文字譜の長所・短所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/30 15:02 UTC 版)
文字譜には、五線譜にはない長所も多い。五線譜を書くためには「五線紙」が必要であるが、文字譜なら普通の紙なりワープロソフトだけで間に合う。また文字譜ならば、それぞれの文字の読音を並べるだけで、相手に旋律を伝えることができる。その反面、文字譜は、本質的にモノフォニーの楽曲を記すのに適した記譜法である。近代西洋音楽のような和音やポリフォニーを多用する楽曲の記譜法としては、五線譜よりも読みにくくなる。 現代の世界では、中国など一部の地域を除いて、文字譜より五線譜のほうがポピュラーになっている。 現代の日本でも五線譜が普及しているが、モノフォニーを奏でる和楽器の楽譜には、各種の文字譜が今も使われている。大正琴やハーモニカ、中国の二胡の楽譜では、今も数字譜がよく使われている。沖縄の三線の楽譜は、今も工工四(東洋諸国で広く使われた工尺譜の発展型)で表記される。 パソコンと密接に結びついたABC記譜法は、ABCと洋数字(と若干の記号)だけで複雑な旋律を完全に表記できる。そのため、電子メールで楽譜をやりとりしたり、ネットで文字のみで楽譜を表現し、音楽ソフトで演奏する用途に用いられている。欧米の民俗音楽(例えばアイリッシュなど)の膨大なデータがこの方式でネット上で公開されているため、日本でもネットユーザーのあいだでそれなりに利用されている。 表 話 編 歴 記譜法と楽譜記譜法 ネウマ譜 計量記譜法 五線譜 タブラチュア 大譜表 文字譜 ABC記譜法 数字譜 図形譜 リード・シート 点字楽譜 工尺譜 五線譜の音楽記号 五線 小節 音部記号 調号 変化記号♯ ♭ ♮ 拍子 フェルマータ ダ・カーポ ダル・セーニョ 練習番号 コーダ 音符 音符 休符(休止) 音価 臨時記号 タイ 演奏記号 強弱法 速度記号 発想記号 装飾音 スラー 楽譜 総譜 パート譜 コンデンススコア ピアノ・リダクション 原典版
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