拍子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/04 01:15 UTC 版)
変拍子
以上の拍子を足し算して組み合わせた拍子を変拍子、特殊拍子、または混合拍子と呼ぶ。ただし、「変拍子」は、いわゆる、拍子の頻繁な変化を指していうこともある。
5拍子
純5拍子(強-弱-弱-弱-弱)、3拍子+2拍子(強-弱-弱-中強-弱)、2拍子+3拍子(強-弱-中強-弱-弱)の3態に大分される。元来の西洋音楽にはない拍子で、スラブ音楽などの他文化から引用された拍子である。3拍子+2拍子・2拍子+3拍子の場合は、大枠としては「各拍の長さの異なる2拍子」ということができる。
- 純5拍子の例
- 純5拍子と他の拍子の混合の例
- 5拍子 (3+2) の例
- ドラマ・映画『スパイ大作戦(ミッション:インポッシブル)』のテーマ
- デイヴ・ブルーベックのジャズスタンダード曲『テイク・ファイヴ』
- 曲名もそのまま。(Take five=5拍子)
- シベリウスの『クッレルヴォ』の第3楽章
- 題材となった叙事詩『カレヴァラ』が5拍子 (3+2) の決まった韻律を持っていることによる。
- ラヴェルの『ダフニスとクロエ』の最終部分
- 「全員の踊り」の主要リズム部分がこれに相当するが、「全員の踊り」の総体は複数の拍子の複合によって構成されている。
- 伊丹十三監督の映画主題歌で本多俊之とラジオクラブ演奏の『マルサの女』のテーマ
- BLANKEY JET CITYの『不良少年のうた』
- Akeboshiの『Wind』、『神様の舌打ち』
- ソルツィーコ - 付点リズムを主体としたバスク地方の民謡。シャルル=ヴァランタン・アルカン、イサーク・アルベニスなどが作曲している。
- ファイナルファンタジーVIIの「シンコ・デ・チョコボ」
- クロノクロスの「溺れ谷」
- ホルストの組曲『惑星』の『火星』
- スティングの『Seven Days』
- ファイナルファンタジーVIIIの「Don't Be Afraid」
- マリオカート8の「ネイチャーロード」
- 全日本吹奏楽コンクール2010年度課題曲III 吹奏楽のための民謡「うちなーのてぃだ」
- 東方紅魔郷のU.N.オーエンは彼女なのか[要出典]
- 5拍子 (2+3) の例
- 5拍子(2+3と3+2の混合構成)の例
- アルフレッド・リードの『アルメニアン・ダンス パート1』
7拍子
純粋な7拍子(強-弱-弱-弱-弱-弱-弱)、2+2+3拍子または4+3拍子(強-弱-中強-弱-中強-弱-弱)、3+2+2拍子または3+4拍子(強-弱-弱-中強-弱-中強-弱)、2+3+2拍子(強-弱-中強-弱-弱-中強-弱)の4態に大分される。純粋な7拍子以外の場合、大枠としては「各拍の長さの異なる3拍子」ということができる[要出典]。
- 7拍子(4+3)の例
- 7拍子 (3+2+2) の例
8拍子
現在は2+3+3拍子(強-弱-中強-弱-弱-中強-弱-弱)、3+2+3拍子(強-弱-弱-中強-弱-中強-弱-弱)、3+3+2拍子(強-弱-弱-中強-弱-弱-中強-弱)の3態に大分されている。いずれも大枠としては「各拍の長さの異なる3拍子」ということができる[要出典]。
- 8拍子 (2+3+3)の例
- 8拍子 (3+2+3)の例
- リゲティの『練習曲第4番』
- アルフレッド・リードの『エル・カミーノ・レアル』
9拍子
前項の複合拍子にある9拍子は「各拍が3等分される3拍子」(3+3+3)であるが、変拍子の9拍子も存在する。
- 9拍子(5+4)の例
- スティングの『Hung My Head』
- 9拍子(4+5)の例
- ジェフ・ベックの『Scatterbrain』
- 9拍子(3+2+4)の例
- ジェネシスのアルバムフォックストロット所収の組曲「サパーズ・レディ (Supper's Ready) 」の第6曲「Apocalypse in 9/8 (Co-Starring the Delicious Talents of Gabble Ratchet) 」。
- 9拍子(2+2+2+3と3+3+3)の例
- デイヴ・ブルーベックの『トルコ風ブルー・ロンド』(2+2+2+3の小節が3小節の後、3+3+3の小節が1小節)
10拍子
- 10拍子の例
- ファイナルファンタジーVIIIの「Don't be Afraid」[5]
11拍子
- 11拍子 (6+5) の例
- マリオカート64の「レース結果(上位)」
- ストリートファイターIIの「サガットのテーマ」
- 11拍子 (5+6) の例
- エースコンバット4の「Tango Line」
ポリリズム(各声部異拍子)
同時に合奏ないし合唱される各声部の拍が異なること、またはそのように構成されたリズムのことをポリリズム と呼ぶ。各地の民族音楽、現代音楽、一部の指向的なポップスなどに見られる。日本では、tipographicaやDCPRGなどがポリリズムの追求を実践した。
- 日本のテクノポップユニットであるPerfumeの「ポリリズム」は、サビ後のポリループ(間奏)では言葉のループ、ビート、その他シンセのフレーズの拍数が混合しており、タイトル通りポリリズムとなっている。[6]
- ^ 笠原潔「15 西洋の楽譜」『西洋音楽の歴史』放送大学教育振興会〈放送大学教材〉、1997年、363-366頁。ISBN 4-595-87722-6。
- ^ C.F.グース、W.アイゼンハウアー『ラーントゥプレイ 最新フレンチホルン教本 BOOK1&2』杉原道夫訳、全音楽譜出版社、1998年。ISBN 978-4115481152。
- ^ 笠原潔「1 西洋音楽の時代区分と時代様式の変遷」『西洋音楽の歴史』放送大学教育振興会〈放送大学教材〉、1997年、17-19頁。ISBN 4-595-87722-6。
- ^ 地上の祈り‐プラチナ★シンガーズ - Jimdo2018年8月28日閲覧。
- ^ Richard Powers、Nick Enge 『Waltzing: A Manual for Dancing and Living』 P.210 2013年 ISBN 978-0982799543
- ^ 「特集 Perfume――「アイドル」を回復する3人」『Quick Japan Vol.74』、太田出版、2007年10月12日、43頁、ISBN 9784778310936。
- ^ Donald Byrd (2018), Extremes of Conventional Music Notation, Indiana University Bloomington
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