喝食

デジタル大辞泉

か‐しき【^▽喝^▽食】

読み方：かしき

⇒かっしき（喝食）

かっ‐しき【喝^▽食】

読み方：かっしき

《「喝」は唱える意》

１ 禅寺で、諸僧に食事を知らせ、食事の種類や進め方を告げること。また、その役目の名や、その役目をした有髪の少年。のちには稚児の意となった。喝食行者(あんじゃ)。かつじき。かしき。

「丸(まろ)が父は七歳にして東福寺の—となり」〈戴恩記〉

２ 「喝食姿(かっしきすがた)」の略。

３ 能面の一。額にイチョウの葉形の前髪がかかれ、両ほおにえくぼがある半僧半俗の少年の面。

４ 能の仮髪(かはつ)の一。髪先を内側へ丸めて束ね、後ろへ垂らしたもの。喝食面を使う役などに用いる。喝食鬘(かつら)。

５ 歌舞伎の女形のかつらの一。髻(もとどり)を結んで、後ろへ長く垂らしたもの。時代物で、高位の女性の役に用いる。

歴史民俗用語辞典

喝食

読み方：カツジキ（ｋａｔｓｕｊｉｋｉ），　カッシキ（ｋａｓｓｈｉｋｉ），　カシキ（ｋａｓｈｉｋｉ）

禅宗寺院で衆僧の給仕などを務める役僧。

能面図鑑

喝食 Kasshiki

年若い剃髪していない修行僧。禅寺で食膳を司る少年風に髪が おかっぱで銀杏型に描いているのが特徴。眼が内省的である。 前髪の大きさによって分類することもある。
使用曲目：『花月』『自然居士』

ウィキペディア

喝食

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/10/08 04:43 UTC 版)

「高雄観風図」（一部）　中央に喝食が描かれている。東京国立博物館蔵 国宝

喝食（かつじき/かっしき）、正式には喝食行者（かつじきあんじゃ/かっしきあんじゃ）は、禅寺で斎食を行う際に衆僧に食事の順序などを大声で唱える者。

禅宗とともに中国から日本に伝わった。本来は年齢とは無関係な役割であるが、日本に以前からあった稚児の慣習が取り込まれて小童が務めるようになった。喝食の小童は、幼少で禅寺に入ったのち、剃髪をせず額面の前髪を左右の肩前に垂らし袴を着用した姿で務めた。室町時代には「喝食」は本来の意味か稚児の別称となった。中には禅僧や公家・武家の衆道の相手を務める者もいた。

能面「中喝食」東京国立博物館蔵

江戸時代には訛って「がっそう」と呼ぶ地域もあり、上方ではまだ髪を結んでいない幼児の頭を「がっそう頭」と称した。

参考文献

• 今枝愛眞「喝食」（『国史大辞典 3』（吉川弘文館、1983年） ISBN 978-4-642-00503-6）

関連項目

• 能面
• 五山文学
• 典座

Weblio日本語例文用例辞書

「喝食」の例文・使い方・用例・文例

• 喝食という美青年の能面
• 喝食という髪形
• 喝食鬘という,能楽用の鬘
• 喝食物という,能楽の曲