かん‐さいぼう〔‐サイバウ〕【幹細胞】
幹細胞
組織を構成する細胞の一種で、未分化状態に保たれており、特定の細胞に分化するものや、様々な細胞に分化する能力を持つものがある。
細胞名や細胞内の構造オルガネラに関連する用語: | 小胞体-ゴルジ中間区画 小胞体 小胞子 幹細胞 微小管形成中心 心臓神経冠細胞 心黄卵 |
幹細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/20 16:37 UTC 版)
幹細胞(かんさいぼう、stem cell)は、分裂して自分と同じ細胞を作る(Self-renewal)能力(自己複製能)と、別の種類の細胞に分化する能力を持ち、際限なく増殖できる細胞と定義されている[1]。発生における細胞系譜の幹 (stem) になることから名付けられた。幹細胞から生じた二つの娘細胞のうち、少なくとも一方が同じ幹細胞でありつづけることによって分化細胞を供給することができる。この点で分化した細胞と異なっており、発生の過程や組織・器官の維持において細胞を供給する役割を担っている。
|
- ^ a b Alberts, Bruce; Johnson, Alexander; Lewis, Julian; Raff, Martin; Roberts, Keith; Walter, Peter、「専門化した組織、幹細胞と組織の再生」 『細胞の分子生物学』 (5th版) ニュートンプレス、2010年。
- ^ a b Scott F. Gilbert 『ギルバート発生生物学』、阿形清和、高橋淑子 メディカル・サイエンス・インターナショナル、2015年。ISBN 978-4-89592-805-2。
- ^ 岩波の生物学辞典第五版では、「(発生の)多能性」の訳語が「Pluripotency」であるとされている。
- ^ “ライフサイエンス辞書オンラインサービス”. 2014年2月28日閲覧。
- ^ Jukes, J; Moth, S; Post, J; van Blitterswijk, C; Karperien, M; de Boer, J (2008), “Stem cells”, Tissue Engineering (1st ed.), Academic Press, pp. 3, ISBN 978-0-12-370869-4
- ^ “学術用語の日本語と英語の対応”. 2014年2月28日閲覧。
- ^ “学術用語の日本語と英語の対応”. 2014年2月28日閲覧。
- ^ Lee CM (2016-12). “Fifty years of research and development of cosmeceuticals: a contemporary review”. Journal of cosmetic dermatology 15 (4): 527–539. doi:10.1111/jocd.12261. PMID 27496663.
- ^ Lee, Hee Jung; Lee, Eo Gin; Kang, Sangjin; et al (2014). “Efficacy of Microneedling Plus Human Stem Cell Conditioned Medium for Skin Rejuvenation: A Randomized, Controlled, Blinded Split-Face Study”. Annals of Dermatology 26 (5): 584. doi:10.5021/ad.2014.26.5.584. PMC: 4198585. PMID 25324650 .
- ^ Prakoeswa, Cita Rosita Sigit; Pratiwi, Febrina Dewi; Herwanto, Nanny; et al (2018). “The effects of amniotic membrane stem cell-conditioned medium on photoaging”. Journal of Dermatological Treatment 30 (5): 478–482. doi:10.1080/09546634.2018.1530438. PMID 30265171.
幹細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 16:17 UTC 版)
体内での幹細胞の維持は、早期老化の予防を補助することが示されている。mTORC1の活性は幹細胞の成長と増殖に重要な役割を果たしている。mTORC1のノックアウトは栄養芽層(英語版)の発生の欠損のために胚性致死となる。幹細胞のラパマイシン処理はその増殖を遅らせ、幹細胞を未分化状態に維持する。 mTORC1は造血幹細胞の分化と増殖に関与している。mTORC1のアップレギュレーションは、造血幹細胞の早期老化を引き起こすことが示されている。逆に、mTORの阻害によって造血幹細胞系統は回復し、再生する。造血幹細胞の増殖と分化に対するmTORC1阻害の機構は完全には解明されていない。 ラパマイシンは臨床において免疫抑制剤として利用されており、T細胞やB細胞の増殖を防ぐ効果を持つ。ラパマイシンは免疫抑制剤として承認されているにもかかわらず、mTORC1の阻害は機能的なメモリーT細胞の量と質を改善する。ラパマイシンによるmTORC1の阻害は、T細胞発生の増殖期(expansion phase)にナイーブT細胞がメモリー前駆細胞になる能力を向上させ、収縮期(contraction phase)に成熟したT細胞になるメモリーT細胞の品質を向上させる。また、ラパマイシンによるmTORC1の阻害は、老齢マウスにおけるB細胞の劇的な増加による免疫系機能の向上とも関連している。こうしたラパマイシンによる免疫抑制と矛盾する効果は、制御性T細胞との相互作用など、いくつかの理由と関連付けられている。
※この「幹細胞」の解説は、「mTORC1」の解説の一部です。
「幹細胞」を含む「mTORC1」の記事については、「mTORC1」の概要を参照ください。
幹細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 15:10 UTC 版)
幹細胞については治療であるとし、「科学が科学のみで幹細胞について結論を出すことはできない。しかし、科学的事実を明確にすることなしには倫理的問題について議論することは不可能である」と述べている 。 カーンは、「胎芽が、試験管内で受精させた後に冷凍保存されいずれ廃棄されると決められているにせよ、それはやはり科学の進歩のために使用されるべきである。なぜならその胎芽が潜在的に人間として成長する可能性を秘めていようがいまいが、その時点ではその胎芽の運命は研究のために用いられるか殺されるかのいずれかであり、そして「人類の計画」に貢献することができる唯一の可能性は、科学的研究の助けとなることしかないからだ、というのである。この見解(カーンは自分自身のことを人道主義者だと言っている)について、宗教的理論家の中には「胎芽の人間性を尊重しようとする姿勢が見られない」とするものもいる。
※この「幹細胞」の解説は、「アクセル・カーン」の解説の一部です。
「幹細胞」を含む「アクセル・カーン」の記事については、「アクセル・カーン」の概要を参照ください。
幹細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 15:34 UTC 版)
※この「幹細胞」の解説は、「組織学」の解説の一部です。
「幹細胞」を含む「組織学」の記事については、「組織学」の概要を参照ください。
幹細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 17:04 UTC 版)
「アーネスト・マコラック」の記事における「幹細胞」の解説
1957年、マーガレット王女病院を持つオンタリオ癌研究所に入り、すぐにジェイムズ・ティルと共に研究を始めた。マコラックの血液学の経験と、ジェイムズ・ティルの生物物理学の経験が組み合わされることにより、技術と興味にあふれた多くの新しい研究がなされた。 1960年代始めに、彼らは放射線照射を行ったハツカネズミに骨髄細胞を注射する事を含んだ研究を始めた。そのハツカネズミの脾臓に、注入した骨髄細胞の量に比例して結節が確認できるようになった。彼らはこの結節を脾臓コロニーと呼び、一つの結節が一つの骨髄細胞、おそらく幹細胞からできていると予想した。 後に、大学院生アンディー・ベッカーを加え、各結節が細胞一つからできていることを証明した。彼らは1963年にこの結果を『ネイチャー』誌にて発表した。同じ年、カナダの先駆的な分子生物学者Lou Siminovitchと共同で、これらの細胞が自己再生能を持つことの証拠を得た。自己再生能は、幹細胞の機能の定義の重要な部分である。 マコラックのその後の研究の中心は、急性骨髄芽球性白血病の患者の血液から得られる腫瘍化した骨髄芽球の細胞や分子のメカニズムについてである。
※この「幹細胞」の解説は、「アーネスト・マコラック」の解説の一部です。
「幹細胞」を含む「アーネスト・マコラック」の記事については、「アーネスト・マコラック」の概要を参照ください。
幹細胞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 09:25 UTC 版)
イェール大学での仕事が終わるとすぐに、ハロルド・ジョーンズは彼をマーガレット王女病院のオンタリオ癌研究所へと誘った。彼はアーネスト・マコラックとの仕事を割り当てられた。これは年上の内科医の見識と若い物理学者の綿密で徹底的な性質とを一体化させる事を意図して行われた。 1960年代始めに、彼らは放射線照射を行ったハツカネズミに骨髄細胞を注射する事を含んだ研究を始めた。そのハツカネズミの脾臓に、注入した骨髄細胞の量に比例して結節が確認できるようになった。彼らはこの結節を脾臓コロニーと呼び、一つの結節が一つの骨髄細胞、おそらく幹細胞からできていると予想した。 後に、大学院生アンディー・ベッカーを加え、各結節が細胞一つからできていることを証明した。彼らは1963年にこの結果をネイチャーにて発表した。同じ年、カナダの先駆的な分子生物学者Lou Siminovitchと共同で、これらの細胞が自己再生能を持つ事の証拠を得た。自己再生能は、幹細胞の機能の定義の重要な部分である。 1969年、彼はカナダ王立協会の会員となった。
※この「幹細胞」の解説は、「ジェイムズ・ティル」の解説の一部です。
「幹細胞」を含む「ジェイムズ・ティル」の記事については、「ジェイムズ・ティル」の概要を参照ください。
幹細胞
「幹細胞」の例文・使い方・用例・文例
- 間充織幹細胞
- 卵母細胞を作るための患者自身の細胞の核移植で、移植用の免疫適合性細胞(特に幹細胞)が得られる
- 幹細胞の研究と医療におけるそれらの使用
- 胎児から得られ医療の使用を目的とした幹細胞に関する生物学的研究
- 骨髄の造血幹細胞
- 胚幹細胞は全能性を有する
- 骨髄の幹細胞を形成する血液
- 骨髄の幹細胞で赤血球を生産する過程
- 人工多能性幹細胞(iPS細胞)とは,体のあらゆる種類の組織に育つ可能性のある未熟な細胞だ。
- それは「人工多能性幹細胞」を意味する。
- STAP細胞は,京都大学の山中伸(しん)弥(や)教授が開発した人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの他の万能細胞よりも短期間で簡単に作製することができる。
- 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作成した組織が初めて人間に移植された。
幹細胞と同じ種類の言葉
- 幹細胞のページへのリンク