腕
(上肢 から転送)
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人間の腕は医学的には、上肢(じょうし)と呼ばれる事が多い。腕は肘を境に、肩に近い方を上腕(じょうわん)、手の方を前腕(ぜんわん)という。
人間の腕の解剖学
腕の骨
腕の筋肉



腕の神経
- 上腕
- 前腕
- 手指
腕を表す日本語
- うで(腕)
- 現在は肩から手首を指す。だが、奈良時代頃は「手首あたり」を指した[1]。その頃は肘から下は「ただむき」と呼ばれていたが、いつしか「腕」がただむきより多く使われるようになり、前腕、すなわち肘から手首の事を指していた[2]。
- かいな(腕・肱)
- 上腕、すなわち肩から肘を表す古語。今でも相撲ではこの語を使う。ただし、肩から手首までを指す事もあった。
- 二の腕(にのうで)
- 上腕に同じ。古くは「一の腕」といっていたが、いつしか誤用されて二の腕というようになったとも言われる[2]。語源は上腕二頭筋から来ているとの説があるが、裏側の上腕三頭筋も含めて「二の腕」と表記することが多い。
生物学と腕
生物学的には「人間の腕は哺乳類の前肢にあたる」とも、反対に「哺乳類の前肢はヒトの腕にあたる」とも表現可能である。
動物の体の名称に「腕」を用いる例はごく少ない。以下のような例がある。
腕を用いた慣用句・言葉
「腕」という言葉は、日本語においてはそのまま技術、力量といった言葉に置き換える事が出来る。
- 腕に縒りを掛ける - 丹精込めて作ること。
- 腕組みする - 思案している様子の比喩表現。
- 腕を振るう - 力量、技術を存分に出すこと。
- 腕試し - 力量、技術を試すこと。
- 腕枕 - 眠る際に腕を曲げて自分の、広げて他の人の枕にすること。
- 腕を磨く - 練習や訓練、実践を通じて技術を高めること。「腕が上がる」とはその結果のこと。反対語は「腕が鈍る」、上がるに対しては「腕が落ちる(下がる)」と表現する。
- 腕が鳴る - 技術を試す機会に恵まれ、期待が高まること。
脚注
- ^ 日本国語大辞典第2版(小学館)」
- ^ a b 夏に気になる二の腕、昔は「一の腕」だった?
上肢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 09:19 UTC 版)
上肢の骨格は、体幹上部(上肢帯)や肩を占める骨と、その先の腕から手先など可動性に富む部分を範囲とする。片側で8種類32個の骨が有る。 上肢帯の骨格を代表する骨は鎖骨と肩甲骨である。鎖骨は胸骨柄と関節(胸鎖関節)でつながり、皮下すぐの位置に有るため、体表に隆起を作る。鎖骨は緩やかなS字に曲がった棒状の骨で、体幹と上肢骨格の間に距離を設けて動きの自由度を高める機能を持つ。内側2/3と外側1/3で断面形状が変化するため、骨折し易い骨でもある。肩甲骨は逆三角形で、肩甲挙筋で引き上げられている。外側の角で関節窩を介して上腕骨とつながり、上腕二頭筋・上腕三頭筋の片端が付着する。 肩から先は可動性が高い自由上肢と呼ばれる。上腕骨は上肢骨格中最大の骨であり、肩側では肩甲骨と非常に可動域が広い肩関節でつながる。肘側では、3本の骨による複合関節である肘関節を形成し、前腕の回転を可能とする。肘関節の先に有る前腕には、内側の尺骨と外側の橈骨2本が並ぶ。 手首から先の骨は、手首から大きく手根骨・中手骨・指骨の3グループに分けられる。手根骨は8個の骨から成り、手首の関節は横手根関節(手関節)と呼ばれ、尺骨・橈骨との間で舟状骨・月状骨・三角骨と呼ばれる3つの骨が関節を形成する。この3つに豆状骨を加えた4つを近位列と言う。手根骨の残り4つは大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鉤骨であり、これらはまとめて外位列と呼ばれる。外位列の先には手根中手関節(CN関節)を介して掌の骨格を成す5本の中手骨が有る。そして、各中手骨は中手指節関節(MP関節)を挟み指骨と繋がる。MP関節は拳を握ると外側に突出する、でこぼこを形作る部位である。指の骨格である指骨は、基本的に基節骨・中節骨・末節骨で構成されるが、親指のみ中節骨が無く、それぞれの骨の数に応じた関節を持つ。
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