人類最古級の都市の発掘とは? わかりやすく解説

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人類最古級の都市の発掘

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 05:40 UTC 版)

ハモウカル」の記事における「人類最古級の都市の発掘」の解説

この都市年代正確に分かっていないが、考古学者多く意見では紀元前3500年より前であろうとされている。金石併用時代銅器時代紀元前4千年紀ごろ)に遡る13ヘクタールもの大規模な集落が見つかっており、その中から調理の跡や泥レンガ造った城壁の跡が発見された。また円筒印章先立つスタンプ印章や、印章押して使う粘土製の封印封泥)が見つかり、行政組織組織内ヒエラルキー階層構造)の存在をうかがわせている。紀元前5千年紀住居跡少なくとも700エーカー280ヘクタール)の範囲に渡るが、この時代にはこれほど大きな都市存在しえなかったと考えられ、おそらく集落がこの範囲内移動し続けたとみられるハモウカルからは紀元前4500年から紀元前4000年の間に遡るとみられる黒曜石製品作る工房土器片などが発見されており、ハモウカル古代における黒曜石製の道具武器作る拠点であったことを示している。ハモウカル周辺はこうした岩石存在しないため、原料黒曜石はどこかから輸入されたものとなる。化学的分析結果、一番近い黒曜石産地で、170km北にあるネムルト山ネムルト・ダウ、Nemrut Dağı、現在トルコ領)から産出されたものであることが明らかになった。ハモウカル大量道具武器生産、およびアナトリア南部メソポタミアを結ぶ交易栄えた都市ということになる。 伝統的にメソポタミアにおける都市発展起源は、現在のイラク南部河畔共同体にあった考えられてきた。メソポタミア南部古代シュメールの地であり、紀元前4000年ごろにはウルウルクなど有名な都市をはじめとした多数都市国家成立し、「文明のゆりかご」「都市ふるさと」と呼ばれてきた。またメソポタミア北部はこれら南部の諸都市影響にあったとされていた。しかしハモウカルから古い都市遺物発見されたことにより、北部南部シュメールから独立して発展していたことが示され、「文明のゆりかご」や「都市ふるさと」はチグリス川上流のイラク・シリア国境付近にまで拡大されなければならない可能性がある。 シリア北西端におけるこの考古学的発見は、文明大きな規模組織だった構造達するまでに進んでいたことを意味しており、文字書かれ言語出現するより前にこのような都市成立した考えざるを得ないことを意味している。以前は、文字体系ができて初めこうした複雑な都市成立するとみられてきた。より重要なことは、この都市少なくとも今から6000年前紀元前4000年には繁栄しシュメールとは独立して機能していたことにある。これまでは、発達した印章筆記体系持った最古都市ウルクウバイドなどメソポタミア南部シュメール都市であるとされてきた。 ハモウカルでの発見は、都市背後にある基本的な概念いくつか例え専門化した労働・法体系行政組織工芸発展などは、かつて信じられてきたよりも早く始まった可能性示唆している。

※この「人類最古級の都市の発掘」の解説は、「ハモウカル」の解説の一部です。
「人類最古級の都市の発掘」を含む「ハモウカル」の記事については、「ハモウカル」の概要を参照ください。

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