仙台藩 家臣の家格

仙台藩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/26 14:14 UTC 版)

家臣の家格

  • 一門
    • 一門(大名) - 支藩内分大名の事。将軍直臣であるが、仙台藩からも一門の家格を与えられている。
    • 一門(家臣) - 戦国時代の有力大名だった家や、縁戚関係にある家で、客分扱い。常時の藩政には関与しない。
  • 一家 - 戦国時代の在地有力領主、輝宗の頃までに臣従した有力家臣、伊達氏庶流の家など。
  • 準一家 - 戦国時代の有力大名の家臣や、在地領主
  • 一族 - 伊達家代々の家臣で、一家層よりも古くから臣従した家が多い。
  • 永代着坐
    • 宿老(永代着坐一番坐) - 伊達家代々の家臣で家政を司った。公式文書には奉行職と同格で連著した。奉行職に就任した場合は一家の待遇を受けた。
    • 着坐(永代着坐二番坐) - 正月、藩主に太刀と馬を献上し、坐に着いて盃をもらう。政宗の頃に低い身分から登用され、奉行職を歴任した家が多い。
      • 着坐(士分)
      • 着坐(士分以外)
  • 太刀上 - 正月、藩主に太刀を献上し盃をもらう。主に歴々の家から降格した家が多い。
    • 太刀上一番坐(永代御盃頂戴)
    • 太刀上二番坐
  • 大番士
    • 召出 - 正月の宴会に出ることができる。宿老以上の分家や、平士からの昇班が多い。
      • 召出一番坐
      • 召出二番坐
    • 平士 - 一般の侍層で召出と共に大番士とも呼ばれる。360人1組で10組が組織された。主に騎馬隊を構成。詰所により格付けされた。
      • 虎之間番士
      • 中之間番士
      • 次之間番士
      • 広間番士
  • 組士 - 下級侍層で士分とされるもの(もっと細かく分類されている)
  • 卒、他(足軽職人小人など) - 下級侍層で士分とされないもの

一族以上の家柄を歴々と言い、衣服の制限緩和、乗物による登城可といったような特権が与えられた。また、宿老が奉行職に就いている時も歴々と同様の特権が発生した。

太刀上以上の家柄を門閥と言った。

組士以上の家柄が士分にあたり、それより下の家柄は士分以外として扱われた。

それぞれの家格の家が更に家臣団(陪臣)を形成している。大進・歴々の家になると陪々臣までおり、平士クラスよりも禄高の多い陪臣も存在する。

禄高

  • 3000石以上(大進) - 衣服の制限緩和、乗物による登城可といったような特権が与えられた。
  • 100石以上 - 軍役規定により馬上出陣が義務付けられる。平士で100石以上の家は伊達世臣家譜に掲載された。
  • 100石未満

禄の支給形態としては、地方支給・蔵米支給・切米支給・扶持方支給などがあった。また、一家の黒川氏より準一家の天童氏の方が石高が多いというように「家格=石高が多い」とは必ずしも言えない場合も存在する。また、仙台藩では太刀上以上の家格による地方知行の対象地を給人前(きゅうにんまえ)とも称し、百姓の土地を支配して租税を納めさせる「百姓前地」と給人名請地(家臣自身の私有地が近世以後も安堵されて給地に編入されたもの)に由来して自らの家臣・奉公人に耕作させたり、小作地として経営する「奉公人前地」に細分化されていた[31]

知行地の拝領形態

  • 城拝領 - 白石城の片倉家のみ
  • 要害拝領 - 実質的には城と変わらない要害を拝領
  • 所拝領 - 町場を拝領
  • 在所拝領 - 知行所内に居屋敷、家中・足軽屋敷、山林等を拝領
  • 在郷 - 知行所内に自前で居屋敷、家中・足軽屋敷を設置



注釈

  1. ^ ただし、江戸時代初期の武鑑では、薩摩藩石高のうちの琉球王国分12万石を含めないで序列を決めために、薩摩藩より上の第2位に書かれることもあった。
  2. ^ この時期、政宗がスペインや大久保長安と結んで倒幕を図っていたという説がある。こうした説は明治時代から存在したが[6][7]、これには批判もある[8]
  3. ^ 仙台藩では、本陣のことを外人屋と称した。現在の仙台市青葉区国分町二丁目。のちに南條小児科医院が開院した場所。現在、同院はない。
  4. ^ 後見人に伊達宗勝田村宗良
  5. ^ 後見人に堀田正敦
  6. ^ 『読書余適』は仙台侯国の石高を200万石と記述しているが、その根拠を記せず、それにもかかわらず飢饉で餓死者数万人を出したという文章に繋がる。一方『東潜夫論』は、仙台藩について「150万の人口と伝えられており、250万石を越えるに違いない」という、前提となる人口自体が過剰となる伝聞による石高推論である。『東潜夫論』では佐渡12万石(1万7,000石)、隠岐6万石(5,000石)と、太閤検地の10倍の数値が示されており注意を要する。
  7. ^ ただし、幕末の仙台藩は、幕府に対してほぼ毎年50万石の損毛高を報告し続けており、実態以上の被害を報告することで普請免除を正当化したとみられる。
  8. ^ 人口の復元方法は主に高木正朗・新屋均(2006年)による。なお人口に関しては古文書にみられる数字を尊重し、記録のない時期に関しては、江戸時代初期の人口は会津藩の公式人口記録(『会津家世実記』)、江戸時代末期の人口は西磐井郡狐禅寺村・下油田村・峠村・中村、東磐井郡赤生津村・大籠村・新沼村・増沢村・保呂羽村の人別改帳の人口を元に再現している。

出典

  1. ^ 村川浩平『日本近世武家政権論』
  2. ^ a b c d 『角川日本地名大辞典4 宮城県』32-33頁。
  3. ^ 小倉博, 『仙臺』(1924)
  4. ^ 大泉光一『支倉常長 慶長遣欧使節の悲劇』中央公論新社、1999年など。
  5. ^ 田中英道『支倉常長 武士、ヨーロッパを行進す』ミネルヴァ書房、2007年、pp. 58-64.など。
  6. ^ 箕作元八「伊達政宗羅馬遣使の目的」『史学界』三の十一、1901年
  7. ^ 阿部秀助「大久保長安と伊達政宗」『史学界』五の一、1903年
  8. ^ 小林清治『伊達政宗の研究』吉川弘文館、2008年、239-242頁)。
  9. ^ 『仙台藩士幕末世界一周』荒蝦夷 2010年
  10. ^ 白鳥事件について (PDF)”. 柴田Y2ネトワーク. 2019年2月14日閲覧。
  11. ^ <奥羽の義 戊辰150年>(34)新政府兵に発砲 領主切腹”. 河北新報オンラインニュース (2019年1月13日). 2019年2月13日閲覧。
  12. ^ 『仙台市史』通史編5(近代1)46頁。
  13. ^ 『仙台市史』通史編5(近代1)49頁。
  14. ^ 逸見英夫 著 「明治・大正・昭和 仙台じけん帳」(河北新報ISBN 4-87341-162-9)の23頁。
  15. ^ a b c d e (a) 玉山勇, 「江戸時代の人口問題 ―仙台藩の場合―」 『国民経済雑誌』 73巻(1号), pp. 63–94 (1942). (b) 『岩手県史』 4巻 近世編(1). (c) 『宮城県史』 2巻 近世史. (d) 高木正朗, 新屋均, 「近世国家の人口とその趨勢 ―仙台藩郡方・一関藩村方人口の復元: 1668–1870年―」 『立命館大学人文科学研究所紀要』 (87号), pp. 7–39 (2006). (e) 土屋喬雄, 『封建社会崩壊過程の研究』, 弘文堂, 1953.
  16. ^ (a) 勧農局編, 『全国農産表』/『農産表』, 1876-1882. (b) 中村哲著, 『明治維新の基礎構造』, 未来社, 1966.
  17. ^ 1 市域の変遷 2 北上市の位置 (PDF) (北上市)
  18. ^ 国勢調査(北上市)
  19. ^ 市の面積 (PDF) (釜石市)
  20. ^ 18 地域別人口及び世帯の推移 (PDF) (釜石市)
  21. ^ a b c d e f g h i 平成22年全国都道府県市区町村別面積調国土交通省国土地理院
  22. ^ a b c d e f g 岩手県(農林水産省「市町村の姿 グラフと統計で見る農林水産業」)
  23. ^ a b c d e f g いわての統計情報(岩手県)
  24. ^ 宮城県(農林水産省「市町村の姿 グラフと統計で見る農林水産業」)
  25. ^ 平成17年国勢調査1次結果 - 宮城県統計課
  26. ^ 福島県 新地町(農林水産省「市町村の姿 グラフと統計で見る農林水産業」)
  27. ^ 平成17年国勢調査(福島県)
  28. ^ {国宝大崎八幡宮 仙台・江戸学叢書15 『本石米と仙台藩の経済』」(大崎八幡宮、2009年10月30日発行) P.15 - P.18
  29. ^ 「『仙台市史』通史編3 近世1」(仙台市、2001年9月発行) P.150 - P.154
  30. ^ 1 研究ノート 「岩手県の誕生」 (PDF) (岩手県立博物館だより)
  31. ^ 金井圓「給人前」『国史大辞典』第4巻、吉川弘文館、1984年 P248
  32. ^ 現地説明板「仙台藩祖伊達政宗 終焉の地」(2014年、仙台市)
  33. ^ 慶長15年(1610年)に秀忠の上杉邸への御成りがあり、能や茶会などの饗応が行なわれている。(「国宝 上杉家文書」)







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