文字譜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/01 22:25 UTC 版)
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文字譜(もじふ)とは、音楽の旋律を、文字(漢字、アルファベットなど)や数字、記号などで表記する記譜法、およびその方法によって記述された楽譜のこと。
概要
近代に入って西洋の五線譜が普及する以前は、世界各地の音楽文化では、それぞれ独自の方式の文字譜が広く使われていた。同一の国や地域でも、伝統音楽の世界では、楽器の種類や音楽のジャンルの違いに応じて、別の方式の文字譜が併行して使われることも少なくなかった。
文字譜の例
ギリシア記譜法
古代ギリシアで用いられた記譜法。歌詞の上に音高を文字で記す。オクシリンコス・パピルスに現存する最古(紀元280年)のキリスト教(東方諸教会)の聖歌とされる『三位一体の聖歌』(オクシリンコスの賛歌)がギリシア記譜法で記されていた。
ABC記譜法
ABCと洋数字(と若干の記号)だけで複雑な旋律を完全に表記できる記譜法。
Music Macro Language
コンピュータのプログラミング言語の音楽演奏命令のための簡易言語。
数字譜
数字を記譜の手段として用いる記譜法。
ドレミ譜
ドレミファソラシのイタリア語音名のカタカナ表記を記譜の手段として用いる記譜方法。
工尺譜
かつて漢字圏の国々で広く行われていた記譜法。合四一上尺工凡六五乙などの漢字を用いる。
文字譜の長所・短所
文字譜には、五線譜にはない長所も多い。五線譜を書くためには「五線紙」が必要であるが、文字譜なら普通の紙なりワープロソフトだけで間に合う。また文字譜ならば、それぞれの文字の読音を並べるだけで、相手に旋律を伝えることができる。 その反面、文字譜は、本質的にモノフォニーの楽曲を記すのに適した記譜法である。近代西洋音楽のような和音やポリフォニーを多用する楽曲の記譜法としては、五線譜よりも読みにくくなる。
現代の世界では、中国など一部の地域を除いて、文字譜より五線譜のほうがポピュラーになっている。
現代の日本でも五線譜が普及しているが、モノフォニーを奏でる和楽器の楽譜には、各種の文字譜が今も使われている。大正琴やハーモニカ、中国の二胡の楽譜では、今も数字譜がよく使われている。沖縄の三線の楽譜は、今も工工四(東洋諸国で広く使われた工尺譜の発展型)で表記される。
パソコンと密接に結びついたABC記譜法は、ABCと洋数字(と若干の記号)だけで複雑な旋律を完全に表記できる。そのため、電子メールで楽譜をやりとりしたり、ネットで文字のみで楽譜を表現し、音楽ソフトで演奏する用途に用いられている。 欧米の民俗音楽(例えばアイリッシュなど)の膨大なデータがこの方式でネット上で公開されているため、日本でもネットユーザーのあいだでそれなりに利用されている。
文字譜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 16:00 UTC 版)
『碣石調幽蘭』の楽譜は後世の琴譜と異なり、通常の漢字で記されており、非常に冗長である。これを文字譜と呼ぶ。タブラチュアの一種で、音高を記すのではなく、どの指でどこを押さえてどのように弾くかを言葉で説明している。 唐代以降は減字譜が発明され、文字譜は使われなくなった。『碣石調幽蘭』は現存する唯一の文字譜の例である。 『碣石調幽蘭』の解釈は荻生徂徠が行い、現在の復元演奏に際しても参考にされる。
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