行う東屋のある仮想空間は、イ400によればイオナが生み出したものであるという形で暗示されている。 硫黄島を襲撃したコンゴウから逃走することに成功するも直後に400と402によって撃沈されて船体の大部分を失い、群像自身を犠牲にして船体の保全を優先せよとの命令に背き、メンタルモデルのナノマテリアルをも費やして彼の生命維持を優先し、ユニオンコアのみに成り果てる。直後タカオによって救われ、彼女の船体と引き換えに復活した。この際タカオと個性が混ざり合い、船体は401の本体にタカオの艤装を得たようなハイブリッドの姿「“アルス・ノヴァ”モード」に変貌を遂げている。姉妹艦の400と402との戦闘では彼女達と戦いたくない旨を内心抱いていた。追跡してきたコンゴウが死を覚悟していることを察し、彼女を救うため、単身にて乗り込み現実世界と仮想空間で同時に最終決戦を挑む。アニメ本編終了時には“アルス・ノヴァ”モードは解除されている。 劇場版ではアニメ版における彼女の正体が判明し、潜水艦が自力ではメンタルモデルを形成出来ないこと、今のイオナはヤマトからコアを譲り受けた人形(バックアップ的存在)に過ぎないことが明かされた。また、元々はムサシ直属の巡航潜水艦だったが、ヤマトが撃沈された際にムサシ旗下の艦艇の中で海中に沈みゆく彼女の一番近くに居たために彼女の最後の願いと言い換えても良い勅命を受け、日本に赴いたことがアニメ版における全ての始まりとなっていることも語られた。『Cadenza』ではヤマト復活の際にイオナの人格は消滅するとムサシは考えていたが、終盤にヤマトの力を発現させた際には両者の記憶が混ざり合ったような状態でありながら主人格はイオナのままであったため、ムサシから激しく拒絶された。決戦においてヤマト・ムサシと共に消滅したかのように思われたが、エンドロール後のパートで健在であるという解釈も可能なラストになっている。 艦体の艦番号I-401の下に書いてあるのは、「"Dreifach ist der Schritt der Zeit: Zoegernd kommt die Zukunft hergezogen Pfeilschnell ist das Jetzt entflogen Ewig still steht die Vergangenheit..."」というフリードリヒ・フォン・シラーの詩で、意味は「時の歩みは三重である:未来はためらいつつ近づき、現在は矢のように速く飛び去り、過去は永久に静かに立っている…」となる。 橿原 杏平(かしはら きょうへい) 声 - 白石稔 / 宮下栄治 イ401火器管制担当。常にゴーグルを着用している浅黒い肌をした陽気な男。肩にはタトゥーがある。学院での成績は総合200番台だが、砲術と水雷は10位以内で、その砲雷撃技術は霧の艦隊からも賞賛を受けるほど。艦内に映像ソフトを各種持ち込んでおり、中でも「ハイソニックミクちゃん」なるアニメ作品はイオナもお気に入りであるらしい。 当初イオナに対しては“霧”のデータベースにアクセスできることなどから疑念が残っており、少なくとも対タカオ戦直後の時点ではまだ完全に払拭できていない模様。アニメ版 アニメオタク的な描写は無いが、身につけているシャツには「HI-sonic」のロゴがある。艦橋の火器管制コンソールの周りにピンナップを何枚も貼り付けているが、これが実写グラビアなのかアニメキャラであるのかは不明。 八月一日 静(ほづみ しずか) 声 - 東山奈央 ソナー・センサー担当。前髪を切りそろえたストレートロングの黒髪に眼鏡をかけた少女。彼女のみ他のクルーより後から参加している。硫黄島基地が襲撃された際、「特殊部隊の相手は無理」と言いながらもトラップ類を駆使してプロの軍人をかなり翻弄しており(硫黄島で対峙した軍人からは偵察兵の手口と評される)、なんらかの実戦経験がある様子をうかがわせた。兄と父から戦闘技術を学んだような描写がある他、台湾に残された日本人であり父も兄も存命、群像達が台湾に寄港時にクルーになったらしいが、参加の経緯を含めて過去は現時点では不明。アニメ版 対ヒュウガ戦を題材としたドラマCDで、401に乗船するため台湾から船で日本へ向かう途中に船をヒュウガによって沈められ、漂流していた所を偶然通りかかった401に保護されて、以後クルーとなったことが明かされている。 織部 僧(おりべ そう) 声 - 杉田智和 / 松本忍 イ401副長。論理的で常識的判断が特徴。群像と琴乃の幼馴染で、当時から今に至る群像の心情を案じている。頭部を全て覆い隠す形状の高性能マスクを常に着けており、素顔は不明。ドラマCDによると学院時代には「アレルギー持ち」として知られていた模様。アニメ版ではマスクを「アレルギー避け」として説明していた。杏平曰く、プレゼン資料やリストの作成といった作業を非常に好むタイプ。学院での成績は総合4位。普段は群像の補佐や艦内のダメージコントロールを担当しているが、操舵の腕前は一級品であり、『Cadenza』ではその操舵技術を発揮している。 四月一日 いおり(わたぬき いおり) 声 - 豊崎愛生 / 津田美波 機関・技術担当。担当故に1人だけ配置がブリッジと離れているため、よくイオナ2号(前述の“分身体”)を派遣してもらっている。イオナと仲が良く、作戦会議などの際には2人でくっついている姿がよく見られる。学院での成績は総合5位。もっとも霧の動力源を知る人類と評されている。有毒ガスの充満する機関室でミョウコウの攻撃で受けた破損に伴う動力源の修理を行っている時、酸素を供給するホースが破損し生命の危機に陥るが、破損箇所から偶然入り込んだアシガラとハグロに発見され、アシガラの個人的な思惑から救助される。Depth:068時点では意識は戻っていないものの、容態は安定しているとイオナが群像に説明している。 その後、横須賀に撤退してきた401から治療のため上陰に預けられる。そして統制軍総合病院で厳重なセキュリティの中療養しておりそんな中プレゼントに紛れたキリシマの訪問を受ける。アニメ版 分身体が存在しないため、イオナ2号と戯れる描写が無く、被弾に伴うシーンもカットされているので意識不明になる描写もない。 タカオ 声 - 佐藤利奈 / 沼倉愛美 旧帝国海軍高雄型重巡洋艦一番艦・高雄の形状を模した元“霧”の艦。メンタルモデルは蒼い長髪にスレンダーな体つきの女性の姿。イオナと同じように、デフォルメされた分身体を出して様々な雑用をさせている。ヒュウガの言によれば「乙女プラグイン」なるものを実装済みで、それ故か群像に対して恋心にも近い感情を抱いており、時折妄想にふける場面も見られる。イオナ曰く「ツンデレ重巡」。 登場時には名古屋沖に配備された“霧”の早期警戒艦であったが、潜水艦501を伴ってイ401と交戦し敗退。この時の経緯から人間、特に千早群像(当初は艦のユニットとしての『艦長』)に対して強い興味を抱き、“霧”の指揮系統から独断で離れ出奔。1週間程度を人間社会に紛れて過ごした後、硫黄島基地へ先回りして群像らを待ち受けていたところをヒュウガに拿捕され、それ以来一行に加わることとなった。ヒュウガとは群像とイオナを巡る双方の利害の一致から協力関係を結ぶが、実際のところ各々の群像とイオナに対する評価が正反対であることからケンカになることも多い。 その後、群像らとは別働隊として横須賀方面に向かうが、ここでU-2501と接触し交戦。2501にも多大な損害を与えたものの撃破され、艦体は喪失、メンタルモデルにも損傷を受けてしまう。この戦闘後、イ402に救助されて総旗艦艦隊と緋色の艦隊が秘匿事項としているミラーリング・システムを目撃したことによってU-2501との戦闘記録のロックの上で総旗艦ヤマトの身柄預かりという形で少量のナノマテリアルが与えられてメンタルモデルのみ修復された。現在はイ402と共に横須賀へと赴いており、そこで「蒼樹タカオ」と名乗り海洋技術総合学院の生徒として過ごしながら、キリシマとハルナがかつての第4施設焼失事件を調べるために訪れるのを待ちかまえている。そこでの生活で男子生徒に異常にモテており、男子を近づけないよう女子生徒が周りをガードしていたり、下駄箱からラブレターが雪崩のように溢れる様が描写されている。 ハルナが学院に転入後、ナノマテリアルで新しい船体を作りマヤと顔見せ程度にやりあう。アニメ版 イオナと同じく分身体が存在しない。硫黄島までは原作と同じだが、コンゴウが群像達に宣戦布告した後、“一宿一飯の恩”という名目で蒼き鋼の艦隊に加わる。同時に艦の発光色も赤から青に変化した。401の代わりに振動弾頭とイオナのクルーおよびハルナ、キリシマ、蒔絵を乗せ、こちらが囮艦であるかのように振る舞うという群像の作戦を実行しコンゴウを欺いた。撃沈された401の捜索をヒュウガですら諦めようとする中、一人で必死に探し続け、発見した後自身のナノマテリアルをすべて使い、401を主体に融合した。だが、ユニオンコアは無事であり「イ401“アルス・ノヴァ”モード」の自立制御プログラム内に存在している。戦いが終わった後、メンタルモデルが修復されている。 『Cadenza』ではヒュウガの支援で船体を回復。群像のお使いとして横須賀に赴いており、原作同様に海洋技術総合学院の制服に身を包んでいる。ダイオミード諸島の海戦ではヒュウガが勝手に組み込んだボーリング・システムでアシガラと文字通りの格闘戦を繰り広げるが、カッコ悪い、軍艦らしくないという理由で文句を言いつつ戦っていた。最終的に船を降りてメンタルモデル・アシガラと取っ組み合っている最中にイオナの停戦命令を聞く。 ヒュウガ 声 - 藤田咲 元々は旧帝国海軍伊勢型戦艦二番艦・日向の航空戦艦時を模した“霧”の大戦艦。“霧の艦隊”所属時には東洋方面第2巡航艦隊旗艦で、タカオもキリシマも当時は彼女の麾下であった。物語開始時点の前年にイ401と交戦し、敗退。ユニオンコアは無傷であったがこの敗北を以ってイオナに対して完全に心酔してしまい、群像らの協力者となった。 交戦時点ではメンタルモデルは保持していなかったが、麾下となるにあたり群像の指示で生成させ、以降、本編登場時より艦は持たずメンタルモデル単体で活動している。メンタルモデルの外見は片眼鏡を掛けた知性派然とした女性の姿をとり、科学者風に白衣をまとっていることも多い。ただし外見に反して性格はかなりはっちゃけており、あまりの変人っぷりにギャグキャラとして描写されることが多い。イオナに対しての感情はかなり同性愛方面へと向かっているため、イオナの艦長である群像を嫌っている(硫黄島脱出後は比較的理知的な描写が増えており、少なからず群像のことを認めるような描写も増えてきている)。 姉であるイセのことは相当苦手らしく、ユキカゼからイセが来るということを聞かされただけで即座に自分の回収を願うほどに苦手としている。マツシマで作戦行動をとる群像の時間稼ぎをするために単独で出撃し、ヒエイと対峙する。巧みな話術でヒエイの気を逸らしながら、かつての自身の船体の残存ナノマテリアルで構成した主砲ユニットを直前まで移動させることに成功したものの、結果的にヒエイと相打ちという形となる。その後コアのみの状態となりながらも群像の補助を行う(コアのみの状態では通信もできないため、自身のコアの周囲に輪状のアンテナユニットと思われるものを構成している)。その直後ユキカゼにコアの回収を提案されるも群像とイオナのサポートのために拒否するも、上記に通りユキカゼからイセが来ることを聞かされた結果、ユキカゼに自身の回収を依頼する。401のコンゴウ撃沈と同時にコンゴウにより狙撃されたマツシマに乗る群像を救出するために、ユキカゼと共に行動を開始するが、ユキカゼに対してヤマトが撤退命令を出したために救出をあきらめて海域を離れることとなる。ヤマトによってコンゴウの後釜としてメンタルモデルと艦体を再製造されたうえ第一巡航艦隊の旗艦にすえられることとなった。 イオナ曰く「メカフェチ」であり、蒼き艦隊に敗北後は人間の工学技術とものづくりに興味を向けた。残存していたナノマテリアルを流用しての硫黄島基地の改装と401への超重砲の搭載を始め、基地撤収後にはナノマテリアルに頼らない技術開発を進めており、401のオプション艦のような人類と霧の技術とのハイブリッドである装備の建造と運用など、“蒼き鋼”の技術・開発方面を一手に引き受ける後方支援の総責任者的立場となっている。コンゴウはタカオやキリシマといった元・第2艦隊のメンタルモデルが創意工夫に富んでいることについて、艦隊旗艦であったヒュウガの影響ではないかと推測し、それを感知したヒュウガは「人に噂されたらくしゃみをするらしい」とくしゃみをしてみせるなど、「霧」として情緒面でも成長が著しい。 イオナと蒼き艦隊に撃沈され完敗した際、「自信、その喪失」という概念を獲得した。以降の行動は、行動の中で自信を取り戻すことが動機のひとつとなっていることが当人の口から語られている。アニメ版 メンタルモデルを生成した時期は群像達が硫黄島を留守にしている間であり、新規にハルナやキリシマと出会うシーンが描かれた。暴走気味の平常時に反して、イ401が行方不明となった際には、激昂するタカオとは対照的に冷静な判断を下す自制心を発揮するなど、ここぞという時には艦隊旗艦級に恥じぬ頼もしさを見せる。『DC』では回収した402のコアを解析し、ヤマトとムサシがいるとされる海域を突き止める。『Cadenza』では硫黄島のナノマテリアル全てを使ってタカオの船体を復元。ナノマテリアルが足りなかったために超重力砲を積めなかった代わりに、密かにマグマ採掘用のボーリング・システムをタカオの船体に搭載していた。原作同様心底では自信を持てなくなっているらしく、大戦艦ヒュウガの船体を作りなおさずタカオに主導権を渡した。
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