小書の一覧とは? わかりやすく解説

小書の一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/20 02:24 UTC 版)

小書 (能楽)」の記事における「小書の一覧」の解説

表中の流儀の略称は以下の通り観世流…観 シテ方宝生流…宝 ワキ方宝生流下 金春流…春 金剛流…剛 喜多流…喜 観世流片山家…片 観世流梅若家… 狂言方和泉流…泉 狂言方大蔵流 ワキ方福王流…福 曲名小書名称流儀内容葵上 之出(あずさので) 観・宝・春・喜 巫女の謡の中でシテ出て二の句を謡ったあとサシ-下歌-上歌省略しの弓の音は」に続く。金春は替の扱い。 空之祈 観 シテ中入し、後シテ装束は緋長袴、長となり祈の形が変わる。 小返之伝(こがえしのでん) 観 古式 観 世阿弥直筆本による演出作り物・破車と前ツレ青女房が出る。 無明之祈(むみょうのいのり) 剛 シテ中入し、後シテ装束は緋長袴、長となり祈の形が変わる。葵上として見立てている出し小袖後シテ引っ張って連れ去ろうとし、ワキ阻止して小袖抱き抱えるという演出がある。 長鬘(ながかずら) 喜・剛 シテ中入し、後シテ装束は緋長袴、長となり祈の形が変わる。 安宅 勧進帳 観・喜 勧進帳シテ独吟(常はシテ・ツレ棒読みに近い連吟)。 酌掛(しゃくがかり) 観 「酌掛之伝」とも。「落ちて巌に」で拍子踏んで開いて角へ行き「鳴るは瀧の」と謡ながらワキ行き酌の形があり、その後詞章抜けて舞となる。橋掛かで酒をこぼす形がある。 延年之舞(えんねんのまい) 観・宝・喜 重習。舞の中に延年之手が入り三度飛び上がる形が入り緩急も変わる。宝生流延年之舞は葛野流大鼓秘曲となっている。葛野流延年之手は掛け声が特殊となる。シテ方流儀によって、何段目で延年之手を打つかが異なる。 滝流(たきながし) 観 「瀧流之曲」とも。クリ-サシ-クセ抜き面白山水に」で扇を角に落とし数珠にて舞う。舞二段過ぎて盤渉橋掛欄干から流水を見る型あり、舞台戻り扇を拾い上げワカで舞留。 貝立 泉・ 大蔵流は「貝立貝付」と呼ぶ。橋掛出てほら貝を吹く形があり出立知らせる。 遊僧之舞 春 安達原黒塚白頭 観・宝 黒頭 観 長絲之伝 観 前シテの形の替。次第からロンギまで糸を繰る急進之伝 観 後シテの出が変わる。 敦盛 二段之舞 観・剛 前シテ草花入れた籠に鎌を持つ。舞は二段目戦い知らせで舞を留める形となる。番組変成で続く三番目物に舞があるときに限り付けられる小書青葉会釈(あおばのあしらい) 剛 語入 福 間語が逆になり、ワキが間に対して語る形となる。 海士 出端二段返(でわにだんがえし) 観・宝・春・剛・喜 「二段応答」(にだんがえしあしらい)、「二段返」とも。後シテ出端囃子手組みが変わる。 懐中之舞 観・宝・剛・喜 玉之段を床几で舞う。 窕(くつろぎ) 観・剛 「窕之傳」とも。舞の途中囃子方総流でシテ橋掛り出てクツログ形が入る。 此筆之出 観 中入前の「この筆跡ご覧じて」の形が変わる。 脇能之式 観 三段之舞早舞三段になる。 舞返 観 舞の段数増える解説之伝 観 後シテ装束変わり輪冠白蓮戴、型も変わり舞が短くなる赤頭 観 玉之段を橋掛で舞う。後シテは面は橋姫装束赤頭、輪冠龍頂、大口唐織壺折になる。重習。 替装束変成男子後シテ面は悪尉変更し装束白頭大龍戴、白狩衣、白半切変える持ち物鹿背経文となり形も変わる。 床几之型 剛 八講楽器 替間 嵐山 白頭 観・宝・剛 後シテ装束代わり白頭になる。位が重くなり方も変わる。 祝言之式 観 翁付番組祝言切能として後半部分の演ずる。この場合白頭」も付く。 猿聟さるむこ 替間蟻通 故実立廻りの形が変わる。ワキ方に重い習いがある。 真之働 剛 淡路 祝言之式 観 急々之舞 剛 碇潜 船出之習 観 生田敦盛 替之型 観 一仙人 酔中之楽 観 井筒 三度次第物着 観・宝・喜 シテ中入りせず物着間狂言省きワキ待謡一声もない。大小に習の手が入る。 彩色之傳 観 「いつの頃ぞや」の後にイロエが入る。形も変わる。 刻詰之次第(きざみつめのしだい) 観 シテの幕離れ大小替手組みが入る。 下略之留(げりゃくのとめ) 観 段之序 剛 古比之舞 剛 段之序 剛・喜 鵜飼 真如之月 観 イッセイ後のサシ-下歌-上歌省略、形が変わる。森田流笛では常は吹かない送り笛を吹く早笛緩急がつく。 空之働 観 「むなのはたらき」、「そらはたらき」と読む。イッセイ後のサシ-下歌-上歌省略、形が変わる。 無間浮舟 彩色雨月 長序之働 観 真之序之舞のカカリ替える二度之返 観 「月は洩れ」の句を2度返す彩色之傳 観 右近 真之一声翁付のときに用いるもの。シテの出が真之一声になり位が重くなる。 善知鳥 外之濱風キリの謡と形が変わる。 替之翔 観 カケリの形が変わる。 組落シ 剛 翔の型が変わる。 采女 美奈保之傳 観 クリ-サシ-クセを抜く、装束・形が変わる。 平調返 観 笛方習事で、低い調子アシライ吹きになる。舞や形も変わる。 干之掛 観・剛 序之舞のカカリが変わる。 彩色 剛・喜 小波之傳(こなみのでん) 喜 彩色 観 和扇之舞(にぎおうぎのまい) 観 舞が変わる。 弄月之舞(ろうげつのまい) 観 舞が変わる。 素囃(しらばたらき) 観 一相伝 習留(ならいのとめ) 観 江口 平調返 観・宝 笛方習事で、低い調子アシライ吹きになる。舞や形も変わる。 甲之掛(かんのかかり) 観・宝 「干之掛」とも。序之舞のカカリの譜が変わる。形も変わる。 脇留 観 彩色合掌留 宝 絵馬 寛之舞 観 神楽二段目過ぎたところでいきなり「面白や」と謡いだす。 五段之舞 剛 女体後シテ天照大神が常の男神から女神になり、後ツレ天鈿女命手力雄命に変わる。※常は後ツレ天女二人が五段神楽合舞大勢替間 老松 長序之傳 観 舞の序が長くなる。 返留之傳 観 留の文句繰り返す彩色之傳 観 彩色之働 春・剛 紅梅殿(こうばいどの) 観・宝 後ツレ紅梅殿が出て三段之段を舞う。 紅梅天女合舞紅梅天女紅梅殿出 喜 作り物が出る。 大江山 替之型 観 大社 神子神楽(みこかぐら) ・泉 替間小塩 車之仕方姨捨 弄月之舞(ろうげつのまい) 観 前後之替 観 大原御幸 庵室留 観 シテ作り物入り留める寂光院クセ後の法皇の詞、シテ謡を別の詞章置き換える杜若 恋之舞 観 地次第の後「別れこし」からサシ-クセ省き直ぐに「花前に蝶舞う」となり、序之舞の二段オロシ橋掛行き影を映す型が入る。 彩色之傳 観 「色ばかりこそ」の後にイロエが入る。 素囃子しらばやし) 観・春 序之舞がイロエに変わる。口伝習いがある。 伊勢之傳(いせのでん) 観 遊女の霊が杜若の精と偽り現じて舞うというもの。形が変わる。 沢辺之舞 宝 破掛序之舞となり、舞中に橋掛かりにて杜若見込む風情となる。 袖神楽 春 日蔭之糸 剛 増減拍子盤渉景清 松門応答しょうもんあしらい) 観 小返 観 「日向とは日に向かう」に囃子替えの手組みが入る。 大返 剛 之型 剛 花月 替之型 観 柏崎 笹留 観 別名「笹拍子」 大返之傳 観・宝 地「頼もしや」の後に大小の手組みがはいる。宝生は「大返」と呼ぶ。 舞入 宝 春日龍神 龍女之舞 観 「白頭龍女舞」とも。後ツレ龍女二人出て三段之舞舞台橋掛合舞。謡の順序変わり後シテ装束白頭に変わる。 白頭 宝 別習・龍神揃 宝 後ツレ龍女二人竜神四・五人ほどでて橋掛並びシテ順番呼び挙げる。 町積(ちょうずもり) 替間大蔵流の重習。 合浦 一拍子之傳 観 「一拍子」とも。ワキ宝珠渡しキリ一拍子で謡い出す。全体重くなる。 葛城 大和舞 観・宝・春 舞が笛方の重習、アシライ吹きの「大和舞」に変わりシテ幣を持って舞う。位が非常に重い。 脇留 観 神楽 宝・剛 惣神楽。舞が五段神楽になる。 鉄輪 早鼓 観 「早鼓之伝」、「中入之伝」とも。中入早鼓変更前シテ装束も変わる。 兼平胡床(ながあぐら) 観 後シテ床几での形が長くなる賀茂 素働(しらばたらき) 観 前場ロンギツレ謡に、後シテ装束が輪冠に状の戴が付き働の型も変わる。一子相伝御田 ・泉 替間御田のみ単独演ずることもある。 通小町 雨夜之傳 観・剛 之型 宝 替装束邯鄲 藁屋作り物藁屋になり、舞は盤式楽になる。 夢中酔舞 観 黒垂、唐帽子法被着流装束変更来序なく楽は二段ヲロシより地となり、座していつまでぞ」の謡に変わり狂言に渡す。梅若実日記30年6月12日に「楽バンシキ二段下りナシ皆台ノ上」と記載があり、舞は一畳台の上のみで舞う形がある。 傘之出 宝・喜 蟻通同型長柄の傘で出る。 笠之次第 宝 「笠」とも。シテは笠を持って出る。 盤渉 宝・剛 舞が盤渉楽になる十二段楽 春 舞が変わる。 月之働 剛 置鼓 喜 働 喜 咸陽宮 ニ三返之傳 観 琴之段の謡の一部繰り返す琴歌独吟 観 別習。 菊慈童枕慈童前後之習 剛 遊舞之楽 片 木願書 観 この小書付かない場合は「願書」を読まない。 恐之舞(かしこみのまい) 観 舞の形が変わる。 砧 之出 観 清経 恋之音取 観・宝・春・剛・喜 シテの出が「恋之音取」という特殊なアシライ吹きになる笛方の重習。宝生喜多では「音取」、金剛では「披講出端」と呼ぶ。 曲中之会釈(くせなかのあしらい) 観 替之型 観 金札 古式 観 後ツレ天女が出る。 国栖 白頭 観・宝・春・剛 後シテ装束白頭になり装束も変わる。位は重くなる。 天地之声 観 後シテ幕内から「王を藏すや」と謡い出し「即ち姿を」で舞台走り入る。このとき白頭になる。 熊坂 替之型 観 後シテ床几かからず安座し、地より立って舞う。 床几之形 宝 長床几(ながしょうぎ) 剛 後シテ、常より長く床几かかって形を行う。 働 喜 青野ヶ原道行ワキの語。 鞍馬天狗 白頭 観・宝・春・喜 後シテ装束変わり白頭。位が重くなる。 白式白頭装束が白基調に変わる。 素翔(すのかけり) 観 重習。 素働 観 白頭の重習、一子相伝。 別習・天狗揃 宝 後ツレ多数出て橋掛天狗並びシテ呼び挙げる前場子方多数でるため「稚児揃」と呼ぶことがある大勢車僧 黒頭白頭呉服 脇能之式 観 祝言之式 観 作り物出 宝 機台の作り物が出る。十六宝生九郎謡曲口伝」には、呉服作り物は「替」の扱いだったとしている。 源氏供養 舞入 観・宝・剛・喜 イロエ替えて破掛中之舞を入れる。 脇留 観・剛 「脇留之傳」とも。 真之舞入 宝 松平出雲守の注文作った小書クセ源氏五十四帖の名前を織り込んだものに変更し序之舞を追加する。 語入 福 ワキ語りが入る。 玄象 窕(クツロギ) 観・宝・剛 早舞途中で囃子方総流しの内にシテ橋掛出てクツログ型が入る。 脇能之式 観 「初能之式」とも。 早装束間狂言を省く。 替之型 観 梅若家にある小書。 舞返 宝・剛 舞が五段+五段になり緩急が付く。 源太夫拍子 春 恋重荷 彩色之傳 観 小鍛冶 黒頭後シテ黒頭になり、位が急になる白頭 観・宝・喜 前シテは尉、後は早笛なく働も抜く。緩急が付く。白頭は「神」とする。 黒頭別習 観 一相伝前シテ喝食稲穂を持つ。後シテ面は乱序出て緩急付き動きはさらに急になる黒頭は「霊狐」とする。 小袖曽我 替之型 観 小督 恐之舞 観 かしこみのまい。舞が変わる。作り物片折戸を置く場所が変わる。 替装束後シテ装束替え、袴は大口から指貫になる。 胡蝶 物着 観 (文化2年書上記載があるが、現行謡本記載が無いので、おそらく廃止され小書) 脇留之伝 観 (文化2年書上記載あり) 西行桜 比多之伝 観 之舞 観 序之舞をで舞う。 素囃子彩色 観 序之舞がイロエに変わる。 脇留 観 之型 宝・剛 序之拍子流木留 剛 逆鉾 替装束後シテ装束白頭、または黒頭になる(黒頭は替の扱い)。 祝言之式 観 白式装束がすべて白になる。宗家のみの一子相伝桜川 舞入 宝 実盛胡床(ながあぐら) 観 後シテ床几での形が長くなる七騎落 恐之舞 観 舞の形が変わる。 自然居士 忍辱之舞(にんにくのまい) 観 クリ前に舞が入る。 石橋獅子前シテ尉、後は白頭1、赤頭1の二人、または、白1、赤3の4人出相舞獅子段数変わり作り物も変わる。 師資十二段之式 観 獅子段数が変わる。 連獅子 宝・春・剛・喜 白と赤の2人相舞金剛は「和合連獅子」とよぶ。 古式狻猊之式(さんげいのしき) 剛 白1赤2の三人相舞俊寛 落葉之伝 観 「落つ木の葉の盃」の形が変わる。 鍾馗 黒頭後シテ黒頭動き早くなる白頭昭君 舞働 観 「おどろを戴く」の後に舞働きが入る。 早装束後シテ中入の後、すぐ早笛二段子方が出る。替の扱い猩々 乱 観・宝・春・剛・喜 重習。舞が乱になる。 乱掛 観 乱留 観 双之舞 観 猩々二人出て、乱を合舞。 壺置 観・剛・喜 壺の作り物が出る。喜多は「壺出」。 乱和合猩々二人でて乱を合舞。 乱膝行 宝 乱の途中ワキ膝行する形がある。宗家の披で出ることが多い。 七段乱 宝 乱の段数が常の五段から七段になる(他流は常が七段)。 七人猩々猩々7人出て壺の作り物が出る。 九段 剛 乱が九段になる(常は七段)。 正尊 起請文 観 常は起請文読まないが「自筆にこれを書き付け御前に於て読みあぐる」と起請文を読む。 翔入(かけりいり) 観 「おめきさけんで戦ふたり」の後にカケリが入る。 白髭 勧進聖替間代主 知波夜之傳(ちはやのでん) 観 「知波夜之舞」とも。 須磨源氏 窕 観 早舞途中でシテ橋掛出てクツログ形が入る。 隅田川 彩色 観・剛 「我思う人ありやなしや」の後にイロエが入る。金剛は「後之彩色」と呼ぶ。 鉦之音 観 念仏の鐘の打ち方が変わる。 六字鉦鼓同上住吉詣 悦之舞 観 移リ舞 観 拍子誓願寺 三躙(みつのひょうし) 観 クセ冒頭聖衆来迎落日の前とかや」に拍子が入る。 乏佐之走(ぼうさのはしり) 観 「乏佐之翔」(ぼさがけ)とも。序之舞を立廻り変えるクセを抜くこともある。 来迎拍子らいごうびょうし) 宝・剛 仕形(ふだのしかた) 宝 善界 白頭 観・宝 後シテ装束変わり白頭、位が重くなる。 黒頭 観 昔は観世白頭はなく黒頭のみだったとの記載謡曲秘伝にある。 関寺小町 筆染之傳 観 クセアゲ羽後「硯を鳴らしつつ」の形が変わる。 移拍子之傳 観 子方舞の後「幾久しさ万歳楽」の後に扇で二つ拍子入れる。 殺生石 白頭 観・宝 作り物なくシテは幕に中入り。後は幕の内から謡い出し、面は野干装束白頭、白狩衣と白基調変更する。「二つに割るれば」でシテ幕より舞台走り入る。後の型も変わり緩急がつく。 女体後シテ泥眼白垂天冠戴、緋大口、白狩衣女体シテ橋掛かりで仏倒れがある。 蝉丸 替装束 観 替之型 観 蝉丸シテ逆髪ツレ(双シテ扱いも多い)。道行は笹を持って橋掛りで舞う。 舞入 宝 琵琶会釈(びわのあしらい) 剛 千手 郢曲之舞(えいきょくのまい) 観 単に「郢曲」とも。謡の一部省略し形が変わる。舞がイロエ掛りになる。 草子洗小町 彩色乱拍子乱拍子が入る。 卒都婆小町 彩色 観 一度之次第中略 観 「中之下略」とも。 習留(ならいのとめ) 観 三度返之次第大会 大勢当麻 初能之式 観 装束変わり、舞は黄鐘になる。 三番目之式 観 二段返 観 後シテ出端囃子手組みが変わる。 乏佐之走(ぼうさのはしり) 観 舞がイロエに変わる。 窕之傳(くつろぎのでん) 観 舞の中で総流しにて橋掛り出てクツログ形が入る。 高砂 流シ八頭 観・宝・春・剛・喜 「八頭之形」「流八頭」とも。 流之型 観 八段之舞 観 神舞五段+急之舞三段に変わる。緩急が付く。 祝言之式 観・剛・喜 太極之伝 観 作り物出 宝 作り物松立木が出る。形も変わる。 真之型 春・剛 金剛は「真之習」と書くこともある。 無序破急之伝 春 七五三出端祝言之掛 喜 祝言之舞 喜 真之掛之舞 喜 真之掛留 喜 真之舞 喜 真之留 喜 忠度 替之型 観 前シテに花を付ける。後シテは形が変わり立廻りを抜く。 龍田神楽神楽を扇で舞う。 神楽留 観 「三段神楽」とも。神楽を地直りせず三段留める二段之舞留 観 七震応答(ななつゆりあしらい) 観 神楽の笛の譜が変わる(五段神楽)。 玉井 貝尽 替間 田村胡床(ながあぐら) 観 床几での形が長くなる替装束 観 替之型 白式 春 前後とも装束変わり、白を基調したものになる。位が上がる長床几 剛 長胡床とほぼ同じもの。 白式祝言之翔 喜 白田装束が白基調のものになり、面は天神に変わる。 竹生島 翁付之式 観・宝 女体 剛・喜 前シテ漁翁が社(作り物)に中入りし、前ツレ海女橋掛で社の扉を開け動作をして幕に中入りする。後シテと後ツレ逆転し弁財天シテ龍神ツレとなる。天女舞は盤渉楽に変わる。留は謡の終了の後1クサリ残り弁財天常座トメ拍子を踏む。 道者 喜多流小書女体のときに出る替間土蜘蛛 入違之伝 観 前シテ退場ワキ登場橋掛り上で入れ違いになる。 黒頭 観・宝 後シテ黒頭で位が急になる宝生は替の扱い替装束千筋之伝 剛 欄干越 剛 替之型 喜 ささがに 近年になって作られ小書。「かに」が二人出る。 土車 小返 観 経古式烏手からすで) 喜 笛方森田流の重習、シテの出が特殊なアシライ吹きになる。 鶴亀 曲入 宝 巴園の曲を追加しシテが舞う。小習事。 定家 闇夜一声後シテ出の一声が変わる。 和扇之舞(にぎおうぎのまい) 観 舞の形が変わる。 心味ノ拍子 観 埋留(うもれどめ) 観 キリの形が変わり作り物の中で留める。 九ケ之傳 の手組(詳細不明)。重習。 天鼓 弄鼓之舞(ろうこのまい) 観 前シテイッセイ-サシ-下歌-上歌抜きワキ呼び掛けで出る。常は太鼓無いが太鼓入り舞は盤渉楽になりキリの形も変わる)。 盤渉 宝 楽が盤渉になる。 呼出東岸居士 橋立橋柱 観 謡を追加する(『謡曲秘伝書』に記載あり)。 道成寺 赤頭 観 「赤頭之傳」とも。前の装束変わり後シテ赤頭付け、面は真蛇となる。 中之舞数躙(なかのだんかずびょうし) 観 乱拍子の型が変わる。 無躙之崩(ひょうしなしのくづれ) 観 乱拍子の留が変わる。 五段之舞 観 急之舞が五段になる。 次第三遍観 梅若家の小書乱拍子返之傳 観 梅若家の小書赤頭替装束 観 梅若家の小書古式前シテの面が曲見から孫次郎になり、装束も無紅唐織から紅入唐織となる。烏帽子は前折、乱拍子八段から六段に変わる。後シテ不動頭を被る。 赤頭前シテの面が曲見から孫次郎になり、装束は無紅唐織から紅入唐織になる。後シテ赤頭をかぶり法被半切。急之舞は五段。 東方朔 桃仁 替間官人1、仙人3、桃仁精が出る唐船 干之掛応答(かんのかかりのあしらい) 観 楽のカカリに替の譜、手組みが入る。 盤渉 観・宝 舞が盤渉楽になる。 棹之掛 宝 さおのかかり。 道明寺 笏拍子 観 「笏拍子之傳」とも。「取るや笏拍子とうとう」から楽の初段までシテは笏で拍子打ちながら舞を舞う。 神楽之傳 観 融 窕 観・宝・剛・喜 舞の中に橋掛クツロギがある。 今合返(こんごうがえし) 観 次第返して謡うワキ方の習。 酌之舞 観・宝 笏之舞 観・宝・春・喜 前シテサシ-下歌-上歌省略後シテは笏を持ち舞が変わりキリは幕に舞い込み脇留。 脇留 観・剛 舞返 観 「舞返之伝」とも。舞が盤渉五段+急之舞三段になる。 十三段之舞 観・剛 五段早舞+五段舞返+三段急之舞になる。 思立之出 観・喜 ワキ方習いで「思い立つ」以下の謡が変わる。 白式舞働之伝 観 全身白い装束なのに黒頭初冠。 舞留 観 遊曲 宝・春・剛・喜 袖之留 剛 曲水之舞 喜 木賊 早開之傳(はやひらきのでん) 観 舞を省略し形も変わる。 ヒットリの序 観 序之舞のカカリに替の譜を使う。 朝長 懴法(せんぼう) 観・宝・春・剛・喜 太鼓方の重習。シテ出端特殊なものに変わる。 三世十方之出(さんぜじゅっぽうので) 観・剛・喜 大崩之語 下 ワキの替語。下掛宝生流一子相伝草間 替間 鳥追舟 大返 観 地「打つ鼓」の後に三クサリ囃子方の替の手組みが入る。 仲光 愁傷之舞(しゅうしょうのまい) 観 舞の中にシオル形が入る。 難波 恐之舞(かしこみのまい) 観 鞨鼓出之傳 観 鞨鼓台が出る。 六ノ拍子(ろくのひょうし) 観 六躙と書場合もある。 錦木 鸚鵡盃之舞(おうむはいのまい) 観 後の形が変わり「杯の」でツレの前で扇にて両手で杯を受ける型が入りその後常座行き破掛急之舞となる。 白頭 観・宝・春・剛・喜 白頭になり装束変わり位が重くなる。喜多は面に青飛出を使うこともある。 野宮 平調返 観 序之舞のカカリ平調という低音の譜に変わる。 千之掛 観・剛 序之舞のカカリが変わる。 火宅留 観・春・剛 合掌留 観・宝・喜 破之舞の留に扇を鳥井に置き合掌する型が入る、キリの型も変わる。 車之傳 宝・剛・喜 金剛「車出之傳」、喜多「車出」。車の作り物が出る。 破舞留 春 野白頭サシ-下歌-上歌省き作り物中入り、後は装束変わり白頭舞働省略しキリの形が変わる。 黒頭後シテ黒頭ほか装束が変わる。 天地之声 観 白頭黒頭併用作り物出ずシテ中入装束と形が変わる。後シテの持つ鏡が特大ものになる。 急之留 観 白頭黒頭居留 喜 曲の留が飛安座になる 白楽天 波夜陀麻之傳(はやたまのでん) 観 クセ抜き舞が変わる。 長序 観 舞のカカリが変わる うぐいすかわず) 替間羽衣 和合之舞 観 序之舞と破之舞が連続するワカから「舞の袖」までは省略彩色之傳 観 羽衣では最も重い小書クリ-サシ-クセ抜け次第後すぐに「南無帰命天子」となり、序之舞は盤式。破之舞はイロエ変わり緩急がつく。 脇留 観 シテが幕に舞込み、脇が留拍子を踏む。 盤式 宝・剛 序之舞が盤渉になり、キリシテは幕に舞い込んで脇留、地謡最後失せにけり」がなく囃子アシライ留める。 替之型 春 床几物着 春・剛 舞込 喜 留 喜 雲井之舞 喜 半蔀 立花供養りっかくよう) 観・宝・剛・喜 立花作り物出て、形も変わる。ワキ語りが入る。宝生では「立花」と呼ぶ。 替之型 剛 橋弁慶 笛之巻 観 前場を「笛之巻」に変え曲名も「笛之巻」になる。 弦師替間芭蕉 三度次第 観 「芭蕉落ちて」の次第3度繰り返しになる。 蕉鹿しょうろく) 観 08/12/03に国立能楽堂出ている(詳細不明)。 刻ツメ次第平調返 観 鉢木 替装束黒頭花筐 筐之伝 観 後シテ籠を打ち落とされた後の謡が変わりクルイは籠を持って舞う。 大返 観・宝・剛・喜 「大返之傳」とも。クルイ「恐しや」の後に囃子方替手組み入りシテ立廻りが付く。 舞入 観・宝・剛・喜 イロエを破掛中之舞に変える。 安閉留 観 「女御留」とも。キリ詞章が変わる。 班女 笹之傳 観・剛 替之型 観 彩色檜垣 彷彿一声(ほのかのいっせい) 観 老少之出(ろうしょうので) 観 掛索之手 観 舞出之拍子(まいでのひょうし) 観 「舞之出躙(まいのでびょうし)」とも。 雲雀山 脇留 観 大返 宝 氷室 白頭 観・宝 後シテ装束変わり面はべし見悪尉白頭百万 法楽之舞 観 「わが子の行へ」の後に笹を持ったまま三段之舞が入る。初段オロシに下ニ居で合掌の形がある。クリ省きクセも笹を持って舞う。 替之型 観 舞入 宝・剛・喜 六字留 剛 六字留は金春流太鼓方習事富士太鼓 現之楽 観 楽が緩急のあるものに変わる。舞の途中で橋掛出て鞨鼓台を見込む型が入る。キリの形も変わる。 替楽 宝 (梅若実日記明治24年4月29日、宝九郎富士太鼓替楽」とある)。 狂乱之楽 剛・喜 藤戸 蹉た之傳(さたのでん) 観 キリの型が変わりイロエが入る。 後之出端替装束先陣楽器 大根渡 泉 替語 福 二人静 立出一声(たちいでのいっせい) 観) 常のツレシテ代わりクセ・序之舞は菜摘女ひとりで舞う。静の霊は一の松床几にかかる。 船弁慶 前後替 観 中之舞が序之舞になり、後シテの出が変わる。 重前後之替 観 イロエ抜き、中之舞は盤渉序之舞に、後シテの出が変わり残留。 早装束 観 緩之傳 観 くつろぎのでん。 白式片山家小書 後之出・留之伝 宝 無明之祈 宝 白波之伝 剛 遊女ノ舞 春 替ノ出 春 語入 下 「船中之語」とも。ワキの替語。 名所 替間船中名所挙げる替語。 巻絹 替装束ツレ装束変わり幣をつけて持つ。神楽の形が変わりキリ緩急付き脇留となる。 出端之傳 観 彩色之傳 観 神楽留 観 神楽が直らず留になる。 五段神楽 宝 神楽が惣神楽となる。 イロエ替装束松風 見留(みとめ) 観・宝・春・喜 破之舞の留で橋掛から作り物見込む型が入る。 村雨止 観 曲ノ出打切クセ前「哀れに消え浮き身なり」の後に打切が入る。 曲中打切クセの上羽前打切が入る。 五段之物着物着アシライが変わる。 戯之舞 観・喜 中之舞の中で回りに付け短冊をとって「立ち別れ」と謡い破之舞を抜く。他の形も変わる。 中ノ止 観 脇留 観 真留 宝 灘返 宝・春 「灘の汐汲む」の謡いを繰り返す。 身留(みどめ) 春・喜 戯之舞(たわむれのまい) 喜 松虫 勧盃之舞(かんぱいのまい) 観 クセ留「舞い奏で遊ばん」でワキシテに酒を勧め、これを受けて舞となる。二段オロシ省き橋掛にてワカで舞留めキリシテ幕へ入りワキ留。 松山鏡 急之留 観 舞働松山天狗 三段之楽 剛 三井寺 無俳之傳(をかしなしのでん) 観 前シテ装束壺折、笠、守りをかける。間狂言との問答なく、後シテ装束が変わる。 三輪 誓納(せいのう) 観 「素働誓納」とも。一子相伝の重習。神楽の形が変わり装束も変わる。 二段舞留 観 神楽二段待った後、幣を捨て替の四段、五段を舞う。 素囃子 観 「千早振…」の後の神楽抜き直ぐに天の岩戸」と続き常闇の世と早成りぬ」の後に神楽を幣で舞う。 彩色之傳 観 「常闇の世と早成りぬ」の後にイロエが入る。 刻詰之次第シテ離れ囃子方の替の手組みが入る。 諸神楽 観 笹で神楽を舞う。 白式 観 後の装束喝食に白大口、白狩衣となり作り物引き回しも白になる。ロンギ隠れ神を出さんとて」の後作り物から出て短い舞があり作り物前に座すその後岩戸前にて是を嘆き」と立って神楽神楽直り橋掛りに出、囃子方総流しにて作り物のうちに戻り、地「神楽奏して」に続き岩戸を少し開き給えば」でシテ作り物より出て立廻り橋掛り行き留める白式神神楽 片 誓納に対抗する重習。 誓納 宗家方とは別の誓納。 神遊 喜 神道 剛 観世の誓納に匹敵する重習。 三光金春信高の作、観世・誓納、片山白式神神楽に対抗したもの。 岩戸之舞 喜 (2004/11/19 国立能楽堂 喜多流シテ香川靖嗣)。 室君 阿母利之舞(あもりのまい) 観 中之舞を神楽三段変える望月 古式獅子頭白頭になり、形が変わる。 紅葉狩 鬼揃 観 前後ともツレ多数通常三人出て、形、装束とも変わる。 群鬼ノ伝 春 前後ともツレ多数通常三人出て、形、装束とも変わる。 紅葉ノ舞 春 曲舞会釈くせまいあしらい) 観 『謡曲秘伝書』に小書名のみ記述がある。 盛久 恐之舞(かしこみのまい) 観 男舞のヲロシ省略し拍子踏まない。 夢中之出 観 替の扱い道行省略する真之掛 観 屋島八島弓流(ゆみながし) 観・喜 後の装束変わりくつばみ浸して攻め戦う」の後にイロエ入り扇を落とす形がある。床几小鼓方替え真之床几で形を行う。大習。 素働(しらばたらき) 観 弓流の中で弓を拾い行き流れ足の形が入る。キリ大小流しシテ幕に入りワキ留める。 脇留 観 大事(だいじ) 観 大習。 那須ノ語 蔵 間語りが変わる。大習。 那須与市語 泉 間の語りが変わる。 嗣信ノ語 泉 間の語りが変わる。 山姥 白頭 観 後が白頭になり形も変わり位が重くなる。 雪月花之舞 観・宝 古くは「法会初能之式」とも。宝生では「雪月花」とよぶ。立廻部分シテ吉野龍田花紅葉」、地「更科越路の月」の一句入り三段之舞になる。 二重踞(ふたえのひょうし) 観 長杖之伝 観 「長杖」とも。クセをすべてで舞う。 之型 宝 上に同じ。 拍子夕顔 山ノ端之出(やまのはので) 観 シテ作り物中にあり、ワキ道行後の「五条あたりにありげに候」に対し山の端の心も知らで行く月の」と謡いかけ、以降掛け合いとなる間に後見引回しをはずす。以降は謡、形も変わり緩急付き位は重くなる。 法味之傳(ほうみのでん) 観 サシ-下歌-上歌を抜く。 合掌留 喜 雪踏拍子 剛 舞の中の拍子特殊な踏み方になる遊行柳 青柳之舞 観 序之舞が一段で終わる。 朽木留 観・宝 舞の前後の方が変わる。シテ作り物入り留。クセ省略することもある。 弓八幡 三段之舞神舞三段になり緩急も変わる。 熊野 村留 観 中之舞の途中で村雨のため舞を止める形になる。 膝行留 観 舞の終わり短冊和歌書きワキ膝行で渡す型が入る。 読次之傳 観 文之段でシテワキが文を分けて読む。 墨次之傳 観 短冊を書くときの墨を取る形が変わる。 一式之習 観 四つ小書村雨留、膝行留、読次之傳、墨次之傳)すべてを付けて演ずる膝行 宝・春・喜 膝行留とほぼ同じ。 三段之舞 宝・春・剛・喜 漆膠しっこう) 宝 短冊之傳 剛 花之留 剛 楊貴妃 甲掛リ 観 「干之掛」とも。序之舞のカカリの笛アシライが変わる。 彩色之舞 観 舞のほかにイロエ追加する。 臺留(うてなどめ) 観 シテは宮に入り残留になる。 玉簾 宝・春・剛 小宮作り物鬘帯で飾る。形も変わる。 夜討曽我 十番斬 観 五郎十郎仲入りせず後見座引き物着、間狂言終わり「十番斬」の謡が入り切組その後常の一声寄せかけて」に続く。 養老 水波之伝 観 後シテ装束黒頭芍薬輪冠。間狂言なく後ツレ出る。舞台左を波、右をと縦二分しシテは波側、ツレ側で境界踏み出さない心得で舞う、後シテは急之舞五段、初段オロシ後は盤渉となり緩急激しく位は急となる。 彩色之傳 観 祝言之式 観 吉野静 応変之舞(おうへんのまい) 観 舞の段数が変わる。 吉野天人 天人揃 観 シテと同じ出で立ちの後ツレが4人または6人出て、舞台橋掛相舞になる。 弱法師 盲目之舞 観 双調観 梅若家の小書双調之舞(そうじょうのまい) 宝 中之舞が黄鐘から双調低くなる。 舞入 喜 雷電妻戸替装束前後とも装束が変わる。 舞入 剛 後シテ装束変わり早舞を舞う。 龍虎 白頭後シテ装束変わり白頭輪蔵 比多之傳(ひたえのでん) 観 楽をで舞う。 鉢叩替間 篭太鼓 舞入 宝 「涙にむせぶ心かな」の後に中之舞が入る(「宝生流謡本参照)。

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