パレート集合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 23:44 UTC 版)
「エッジワース・ボックス・ダイアグラム」の記事における「パレート集合」の解説
ある配分が、1人の消費者の効用水準を改善してもう1人の消費者の効用水準を低下させないとき、パレート支配的(英:Pareto dominate)であるという。パレート支配的な配分が他に存在しないとき、その配分はパレート最適(あるいはパレート効率的)であると言う。パレート最適な配分は「パレート集合(英:Pareto set)」または「効率曲線(英:Efficient locus)」と呼ばれる。 2つの無差別曲線に接する点(図5の紫の点)を考える。無差別曲線が凸であるので、接点以外に交差する点が存在しない。2つの無差別曲線によってボックスは3つの領域に分割される。淡い青の領域は、オクタビオの効用水準が上昇する領域で、アビーの効用水準が低下する領域である。淡いオレンジの領域は、アビーの効用水準が上昇する領域で、オクタビオの効用水準が低下する領域である。そして白の領域は、両者の効用水準が低下する領域である。つまり、2つの無差別曲線の接点がパレート最適であることにある。 パレート集合は、2つの無差別曲線の接点の集合であり、オクタビオの原点Oとアビーの原点Aを結ぶ。図6の紫の線がパレート集合である。パレート集合全体のことを契約曲線と呼ばれることがある。一方で、マスコレルらは、初期配分からスタートして、2人の消費者の効用水準が上昇するようなパレート集合を契約曲線と呼んでいる。マスコレルらの定義の契約曲線は、コア(英:Core)とも呼ばれる 。また、パレート集合は2人の無差別曲線が接する点の集合であるから、2人の消費者の限界代替率が等しい点でもある。
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