差別 差別の概要

差別

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/20 19:13 UTC 版)

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ある事柄を差別と判定する場合、告発する者の伝達能力・表現力と受け手の感性に因るところが大きく、客観的事実として差別の存在を証明するのは実際にはそれほど簡単ではない[2]。差別に伴う不条理な事例は第三者には比較的共感を呼びやすいが、差別をする側にいる人々にそれが差別であると認めさせるには困難が伴い、差別問題が差別か正当な区別かで争われる事例も珍しくない。差別を理論的に説明するにはまず差別の定義を行う必要があるが、平等・不平等といった価値命題は科学的に論定することができない。差別は普遍的な実体とし存在するものの、その定義付けは困難であり、定義不能とする研究者も少なくない[2]

差別に関する研究

20世紀以来、差別に関する研究は社会学心理学の分野で行われている。社会学で行われた差別の研究には、コックスマルクス主義的社会構造論や、パークJ.H.ヴァン・デン・ベルクが行った人種差別を優位集団と劣位集団の競争・葛藤関係として分析した研究がある。心理学では差別は偏見の表現行動とされ、偏見が発生する仕組みを解明することで差別を説明する[2]。偏見説の例としてオールポートの研究がある。これらの古典的な差別に関する研究は、差別の一側面を他の分野の理論を応用する形で行われており、差別そのものを包括的に分析したものではなく、説明しきれない現象や予測と異なる現象も多い[2]

マートン準拠集団モデルでは、差別は集団間の敵対関係ではなく、同一集団内の特殊なカテゴリー化に内在する問題であるという[2]。また、ミュルダールの『アメリカのジレンマ』仮説と、仮説に対する追研究によって、差別は規範のずれとその対応の問題であること、被差別者は差別を行う人々との一定の関係性によってのみ同定可能であることが示唆されている[2]

差別の種類

身分に関する差別

前近代社会においては身分制を敷いた社会がある。近代化の過程で社会契約論などによって身分制は再編成され、階級制へと移行した。法学者ヘンリー・サムナー・メインは「身分から契約へ」という言葉を残している。

階級と職業に関する差別

人種・民族・宗教・文化に関する差別

言語・地域に関する差別

性に関する差別

能力に関する差別

ほか、低所得層への差別や学歴差別・学力差別、老人差別、病人差別なども能力による差別と重なる面がある。

病人に関する差別

その他

逆差別

差別を受けているとする人々や団体に対して雇用教育に関する優遇政策(ポジティブ・アクションなど)がとられることがあるが、これが逆差別であると批判されることがある。




  1. ^ United Nations CyberSchoolBus: What is discrimination? (PDF)
  2. ^ a b c d e f 坂本佳鶴恵『アイデンティティの権力』 新曜社 2007年 第2刷、ISBN 4788509377 pp.2-19.
  3. ^ 現代、士農工商の序列の下にエタ・非人などの被差別階級が置かれていた、という説が広く知られているが、歴史学的にはこれに異議が唱えられている。詳しくは士農工商を参照
  4. ^ ジョン・W・ダワー、「容赦なき戦争」、猿谷要監修、2001年、平凡社ライブラリー、394ページ
  5. ^ 土居健郎、「甘え」の構造、昭和46年、弘文堂、39ページ
  6. ^ 土居健郎、「甘え」の構造、昭和46年、弘文堂、40ページ
  7. ^ ガバン・マコーマック、[属国 米国の抱擁とアジアでの孤立]、2008年、凱風社、284ページ


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