仙腸関節
学名:Articulatio sacroiliaca
【英】:Sacro-iliac joint
仙腸関節は仙骨の耳状面と腸骨の耳状面によってつくられる関節で、両関節面は軟骨をかぶり、両者の間に滑液を含んだせまい関節腔が存在する。関節面は凸凹があり、また関節包強い靱帯によって包まれるから可動性はほとんどない。仙骨と腸骨の耳状面は著しく不平胆であるが、この面を関節軟骨が被った状態では極端な凹凸はなく、従って、運動制止の主要因にはならないと思われる。また、概括的には、仙骨耳状面の上2/3は縦軸方向に溝状に凹み、寛骨耳状面はそれに対応した隆起をして両者が咬み合う。関節軟骨の深層は硝子軟骨であるが、その表層は線維軟骨性である。年令が進むと、特に弾性では、関節腔が部分的に消失するという。付属する靱帯に次のものがある。(1)前仙腸靱帯:関節包の前面にあって仙骨外側部の前面と腸骨の耳状面の辺縁につく。(2)骨間仙腸靱帯:関節包の後方で、腸骨の腸骨粗面と仙骨の仙骨粗面とを結ぶ強い短い靱帯で、仙骨と腸骨の間隙を埋めている。(3)後仙腸靱帯:前者の表層にあって腸骨と仙骨の後面を結ぶ。上部の線維束は、ほぼ水平に横走して仙骨粗面と外側仙骨稜から腸骨粗面へ走り、下部の線維は斜め上外方へ箸って、外側仙骨稜と上後仙骨棘へ達する。
仙腸関節
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/12/07 16:08 UTC 版)
仙腸関節(せんちょうかんせつ、英: sacroiliac joint)は、四足動物の腰帯を構成する骨盤の仙骨と腸骨をつなぐ関節。3 - 5mm ほどの可動域しかないため外見や画像診断でもほとんど動きが判らない。日常生活では脊椎のバランスに関係すると考えられている。出産した女性の腰痛の原因とひとつとなるともいわれている。大型類人猿、特にヒトで著しい現象が、妊娠出産に伴う仙腸関節における妊娠出産痕の形成である。これは、妊娠出産経験があると妊娠時に仙腸関節をつなぐ靭帯がゆるみ、可動性が増大することで関節を構成する軟骨が破壊され、仙腸関節耳状面前下部に深く不規則な圧痕が不可逆的に形成される現象である[1]。妊娠出産痕は法医学や考古学における女性遺骨の妊娠出産経験の判別に有用である。靭帯としては前側に前仙腸靭帯、後ろ側に骨間仙腸靭帯・後仙腸靭帯などがある。
- 1 仙腸関節とは
- 2 仙腸関節の概要
仙腸関節と同じ種類の言葉
- 仙腸関節のページへのリンク