その他の作家の作品
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真城信弘(川口たろう) 超ヒーロー伝説 川口たろうの代表作。『WJ』に連載され、サイコーが3歳の頃にアニメ化もされた。なお、アニメ第1期第1話では、本来のオープニング「Blue Bird」が流れる前の放送開始時に、この超ヒーロー伝説のアニメで使用されていたという設定のオープニング「超ヒーロー伝説」(歌:影山ヒロノブ)が、架空のスタッフロール付きで、あたかも実際の新番組かと思わせるような演出で放送された(なお、アニメ版「ラッキーマン」のオープニングのオマージュ)。コミックスはサイコーの家の本棚などに陳列されている所から、全12巻と推測される。しかし、本人曰く打ち切りで連載は終了している。部屋の鍵のキーホルダーにも使われている。 ジャンルは、様々なヒーローが出てくるギャグヒーロー漫画。 漢の浪マン(おとこのろまん)という実力の低いダメヒーローが出てくる話があり、信弘と文通していた亜豆の母・美雪はこの話から信弘の本当の気持ちを察している。また、集英社専務鳥嶋和彦をモデルにした取締マン、友情マンや努力マンに似たヒーロー、更には敵役として「バトラー星人」も登場する。 信弘は『ジャンプ』でギャグの新連載が掲載されるというここ一番の時には、これまでに展開された話から伏線として描いていなかった部分を伏線として昇華させ、今後の展開に期待を持たせる「1話完結じゃない1話完結」の話を書き上げており、その手法は、二度目の七峰との対決での『PCP』にも用いられた。 アニメ視聴の際にデータ放送で与えられるポイント(アニメマイル)の特典で見ることができる、大場つぐみ作のこの漫画の1頁にて、主人公の名前は『長州超力』で、『ホットちょーコレート』を飲むことで変身するという設定が確認できる。 新妻エイジ CROW(クロウ) 新妻エイジの『赤マルジャンプ』掲載作品。ジャンプ漫画の王道ともいえる典型的なバトル漫画であり、その名の通りカラスをイメージした主人公「クロウ」の活躍を描く。担当編集は服部雄二郎。 1000通の読者アンケート葉書の内500票あまりをさらって、『赤マルジャンプ』の人気1位に輝いた作品。その結果を元に新作『YELLOW HIT』を連載することとなっていたが、エイジは編集部の意見を聞かず、この『CROW』を連載用に描き上げて連載することをWJ編集部に認めさせた。結果的に大ヒットを収め、単行本10巻までの時点での売り上げは累計で850万部あるらしい。アニメ化が決定し、「TRAP」が連載再開した号の翌日からアニメがスタートした。ちなみに登場人物には、新妻が幼い頃から遊びで描いていたキャラクターたちが反映されている。 『ジャック』の看板作品として不動の人気を誇り、連載開始前に新妻が宣言していた「ジャックで1番の漫画家になる」を実現した作品となった。しかし自分がベストだと思う状態で終わらせたいというエイジの意向から、10週連続一位を獲ることを条件にして得た「嫌いな漫画を終わらせる権利」を『CROW』に対して行使した。その時、「連載が終了するまで連続で1位を取り続けられなければ、連載を継続する」という条件の下、亜城木ら福田組から勝負を申し込まれ受けて立つが、約20週間の間一度も首位の座を明け渡すことはなく、結果として連載を終了した。2009年33号から2016年38号まで連載。コミックスは全36巻。 アニメ第2期9話で、アニメ「CROW」の架空のオープニングが本編中に放送された。 LOVE力A to Z(ラヴぢからエートゥゼット) 人気作家恋愛読切祭に1番目にエントリーされた新妻の作品。アンケート順位は9位。総合順位は7組中5位。 エイジにとって初挑戦となる恋愛をテーマとした作品。『+NATURAL』のヒロイン役の声優オーディションから亜豆を連れ出したサイコーの行動に影響を受け書き上げた。しかし好きな子を巡っての喧嘩シーンには定評があったものの、恋の心情を描けていないことから、恋愛漫画としての評価は今一つだった。この作品によりエイジの苦手分野が浮き彫りとなった。 ZOMBIE☆GUN(ゾンビガン) 「CROW」終了後、新妻が書き上げた新作品。「REVERSI」同様ダークヒーローを主人公とした、邪道を取り入れた王道漫画になっている。 ゾンビだらけの世界が物語の舞台であり、主人公はゾンビでありながら人間の心を残している。元の姿に戻るためにゾンビ達と戦っていくというストーリー。連載では「REVERSI」を意識してか、敵キャラにも比重を置いており、主人公「GUN」の双子の兄である「JIN」を登場させたり、4話目でその兄を殺して新たな敵を投入させている。 『ジャック』2017年20号(4月10日発売)に読切掲載され、アンケート票数692票で1位という記録を出し、史上最高記録をマークした。その翌週、亜城木の「REVERSI」に抜かれたことでエイジはやる気をなくすものの、「REVERSI」が『必勝ジャック』で連載されることを聞き改めて亜城木をライバルとして認識したエイジにより、連載会議に回され、「REVERSI」の連載開始の前の号(2017年30号)からの連載が決まった。週刊で連載することになった「REVERSI」とはアンケート順位で1位2位を競っているが、単行本の発行部数が早々と90万部に増刷が決まって売り上げの面では「REVERSI」に大きく差をつけている。 福田真太 KIYOSHI騎士(キヨシナイト) 福田真太の第6回『WJ』金未来杯エントリー作品。WJ編集部から最も期待されている作品として1番手で掲載。掲載された号でのアンケート順位は3位で、得票数は1312票、支持率は79%。支持率に関してはエントリーされた4作品中1位。第6回金未来杯同率1位受賞作品。愛称は「キヨシ」。担当編集は服部雄二郎。 金未来杯以前にも読切としてWJ本誌に掲載していた。現代社会の問題などを絡ませた過激なヤンキーバトル漫画で、ギャグ的な要素も強く、サイコー達が「挑戦的で刺激がある」「現代版『男塾』って感じ」などと好評価する一方、福田の作風を良く思わない蒼樹からは「青年誌でやるべき」と酷評されている。雄二郎の指示ミスもあったが、同期の亜城木に一足遅れて連載権を獲得した。 連載後半ではパンチラを主とするお色気要素を盛り込み、なんとか連載を保っている状態にあった。しかし亜城木夢叶の「PCP」掲載に触発された福田の考えから、「ロードレーサーGIRI」の連載決定と入れ替わる形で連載を終了した。2011年20号から2014年21号まで連載。コミックスは全17巻。 ロードレーサーGIRI(ロードレーサーギリ) 「KIYOSHI騎士」に代わる福田の作品。初めは「ロードレーサー淵切(ロードレーサーぶちぎり)」というタイトルで、「キヨシ」の人気低迷と、「PCP」の登場に触発された福田が連載と並行して読み切りとして描き上げたもの。 バイクレースを題材としている。バイクを上手く描ける人間が福田の職場にはいなかったが、その分を少年誌らしい設定と展開で補っている。 「PCP」連載開始号と同じ号に読切が掲載され、「PCP」には遠く及ばなかったものの、アンケート順位は2位を獲得した。その後「キヨシ」と入れ替える形で連載権を獲得する。常に上位に掲載されるほど人気が高く、人気作家恋愛読切祭終了後、アニメ化が決定する。2014年28号から連載中。 殺生由意(せっしょうゆい) 人気作家恋愛読切祭に6番目にエントリーされた福田の作品。県下一の不良校に通う不良が、「絶対に喧嘩をしない」という条件であるお嬢様に恋をする物語。福田は「熱く燃えるストーリーに仕上がった」と自信を持っていたが、成績は奮わなかった。アンケート総合順位は7組中6位。 蒼樹紅 hideout door(ハイドアウト ドア)(作画:中井巧朗) 略称「ハイドア」。蒼樹紅がストーリー、中井巧朗が作画を担当した、第6回『WJ』金未来杯エントリー作品。3番手で掲載。掲載された号でのアンケート順位は3位で、得票数は1103票、支持率は73%。 作風はメルヘン・ファンタジー漫画。主人公の少年が森の中で妖精に出逢い、自らも妖精になろうとする内容。 中井が「自身の漫画家人生をすべて賭けた」と語り、背景の細部に至るまで細かく書き込まれている。作画は全て中井が担当したが、女性キャラの顔のみは蒼樹がデザインした。 連載会議では中井の絵(特に背景)は好評で申し分なかったものの、蒼樹の話が少年誌向きではなかったこともあり、連載は見送られた。後に福田の「KIYOSHI騎士」に続き連載を開始する。しかしその人気は福田組の中では最下位で、相田、中井と蒼樹のすれ違いもあり「TRAP」が打ち切られた次の号にて打ち切りとなってしまった。ただし、中井の絵の評判が良かったのか、コミックスの売り上げは「TRAP」や「KIYOSHI」よりも上だったとされている。2011年21号から2012年7号まで連載。コミックスは全4巻。 青葉の頃 『赤マルジャンプ』にセンターカラーで掲載された恋愛漫画。蒼樹がストーリーと作画を共に手がけている。アンケート順位は3位。その後の連載会議に出され、亜城木や静河らを押さえ、連載権を獲得した。 15歳の主人公・麻芽翔一郎(まめ しょういちろう)が県下一女子の制服のスカートが短い高校「私立青葉学園」に入学してくる所から始まる。山久の提言により、今までの蒼樹の作品にはなかったパンチラシーンが所々入っている。サイコーと亜豆の関係性など、シュージンから聞いた福田組周辺のエピソードを度々元ネタとしており、サイコーに「蒼樹紅の暴露話かよ」と揶揄された。 しかし後半になるとストーリー展開がマンネリ化したため人気が低迷、平丸の「ラッコ11号」と同時期に打ち切りとなった。2013年2号から2015年10号まで連載。コミックスは全12巻。 神様がくれた… 人気作家恋愛読切祭に2番目にエントリーされた蒼樹の作品。アンケート順位は2位。総合順位は7組中1位。 恋のキューピッドである天使・ルナと、人間の陽斗との恋愛をめぐる物語。恋愛、ファンタジーと蒼樹の得意分野が活かされた作品でもある。読切掲載後、連載権を獲得する。 連載第1話目は速報、本ちゃん共に1位。読切は恋愛に徹した爽やかな作風だったが、連載ではライバルの天使が登場し、陽斗をめぐって言い争うなど、バトル漫画の要素も加わっている。 平丸の「僕には通じない」のアニメ化が決まった同時期に打ち切りが決定した。2015年44号から2017年48号まで連載。コミックスは全10巻。 平丸一也 ラッコ11号 平丸一也の初投稿作品で、月例賞(トレジャー)佳作入賞作品。あらゆる岩石に変化する両手を武器にして殴りまくるラッコ人間が、屁理屈を言いながら世直しをしていくという、理屈屋の平丸ならではの作風。話数の単位は「第○貝」。 初投稿作品でありながら、吉田班長の推薦により、福田や蒼樹&中井組の作品を抑えて『WJ』での連載化が決まるという、異例の扱いを受けている。しかし、平丸本人は本気で漫画家になりたいと思ってこの作品を描いたわけではなく、連載化にはむしろ困惑していた様子。連載自体は「罪を償えば犯罪はチャラになる!その前提で犯ってます」「人として許せてもラッコとして許せん」などインパクトの強い台詞回しと平丸独特のセンスによる面白さで好評を博し、深夜枠ながらアニメ化も果たし、ラッコ11号のフィギュアは小学生から主婦にまでバカ売れしている。 サイコーは服部の言う「シリアスな笑い」の例えを港浦に説明する際、この作品の「ラッコ11号がトラックでテレビ局に突撃する」シーン(元ネタは『DEATH NOTE』)を紹介している。 アニメ放送が終了すると同時にコミックスの売上が落ち、蒼樹の「青葉の頃」と同時期に打ち切りとなる。2011年11号から2015年11号まで連載。コミックスは全21巻。 なお、現実にも展開され、2010年8月9日発売の『週刊少年ジャンプ』36・37合併号に、平丸一也名義で実際に掲載されている。また、2011年12月には小説版が発売された。 僕には通じない 人気作家恋愛読切祭に4番目にエントリーされた平丸の作品。アンケート順位は3位で、総合順位は7組中2位。 神経質でネガティブな主人公の高校生が、ある女子高生に告白されるが、それには政府が関わっているというギャグ風の恋愛漫画。ヒロインが「罠ではありません」と言うたびに主人公は悪い方向へ妄想を働かせるという内容。主人公が動物のような顔をしているため、平丸の自覚なしにギャグ漫画となっていたが、後に笑いと涙ありのストーリーものへの路線変更のため、アシスタントの中井の指導で画力が上昇、女性読者の獲得に成功し上位をキープしている。 『君に届け』の正反対を狙ったとの事で、ネーム時点の仮タイトルは『君に届かず』。 「ラッコ」同様、平丸はこの作品を連載させるつもりは無かったが、蒼樹との交際を通してモチベーションを上げ、2度目の連載権を獲得し、その後アニメ化が決定する。2016年11号から連載中。 高浜昇陽 Business Boy ケンイチ(ビジネスボーイケンイチ) サイコーが入院している間に高浜が描いた作品。元はサイコー達の「この世は金と知恵」から影響を受けたものらしいが、作風はお笑い好きの港浦の方針によるものか、ギャグ調の雰囲気が強い。宝くじで大金を得た高校生の少年・ケンイチが、それを元手として様々なビジネスに挑戦するという内容で、ビジネスの裏話なども盛り込んだ内容になっているという。 月例賞で準入選に入り、WJでこれの読切が掲載された際には新人では異例の2位に入っている。その後、『WJ』での連載が決まった。アンケート順位は毎週10位前後とそれなりに安定していたが、港浦の方針でギャグの要素を盛り込んだことで人気が落ち、高浜自身は「自分のやりたいことができない」と不満を漏らしていた。その後、蒼樹の「青葉の頃」の連載が決まるのと入れ替わりで、わずか半年ほどで打ち切りになった。2012年25号から2012年50号まで連載。コミックスは全3巻。 正義の三肩(せいぎのみかた) 亜城木夢叶の「PCP」の製作に触発された高浜が描きあげた2番目の連載作品。 少年刑事と少年検事、少女弁護士が「裁判バトル」を繰り広げるという、珍しいジャンルに挑戦している。前作と比べ、「PCP」や「+NATURAL」と張り合い上位に食い込むなど、裁判物でセリフが多い作品の割には善戦している。後にテレビドラマ化も決定した。 この漫画を描くにあたり、高浜は実際に裁判所の傍聴に参加して裁判風景などをメモにとり、それを作品に反映しているという努力も見られる。さらに亜城木や新妻らに触発された甲斐もあってか、新妻の「CROW」に僅差に迫ったり、連載で1位をとるようにもなってきている。2014年25号から連載中。 静河流 斜本(シャポン) 日本の終わり 月例賞に投稿された静河の作品。人間の死をテーマとした作品で非常に暗い作風のため、ジャンプで掲載するには危険すぎると判断された。しかしエイジは「未来時計」に次ぐ高評価を与え、エイジのゴリ押しにより急遽新設された特別賞「新妻エイジ賞」を獲得している。 True human(トゥルー ヒューマン) 『赤マルジャンプ』に掲載された作品。巻頭やカラーでの掲載ではなかったが、アンケート順位は2位で、1位の「走れ!大発タント」と大した票差はなかった。その後の連載会議に出されたが内容の過激さ故に連載は見送られ、「タント」が打ち切られてしばらくしてからようやく連載となった。担当編集は山久雅和。 世の中を荒廃させた人間を「真人類(トゥルー・ヒューマン)」が次々と倒していく作品。サイコーとシュージンの「ふたつの地球」によく似ており、「この世は金と知恵」以上にエグい。後に静河によって「少年誌向け」にリファインされた同名の原稿が持ち込まれた。 一時期は静河がキャバクラに入り浸ることがあった影響もあり、「旧人類の男は死ね、若い女は真人類に尽くせ」という方針を真人類が打ち立てるなど、作風がかなり変化していた。しかし、吉田が平丸のために計画したお茶会計画が功を奏し、以前よりも過激になったという。しかしその後は、「PCP」や「有意義な〜」の登場により、連載の地位を脅かされつつある。2013年41号から2017年39号まで連載。コミックスは全20巻。 秋名愛子(岩瀬愛子) +NATURAL(プラスナチュラル)(作画:新妻エイジ) 秋名愛子の初投稿作品にして初連載作品。原作は秋名が、作画は新妻が『CROW』と兼ねて担当する。担当編集は服部哲。2013年11号から連載。 主人公・マナブを始めとする「神に選ばれた子供たち」が繰り広げるファンタジー作品。当初は読切掲載の予定だったが、あまりに出来が良かったために連載会議に回された。人気連載漫画家が2つの作品の作画を担当するということで、内容の低下が懸念されたが、服部哲、服部雄二郎両名の説得の甲斐もあり新妻エイジ作画での連載となった。初代担当編集は服部哲。 服部はこの作品を、亜城木夢叶のライバル心を加熱させ、さらに亜城木が連載となることで新妻自身のやる気にもつながる起爆剤として考えている。連載開始号のアンケート結果は文句なしの1位をマークし、さらに発売日の翌日にコンビニの店頭からジャックが消えるという異例の事態まで起こった。その後、アニメ化される。アニメ終了後はマンネリ化が目立ち、人気も低迷してきたが、岩瀬が亜城木らの励ましを受けて以降は持ち直しつつある状態にある。 なお、秋名によるシナリオは文章のみで書かれており、これを転用する形でのノベライズも決定している。 作中では、新妻の作品である『CROW』とのコラボを実現している。 アニメ版最終話では、打ち切りになったことが明かされた。 4春期(ししゅんき)(作画:八本木八郎) 人気作家恋愛読切祭に5番目にエントリーされた作品。中学生の恋愛をテーマに描いた作品のようだが、秋名は八本木がデザインしたキャラクターに、「中学生なのに胸が大きすぎる」と難色を示していた。結局八本木を作画に迎えたまま掲載することとなったが、総合順位は7組中最下位となってしまう。 なお、八本木の素性は作中では言及されておらず、「ジャック」でも新人という扱いになっている。 間界野昂次(KOOGY) カラフジカル 間界野昂次の第6回『WJ』金未来杯エントリー作品。4番手で掲載。掲載された号でのアンケート順位は14位で、得票数は482票、支持率は53%で、エントリーされた4作品中最下位。 手塚賞準入選作品。目で見た物の色を変え、歌声で人の心を変え、世界を変えるという内容。ファンタジックで画風は前衛的かつ斬新だが、シュールな要素が強く、サイコー達の好みではないとのこと。しかし、蒼樹はこれを「アーティスティックで夢や希望を感じる」と好評価している。しかしながら、金未来杯エントリー版は手塚賞の時よりもさらに理解しがたい内容となってしまっており、読者からも不評だった様子。見吉からは「自分に酔っている感じで、わけがわからない」と評された。その後、『ジャックSQ』編集長の茨木のお膳立てで『SQ』にて連載を開始している。 白鳥シュン 恋太&ピース(ラブタ アンド ピース)(原作:木人高秋) 白鳥の処女作。アシスタントの仕事をするうちに、漫画を描くことに触発された白鳥が、自分と愛犬ピースを基に描き上げた作品。担当編集は服部哲。 シュージンに幾度となくアドバイスを貰ったため、ほぼシュージンの案が入り込んだ漫画作品となった。そのため、シュージンが原作、白鳥が作画という形で本誌掲載となった。ペンネームの「木人高秋(きど たかあき)」は、「高木秋人」の漢字のアナグラムである。読切が掲載された号でのアンケート順位は5位。 その後、連載権を獲得するが、連載と同時にシュージンが原作から外れ、白鳥一人で作品を描いていくことになる。シュージンは白鳥が一人でも描けるように、サイコーらに黙って彼の仕事場に泊まり込み、ネームの書き方をみっちりと指導していた。 愛犬ピースと会話が出来る少年を主人公にしたファンタジー作品だが、シュージンの影響によって「人間の本音」という裏のテーマも盛り込まれている。 特別人気が無かったというわけでもなかったが、アンケート順位がしばらく2ケタの位置にあったこともあり、七峰の「有意義な〜」と入れ替わる形で半年近くで打ち切りとなった。2015年17号から2015年44号まで連載。コミックスは全3巻。 七峰透 シンジツの教室 月例賞に投稿された七峰の作品。人間の心理に着目した「邪道の心理バトル漫画」。七峰はこの作品を連載させるつもりで、10話分を書いて『ジャック』に送った。担当編集は小杉。 とある教室に生徒と教師合わせて38名が突如閉じ込められ、謎のアナウンスによる「生き残りゲーム」が始まる。「嘘を言えば殺され本心がバラされる」というゲームを始め様々なゲームが行われ、生徒たちは次々とその本性を現していく。 冒頭部こそ『ǝnígmǝ【エニグマ】』の類似を指摘されるものの(七峰もこの辺りはパクリと認めている)、発想が斬新であるうえ、画力、構成をとっても、亜城木夢叶を上回るとまで言われた作品。しかし「人間の心の闇」をテーマとした作品であり、主人公も含めて登場人物全員が死ぬ、友情や仲間といったテーマを完全に否定しているなどの点から、「ジャック否定マンガだ」とも言われた。そのため、高い評価を受けながらも「少年誌向きではない」という判断により、最終候補止まりだった。しかし、七峰が自身のブログに全話アップしたことで、「Yahoo!Japan」のトップニュースになるほどの話題作となった。 七峰がこの作品を描いた当初、アドバイザーは4人だけだったが、彼がこの漫画をインターネットにアップしたことで話題を呼び、50人の判定人を募ることが出来た。なお、七峰が出した案は、物語冒頭の「嘘を言えば殺される」というネタだけだったらしい。 有意義な学園生活に必要なソレ 七峰の初連載作品。異性にモテるが緊張するとオナラが出てしまう美男美女を主人公とした学園生活を描いた作品。「有意義な〜」と省略される。 「神様がくれた…」が連載を開始した次号より連載をスタート。「『PCP』の上を行くヒット漫画にする」というコンセプトの下に作られているため、「シリアスな笑い」を入れるなど内容は意図的に『PCP』と似せている所がある。2話目からは背景に中井を起用したことで、画力は格段に上がった。しかし、七峰が判定人から募ったアイデアを無理に盛り込んでいたため、全体的にまとまりに欠ける仕上がりになっている。 出だしこそ快調で1話、2話では二位をマークし『PCP』のみならず『CROW』をも上回る成績を残したが、その後は順位が急落した。とにかく『PCP』に内容をかぶせ過ぎたことや、七峰が判定人たちの統率を取れなくなったことが要因となった。編集者たちからは「劣化PCP」と評された。 起死回生の手段として、編集長、服部哲、小杉公認の下で、11話目で『PCP』と同じ内容の話を同じ号で掲載したが、『PCP』3位、『有意義な〜』19位と完敗。さらに中井が判定人に順位が低迷していることをバラしてしまったため、この時点で判定人全員が七峰の元から離脱し、その後打ち切りとなった。2015年45号から2016年13号まで連載。コミックスは全2巻。 1000億と美少女 七峰の通算4つ目の作品。IT企業社長が娘の婿選びのために大会を開き、優勝者には娘と1000億の賞金が与えられることになった。5万人の婿候補たちが繰り広げる対決の裏では、本当に彼女を思う気持ちがあるかどうかを試されているというストーリー。 七峰が出したアイデアをモニターたちが採点し作り上げた作品で、作者名義も「七峰透&SHINJITSU Co.」となっている。ネームの出来は小杉を始め編集部の大半が「面白い」と認める内容だったが、人間の深層心理を題材にしているため、あまり少年誌向きの内容ではない。 この作品を読切で掲載し、もし3位以内に入れば連載会議に出しそれ以下の順位ならばジャックではもう七峰を使わないという条件を佐々木編集長から貰った。七峰本人は「余裕で1位をとれる」と豪語していたが、「PCP」のみならず「正義の三肩」や東の読切作品にも敗北し、4位という結果に終わった。 東美紀彦 ぱんちらファイト 『ジャンプ』に持ち込まれた東の作品。持ち込まれた直後、読切掲載が決まり、その後短期間で短期集中連載が決まった。読切が掲載された号でのアンケート順位は1位。短期連載中も常に上位をキープした。2016年51号から2017年2号まで連載。コミックスは全1巻。 全国から集められた少女達が、「カメラにパンツが映ったら負け」というルールの下、ミニスカートの衣装を着て、縁にカメラが設置された円形の闘技場で戦うというもの。「パンチラ」という言葉が入っているが、少女達に一つの特殊能力が備わっているなどあくまでバトルを主軸に据え、少女達の戦う理由やパンツを晒したくない心情も描写されているため、「邪道な王道バトル」として描かれている。 原作は七峰の雇った漫画家候補者たちが書き、それをモニター達が採点したものを東が描いている。しかし、最初は七峰の指示で原作も自分が担当していることになっていた。 ヒラパラパラダイス 七峰の「1000億と美少女」と同じ号に掲載された東の読切作品。平丸がギックリ腰になって休載したため、その穴埋めの代原として掲載した。七峰に裏切られた東が、服部哲と共に一から作り上げた漫画。アンケートでは3位という結果を残し、七峰を下した。
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