フラット (記号)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 17:14 UTC 版)

フラット(英: flat)とは、西洋音楽の五線記譜法による楽譜で用いられる変化記号「♭」のこと。変記号(へんきごう)とも呼ばれ、半音さげることを表す。イタリア語ではベモッレ(bemolle)、フランス語ではベモル(bémol)、ドイツ語ではベー(b, Be)と呼ばれる。
形状
縦棒とその下端と中間を右側に引く曲線で構成される。音符の位置と曲線の位置が一致するように記述する。
ダブルフラット
ダブルフラットはフラットを左右に接して並べた記号で半音さげ、さらに半音さげる記号である[1][2]。

さらにフラットを並べた「トリプルフラット」もあり、結果として一全音半下げることになる。ニコライ・ロスラヴェッツの『ピアノソナタ第1番』(1914年)などで見られる。
ただし、一般にフラットを3つ以上使う意味はなく、別の表記を採用すれば済むのであって、このように3つ以上のフラットが書かれている場合は、そのような表記に妥当性が存在するかどうかの検討が必要である。

歴史
中世西洋音楽ではネウマ譜のほかにアルファベット1文字を使った音名が併用された。グイード・ダレッツォによる6音音階 (hexachord) の理論は全音階に近かったが、ロ音(B)のみは半音低い変ロ音が存在し、高い方を「硬いロ」(ラテン語: B durum)、低い方を「柔らかいロ」(B molle)と呼んだ。記号として硬いロを角ばったbで、柔らかいロを丸みを帯びたbで表した。前者がナチュラル記号、後者がフラット記号として現在まで伝わった[3]。フラット記号を意味するイタリア語: bemolle、フランス語: bémolなどはラテン語で柔らかいロ音を意味する「B molle」に由来する。
文字コード
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
♭ | U+266D |
1-2-85 |
♭ ♭ |
フラット music flat sign |
𝄫 | U+1D12B |
- |
𝄫 𝄫 |
musical symbol double flat |
𝄬 | U+1D12C |
- |
𝄬 𝄬 |
musical symbol flat up |
𝄭 | U+1D12D |
- |
𝄭 𝄭 |
musical symbol flat down |
𝄳 | U+1D133 |
- |
𝄳 𝄳 |
musical symbol quarter tone flat |
脚注
- ^ 練習の手引き〜ダブルシャープ Archived 2013年1月20日, at the Wayback Machine.
- ^ ダブルフラットやダブルシャープの意味はなんですか?
- ^ Carl Parish (1959) [1957], The Notation of Medieval Music, W.W. Norton, pp. 27-28
関連項目
「フラット (記号)」の例文・使い方・用例・文例
- フラットスクリーンテレビの値段は最近下がっている。
- このタイプのフラットスクリーンは壁にかけて使う。
- 伝統的な会社の従業員よりもフラット組織の従業員のほうが、社内の意思決定に関与する機会も多いものと思われる。
- 彼は100mを11秒フラットで走った。
- 撃ち合いが少し静まったとき、パパが走ってフラットに行って、私たちにサンドイッチを持ってきてくれたわ。
- 州[市, 町]営住宅団地[フラット].
- 3秒フラット 《競技記録》.
- 100メートルを 10 秒フラットで走る.
- キューマンション, フラット 15 号.
- 彼は 4 分 15 秒フラットで第 2 位であった.
- フラットコンピューターモニター
- Bフラット
- フラットヘッド・キャットフィッシュ
- スズキ亜目フラットベッド
- 襟先が丸く正面にくるフラット・カラー
- 音声記号にしたがい調を示すシャープまたはフラット
- シャープあるいはフラットのない長音階
- 音符の前にフラットを2つ記譜することで、半音2つ分を下げることを示す
- 前のシャープまたはフラットを取り消す表記
- シャープ、フラット、またはナチュラルを示すが調号ではない音楽記号
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