首とは? わかりやすく解説

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こ‐の‐かみ【兄/首/氏上】

読み方:このかみ

《「子の上(かみ)」の意から》

長男

「—を箭田珠勝大兄(やたのたまかつのおひね)の皇子と曰す」〈欽明紀〉

兄。または、姉。

「この男の—も衛府の督(かみ)なりけり」〈伊勢・八七〉

年上の者。年長者

「それが年は、われにこよなく—にぞおはせし」〈宇津保・蔵開中〉

うじのかみ。氏の首長

諸氏の人等、各可(よ)き—を定めて申し送れ」〈天武紀〉

多く人の上に立つもの。かしら。

「その—と思へる上手ども」〈源・若菜下


つかさ【長/首】

読み方:つかさ

主要な人物首長。おさ。

「宮の—は、すなはち脚摩乳(あしなづち)、手摩乳なり」〈神代紀・上〉

主要なもの。

「古(いにしへ)よ今の現(をつつ)に調(よろづつき)奉る—と作りたるその生業(なりはひ)を」〈四一二二


かしら【頭】

読み方:かしら

【一】[名]

人間動物の首から上の部分。あたま。こうべ。「尾—つき」「—、右」「—に霜を置く

髪の毛頭髪。「—を剃(そ)る」

物のいちばん上、または先の部分先端。「八歳を—に三人の子持ち

一団人々統率する人。統領。特に、鳶職(とびしょく)・大工左官など職人親方

(「首」とも書く)人形の首から上の部分。特に、人形浄瑠璃人形頭部。「—を遣う

能で扮装用い仮髪。前は顔までかかり、横は両肩垂れ後ろ背丈に及ぶ長いもの。黒頭赤頭白頭があり、役によって使い分ける。「獅子(しし)—」

もつ焼きで、豚の頭部の肉。

【二】接尾助数詞

動物数えるのに用いる。

「鹿の一—にても殺す者あらば」〈宇治拾遺・七〉

仏像数えるのに用いる。

「(仏師ニ)幾—造り奉りたるぞと問へば」〈宇治拾遺・九〉

烏帽子(えぼし)など頭にかぶるもの数えるのに用いる。

「折らぬ烏帽子十—、直垂大口などをぞ入れたりける」〈義経記・七〉

人の上に立つ者、特に大名などを数えるのに用いる。

「あれへ大名一—、瓜核(うりざね)顔の旦那殿、東寺から出た人さうな」〈浄・丹波与作


お‐びと【首】

読み方:おびと

《「おおひと大人)」の音変化という》

長官首領

「汝(な)は我が宮の—たれ」〈記・上〉

古代の姓(かばね)の名の一。伴造(とものみやつこ)など地方の小豪族与えられた。おうと。


くび【首/×頸】

読み方:くび

脊椎動物の頭と胴をつないでいる部分頸部(けいぶ)。

1の上部分全体。あたま。かしら。こうべ。「—をかしげる」

1似た形。また、それに該当する部分。「びんの—」

衣服1にあたる部分。襟。「セーターの—」

(「馘」とも書く)職をやめさせること。解雇馘首(かくしゅ)。「お前は—だ」

顔。特に美しい顔。また、美人

「かかる所には看板の—といふものありて」〈洒・浪花色八卦

[下接語] 青首足首(い)首・後ろ首打ち首腕首襟首欠き首合点首・兜(かぶと)首・鎌(かま)首・雁(がん)首・切り首・綺麗(きれい)首・螻蛄(けら)首・小首・晒(さら)し首・思案投げ首縛り首白首(しろくびしらくび)・素(そ)首・素っ首乳首(つる)首・手首投げ首生首・偽(にせ)首・抜け首寝首喉頸(のどくび)・平(ひら)首・穂首丸首轆轤(ろくろ)首


こうべ〔かうべ〕【首/頭】

読み方:こうべ

《「髪辺(かみへ)」または「上部(かみへ)」の音変化か》くびから上の部分。あたま。かしら。「—を垂れる」「正直の—に神宿る」


しゅ【首】

読み方:しゅ

[音]シュ(呉) [訓]くび こうべ かしら しるし はじめ おびと

学習漢字2年

[一]シュ

頭。「首級首足鳩首(きゅうしゅ)・頓首(とんしゅ)・馬首

頭と胴の間部分。くび。「縊首(いしゅ)・絞首

いちばん始め。さき。第一位。「首位首相首席首都巻首期首船首

上に立つ人。かしら。「首脳元首党首頭首

詩歌数える語。「百人一首

罪を白状する「自首」

[二]〈くび〉「首筋首輪足首乳首(ちくび)・手首生首寝首

名のり]おぶと・かみ・さき

難読匕首(あいくち)・首途(かどで)・螻蛄首(けらくび)


しゅ【首】

読み方:しゅ

【一】[名]主だった者。かしら。

【二】接尾助数詞漢詩和歌数えるのに用いる。「律詩三—」「返し歌一—」


しるし【首/首級】

読み方:しるし

《「印」と同語源》討ち取った首。しゅきゅう


くし【髪】

読み方:くし

(「おぐし」「みぐし」の形で用いる)

頭髪。かみ。

「御—長く美しうて」〈栄花花山尋ぬ中納言

(「首」「頭」と当てて書く)頭。くび。

「御—も痛く、身も熱き心地して」〈源・夕顔


読み方:オビト(obito)

古代の姓の一。


くび 【首】

首(頭)は人体中でもっとも重要な部分であり、霊魂もそこに宿る信じられていた。世界各地未開種族中には首狩り族がいたが、目的首級宿る霊的力を自分らで利用しようということにあった首狩りした首は装飾品にしたり儀式使用したりした。一般では、英雄の首は埋められ民衆守護するとされた。日本の戦国時代には、戦場得た敵の首の実否を、大将みずから検査したが(首実検)、それには作法きめられていた。ユダヤヘロデの姪サロメは王の前で踊り、その報償として母の指図によりバプテスマのヨハネの首を求めた話は有名。日本には馬の首だけが飛びまわるという「首なし馬」の伝説がある。

作者新宮正春

収載図書忍法 鍵屋の辻
出版社読売新聞社
刊行年月1986.3

収載図書忍法鍵屋の辻
出版社集英社
刊行年月1989.12
シリーズ名集英社文庫


作者那須正幹

収載図書少年ブルース
出版社偕成社
刊行年月1993.1
シリーズ名偕成社文庫


作者梅原猛

収載図書中世小説集
出版社新潮社
刊行年月1993.5

収載図書中世小説集
出版社新潮社
刊行年月1997.2
シリーズ名新潮文庫

収載図書梅原猛著作集中世小説集・もののかたり・ギルガメシュ 20 小説集
出版社小学館
刊行年月2002.8


作者邱永漢

収載図書邱永漢 短篇小説傑作選見えない国境線
出版社新潮社
刊行年月1994.1


作者多岐川恭

収載図書駈落ち
出版社光文社
刊行年月1995.1
シリーズ名光文社文庫


作者井上友一郎

収載図書浜町河岸夕化粧新選代表作時代小説 3(昭和42年度)
出版社光風出版
刊行年月1995.10
シリーズ名光風文庫

収載図書浜町河岸夕化粧新選代表作時代小説 3
出版社光風出版
刊行年月1998.6
シリーズ名光風文庫


作者横溝正史

収載図書貸しボート13号
出版社春陽堂書店
刊行年月1996.9
シリーズ名春陽文庫

収載図書湯の街殺人旅情日本ミステリー紀行
出版社青樹社
刊行年月2000.2
シリーズ名青樹社文庫

収載図書改版9版
出版社角川書店
刊行年月2003.2
シリーズ名角川文庫


作者月正

収載図書閨中指南
出版社広済堂出版
刊行年月1999.2
シリーズ名広済堂文庫

収載図書
出版社幻冬舎
刊行年月2004.3
シリーズ名幻冬舎文庫


作者小池真理子

収載図書薔薇
出版社早川書房
刊行年月1999.9

収載図書薔薇
出版社早川書房
刊行年月2003.10
シリーズ名ハヤカワ文庫JA

収載図書くちづけ
出版社出版芸術社
刊行年月2008.4
シリーズ名ふしぎ文学館


作者カール・ハンス・シュトローブル

収載図書独逸怪奇小説集成
出版社国書刊行会
刊行年月2001.8



作者三山晃生

収載図書室町夢幻物語
出版社祥伝社
刊行年月1987.11
シリーズ名ノン・ポシェット


作者藤沢桓夫

収載図書編年体大正文学全集 第14巻(大正14年)
出版社ゆまに書房
刊行年月2003.3


作者平山夢明

収載図書東京伝説―狂える街の怖い話
出版社竹書房
刊行年月2003.12
シリーズ名竹書房文庫


作者夢枕獏

収載図書陰陽師 龍笛ノ巻
出版社文藝春秋
刊行年月2005.3
シリーズ名文春文庫


作者知徳

収載図書美女の譜
出版社書房
刊行年月2007.12


作者鮎川哲也

収載図書透明な同伴者
出版社集英社
刊行年月1988.4
シリーズ名集英社文庫

収載図書殺人歌劇 第2幕
出版社青樹社
刊行年月1991.3
シリーズ名BIG BOOKS

収載図書夜の訪問者鬼貫警部事件 3
出版社出版芸術社
刊行年月1999.10

収載図書白昼の悪魔鬼貫警部事件簿
出版社光文社
刊行年月2007.8
シリーズ名光文社文庫


作者早乙女貢

収載図書時代小説大全集 2 勝者と敗者
出版社新潮社
刊行年月1989.9
シリーズ名新潮文庫

収載図書剣よ月下舞え新選代表作時代小説 23
出版社光風出版
刊行年月2001.5
シリーズ名光風文庫


作者山田風太郎

収載図書笊ノ目万兵衛門外
出版社大陸書房
刊行年月1989.10
シリーズ名大陸文庫

収載図書幻妖おとし―山田風太郎奇想コレクション
出版社角川春樹事務所
刊行年月1997.7
シリーズ名ハルキ文庫

収載図書時代小説人物日本の歴史 幕末維新
出版社小学館
刊行年月2004.9
シリーズ名小学館文庫

収載図書江戸川乱歩13宝石
出版社光文社
刊行年月2007.5
シリーズ名光文社文庫


作者村上元三

収載図書まぼろし御殿
出版社毎日新聞社
刊行年月1990.7

収載図書魔剣くずし秘聞―新選代表作時代小説 14
出版社光風出版
刊行年月1998.7
シリーズ名光風文庫


作者立松和平

収載図書立松和平自選短編集
出版社スコラ
刊行年月1991.3
シリーズ名WAHEI TATEMATSU SELECTION


作者池波正太郎

収載図書池波正太郎短編コレクション 10 鬼火
出版社立風書房
刊行年月1992.1

収載図書熊田十兵衛仇討ち
出版社双葉社
刊行年月1996.6

収載図書熊田十兵衛仇討ち
出版社双葉社
刊行年月1998.8
シリーズ名双葉ノベルズ

収載図書完本 池波正太郎大成26時代小説短編
出版社講談社
刊行年月2000.8

収載図書熊田十兵衛仇討ち
出版社双葉社
刊行年月2000.10
シリーズ名双葉文庫

収載図書
出版社リブリオ出版
刊行年月2008.1
シリーズ名池波正太郎短篇ベストコレクション 大きな活字読みやすい


作者逢坂剛

収載図書ハポン追跡
出版社講談社
刊行年月1992.9

収載図書ハポン追跡
出版社講談社
刊行年月1995.10
シリーズ名講談社文庫

収載図書短編で読む 推理傑作選50
出版社光文社
刊行年月1995.11


読み方:くび

  1. 劇場隠語縁切に同じ、破門さるるをいふ。「あの人は-になつた」。
  2. 免職又は解雇になつたことをいふ。

分類 東京芸能


読み方:くびになる

  1. 官吏などの休職或は免職になること。
  2. 解職されることをいふ。
  3. 免職のこと。〔隠語

分類 東京

隠語大辞典は、明治以降の隠語解説文献や辞典、関係記事などをオリジナルのまま収録しているため、不適切な項目が含れていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/29 02:36 UTC 版)

余分な脂肪が原因で首のしわ(ラテン語:monillas)または「月の輪」が現れる。

くび, neck)とは頸部(けいぶ)、すなわち、人体において頭部)と胴体をつなぐ部位である。 日本語ではまた、頭部そのものを指す場合もある。

用字、語釈

「首位」「首領」「党首」「船首」などというように、本来の漢語における「」という字はもっぱら、“トップ”、“かしら”、またそれらの原義としての“あたま”、“頭部”を意味する[注 1]。 これに対して“頸部”を意味する本来の漢字は「」であり、「頸部」「頸動脈」「長頸竜」などのように熟語にも用いられる。

ところが日本語では、“頸部”・“頭部”の双方を「くび」と呼ぶ。 もともと日本語「くび」は“頸部”を指す語だったが、戦闘や刑罰において“頸を斬って頭を落とす”斬首馘首(かくしゅ)の慣習が日本にあったことから、やがて“切り落とされた頭部”自体をも「くび」と呼ぶようになり、さらには(胴体と離れているか否かにかかわらず)“頭部”一般を指す用法が生まれたものとされている。ただし、“頭部”と"頸部"両方を意味する「くび」の用例と、斬首の習慣がいつ頃から普及したかを調べることが、本説の証明に必要と思われる。

またその結果として、やがて漢字も混用され、一種の国訓として、本来は“頭部”の意味であった「」の字を“頸部”の意味に俗用することが非常に多くなった。 しかしながら学術用語を含む漢熟語類にはこうした用法は存在せず、また、日本以外の漢字文化圏では一切見られない用法でもあることには注意されたい。

本項では「頸部」について主に解説するが、最初に、文化や日本語にまつわる事象について、「“頸部”を意味する『くび』」「“頭部”を意味する『くび』」に分けて、簡単にふれておく。

“頸部”を意味する「くび」

上述のとおりこの言葉の原義であり、また、いわゆる身体語として現代日本語の基礎語彙を構成する単語。 上のような経緯から漢字は「」をあてることが多いが、文学的な表現などでは「」を用いることもある。 「手首」「足首」「琵琶の首」「徳利の首」「青首大根」というように、比喩的にも広く使われる。

慣用句には「首」にまつわるものも多いが、「首を長くする」「首に縄をつける」「首を洗って待つ」といったいくつかは「首」を“頭部”とすると意味が通らず、“頸部”の意味でこの言葉を用いているものと考えられる。

“頭部”を意味する「くび」

前述のとおり日本語では「くび」という言葉が“切り落とされた頭部”を意味するようにもなり、「斬首」「馘首」をはじめとする漢語の用例から「」の字があてられた。 後に語義は“頭部全般”を意味するものへと広がった。 とはいえ現在ではやや廃れた用法であり、「首を突っ込む」「首が飛ぶ」といった慣用句に用いたり[注 2]、「乳首」( = 乳頭)、「生首」(なまくび = 斬首や事故などにより体から切り離されたばかりの頭部)、「首実検」( = 顔を見て犯人などを見極めること)などの成語・複合語に化石的な形態素として見られるほかは、あまり用いられなくなっている。

「首肯」( = うなずくこと)という漢熟語が示すように、「首( = 頭)を縦に振る」ことは肯定を意味し、また、「横に振る」と否定の意味になる。 こうした通念は世界の一部を除き[注 3]、多くの文化圏に共有されているものである。

頸部の解剖学

ヒトの場合

Gray's Anatomy首と頭部 図1194
実際に見た二十代男性の頸部

ヒトを含む哺乳類脊柱の頸部は7つの堆骨で構成される。これらを頸椎という。頸椎は、典型的に C-1 (CI) から C-7 (CVII) で参照され、各々の堆体の間には盤状の軟骨性の椎間板がある。首は頭の重量を支え、脳から下って体に至る神経束を保護する。さらに、首は高度に柔軟であり、頭部を回し、あらゆる向きに曲げることができる。脊柱は、頂上から底部まで、前方に向かって凸なかたちでゆるやかに(S字状に)湾曲する。その湾曲は脊柱のあらゆる曲線のなかでもっとも目立たないものである。

柔性組織の解剖学

顎の下の正中線上に舌骨体、その直下には「のどぼとけ」と呼ばれる女性よりも男性で顕著な甲状軟骨の突起を感じることができる。さらに下には容易に輪状軟骨を、それと頸切痕のあいだには気管と甲状腺峡部が形作られていることを感じとれるだろう。胸骨甲状筋の外縁部はもっとも目立つ特徴である。それは前頸三角後頸三角を分割する。前者の上部は顎下腺を含み、顎下腺は顎にある後者本体の半分の真下に横たわる。総頸動脈および外頸動脈は胸鎖関節から下顎角へ向かって伸びる。

第XI脳神経あるいは脊髄副神経が描くラインは、下顎角と乳様突起の中点から胸骨甲状筋後縁の中央まで、そしてそれゆえ後頸三角を横断して僧帽筋の深層面に至る。外頸静脈はふつうに皮膚を透して見ることができる。それは顎の隅から鎖骨の中央へと引かれる一本の線の上を走る。その近くにはいくつかの小さなリンパ腺がある。前頸静脈は、より小さく、首の正中線から1センチ半ほど下に走る。鎖骨は首の下限を成し、首から肩への横方向の外見上の勾配は僧帽筋に起因する。

首は、その中に上行大動脈(血管)、気道食道神経頸椎(骨)が通っている。

その他の脊椎動物の場合

首は頭部と肩の間の脊椎骨の範囲を指す。これを魚類で見ると、この部位は鰓蓋に覆われた部位である。魚類ではこの部分は特に細くはなく、その可動性も限定的である。つまり両生類の段階で鰓が失われたことで首が生じ、その部分の可動性が大きくなったと考えられる。ただし両生類では首を縦に振ることしかできない。爬虫類ではこの可動性はより大きくなり、恐竜では雷竜、化石爬虫類では首長竜のような多数の頸骨を持つ細長い首を持つ例もある。

鳥類の多くは長い首を持つ。これはこの類では胴体がコンパクトにまとめられ、脊椎骨などに互いに癒合があり、可動性が少ないことを補うものと考えられ、逆説的に飛行への適応と考えられる。つまり飛行運動のために胴体がまとまった一体であることを求められることから、それによる前足と後ろ足の運動性が犠牲になることから、これを補うために頭が様々な方向へ動ける必要があり、それが首を長くする方向の進化を促したと見られる。

なお、首長竜などでは頚骨が多数であったから首はよく曲がったと考えられているが、哺乳類であるキリンでは頚骨は他の哺乳類と同じ7つであり、首はくねるようには曲がらない。

無脊椎動物の場合

上記のような定義からすれば、首は無脊椎動物には存在しない。しかし、実際には頭部と胴部とつなぐ部分は比喩的に首と呼ばれる例がある。また、この部分は頭部の運動性を決めるため、特にくびれていたり細長くなっている例があり、それぞれの動物の特徴となる。そのため、首をその名に持つ例があり、以下のようなものがある。

  • 昆虫:クビナガムシ・クビボソゴミムシ・ツルクビオトシブミ
  • 甲殻類:ナガクビムシ

頸部の可動性

首は頭を自由な方向に動かせるために大きな可動範囲を持つが、たとえばヒトは真後ろを向くことはできない。しかし、たとえばフクロウ類はその可動性がさらに広くて、顔面を真後ろに向けることも、顔を上下さかさまに近い位置に曲げることもできる。

このような動きは、それができれば楽なことが多いから、日常的に無理に首を曲げようとして苦心することが多い。逆に、それが可能になったのを見ることは、それが異常なことであるのがわかりやすいために恐怖や嫌悪を感じさせる。映画『エクソシスト』では悪魔憑きの少女の首が真後ろを向き、日本では妖怪ろくろ首がある。なお、哺乳類の頚骨の数では、首はくねれないから、ろくろ首は実在すれば哺乳類とはみなしがたい。

弱点としての頸部

首が命とつながって考えられる理由は、個体が握っているためである。個体の生命はそれを構成する細胞の生命に基づくが、高等な動物ではそれを統括する役割を神経系内分泌系、およびその役割の中枢としてのが果たしている面が大きい。しかし、実際にその体を養っているのは消化系循環系などであり、それはほぼ胴体が担っている。そのため、頭部を胴部と切り離せば個体の生命は維持できない。つまり、それらをつなぐ部分である首を切り離すことは、確実に個体の生命を失わせる行為である。

頸部には、頭部からは

が、また胴体からは

が、狭くなった部分に含まれる。したがって、首は強度的には他の部分より劣った弱点である。例えば首の周りを締め付けることは、呼吸を止めたり血行を止めたりすることでたやすく相手を制圧することができる。このためにひもを首に巻くような首を絞めるというのは、きわめて有効な手段であるが、あまりにも致命的であるために格闘技においては禁じ手である場合が多い。また、自殺する場合にもこれは有効であり、自らの体重が首にかかるよう、輪の中に首を入れ、ひもでぶら下がることで自らの首を絞めて自殺することを首吊り自殺という。格闘技などにおいては首の強化は重要なものである。柔道の絞め技は、血行を止めることで相手を昏倒させることを目的とする。

より確実に殺す方法としては首を切り落とすのがきわめて有効である。「首を切る」は「命を奪う」とほぼ同意義と扱われる。世界各地でも死刑の方法として首を切る例は多い。ギロチンはそのための専用機器である。日本の武士の伝統的自殺法である切腹も、実際には介錯と称して首を切る介添え役がついて、実質的にはこちらが有効だった。腹を切る振りだけで介錯のみが行われた事例も多いという。

脚注

注釈

  1. ^ “頭部”から“トップ”“首長”への意味変化は多くの言語に見られるもので、たとえば英語の captain や chief も元来は“頭部”を意味した語から来ている。日本語の「かしら」も、本義は“頭部”のことである。
  2. ^ なお、「首にする/なる」(※「打首にする/なる」より)「首を切る」「首が繋がる」など、“頸部”を指すのか“頭部”を指すのか判然としないような慣用句もある。こうした成句は元来の斬首・馘首の慣習に起源をもつものに多く、こうした場面で使われる際の語義の曖昧さが原因で、結果的に語義の変化や混乱を生むこととなった。
  3. ^ インドブルガリアなどでは異なるという。

関連項目

外部リンク

ウィクショナリーくびneckの項目があります。


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 16:16 UTC 版)

デスコ」の記事における「首」の解説

ギルド指定する標的。“育ちすぎた稲”とされ、リーパーは「首」の殺害を“刈る”と表現する

※この「首」の解説は、「デスコ」の解説の一部です。
「首」を含む「デスコ」の記事については、「デスコ」の概要を参照ください。

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出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 11:06 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. くび人体で、頭部頸部全体を指す。また、特に切断され頭部を指す。生首
  2. くび語義1の切断部位である、頸部人体で、頭部胴体をつなぐ部位)を指すように変化
  3. くび語義2より、ある機能持った部位と、そのものおおよそ占め部位をつなぐ、細くなった部分
  4. くび解雇俗語馘首
  5. おびと 歴史古代日本かばねのひとつ。

熟語


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「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
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