天明の大飢饉
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天明の大飢饉(てんめいのだいききん)は、江戸時代中期の1782年(天明2年)から1788年(天明8年)にかけて発生した飢饉である。江戸四大飢饉の1つで、日本の近世では最大の飢饉とされる。
注釈
出典
- ^ 藤沢周平『藤沢周平全集 第23巻』、文藝春秋、1994年、198-199ページ
- ^ 石弘之『歴史を変えた火山噴火 -自然災害の環境史-』、刀水書房、2012年、109-110ページ
- ^ 『詳説日本史研究』、山川出版社、289頁
- ^ 石井寛治『日本経済史』、東京大学出版会、77頁
- ^ 松井今朝子「江戸の異常気象」、日本経済新聞2015年7月24日付夕刊
- ^ “松岡正剛の千夜千冊”. 松岡正剛の千夜千冊 - 古今東西1700夜を超える千変万化・前人未到のブックナビゲーションサイト (2005年12月30日). 2023年3月27日閲覧。
- ^ 石弘之著『歴史を変えた火山噴火 ー自然災害の環境史ー』刀水書房 2012年 109ページ
- ^ 「天明三葵卯歳大凶作天明四辰歳飢饉聞書」
- ^ 天明3年(1783年)浅間山噴火 国土交通省 利根川水系砂防事務所
- ^ 「善光寺さん」P2山門(善光寺・大勧進教務部刊)
- ^ 「大勧進の名僧・等順大僧正」 善光寺本坊大勧進2020年2月23日閲覧
- ^ 御開帳に等順を思う ―浅間山の大噴火と等順― 麻績ポータル
- ^ 上毛新聞2018年8月7日9面(文化)「善光寺の名僧、等順」天明の浅間山噴火 鎌原で被災者救済
- 1 天明の大飢饉とは
- 2 天明の大飢饉の概要
- 3 史跡
- 4 参考文献
- 5 関連項目
天明の大飢饉
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詳細は「天明の打ちこわし」を参照 天明3年(1783年)から天明7年にかけて大飢饉がおこり、特に天明3年は東北地方の被害が甚大であった。これは前年の天明2年に西国の凶作によって江戸の米価が急騰したため、江戸に米を売れば大きな儲けになったために備蓄まで売り払ったためであった。東北地方一帯は平年作であり、東北諸藩や商人達は、米を次々と江戸に向けて売り出してしまっていた。翌、天明3年は東北は春先から天候不順であり、さらに夏になると冷害の被害による凶作が予想される状況だった。しかし、凶作が予想されたにも関わらず東北諸藩は江戸への廻米を行ない続け、庶民は江戸への廻米に反対し米の買占めを図った御用商人への打ちこわしを起こす事態となった。津軽藩では「江戸への廻米の中止」と「米の安売」を要求して、同3年7月各所で打ちこわしが起こったが、民衆の反抗を押え込んで江戸廻米は強行され飢饉の被害を増大させた。同様に弘前藩などの多くの藩が江戸や大坂への回米を強行し民衆による打ちこわしを起こしている。 さらに幕府からの援助もほとんど受けることができず被害は拡大した。幕府領での不作によって年貢収納は激減している為として、非常時の援助金である拝借金をほとんど認めなかった。天明3,4年の飢饉における拝借金は、6大名1万9000両余りに過ぎず、吉宗時代、享保の大飢饉の際の総計33万9140両の金額と大きな差があった。また、享保の大飢饉の際は、凶作となった西国を救うべく幕府は27万5525石もの米を輸送したが、天明の大飢饉の際、幕府は東北に対しまったく米を送ることはなかった。その理由は、当時、飢饉に対し蓄えておくはずの城米・郷倉米が「役に立たない」という理由で備蓄の規模が大きく縮小するなどと飢饉に対する備えを放棄していたからだった。江戸浅草の御蔵の米備蓄も既に廃止されていた。 そのため、東北諸藩からの飢餓輸出を受けていたにもかかわらず江戸の米価急騰は止まらなかったために、東北へ救援を送るどころか、むしろ江戸に米を搔き集める政策を行った。幕府は全国の城に蓄えた城米を江戸に廻送させた。天明3年に江戸に廻送された城米は37城11万3864石余りに及ぶ。また、時限立法として短期限定で江戸への自由な米の持込と販売を許可するなどして江戸への米の流入を促そうとした。さらに天明4年4月、幕府は全国を対象として、村役人や農民が所持している自家用以外の米の販売・買占めを行う者がいれば領主に申し出ることなどといった買占め禁止の令を発すると同時に、諸藩が江戸への回米を行う際に道中で米の売買を行うことを禁止し、江戸に入る米の量を確保するといった一見矛盾ともいえる法令を出している。
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