無差別曲線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/02 13:20 UTC 版)

青が無差別曲線、赤で示すものが予算線であり、ここでは

複数の効用水準に対する無差別曲線のグラフは無差別地図と呼ばれる。異なる効用水準をもたらす点はそれぞれ異なる無差別曲線に対応し、これらの無差別曲線は地形図上の等高線に似ている。曲線上の各点は同じ「高さ」を表す。北東方向に移動すると(財の限界効用が正であると仮定)、効用の高い地点へ移動することになる。より高い位置ほど効用水準が高い。非飽和性の要件により、全てのバンドルよりも好まれる消費バンドル、すなわち至福点には到達しない。
無差別曲線は典型的に以下の性質を持つとされる:
- 負のスロープを持つ(片方の財の消費を増やすと、効用を一定に保つために他方の財の消費を減らす必要がある)。
- 全順序性:同一の無差別曲線上の全ての点は等しく選好され、それ以外の点と比較してより好まれるか、好まれないかのいずれかに分類される。
- 推移律:高い無差別曲線上の全ての点は低い無差別曲線上の全ての点より好まれる。
- 凸性:無差別曲線は原点に対して凸である。これは限界代替率逓減の法則と一致する。
消費者選好理論の仮定
- 選好は完全性を持つ。消費者は利用可能な全ての財の組み合わせを順位付けできる[5]。
- 選好は反射性を持つ。同一のバンドルは等しく選好される。
- 選好は推移的である[6]。
- 選好は連続性を持つ。効用関数は連続であり、無差別曲線も連続である。
- 強単調性:2つの財が共に多いバンドルはより好まれる。
- 限界代替率逓減:1財を追加的に得るために他財を犠牲にする意欲は、徐々に減少する[7]。
応用

消費者理論では、無差別曲線と予算制約を用いて需要曲線を導出する。予算制約線と無差別曲線の接点が効用最大化点である。価格の変化は予算制約線の傾きを変化させ、新しい接点を生じさせ、需要量を変化させる[8]。
無差別曲線の例
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図1: 3つの無差別曲線の例
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図2: 完全代替財の場合の無差別曲線
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図3: 完全補完財の場合の無差別曲線
選好関係と効用
消費者は選好関係で形式的に表現され、無差別曲線は等しい選好の組み合わせを示す。
効用理論との関連
効用関数 カテゴリ
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