東アジアの「俗楽」における工尺譜
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「音名・階名表記」の記事における「東アジアの「俗楽」における工尺譜」の解説
東アジアの「俗楽」(民間の通俗的な音楽)の階名表記では、中国起源の「工尺譜」による階名表記が用いられていた。これは西洋音階の「ソラシドレミファソラシド」にあたる階名を、それぞれ漢字で「合四一上尺工凡六五乙」と表記し、さらに1オクターヴ高い音についてはそれぞれの漢字の左横にニンベンを書き添えるものだった。日本でも、西洋音楽の知識が普及する明治中期ごろまでは、明清楽や日本の俗楽の文字譜の表記法として、民間ではこの工尺譜が用いられていた。 合四一上尺工凡六五乙日本語での読み(唐音)ホー スイ イー ジャン チヱ コン ハン リウ ウー イー 対応する西洋の音階ソ ラ シ ド レ ミ ファ(ファ♯) ソ ラ シ その後、工尺譜は西洋伝来の数字譜や五線譜に取って代われたが、今でも中国の伝統音楽では調を表す専門用語として、工尺譜の階名が使われる(例えば「D調」を「小工調」、「C調」を「尺字調」と呼ぶ、など)。また、日本の雅楽の文字譜や、三線の文字譜「工工四」も、工尺譜の影響を受けている。
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