人類最終試練(ラスト・エンブリオ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 01:23 UTC 版)
「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」の記事における「人類最終試練(ラスト・エンブリオ)」の解説
アジ=ダカーハ “拝火教”神群が一柱、五大魔王の三頭龍。数多の神群を退けた人類最終試練。白夜叉の居ない状態では下層では止められる者がいないとまで言われる。帝釈天と同一の起源を持ち、宗主より“悪(Aksara)”の御旗と箱庭第三桁を預かり、今生を魔王として過ごすことを約束された不倶戴天の化身。人類の膿から生まれた悪神。 夜天を照らす凶星のような紅玉の眼、顎から頭蓋を貫通した杭を打たれた異形の三本首の白蛇。蛇としてピット器官を備えている。背中に「Aksara」、「悪」の原語が刻まれた旗を、双肩にボルトで縫い留めて靡かせている。頭蓋の杭は200年前に戦った金糸雀たちが施した封印の一つである。外見こそ龍種に近いものの、霊格は神霊や悪魔といった霊的な存在に近いため、睡眠などは必要がない。 如何なる恩恵かは不明だが、陸かそれに等しいだけの質量をわずか三メートルの身体に凝縮しており、自身の霊格を切り分けて分身体に与えている。消費した霊格は時間経過で回復する。 “月の兎”の故郷である“月影の都”をわずか一刻で滅ぼしたその力は護法十二天にさえ匹敵する。強力な不死性を持ち、斬撃・打突を幾多数多振りかざしても死ぬことはない。悪神だが火を尊び崇拝する“拝火教”の加護を受けている。 三つある頭蓋の口内から炎熱を吐く事が可能で、疑似神格を宿した幾百の散弾を物ともせずに弾き飛ばし、ロンドンの街を分割するほどの力の奔流となって顕現する。 200年前、金糸雀たちによって“煌焔の都”の地下に封印されたが、リンの手によって封印を解かれ開放された。200年前の戦いで二つ目の封印を受けて身体能力を劣化させているが、基礎性能は“アヴェスター”で補っている。また、自身の影はレティシアと同様に操ることが可能だが、精度やスピードなどはレティシアとは比べ物にならないほど鋭く速い。 元々は人型であったが、人類最終試練と呼ばれるになり呪詛を浴びせられる内に肉体が現在のように変化した。“拝火教”悪神の母である彼の宗主が、“拝火教”という枠組みを超えてより強大な超越者としての視点から、人類が絶対に滅ぶ絶対の結末に涙しているのを見て、彼女の涙を少しでも拭うために、彼女の愛した人類が勝利する未来を造るために最も業の深い“絶対悪”の御旗を背負い人類最終試練になった。 彼の打倒には大量の戦力により、倒すにせよ封印するにせよ、まずはその膨大な霊格、質量を全て吐き出させる必要がある。つまり傷口から分身を産み落とす性質を利用して大量の分身体を倒し、急所である心臓の位置を明らかにするための戦力が求められる。しかし、分身体は数ある恩恵の一つでしかなく、倒すために必要不可欠な武器こそ、「勇気ある者の一振り」である。十六夜に「決して勝てない」と思わせるほどの強さを持ち、激戦の末、黒ウサギが放った、“疑似神格・梵釈槍”を避けて見せたが、それを受け止めた十六夜に心臓を貫かれ、恐怖に震えながら踏み込んだ勇気を讃えて消滅した。 第二部『ラストエンブリオ』では彼の化身の資格者である焰の夢の中に度々現れ、焰と十六夜の方向性が人類の未来ということになったことで焰の中から消滅するはずだったが、クリシュナを名乗る“同類”がいたことによって焰の肉体を使って顕現した。双頭龍 本体の傷口から噴き出した血液を浴びた大地、溶岩、朽ちた大木を双頭龍へと変幻させる。 第一世代は神霊級の強さを誇り、本体の命令を忠実に従うのみで意思や感情は宿っていないが、闘争の点においては知恵が回る。 その強力性は本体自身の霊格を切り分けて与えられており、翼を持つ眷属は霊格を多く消費する。消費した霊格は時間経過で回復する。 千の魔術 魔術・錬金術・科学技術などの歴史ごとに名称を変える「術の全て」の知識の恩恵 伝承では千の魔術を行使する魔王であると記述されているが、古代において魔術とは科学・医術の代替品だった場合が多く、その内容を詳しく記述した書物が存在しないにも拘らず伝承が残っているのは、魔王としての知識量を意味しているとされる。 幾千もの“主催者権限”を受けてきたにも拘らず簡単に封印することができなかったのは、ゲームに有効な知識を無条件で得られるような恩恵を所持していたとされている。 アヴェスター “アヴェスター”起動――相剋して廻れ、の言葉と共に顕現する“疑似創星図”。 二元論を最速で構築できる相剋の“疑似創星図”で、相手の恩恵を含めた額面上の性能を全てそのまま己に上乗せする恩恵であり、神霊が数を揃えても彼に力及ばぬ理由は、神霊の数だけ力を得てしまうことになるためである。相手の宇宙観の反面を模倣して取り込み限定的に行使することができる。ただし、彼本体とそれを共有し合う種族だけは数を揃えたとしても一体以上は模倣できない。つまり元々人間だった彼に、同じ人類の血を引く者だけが“アヴェスター”の影響を掻い潜って挑戦できる。伝承でも彼は世界の終末に現れ「人類の未来を救う英雄」により打倒される運命にある。 覇者の光輪(タワルナフ) 伝承で世界の三分の一を滅ぼすと伝えられてきた閃熱系最強の一撃。終末論の引き金を引く力を召喚し、炎熱として扱う恩恵である。永久機関を地球環境を破壊しつくす超兵器として使用したことにより生まれた恩恵。 コッペリア 南側で“退廃の風”に封印されていた人形。自分(第三永久機関)を完成させるというパラドックスゲームを開催していた人類最終試練。翠色の髪に蒼い瞳を持つ。 “ディーン”の神珍鉄を使用することで神造永久機関として完成したが、本人は第三永久機関として完成していることを望んでいるので、自分を完成させる相手を探すために、今は“龍角を持つ鷲獅子”に身を寄せている。また、“龍角を持つ鷲獅子”にはゲームメイカーがいないため、彼女がその役割を担っている。 彼女を模した人形がマクスウェルによって量産されている。“第三永久機関”の正当な霊格を持つため、マクスウェルが滅ぼされた後に、その霊格が移譲された模様。 退廃の風(エンド・エンプティネス) 信仰を廃れさせ、畏怖を忘却させ、研鑽を途絶えさせる姿なき無貌の魔王。数ある魔王の中でも取り分け特異とされ、彼らが“天災”と称されるようになった元凶であり最上級に危険な天災の一つ。天災であるが故に目的はなく知性を持たない。時に試練のロジックとして、時に時勢の荒波として、時間という概念の最果てより訪れ、追憶の彼方へと去るだけの存在。所在が明らかになっている数少ない一桁ナンバーである。便宜上、魔王に位置付けられているが、この“退廃の風”は世界の法則、いわば全能の一端とも言える存在である。 “徘徊する終末論(ラスト・デカダンス)”、“最果ての暴君(グリード・クラウン)”、“共喰い魔王”などこの神々の箱庭で数多の名を持つ天災の代名詞。神仏の、生命の、星々の輝きを喰らう生粋の魔王で、如何に尊い意思が募ろうと関係なく、恩恵の有無を問わず、あらゆる物質、概念を摩耗させる。“アンダーウッド”収穫祭では決して到達できない存在、つまり喰い尽くせない無限のご馳走である第三永久機関・コッペリアを封印していたが、神造永久機関という仮の形であれ完成したことにより箱庭の中心へと去っていった(本当に退廃の風を退散させたのは十六夜の中にある永久機関だと判明)。 風の色により桁数が異なり、黒が最も強く、白が最も弱い。収穫祭に現れた鈍色の“退廃の風”は五桁に該当し、格上の霊格を退廃させることはできない、正確には“喰らうことを許されていない”ため、“倒すには該当する階層以上の旗印が必要”となる。 “退廃の風”が人類最終試練に位置付けられているのは、最終試練攻略のためのタイムリミットとしての機能があることによる。収穫祭に現れるまで200年姿を見せなかったのは、アジ=ダカーハが封印されていたことが原因である。アジ=ダカーハの封印が解かれ、タイムリミットが過ぎてしまえば箱庭全土に“退廃の風”が吹き荒れることになっており、上層の者達はこれを逃れるために新たな箱庭の構築と移設の準備に勤しんでいたが、十六夜達の健闘により最悪の事態は免れた。 第二部『ラストエンブリオ』では依り代を得て、別の形で現れようとしているとアジ=ダカーハが語った。 閉鎖世界(ディストピア) 最強の神殺しといわれた人類最終試練。カナリアたちの奮戦により「消滅」という形で倒された。なお、彼の支配下の人間はノーフォーマーとなり魂格が摩耗、消滅した。 “極西の魔王(Far west)”、“人類最終観測者(Last observer)”、“神喰らい(God eater)”などの王号を与えられた最強の魔王の一角。箱庭の西側を支配した大魔王。
※この「人類最終試練(ラスト・エンブリオ)」の解説は、「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」の解説の一部です。
「人類最終試練(ラスト・エンブリオ)」を含む「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」の記事については、「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」の概要を参照ください。
- 人類最終試練のページへのリンク