箱庭関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 01:23 UTC 版)
「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」の記事における「箱庭関連」の解説
箱庭 現在は強大な力を持つギフト保持者が面白可笑しく生活できる為に造られたステージであるとされ、神々の遊び場と化しているが、本来は外界を正しく発展させるために造られた神造世界、即ち第三点観測宇宙である。神霊種が人類史と共依存している世界であり、人類の破滅が確認されれば箱庭の世界は滅びる。これを神霊は総じて世界の終焉“終末論”と呼んでいる。 明確な“世界の果て”が存在する箱庭の世界だが、その表面積は恒星に匹敵し、世界軸という柱によって支えられている。中心を見上げた時の遠近感を狂わせるようにできており、肉眼で見た縮尺との距離の差異は大きい。箱庭を覆う天幕は、太陽にあたることのできない種族のために作られたもので、箱庭の内側に入ると不可視となる。 上層から下層まで七つの支配権に分かれ、数字が若いほど都市の中心部に近く、より強大な力を持つ者たちが住んでいる。一般的に七桁・六桁を下層、五桁を中層、四桁・三桁・二桁・一桁を上層と呼ぶ。上1桁が住所のようなもので、東:一〜三 北:四〜六 南:七〜九となる。東側の外門の外は世界の果てと向かい合っているため、他の地域に比べて閑散としている。最下層である七桁を除けば、それぞれの階層に求められる条件が存在する。本拠の階級を上げる方法は様々存在するが、分かりやすい一例として、六桁の門を越えるには、“階層支配者”が提示した試練(ゲーム)をクリアしなければならず、五桁の門を越えるには、六桁の外門を三つ以上勢力下に置き、その門に旗を飾った上で100以上のコミュニティが参加するギフトゲームの主催者を経験する必要がある。六桁外門への昇格は参加者・個人としての力を求められ、五桁外門への昇格は主催者・組織としての力が求められる。即ち六桁と五桁の魔王では使用する“主催者権限”の質と規模などその実力には雲泥の差がある。 一定のスパンで人工降雨が行われる。その時のみ箱庭の天幕が可視状態となり、光学屈折で作り出した雨雲を視覚に錯覚させる。つまりありもしない雨雲を「ある」と錯覚させた上で雨を降らせている。ここまでの高等技術を持ってまで雨風を起こすのは、古来天運天災に身を潜める修羅神仏にとって雨雲の有無の意味合いが大きいためである。また箱庭の天幕は満月であっても星の光は霞まずに目視しやすいように作られており、幾千万の星々もまた、箱庭のために造られた舞台の一部である。利便性の問題などで“境界門”付近しか都市開発されていないことが多く、未開発のまま野ざらしにされている森や海、資源、未開の土地のゲームもあるはずだとされる。 伝承に出てくる魔物たちとは和解しており、ギフトゲームなどの試練の手伝いをしてもらっている。現在も争っている種は相当危険な種か、呪いで怪物にされたままの種。 階層支配者(フロアマスター) 箱庭の秩序の守護者として下位コミュニティの成長を促すために設けられた制度。秩序を乱す天災・魔王が現れた際には率先して戦う義務があり、魔王でなくとも無法行為を働く者たちを裁く使命がある。彼らはその義務引き換えに、膨大な権力、強大なギフト、そして最上級特権“主催者権限”が与えられる。 また箱庭内の土地の分割や譲渡、コミュニティが上位の階層に移転資格を試す試練を行う、天候をある程度預かる、地域の活性化を促す大規模ゲームの定期開催、など数多くの激務がある。 現在の“階層支配者”は“サウザンドアイズ”の白夜叉、“ラプラスの悪魔”(現在休眠中)、“サラマンドラ”、“鬼姫”連盟、 “龍角を持つ鷲獅子”連盟。また白夜叉が神格を返上したために、東側は第1部5巻から蛟魔王・蛟劉が、第2部では“ノーネーム”が代行を務めている。 “階層支配者”が壊滅、もしくは一人となった場合に限り、“全権階層支配者”が選ばれ、暫定四桁の地位と相応のギフト、太陽の主権の一つ、そして東西南北から他の“階層支配者”を選定する権利が与えられる。 全権階層支配者(アンダーエリアマスター) “外門の支配者”が地域を治めていた頃は修羅神仏入り乱れの大魔境であり、魔王に外門利権証を奪われれば“境界門”使用料が独断で定められ、外門の外に出ることも叶わず奴隷のように飼い殺しにされていた。そんな末世にあった下層に秩序を取り戻そうと旗を掲げた“箱庭の騎士”である吸血鬼たちが、その持ち前の力と知恵、勇気を以て次々と凶悪な魔王たちを打ち破り、それでも手に負えない魔王や外界に取り逃がした魔王もいたが、結果的に箱庭は安定期を迎えることに成功した。その後、下層は“箱庭の騎士”を中心に全外門で共通の規定を取り決め、法整備し、“階層支配者”と“地域支配者”制度を設け、東西南北の下層を見守る“全権階層支配者”として広く認められた。 “階層支配者”が壊滅、もしくは一人となった場合に限り、“全権階層支配者”が選ばれ、暫定四桁の地位と相応のギフト、太陽の主権の一つ、そして東西南北から他の“階層支配者”を選定する権利が与えられる。過去に就任した前例は白夜叉とレティシアのみである。 外門の支配者(ゲート・ルーラー) “階層支配者”制度投入前の箱庭開闢時に各外門に決められた制度で、“境界門”の使用料も彼らの独断になるなど独自の裁量で地域を治め、魔王に支配された外門は出ることもできずに飼い殺しにされた。 地域支配者(レギオンマスター) 地域で最も力があると“階層支配者”に認められたコミュニティは、外門利権証を取得することで様々な影響力が発生する故に“地域支配者”と称される。外門利権証 “地域支配者”が“階層支配者”の提示するギフトゲームをクリアすることで与えられ、箱庭の外門に存在する様々な権益を取得できる特殊な“契約書類”。外門同士を繋ぐ“境界門”の起動や広報目的のコーディネートなどを一任できる権利。 立体交差並行世界論 通称“歴史の転換期”と呼ばれ、箱庭の多岐集結型召喚式の一種。異なる事象が時間平行線で起きているにもかかわらず、結果が収束するクロスポイントがある、というもの。 全能領域 三桁に属する修羅神仏の総称。文字通り全知全能の力を持っているが、“全能の逆説(オムニポテント・パラドックス)”を始めとした様々なパラドックスによって箱庭では単体で全能を行使ことができない。 また、全能は創造は出来ても、創造したものを容易に改変することは“全能の逆説”の一部に抵触してしまう。 三桁に在籍している分には基本的に霊格は等価であり、反則なのは女王だけ。 全権領域 全ての権能を集めた者で、二桁に属する。元々は生まれた時から存在している宇宙真理(ブラフマン)の原型だった4人だけだったが、“全能の逆説“や“退廃の風(エンド・エンプティネス)”が権能の大半を封印した事が切っ掛けで全権領域(箱庭第二桁)の道が開けた。 現在は釈迦や白夜叉などを含めて十七人くらい存在する。また、釈迦に匹敵する存在として殿下が挙げられている。 歴史の根幹を変えるほどの変革、即ち神の視点の切り替えは、第二桁に住む者たちによる過半数の承認が必要となる。 忉利天 天軍を出撃させるために用意された現世と天界を繋ぐ門。三桁に座す強力な神霊たちが本来の姿のまま下界に顕現すれば、その存在だけで天地を揺るがす災害となりかねないため、その余波を軽減するために造られ、星辰体(アストラル)と物質体(マテリアル)を相互可逆させ環境に合わせた最善の姿で神霊や星霊を顕現させることができる。よってこの天門以外の方法で下層に降りる事は原則として禁じられており、天軍の所属コミュニティ以外の者が使用する際には帝釈天の許可が必要となる。 アジ=ダカーハの手で一時的に使用不能な状態に陥っていたが、現在は修復され四桁までが繋がり移動可能となっている。 原典(オリジン)候補者 誕生が円環状になっている人間と神様の関係に対して「どちらが本当の原典(オリジン)であるか」を問うための代表者。 「神霊は人類の信仰によって発生する」、「人類は神々の恩恵を受けて進化する」。つまりは起点(アルファ)である造物主と、終点(オメガ)である創造物が同一の世界の箱庭が抱える最大の謎、鶏(カミ)が先か卵(ヒト)が先か、これまで解答が出なかったパラドックスゲーム、通称“Bootstrap Paradox(ブートストラップ・パラドックス)”に対して最終的な結論を導き出すための候補者こそ、彼ら“原典候補者”である。殿下が神の原典候補、十六夜が人間の原典候補となる。 候補者が終末論を乗り越えなければならないのは、起点を決めるのであれば終点も決めなければ辻褄が合わなくなり、両者の起源を決めるために候補者は人類最終試練を踏破しなければならない。 歴史の転換期(パラダイム・シフト) 人類だけでなく一生命体の単位で観測される節目、大規模な戦争や生態系が変わる規模の天変地異、それらが起こる時期のことである。数年単位でズレが生じる可能性がある。起こる時代が大まかに決まっており、時期による歴史の収束を促すために様々な形で“恩恵”が顕現する。つまりコミュニティのルーツを辿っていくと伝承・伝説・史実上の人物に行き着くことが多くなる。作中において、箱庭は異なる全ての可能性の収束点として描写されるため、箱庭に召喚されるためには、異なるすべての時間軸で同様の事象が観測されなければならない。 上層に割り込むほど大きな“歴史の転換期”が起きるのは17世紀前後までが最盛期であり、以降の歴史、特に19世紀以後は様々な可能性が多岐に亘って分割し可能性が収束されにくく、2000年代にもなれば神霊や悪魔が生まれる収束点はほぼ皆無、あっても都市伝説の規模となる。“歴史の転換期”を起こしたもの、あるいは重要な役割を占めるものは(後者はその信仰により)高い霊格を得る。技術的な“歴史の転換期”は本来であれば個人ではなく組織に依存することになる。ラプラスの悪魔やマクスウェルの悪魔のような理論の擬人化が行われるのは、理論に対する霊格の担い手が不確定であることによる。 数多の恩恵と強力な霊格が与えられる“歴史の転換期”はすでに強力な神群が信仰という根を張っているのが現在の世情である。また、「とある事実」において、太陽の周期などの大規模な出来事が原因となると、必然的に“歴史の転換期”を迎えることになるため、その事実は各世界の時間軸において不可避の未来となる傾向にある。 統一祖語の恩恵 箱庭の世界は読み書きができないと幻獣とのゲームが成り立たないため、史実の逆算による“全ての言語は最終的に統一される”という概念によって文字の類には“統一祖語の恩恵”が必ず使われている。偏在時空、第三点観測宇宙である箱庭が結果論オメガからの逆算を行い形にしたのがこの“統一祖語の恩恵”である。 箱庭の世界には様々な時代・種族が招かれる。本来なら言葉を交わす事など不可能なはずの彼らが意思疎通が可能になっているのはこの恩恵が常に箱庭の世界を包み込んでいるからである。 ノーフォーマー 箱庭の世界では“観測不可能になった者は霊格を消滅する”という大原則が存在する。これを俗に“ノーフォーマー”と呼ぶ。 後世の語り部たちによって改変された結果、真の歴史が観測不能になった物や人類史の中で焼き尽くされた文明や歴史、あるいは到達不可能となった未来が“ノーフォーマー”に相当する。本来なら、それらは一度失われれば、箱庭では観測不可能なままだが、巨大な“歴史の転換期”が起きて、“観測可能な時間流に変わった”場合は観測が可能になる。 消失祖語(ロスト・ランゲージ) “読めない文字”ではなく“観測できない”文字。神代が成立する前後の時代に使われていた古代の祖語。人類史の発展と共に後の時代に使われなくなり、観測不可能になった人類の祖語の一つ。巨大な“歴史の転換期”が起こり、“観測できなくなった文字”が“観測可能な時間流に変わった”場合、観測不可能な文字が、観測可能な文字に変わることがある。 『カクヨム』の短編で、現在の紀元前八〇〇年が最古とされているケルト祖語より以前の代物で“来寇の書”の真典に相当する時代の文字が登場している。この祖語は魔王アジ=ダカーハを倒したときに極大規模の“歴史の転換期”が起きて、“来寇の書”の真典が発見される時世に変化し、祖語の最古が変わったために力を取り戻したが太陽主権戦争の開催で次期が定まっていないため、読めない文字のままで固定されている。 人類最終試練(ラスト・エンブリオ) 人類を滅ぼし、神霊を殺し、現状の箱庭の世界を滅ぼす力を持った魔王。最古の魔王の総称であり、人類を根絶させる要因の試練が顕現した存在。明確な目的を以って人類と神霊を撃滅しにかかっており、己か敵の何れかが滅ぶまで戦い続けるという意思を持つ。彼らは“主催者権限”がそのまま擬人化したような存在であり“契約書類”などの概念を用いることなくゲームを開催し続ける事ができる。故に彼らを打倒するには膨大な知識量と発想の飛躍、そして不可能に挑み倒そうとする覚悟が必要となる。人類の悪性を糧に育ち、最後の魔王を生み出す胎盤を意味する。 人類の歴史を巡り神々が争っていた黎明期に突如として現れた災厄である。人類史が存続することを前提とした試練が行われている神々の代理戦争に対し、彼らは誰かが乗り越えない限り、人類または世界が破綻する可能性を秘めた最上級の試練。最終試練を越えることは人類史に必須であり放っておけば外界の人間にも影響する。拝火教の終末の女神の涙を拭うため、人類が滅ぶ要因を細分化、明確化し人類が勝利する未来を作るためにアジ=ダカーハが人類最終試練を確立した。 「神霊は人類の信仰(観測)によって発生する」「人類は神々の恩恵を受けて進化する」。この神霊が発生する条件から、両者の起点と終点はどちらにあるのか、つまり起点(アルファ)である造物主と終点(オメガ)である創造主が同一の世界、それが箱庭の世界である。箱庭の有史以来最大の謎とされているパラドックス、鶏<カミ>が先か卵<ヒト>が先か、通称“Bootstrap Paradox”だが、これはすでに人界でも、人類の末世と呼ばれる2000年代で最も支持を受けたのは、神による世界の創造論だったと結論が出ている。この結論は時代の力ある宗派の影響が大きいが、世界(宇宙)を構築した一次的要因として創造論以外の説明が未だに立証できないという事実もあり、それは人類史が全ての時間を費やしても到達できない真実の一つである。だが、「人類の支持を得た」ことが「創造論の保証」になるのであれば、「世界の法則は人類の主観に左右されて構築される」、即ち人現原理こそが宇宙観の真実となる。そしてそれこそが“人類最終試練”を最強の神殺しへと押し上げている事実であり、人類と神霊が相互観測者ということは、一方が滅べばその関係は破綻する。つまり“人類最終試練”とは「人類全てを滅ぼす要因α」、これこそが人類に降りかかる最後の試練である。それを北欧では“ラグナロク”、インドでは“カリ=ユガ”と呼び、遥か古代の文明から神々が警鐘を鳴らし続けたその収束点(オメガ)Xを、彼ら神霊は総じて世界の終焉、即ち“終末論”と呼ぶ。 “天動説”、“閉鎖世界(ディストピア)”、“絶対悪(アジ=ダカーハ)”、“退廃の風(エンド・エンプティネス)”、“永久機関(コッペリア)”などがいるが、真に人類最終試練として扱われるのは、当時の箱庭に“踏破不可能”と太鼓判を押された、人類が人類を死滅させる魔王である“閉鎖世界”、“絶対悪”、“退廃の風”の三体。“天動説“の白夜叉は人類最終試練の一角だったが、仏門に隷属することで抑えている。人類が人類を滅ぼす以上、“実行犯は戦いの結果として、人類に見返りを求めない”存在でなければならず、権力者は条件に該当しない。 最終試練のタイムリミットとは、人類の破滅が外界で確約されるまでの時間を指している。もしもこれが真実であれば、破滅を迎えようとしているのはこの箱庭の世界ではなく、十六夜、飛鳥、耀が元居た世界ということになる。だが、「人類は人類の手で滅びを迎える」というのが最終試練に与えられた共通項であり、アジ=ダカーハのような一部の権力者による滅びも結果的には同じで、20世紀に核兵器を始めとしたNBCR(大量破壊)兵器が存在しているように、人類の悪意の暴走は終末論の引き金を引くには十分な力がある。自然災害や隕石の衝突のような外的要因を伴う終末論との違いはここにある。これらの終末論は最終的に神霊や星霊の力で回避することが可能であるのに対し、人類が人類を滅ぼす終末を乗り越えるには、人類が霊長として次の進化を遂げる、つまり人類その物の倫理観が進化する必要がある。悪意に勝つ霊長としての進化は口で言うほど簡単なものではない。 なお、ディストピアおよびアジ・ダカーハが顕現したのは永久機関の開発および間違った使い方が原因である。閉鎖世界(ディストピア) 啓蒙、自由思想の未発達な世界と永久機関の間違った使い方によって顕現したディストピアの魔王を倒す際に必要だった犠牲は、人類の数割が死に絶えるほどのものであった。 黒死病や疱瘡(天然痘)の大流行による農奴の激滅や生産性の減少、8000万の犠牲者。それにより農奴の社会的地位の向上が早まった結果、啓蒙思想・自由主義といった思想の発展を促した。本来であれば農奴の解放は1900年代最初期かその前後にまで延びるはずだったのだが、結果として啓蒙思想・自由主義といった思想の発展の妨げとなりディストピア思想を増長させる原因となる。つまり人類最大の試練であった黒死病の蔓延は、“閉鎖世界”へ繋がる未来を打ち消し霊長の進化を促すために必要不可欠なものだったのである。8000万の怨嗟を生んだ試練に絶対的な正当性はないが、大流行の事実を時代から抹消してしまえば、魔王ディストピアの復活に繋がると言われる。 絶対悪(アジ・ダカーハ) 彼が絶対悪として顕現した理由は、悪意ある権力者が永久機関を地球環境を破壊し尽くす、つまり世界を滅ぼす超兵器として使ったためである。しかもその権力者は特定の組織や個人ではなく、あくまで永久機関の知識を手に入れた悪意ある権力者のため特定するのは困難(アジ・ダカーハが群体の魔王として顕現したのはそのため)。 その悪意ある権力者を倒すのは永久機関の力を手にした「未来を救うことを確約された英雄」であり、永久機関の開発者という間接的な英雄か、永久機関の被験者という直接的な英雄である。十六夜がアジ・ダカーハを倒すことができたのは、永久機関を開発した両親からナノマシン状の永久機関の投与を受けていたからである。逆にいえば条件に合う人物以外は打倒は不可能。実際、天軍がアジ・ダカーハの心臓を貫いても彼を倒すことができなかった。 権力者の暴走は絶対悪の1つだが、世界を滅ぼす最後の引き金でしかなく、当事者ではなく只の加害者である。人類が生存を進めていく中、その軌跡で必然的に零れ落ちてしまった命の嘆きによって育まれた“人類の全てに復讐する権利を持つ者”こそが“絶対悪”の申し子となる。 神殺し “人類滅亡の形骸化”の別名。終末の獣たち。 真の“神殺し”は二種類しかおらず、必ず大前提がある。 一つ目は世界史観に則った“神殺し”で、人類の動向にかかわらず、世界を終わらせる要因の半星霊化・擬人化。この場合はカルデラ噴火などが該当し、星の大動脈が決壊する時に魔王として現れる。この“神殺し”は、強大である反面、神霊による長期封印が有効である。また、目覚めただけで人類の存続を危ぶませるが、人類の絶滅を主目的としていない者がほとんどである。 二つ目が人類史観に則った“神殺し”で、人類最終試練(ラストエンブリオ)と呼ばれている。この“神殺し”は『人類が歴史を重ねた末に、人類の滅びが確定的である』場合にのみ現れる。この条件に符合する魔王は極めて少なく、『カクヨム』で連載しているディストピア編の時点では僅か三体しか存在しない。 前者と違い、彼らは明確な目的を以って人類と神霊を撃滅しにかかっており、己か敵の何れかが滅ぶまで戦い続けるという意識が彼らにはある。 “神殺し”を打倒した末に、箱庭は救済の力が人類に渡るよう歴史を正すことに成功したが、人類はその力を使って自滅する未来が確定してしまう。人類から疑似エーテル体を取り上げれば人類の自滅は避けられるが、その場合は“神殺し”によって人類までもが死滅する。 精霊列車 精霊の恩恵と彼らの通る道を奔る列車。様々な恩恵を宿せる万能の鉄“金剛鉄”を使う。動力は普通のレシプロエンジンだが、恩恵で浸水を防ぐ。擬似的な空間跳躍に近い霊脈の移動を利用することで、霊脈が引かれている場所に限り、物資も含めて数秒から数分で移動可能になる。これは利便性において“境界門“の数百倍に相当する。線路はまず、“サラマンドラ”の“アンダーウッド”、“龍角を持つ鷲獅子”の“煌焰の都”、“ラプラスの悪魔”の“デイリーウォーカー”、“鬼姫”連盟の“根の国・殺生宮”、“サウザンドアイズ”の各支店を繋ぐ形で敷かれた。“サン=サウザンド”号 第2回太陽主権戦争の中枢と運営を担う、全長200m、幅30mの超巨大精霊列車。車掌は長靴を履いた関西弁の三毛猫。各動力部に群体精霊の巣を作り、燃焼で得たエネルギーを相互互換させることで、ほぼ100%の転換率で動力に変換している。 大きな分類としては異界舞台車両、参加者住居車両、特別貴賓車両の3つに分かれており、それ以外の車両は精霊列車の運営と娯楽施設に当てられている。
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