血液 血液の概要

血液

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/13 08:09 UTC 版)

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概説

血液は、生体内で細胞が生きてゆく上で必要不可欠な媒質であり、性状や分量などは恒常性が保たれるように働く[1]ヒトの血液量は体重のおよそ 1/13[1]男性で約8%、女性で約7%)である。例として、体重 65kg の男性の場合、約 5kg が血液の重さとなる。

動物一般について言えば、血液は体液とほぼ同意である。血液の流れを血流もしくは血行という。血液が管状の構造の中を流れている脊椎動物においては、この管を血管という[1]。体液を体内で流通させるしくみがある場合、これを「血管系」あるいは「循環器系」という。血管系には開放血管系閉鎖血管系がある[1]。ヒトをはじめとする脊椎動物は閉鎖血管系であり、特に外傷などが無い限り、血液は血管の内部のみを流れる。血管の外には組織液があり、液体成分と一部の血球は血管の壁を越えて出入りする。血管の周囲にある細胞は、組織液に浸っていると考えてよい。甲殻類昆虫など[1]開放血管系の動物および循環器系のない動物においては血液は血管外にも流れ出すので、血液と組織液の区別はなく、体液はすべて血液と見なして良い。

なお、本記事の以下においては、特に断りのない限り、ヒトの血液について述べている。

主な役割・機能

ボーアの原論文を元にした説明。酸素に富み、二酸化炭素の少ない肺(酸素分圧100mmHG、二酸化炭素分圧5mmHg程度)ではヘモグロビンの酸素飽和度はほぼ100%になる。赤血球はそのまま酸素の少ない組織(例えば酸素分圧30mmHg、図の赤線)に行くが、もしも二酸化炭素が無い環境だと持っている酸素の内18%程度しか放出できないが、組織内に二酸化炭素(40mmHg)があると約50%、二酸化炭素(80mmHg)があると約70%もの酸素を放出することが出来る
血液は肺胞酸素分圧100mmHg程度)の毛細血管を0.75秒ほどで通過する間に、ほぼ平衡に達し動脈血の酸素分圧も約100mmHgとなる。肺で酸素を取り込んだ血液は血液循環で末梢組織に循環するが、体組織の細胞周囲の酸素分圧は20 - 30mmHgであり動脈血と酸素分圧に差があることと、組織液内で発生している二酸化炭素を赤血球内に取り込み炭酸脱水酵素が炭酸に変換することによる酸性化でボーア効果が起きることによって、酸素が血液から組織液に移る[2]。こうして酸素が体組織に運ばれている。酸素を運び終えた静脈血の酸素分圧は、40mmHg程度である。
血液は一般的な液体に比べると、同じ酸素分圧でもはるかに多くの酸素を含んでいる。これは赤血球内に高密度で存在する血色素ヘモグロビンが酸素と結合することによる。
外傷に対しては血小板の凝集や血液凝固因子によるフィブリン塊を形成し止血や傷を塞ぐ作用を起こす。細菌への免疫機能発露や異物に対する抗体生成も行う[1]
組織で産生された代謝老廃物を肺、腎臓肝臓皮膚腸管などの器官に運搬する[1]
  • 代謝産物運搬[1]
体内に分布する化学受容器圧受容器に適合刺激を与える。



  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 生化学辞典第2版、p.420 【血液】
  2. ^ 『三輪血液病学』p179
  3. ^ Flindt、p.219
  4. ^ a b 佐藤・佐伯(2009)、p22、第2章 血液 1.血液bloodの成分と機能 (3)血液の成分
  5. ^ a b 生化学辞典第2版、p.1210 【ヘモグロビン】
  6. ^ 生化学辞典第2版、p.204 【エリスロクルオン】
  7. ^ 生化学辞典第2版、p.1214 【ヘモシアニン】
  8. ^ 生化学辞典第2版、p.1009 【バナドクロム】
  9. ^ a b 生化学辞典第2版、p.425 【血液細胞】
  10. ^ 浅野茂隆、池田康夫、内山卓 監修 『三輪血液病学』文光堂、2006年、ISBN 4-8306-1419-6、pp.2031-2036
  11. ^ 関正利、他 編集 『実験動物の血液学』ソフトサイエンス社、1981年、pp.13-19
  12. ^ 通常、血液細胞はこの分類がされることが多いが、リンパ球をさらに細かく分類することもある。また組織中の肥満細胞は同じく造血幹細胞から分化し、同じく組織中に存在するマクロファージは造血幹細胞から単球を経て分化するため、これらも広義には血液細胞の1種に数えられることもあるー参考文献・巽典之 編集『血液細胞ノート』文光堂、2005年、ISBN 4-8306-1418-8
  13. ^ a b c d 佐藤・佐伯(2009)、p.24-25、第2章 血液 2.赤血球 (1)形状と機能
  14. ^ a b 佐藤・佐伯(2009)、p.25-26、第2章 血液 2.赤血球 (2)ヘモグロビン(血色素)
  15. ^ a b c 佐藤・佐伯(2009)、p.29-30、第2章 血液 3.白血球 (1)形状と機能
  16. ^ 生化学辞典第2版、p.430 【血小板】
  17. ^ a b c 佐藤・佐伯(2009)、p.30-31、第2章 血液 4.血小板 (1)形状と機能
  18. ^ 佐藤・佐伯(2009)、p.32、第2章 血液 5.血漿 (1)血漿の成分と機能
  19. ^ a b c d 生化学辞典第2版、p.760 【造血器官】
  20. ^ 血液は体の外からやってきた 独立行政法人 理化学研究所
  21. ^ a b c d 佐藤・佐伯(2009)、p.23、第2章 血液 1.血液bloodの成分と機能 (4)血液blood cellの産出と幹細胞stem call
  22. ^ 佐藤・佐伯(2009)、p.27-28、第2章 血液 2.赤血球 (3)生成と破壊
  23. ^ a b 生化学辞典第2版、p.915 【糖尿病】
  24. ^ a b 生化学辞典第2版、p.1092 【貧血】
  25. ^ 生化学辞典第2版、p.433 【血友病】
  26. ^ 生化学辞典第2版、p.1007 【白血病】
  27. ^ a b c 佐藤・佐伯(2009)、p.39-40、第2章 血液 7.血液型
  28. ^ 黒崎嘉子, 天野光彦, 栗田吾郎 ほか、「食用に供する豚血液の加工と細菌汚染」『日本獣医師会雑誌』 40巻 2号 1987年 p.108-112, doi:10.12935/jvma1951.40.108
  29. ^ 」は「平和」を象徴し、「血」は「暴力」を象徴する。
  30. ^ The Watchtower 15 June 2004, p. 22, "Be Guided by the Living God"
  31. ^ Flindt、p.72





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