つい‐こつ【椎骨】
椎骨
椎骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 15:40 UTC 版)
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骨: 椎骨 | |
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脊椎の部位
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名称 | |
日本語 | 椎骨 |
英語 | Vertebra |
ラテン語 | Vertebra |
関連構造 | |
上位構造 | 脊椎 |
画像 | |
アナトモグラフィー | 三次元CG |
関連情報 | |
MeSH | Vertebra |
グレイ解剖学 | 書籍中の説明(英語) |
椎骨(ついこつ)または脊椎骨(せきついこつ、英語: vertebra)は、脊椎の分節をなす個々の骨のこと。縦一列に並んでおり、ヒトの場合上から順に頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙椎5個、尾椎3〜6個の32〜35個存在するが、仙椎および尾椎はそれぞれ癒合しており、仙骨および尾骨と呼ばれる。その他の独立した椎骨は、それぞれの部位の第何番目の骨と命名されている。
一般構造
一番上に位置する頚椎の二つの椎骨(第一頚椎=環椎 atlas、および第二頚椎=軸椎 axis)はきわめて特殊な構造をしているが、その他の22個の独立した椎骨は共通した構造を持っている。

前方(腹側)にある楕円形に近い形の椎体(Body、もしくはcentrum、centra)と後方(背側)にあるアーチ型をした椎弓(vertebral arch、もしくはneural arch)から成り立っており、その間には隙間があって椎孔と呼ばれる。ここを脊柱管が貫通する。椎体は単純でほぼ同じような形をしているが、椎弓は複雑である。椎弓には上下の他の椎体との関節面があり、左右の上関節突起・下関節突起・横突起と一つの後下方に延びる棘突起がある。隣接する椎体どうしの関節は5つ(椎弓で4つ、椎体で1つ)あり、椎体どうしの接する関節(椎間関節)には弾性にとんだ椎間板が存在する。これらの関節のおかげで、脊柱は体を支えることができると同時に、前後左右に曲がることができる。
棘突起は背中を丸めると、皮膚の上から触ることができるものがある(第二・第七頚椎(隆椎)および腰椎でわかりやすい)。隣接した椎弓の間には、椎孔につながる隙間が左右に二つあり、椎間孔と呼ばれる。脊髄から出た脊髄神経はここから外に延びている。
部位ごとの特徴
頚椎(cervical vertebrae)
7個の椎骨からなり、それぞれ上からC1~C7と呼ぶ。このうち上述のように、第一頚椎(C1環椎)と第二頚椎(C2軸椎)はきわめて特殊な形態をしている。環椎は頭蓋骨に接しており、その名のとおりリング状の骨である。軸椎は上方に向いた大きな突起(歯突起odontoid process)があり、これが環椎のリングの中を貫通している。この二つの骨の関節(環軸関節)は頭部が左右に回転するための構造である。
C3からC6まではほぼ一般的な形の椎体であるが、椎体は胸椎以下のものと比べると小さい。C1からC6の左右横突起の根元には穴が開いている(横突孔)。この中を椎骨動脈が貫通している。C7の棘突起は特に発達しており、首を前屈させると隆起しているのが体表から見てもわかるため、C7は隆椎と呼ばれる。
極稀に頚椎が8個ある人がおり、本来の第1胸椎に肋骨が付着していない場合「第8頚椎」として数えられる。
胸椎(thoracic vertebrae)
12個の椎骨からなり、それぞれ上からT1~T12(またはTh1~Th12)と呼ぶ。ほぼ標準的な形の椎骨からなるが、胸椎には肋骨が接しているため、椎体に肋骨との関節面がある。
腰椎(lumbar vertebrae)
5個の椎骨からなり、それぞれ上からL1~L5と呼ぶ。上位の椎体よりもより重い体重を支えなければならないため、椎体は最も大きいが、骨粗鬆症における椎骨圧迫骨折などの障害も起こりやすい骨である。成人では一般に脊髄はL1とL2の椎間のあたりで終わり、それ以下の髄腔内には末梢神経の集合した馬尾が存在している。そのため、脳脊髄液の検査の際に実施する腰椎穿刺はこれ以下の椎間で行う必要がある。
極稀に腰椎が6つまたは4つになっている人がいる。本来の第12胸椎に肋骨が付着していない場合や本来の第1腰椎に肋骨が付着している場合である。
仙椎(sacral vertebrae)
5個の椎骨が癒合して一つの骨(仙骨)を形成している。さらに仙骨は腸骨と仙腸関節を介して強固に結合し、骨盤の一部となっている。
尾椎(coccygeal vertebrae)
ヒトでは3〜5個の椎骨が癒合して一つの骨(尾骨)を形成している。
関連項目
椎骨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 03:45 UTC 版)
発見された椎骨は24個のみで、合計の約五分の一に過ぎないと考えられるが、それでも頸椎・脊椎・尾椎が良い状態で保存されている。 頸椎は環椎と軸椎を含む6つが発見され、楔形をなした環椎の椎体は軸椎と癒合し、神経弓はなく、間椎体は確認されていない。軸椎の椎体は重厚で、こちらは間椎体と破損した神経棘が確認されている。これ以外の4つの頸椎は頑丈なつくりで、後側で楕円形をなし、後側表面は背腹方向に潰れている。前方の頸椎の椎弓突起は椎体上に真っ直ぐに伸び、後方の頸椎は斜めからのアングルで神経腔の上に突出する。なお、モササウルスの頸椎の関節面は円形をなす。 脊椎は11個が発見され、全体的な形状と synapophysis の大きさから脊椎と断定された。脊椎は椎体の関節面が次第に丸みを帯び、椎体自体も長さを増す変化を示す。尾椎は8個が発見され、うち3個は臀部、4個は中間部、1個は末端部に由来する。臀部の尾椎は頑丈な構造で、一般に三角形をなす。神経棘はやや長く、横突起は頑丈になりながら、椎体は縮小を示す。中間の尾椎は丸みを帯びて横突起は発達せず、腹側弓は卓越を遂げ、神経棘は後側へ傾斜し、椎体自体は短い。末端の尾椎は丸く、横突起は存在せず、腹側弓はわずかに重厚さを増し、椎体はさらに短くなっている。
※この「椎骨」の解説は、「モアナサウルス」の解説の一部です。
「椎骨」を含む「モアナサウルス」の記事については、「モアナサウルス」の概要を参照ください。
椎骨
出典:『Wiktionary』 (2021/08/07 00:30 UTC 版)
名詞
発音(?)
- つ↘いこつ
翻訳
- アラビア語: فقرة (ar) 女性
- アルメニア語: ող (hy)
- イタリア語: vertebra (it) 女性
- インターリングア: vertebra
- ヴォラピュク: bäkavireb (vo)
- 英語: vertebra (en)
- オランダ語: wervel (nl) 男性, rugwervel (nl) 男性, ruggengraatswervel (nl) 男性
- カタルーニャ語: vèrtebra (ca) 女性
- ガリシア語: vértebra (gl) 女性
- ギリシア語: σπόνδυλος (el) 男性
- スウェーデン語: ryggkota (sv) 通性, kota (sv) 通性
- スコットランド・ゲール語: cnàimh an droma (gd) 男性, dromaltach (gd) 男性
- スペイン語: vértebra (es) 女性
- スロヴェニア語: vretence (sl) 中性
- セルビア・クロアチア語:
- タガログ語: gulugod (tl)
- チェコ語: obratel (cs) 男性
- 中国語: 椎骨 (cmn) (zhuīgǔ), 脊椎 (cmn) (jǐzhuī), 脊椎骨 (cmn) (jǐzhuīgǔ)
- ドイツ語: Wirbel (de) 男性, Wirbelknochen (de) 男性
- トルコ語: omur (tr)
- ナヴァホ語: íígháán (nv)
- ノルウェー語: ryggvirvel (no) 男性
- ハンガリー語: csigolya (hu)
- フィンランド語: nikama (fi), selkänikama (fi)
- フランス語: vertèbre (fr) 男性
- ポーランド語: kręg (pl)
- ポルトガル語: vértebra (pt) 女性
- マオリ語: tangai (mi)
- ラテン語: vertebra (la)
- ルーマニア語: vertebră (ro) 女性
- ロシア語: позвонок (ru) 男性
- ワロン語: cronzoxh (wa) 男性
「椎骨」の例文・使い方・用例・文例
- 2つかそれ以上の脊椎骨をつなぐことによる不安定な部分の脊椎の矯正
- 2つの脊椎骨の間のスペースに関係する
- 脊椎骨の、脊椎骨に関する、または、脊椎骨を構成する
- 上行子宮頸部の動脈を伴い、椎骨静脈に通じている静脈
- 脊柱の海綿体を流れ、前内椎骨静脈叢に注ぐ多くの静脈の1つ
- 頚椎の孔を通り、椎骨動脈の周囲に叢を形成する静脈
- 椎骨の突起のような器官や体の一部にある自然の突起または突出
- 2つの水平な筋肉のどちらか、それは上部の脊椎骨から頭脳の基礎まで及び、回転するか屈曲するかあるいは頭および首を拡張する役目をする
- 各脊椎骨から広がり、関節点を肋骨にもたらす2つのプロセスのうちの1つ
- 骨格の軸を形成し、脊髄を保護する一連の椎骨
- 首の部分に位置する人間の7つの椎骨の1つ
- 首の第2椎骨の後ろにある歯のような突起物
- ヒトの脊柱の12の椎骨の1つ
- 骨が崩壊する骨折(とくに椎骨など短い骨)
- 環椎骨という,高等脊椎動物の骨
- 頚椎と腰椎の間にある12個の椎骨
- 脊椎炎という脊椎骨の炎症
- 椎骨と椎骨との間にある円板状の軟骨
- 椎弓という,椎骨を構成する部分
- 椎体という椎骨の主要骨
椎骨と同じ種類の言葉
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