治療標的
治療標的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 16:24 UTC 版)
タキソールは微小管の構築に干渉し、細胞周期の停止を引き起こすため、抗がん治療に用いられる薬剤である。Ser194がリン酸化されたFADDは、タキソールによる細胞周期の停止に対する感受性を高める。タキソールはアポトーシスも引き起こし、これにはカスパーゼ-10前駆体が必要であるが、FADDによってリクルートされて活性化される。 JNKの活性化はFADDのリン酸化を引き起こすことが示されている。リン酸化されたFADDは、おそらくp53の安定性を高めることで、細胞周期のG2/M期での停止を誘導する。そのため、この経路を活性化する薬剤には治療薬としての可能性がある。しかしながら、FADDの高レベルのリン酸化は、頭頸部がんなど多くのがんにおいて予後の悪さと相関している。これは抗アポトーシス作用を持つNF-κB経路の活性化によるものである可能性が高い。そのため、FADDのリン酸化の阻害も抗がん治療戦略としての可能性がある。例えば、FADDの阻害は薬剤抵抗性卵巣がんの標的治療としての可能性が示唆されている。
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治療標的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 16:22 UTC 版)
「インターロイキン-17」の記事における「治療標的」の解説
IL-17は免疫調節機能に関与しているため、IL-17阻害剤による関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患などの自己免疫疾患の治療の可能性が研究されている。2015年1月FDAは、IL-17を阻害するモノクローナル抗体であるセクキヌマブ(商標名: コセンティクス)を、中等症から重症の尋常性乾癬(局面型乾癬)の治療に対して承認した。さらに、セクキヌマブは日本では乾癬性関節炎(英語版)に対する使用が承認されている。抗IL-23抗体であるウステキヌマブも、間接的にIL-17を低下させることで乾癬の治療に効果的に利用することができる。 動物モデルから得られた証拠からは、IL-17は脳卒中後の回復を改善したり、皮膚がんの形成を低下させたりするための抗炎症療法の標的として示唆されている。IL-17は多発性硬化症への関与も示唆されている。 活性型ビタミンDはTh17細胞によるIL-17の産生を大きく低下させることが判明している。
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