乾癬性関節炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/09 04:47 UTC 版)
乾癬性関節炎 | |
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別称 | 関節炎性乾癬(arthritis psoriatica)、関節症性乾癬(arthropathic psoriasis)、乾癬性関節症(psoriatic arthropathy) |
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両足と両足首にみられる重度の乾癬性関節炎。注記:爪の変化 | |
概要 | |
種類 | 少関節型、多関節型、遠位型、破壊性関節炎、軸型[1] |
診療科 | リウマチ学 |
症状 | 手指と足指全体の腫れ、爪の変化、皮膚の変化[1] |
継続期間 | 長期[2] |
原因 | 遺伝と環境的要因[2] |
診断法 | 症状に基づく[1] |
鑑別 | [2] |
使用する医薬品 | NSAIDs、メトトレキサート、TNF阻害薬[2] |
頻度 | 0.3%~1%[1] |
分類および外部参照情報 | |
Patient UK | 乾癬性関節炎 |
乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん、英: Psoriatic arthritis)は、乾癬に罹患している人にみられる長期にわたる炎症性関節炎の1つである[2]。どの関節にも発症する[2]。よくみられる症状は、見た目がソーセージのように全体的に腫れた指先などである[1]。爪にみられる変化には、小さな陥凹(陥入)、肥厚、爪床からの剥離などがある[1]。乾癬患者の85%は、関節炎を発症する前に皮膚の変化(発赤、鱗屑状、痒みを伴う斑点)がみられる[1]。
原因は、遺伝と環境的な要因の組み合わせによる[2]。罹患者の1/3~1/2は乾癬を患っている親戚がいる[2]。約25%~50%がHLA-B27遺伝子型を持っている[1]。また、肥満や高血圧とも関連している[1]。乾癬性関節炎は脊椎関節症の一種に分類されている[2]。診断は症状に基づいておこなわれる[1]。
治療は、軽度の場合にはNSAIDsが用いられるが、重度の場合にはメトトレキサートやTNF阻害薬が用いられる[2]。その他の対策には、理学療法があげられる[2]。症例によっては重度の障害につながることもある[2]。
乾癬性関節炎は、人口の0.3%~1%(乾癬患者の最大30%)が罹患する[1]。この人口には子供と大人の両方が含まれている[1]。男女共に同等の頻度で発症する[1]。アジア系やアフリカ系の人々にはあまり一般的ではない疾患である[1]。乾癬性関節炎が最初に明確に説明されたのは1973年である[1]。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o Ritchlin, CT; Colbert, RA; Gladman, DD (March 2017). “Psoriatic Arthritis”. New England Journal of Medicine 376 (10): 957–70. doi:10.1056/NEJMra1505557. PMID 28273019 2019年12月17日閲覧。. Archived 2021-08-29 at the Wayback Machine.
- ^ a b c d e f g h i j k l Tiwari, V; Brent, LH (January 2020). “Psoriatic Arthritis”. StatPearls. PMID 31613490.
外部リンク
乾癬性関節炎(関節症性乾癬)
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「乾癬」の記事における「乾癬性関節炎(関節症性乾癬)」の解説
出典: 関節炎を発症するのは乾癬の患者の 1-20%程度とされ、近年増加傾向である。 背中や腰の関節に炎症が生じた場合は、脊椎関節炎の一種として分類される。 乾癬の皮膚症状が先行し皮膚科を受診する場合が多いが、手足の関節症状が先行した場合には膠原病リウマチ科、腰や背中の痛みが先行した場合には整形外科を受診する事となる。皮膚症状が先行した場合、尋常性乾癬の諸症状に加え、全身の関節に炎症が起き、先ず起床時に関節の強ばりを感じ、次いで痛みと腫れが生じる。関節破壊・変形に至る場合もあるが、関節リウマチや他の脊椎関節炎の様な急激な進行は稀である。 指のDIP関節(第一関節)にも起きる点が関節リウマチとの相違点である。関節症状と皮疹症状は必ずしも連動しない。代表的な部位は膝関節、指関節、手首、足首など。肋骨と胸骨の間の関節(胸鎖関節)、鎖骨と肋骨の間の関節、肩関節、仙腸関節、脊椎などに炎症が起こることもある。安静時に痛み、体動時に改善する。また、関節炎に伴い全身の発熱がみられることもある。 同じ関節炎でも関節リウマチと異なり腱付着部炎からはじまる点が特徴的である。アキレス腱付着部、仙腸関節が好発部位である。 関節の強い痛みの為、睡眠が妨げられる、強いこわばりの為、風呂・トイレなどに不自由する、筆記具や箸を持てなくなる、着替えに介助が必要になるなど、日常生活に支障をきたし、生活の質(QOL)の低下がみられる。 2016年、皮膚科学会に対しリウマチ学会と整形外科学会から乾癬性関節炎を適正な疾患名とする要望があり、当面は、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)と併記する事で合意された。
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