テレビ演説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 18:11 UTC 版)
そしてケネディ大統領は10月22日午後7時(東部標準時)からテレビ・ラジオを通じてアメリカ国民にキューバにおける新しい事態の説明を始めた。 かねてから国民の皆さんに約束した通り、政府はキューバ島におけるソ連の軍事力増強を厳重に監視してきました。過去1週間以内に明白な証拠によって一連の攻撃用ミサイル基地が現在キューバ島に準備されている事実が確認されました。これらの基地の目的は西半球に対する核攻撃力を提供することにほかなりません。……これらは1947年のリオ条約、……国連憲章及びソ連への警告を重大かつ故意に無視した全米州国家の平和と安全に対する明白な脅威である。こうした措置は、ソ連が……キューバへの軍備増強の防衛的性格の維持、他国へのミサイルを配置する必要も願望も持っていないとするとの再三の保証に反するものである。……アメリカは……意図的な欺瞞や攻撃的な脅迫にも容赦するわけにはいきません。 この演説で、キューバにソ連の攻撃用ミサイルが持ち込まれた事実と米国によるキューバ海上封鎖措置を発表し、ソ連およびキューバ国民に対して攻撃用ミサイルは何の利益にもならないと強調して、この中で以下の7項目の措置を速やかに行うことを明らかにした。 キューバ向け船舶の「海上隔離措置」 キューバへの空中監視 他国へのキューバからのミサイル発射は米国への攻撃とみなすこと キューバ島内にあるグアンタナモ基地の増強および全部隊に警戒態勢を指示 米州機構(OAS)全体会議の招集 国連安全保障理事会の緊急招集 フルシチョフに「世界を壊滅の地獄から引き戻すための歴史的努力」に参加すること そして最後にこの言葉で結んだ。 これが我々が着手した困難かつ危険な努力であることは、何人も疑ってはならない……今後どのような経過をたどるか、どれだけ人的損害を招くか正確に予見しうる者はいない。……我々の意志と忍耐が試練にかけられ……我々の直面している危機を常に我々に感知させるだろう……一番大きな危険は何もしないことです。……我々が選んだ道は危険に満ちています。……しかしそれは……我々が世界に負っている責任にもっともふさわしい道です……自由の代価は常に高い、だがアメリカは常に支払ってきた。……自由を犠牲にしての平和ではなく世界における平和と自由である。神が許したもうならばこの目標は達成されるであろう。……。 この演説は、合衆国海外情報局 (USIA) を通してスペイン語に訳され、中南米諸国に放送された。
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