逸刀流
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「無限の住人の登場人物」の記事における「逸刀流」の解説
天津影久(あのつ かげひさ) 声 - 野島裕史、根本圭子(少年期)/ 佐々木望、梶裕貴(少年期)、羽鳥佑(偽者)/ 演 - 福士蒼汰 逸刀流2代目統主。22歳。色白で線の細い優男だが、祖父・天津三郎から幼少の頃より鍛錬を受け、天才的な剣の腕を持つ。一枚打ちの刃が湾曲した重量級の戦斧、頭椎(かぶつち)と、同名の剣を操る。祖父の遺志を継いであらゆる流派の垣を取り除くことを目指し、その手始めとして無天一流の道場を襲撃し、門下生全員と凜の父親である統主・浅野虎厳を殺害し、更に凛の母親を配下達に凌辱させた。江戸幕府お抱えの剣術指南役となり、幕府の軍事力を逸刀流の理念で染め上げることを悲願としていた。心形唐流を傘下に収めるため加賀へ向かうが、統主不在の間に多くの幹部が吐鉤群らに殺され、自身も策略によって窮地に陥り、逸刀流は壊滅の危機に晒される。わずか10名となった逸刀流は、幕府および吐への復讐を誓って一時潜伏する。吐の失脚後は英を騙し江戸城を襲撃。そのことにより吐や英の追撃を受けながら、常陸へ向かうこととなった。因縁の吐鉤群を倒すも満身創痍で万次との決戦に敗北。右腕を失うも命は助けられ異国へ旅立とうとするが、凜に刺され、死亡した。切り落とされた天津の右腕は万次に移植され、最終話である作中の90年後に、万次の右腕として、凜の子孫である布由と手を取り合うことになる。 天津三郎(あのつ さぶろう) 声 - 大川透、小西克幸(壮年期)/ 秋元羊介 / 演 - 音尾琢真 逸刀流前統主。かつては無天一流でも一・二を争う剣豪だった。師・浅野虎秀と共に野盗の集団に襲われた際、浅野虎秀の実子である浅野虎行(凜の祖父)より5人多い9人を斬り伏せるも、無天一流の教則には無い二刀流で戦ったこと、使用した一本が舶来の刀であったことから破門される。その恨みから気を病み、「何代かけても我らが剣力、あの愚衆どもに知らしめよ」と言い残し狂死したとされていたが、成長とともに剣術の腕やカリスマなど、自らを上回る資質を開花させ始めた影久を恐れるあまり殺そうとしていた所を、助っ人として呼んだ旧友・阿葉山に殺害されたというのがその死の真相だった。影久は彼の正しさを信じる一方で、恥や体面に囚われた彼の姿勢を、格式と体裁を重んじた無天一流と変わらないと評して「負け犬」と断じている。 凶戴斗(まがつ たいと) 声 - 中井和哉 / 鈴木達央 / 演 - 満島真之介 天津が統主となったころからの古参で、逆立てた髪と着物の下に着用しているインナーと一体化した口元を隠すマスクが特徴の青年剣士。マトリョーシカ人形のように厚身刀身の中にもう一振り細身の刀、その刀の中にさらに小刀が納められている西洋由来の仕込み刀・グラントルコを用いて戦う。もとは百姓の出で、「凶」の苗字は自分でつけた。山育ちで、地の利を生かした戦いを得意とする。また幼少時に妹を侍に殺されたという過去があり、武士階級を憎んでいる。無天一流の襲撃に参加した際に、凜の親の形見である刀を戦利品として強奪した。その後、この刀を刀研屋に取りに来たところを凛に発見され、万次と一戦交えるが引き分けに終わる。その後、逸刀流を幕府の指南役とすることに決めた天津と袂を分かち離脱した。しかしその直後に、妹同然に思っていた遊女・恋を殺され、それが尸良の仕業であることを知る。尸良からの復讐を予想していた万次との利害が一致したために共に加賀へ向かい、甲州街道で万次を待ち伏せしていた尸良と対決し勝利した。その後、加賀で天津の窮地に駆けつけ、幕府の裏切りを知ったことから逸刀流に復帰し、吐らとの抗争や天津による江戸城襲撃に身を投じる。江戸城襲撃後は天津と合流するために常陸へ向かい、その途上で万次と戦闘中であった尸良と出会い、万次と共闘して討ち果たす。逸刀流壊滅後は剣士を廃業し、元逸刀流の糸伊と農作業に励む姿が描かれている。 阿葉山宗介(あばやま そうすけ) 声 - ふくまつ進紗(第2作)/ 演 - 石橋蓮司 隻腕の老剣士。天津三郎の友人で、影久の後見役を務める。影久の加賀行きの間は統主代行となる。天津の留守中に吐鉤群によって開かれた酒宴の場で、他の副将格の幹部と共に襲撃され、ただ一人生還した。逸刀流壊滅後は残党の一員となり、その後新たに加わった若手剣士達のまとめ役となる。失った右腕に仕込んだ特注品の武器・断身九印(だんしんくいん)を用いた戦闘術で、常陸への道中で遭遇した偽一を苦しめた。偽一との死闘の末に敗北し、戦闘不能になったことを確認の上で放置され、今際の際にかつての旧友・天津三郎の影を見て死亡したかに思われたが、生存していた。その後、孫に引き取られて余生を過ごす。 黒衣鯖人(くろい さばと) 声 - 江原正士 / 花輪英司 / 演 - 北村一輝 天津影久を幼少の頃から知る、鎧兜を身に纏った巨漢剣士。無天一流襲撃に参加し、凛の両親を殺害した。「女性への究極の愛情表現は死」と考える猟奇的感性の持ち主で、殺した自身の妻と凜の母親の生首を剥製にして肩に縫い付けていた。両肩の生首を覆い隠す布には、背中と左胸に「南無阿弥陀佛」と書かれている。凜に恋愛感情を持ち、孤児となった凜に毎日恋文を送り、最終的には凜も殺してその首を肩に縫い付け、自らも剥製となるつもりであった。凜の用心棒となった万次の最初の対戦相手であり、肩が170度まで後ろに曲がる特異体質を活かし、背後から襲いかかってきた万次を一刀両断した。しかし、万次の不死を知らず油断したところを斬られた。歌を作るのが趣味。大型の手裏剣のような武器、烏(からす)を使用する。刃が3枚のものと4枚のものがあり、中央の穴に指を入れ回転させて使う。ギョギョギョと独特な音を発する。黒衣の死後は万次の手に渡った。アニメ版では死による永遠の愛の成就という彼の美学が語られており、不死の肉体を持つ万次の存在に激昂する場面が描かれている。 実写映画版では、浅野道場の襲撃には参加せず、悲しみに暮れている凜の顔を塞ぎ、彼女を慰めている。 閑馬永空(しずま えいくう) 声 - 小西克幸 / 咲野俊介 / 演 - 市川海老蔵 逸刀流の刺客。虚無僧のような出で立ちをしており、外見は中年男性だが自分を「ワシ」と呼ぶなど老人のような話し方をする。武器は井上真改によって打たれた刀、蟲殺(こさつ)で、自身の手で刀の背に毛を植えている。また、小刀が仕込まれた鍚杖も使用する。実は万次と同じく血仙蟲により不死の肉体を持ち、既に200年の歳月を生きている。元はとある武将の下で戦国時代に活躍した侍で、戦場にて1000人以上の人間を斬っている。万次に天津の抹殺と逸刀流の乗っ取りを持ちかけ、断られると刀に塗った血仙蟲の効力を無くす毒薬「血仙殺」を使用して万次を窮地に追い込む。さらに八百比丘尼の偽者を使って凜を誘拐するが、回復した万次により解体された。アニメ版では200年前の彼の姿が描かれている場面がある。 乙橘槇絵(おとのたちばな まきえ) 声 - 能登麻美子 / 桑島法子 / 演 - 戸田恵梨香 天津影久が「揺籃の師」と仰ぐ人物で、彼のはとこに当たる女性。元の姓は春川。作中最強の一人。10歳のとき、無天一流の次期統主と目されていた兄を剣術で破ってしまい、自害に追い込んだことで母親と共に春川家から絶縁された。その後、遊女に身をやつしていたところを天津に身請けされた。その経験から人を斬ることに恐れを抱くようになる。三味線型のケースに収納された三節槍・春翁(はるのおきな)と、驚異的な身体能力で相手を圧倒する。刺客として万次を襲い、圧勝するが、万次を庇う凜を見て止めを刺さず、天津の下も去った。その後、零落した春川家を訪れ、「自分が斬るべくして斬る筈の唯一の人間」である父を殺そうとするも果たせなかった。生きる望みを失い、白川郷で身をひさいでいたところを天津に見出され、心形唐流に襲われて窮地にあった天津の元に駆けつけた。その後は天津と連れ添うが、その身は父親と同じ病に侵されている。逸刀流が六鬼団の追撃を受けた際には、足江進ら六鬼団の者をことごとく殺害しつつ、天津の元へ駆けつける。その後、天津と吐を狙った英の銃撃により重傷を負い、天津の手で船へ担ぎ込まれるも既に絶命していた。 川上新夜(かわかみ あらや) 声 - 浪川大輔 / 小原雅人 逸刀流の剣士。無天一流の襲撃に参加し、浅野虎厳殺害時に居合わせ、凜の母親の陵辱に加わった。普段は息子の練造と共に面屋を営んで暮らしており、息子に自身の素性が知られることを恐れている。縁日で面の屋台をしていたところに万次たちと遭遇、単身で住処に乗り込んできた凜を口封じのために抹殺しようとしたが、凛を追ってきた万次と交戦。無手のまま万次の武器を次々に奪い圧倒する強さを見せたが、意外な所に残っていた武器を拾われたことを見抜けず敗れた。 凜の母親や凜に死出の化粧を施すなど、独特な美的感覚をもっており、彼が製作した面には万次も関心を示した。 土持仁三郎(つちもち にさぶろう) 声 - 黒田崇矢 / 後藤光祐 逸刀流の槍使い。禿頭にワシ鼻の男。宗理邸を訪れた万次と凜を仲間数名とともに襲撃するが、絵を踏みつけにされて逆上した宗理に斬られた。柄の両端に穂がついた槍・阿吽(あうん)を持つ。折りたたみ式で、二節槍として使うことも可能であり、また、穂の片側が半円形に欠けており、これで相手の武器を絡め取ることができる。その他、松の皮にカモフラージュした無数の釣り針状の鉤を松の幹に設置し、背中を守るためにその松の木に寄りかかった相手の動きを封じる罠を用いる。 八角蔦五(もろずみ ちょうご) 声 - 園部好徳 / 森源次郎 / 演 - 山口祥行 逸刀流の副将。天津影久の加賀行きに際して統主代行を務めるべく、品川から天邦道場へ向かっていたところを偽一に襲われる。同行者を殺されたのち自身も拘束され、逸刀流の内情を喋らされた挙句、首を刎ねられた。テレビアニメ版では八角鳶五と名前が若干変わっている。 実写映画版では、後をつけてきた尸良を万次と勘違いして斬りかかるが、両腕と頭を切り落とされて殺された。 隅乃軒栄(ふさの けんえい) 声 - 稲田徹 / 早川毅 逸刀流の副将。元は食い詰めの足軽同心。統主代行として道場に向かう途中、女好きの性格を利用されて百淋と真理路の芝居に騙され、毒を盛られたのち百淋に眉間を貫かれて殺された。 袋田(ふくろだ) 流れの剣士を装い、天津影久の偽物と往来で喧嘩を始めることで敵を炙り出す役を担った。偽天津を倒した万次に背後から斬りかかるも敗北する。 賽河屋(さいかわや) 声 - 新田英人(第2作)/ 演 - 清家一斗、堀田貴裕 普段は薬屋を営んでいる二人組の逸刀流剣士。天津の替え玉に引っかかった敵を始末する役を担っていたが、激昂した尸良に2人共嬲り殺しにされる。 糸伊(いとい) 声 - 前堂友昭(第2作) 逸刀流剣士で葉矢の情夫。葉矢が誘き出した敵を斬る役を担っていたが、偽一に葉矢を人質に取られ、天津の行き先が心形唐流・伊羽指南所だと吐く。その後、逸刀流を抜け、農業を営んでいる。 宇留間(うるま) 演 - 出合正幸 坊主頭の剣士。花田とは常にケンカしながら腐れ縁のようにつるむ。煙管を愛用し、巨大な鉈のような武器・鬼太鼓桴(おんでこばち)を持つ。花田と共に万次に襲い掛かるが、切り落とした片腕をおとりにした万次の策にはまり、死亡した。 花田(はなだ) 演 - 本山力 左右非対称のサングラスをかけた長髪の剣士。万次の手形入手のため、宇留間・火瓦と共に百琳の偽書簡によっておびき出される。レイピアのような形状をした二刀一組の細身の刀・燕誅丸(えんちゅうまる)を持つ。宇留間と二人がかりで万次に挑むが、奇襲に敗れた。作者曰く「ジョン・レノンをイメージしたつもりが、でき上がったのは単なるオタク兄ちゃんだった」(7巻巻末付録より)。 火瓦(ひが) 演 - 新妻聡 頭にターバンのような布を巻いた二刀流の剣士。南国趣味の大型の直刀・神刃(かむじん)と、鍔が独特の形状をした日本刀・助広 雨椿(すけひろ あまつばき)を持つ。花田・宇留間との連戦で手負いとなった万次を追い込むが、駆けつけた百琳・真理路によって倒された。 珠崎(たまざき) 声 - 山口りゅう(第2作) 中山道にて百琳・真理路の襲撃を受けた際に左目と右腕を負傷したことから恨みを募らせ、尸良からの情報をもとに万藤、稲条、志水、鬼抜と共に無骸流のアジトを襲撃した。真理路を殺害して百琳を拉致し、拷問にかけるが、百琳を救出に来た偽一に仲間を全員殺害され、自身も左腕を斬り落とされる。その後、逃走しようとしたところを百琳に斬り殺された。 実写映画版では、万藤と志水と共に無骸流の面々に殺された模様で、名前及び死体でのみ登場する。 鬼抜(きぬか) 声 - 西凛太朗(第2作) 長髪に白眼が特徴の腕利きの剣士。珠崎らとともに無骸流のアジトを襲撃し、真理路を殺害した。拉致した百琳の拷問を主導し、無骸流に殺害された仲間の恨みを度々口にする。他の面々とは異なり、百琳を救出に来た偽一と一対一で対決するが、腕を切り落とされて敗れ殺された。 万藤(ばんどう)・稲条(とうじょう)・志水(しみず) 声 - 中林俊史、渡邉隼人、船木まひと(第2作) 珠崎や鬼抜らとともに無骸流のアジトを襲撃し、百琳を小屋で監禁したうえで拷問した。万藤は小屋から出たところを偽一に見つかり、小屋の居場所を喋らされた挙句に首を刎ねられた。その後、稲条と志水も連れ小便をしていたところ、百琳を救出に来た偽一が現れて瞬殺された。 奉楽喜(ぶらき) 幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。邪悪な面構えが特徴。吐鉤群の謀によって酒宴中に毒を盛られ、動けなくなったところを吐と偽一の襲撃を受け、死亡した。 司鞍黄十郎(しぐら こうじゅうろう) 幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。いかにも剣士然とした厳めしい風貌を持つ。襲撃する吐と偽一に対して目をカッと見開き応戦するが、首を刎ねられて死亡した。 久留歳田宗忠(くるせいだ むねただ) 幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。水玉模様の着物の男。高々としたボーダー柄の帽子の中に恐るべき武器を隠し持っていたが、不意を衝かれ死亡した。 玩蛇(がんじゃ) 幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。『AKIRA』の大佐のような髪と耳・鼻・唇につけたピアスが特徴。酒宴で吐と偽一の襲撃を受けて死亡した。 桐舟舞茜(きりふね まいせん) 幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。丸眼鏡をかけた哲学的風貌の剣士。女達の舞を大いに楽しみ、大いに飲食したことが原因で毒にあたって斬られ、死亡した。 璃比人(りひと) 幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。女と見紛うばかりの美貌を持つ謎の美剣士。酒宴を襲撃した吐と偽一の手に掛かり死亡した。 羅生門鼻左衛門(らしょうもん びざえもん) 幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。顔全体を覆面で覆い隠した怪剣士。その素顔を見たものは死ぬといわれているが、吐らに敗れ死亡した。 亡安法師(ぼあ ほうし) 幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。僧侶のような装束で、不敵な面構えをした眼帯の剣士。作者によると、眼帯の下に隠されたその右目を見たものは死ぬと言われているかどうかは不明とのこと。酒宴において毒を盛られて死亡した。過去に亜門が所属していた相模大和の仲条流道場をたった一人で襲撃し、逸刀流の支配下として治めており、亜門の回想にてその当時の破天荒な強さが語られた。議を好まず、酒を呑んで暴れる一面を持っていたため、道場の多くの者は快く思って居らず、亡安死後は早々に逸刀流の看板は下ろされた。 李覺殷(り こういん) 幕府主催の酒宴に招かれた逸刀流の幹部。前方に鋭く突き出た鬢を武器とする剣士。吐の挨拶に拍手を送ったりしてるうちに毒にあたり、胴体を上下真っ二つにされ死亡した。 吉乃瞳阿(よしの どうあ) 声 - 釘宮理恵(第2作) まだ幼さの残る少女剣士。もとは内地の人間で、蝦夷のアイヌの村で育てられたが、村の慣習になじめず夷作と共に本州へ逃れてきた(アニメ版ではアイヌ人となっており、内地の人間を敵視したり、無天一流道場での生活時に村の風習を持ち込むなどの描写が見られる)。その後は野盗をしていたが、天津影久に追剥を行おうとして返り討ちにあい、天津の人柄に惚れ込んで逸刀流に加わった。槍の穂先を改造した短剣・イペタムと、十手の先を尖らせたキウラコンタという2つの武器を持ち、戦闘では目にも止まらぬすばやさで相手を翻弄する。また、鉄板入りの帽子を着用し、頭部の防御に用いる。逸刀流の残党となった後、宿を求めて夷作と共に無天一流道場に現れ、凜と互いの素性を知らぬまま共同生活を送った。その後、自身の素行が元で役人に捕らえられた夷作を救出するため、凜と共に江戸城地下へ潜入し、万次の救出にも協力する。救出成功後は夷作と共に逸刀流を脱退し、南方へと旅立った。凜のことを最初は小馬鹿にしていたが次第に心を開き、旅立ちの際に「別れても再び出会う」という意味の意匠を彫った短刀・ウルカラカンナスイと愛用の剣を凛に贈った。 八苑狼夷作(やそのおおかみ いさく) 声 - かぬか光明(第2作) 瞳阿と共に蝦夷から逃れてきた大男。巨体に似ず純朴な人柄で、世間知らずで無鉄砲な瞳阿に振り回されながらその面倒を見る。元は異国の宣教師の息子で、本名はフェニーチェ・イサーク・カルワーリョである。戦闘時は手甲など軽装の鎧を身にまとい、その防御力と怪力を生かした格闘を用いる。役人に目をつけられた瞳阿を庇って役人に捕らえられたのち、不死力解明実験の犠牲となったが、不死力を得て生還した。ただし不死力はその後薄れ、身につかなかった。万次の救出に助力した後、瞳阿と共に南方へ旅立った。「八苑狼」という姓は瞳阿と旅立つ時に宣教師の父親が授けたもので、「耶蘇の大神(キリスト教の神)」のことである。アニメ版では瞳阿と知り合った際、瞳阿が本名のうち「イサク」しか聞き取れないと言ったことから「じゃあイサク(と呼ん)でいい」と答えている。 馬絽祐実(ばろ すけざね) 声 - 福田賢二(第2作) 顔面に真一文字の疵のある剣士。刀身に複数の穴が開いた長大な野太刀・杉ノ明露(すぎのあけつゆ)を持つ。天津の依頼で乙橘槇絵の居場所を探すなどの諜報活動を行う。その後壊滅状態になった逸刀流残党10人の一人となり、六鬼団の一人・佩矢坊から襲撃を受けるが撃退。しかし万次と風貌が似ていたため、この時に作られた人相書きをもとに万次が六鬼団の襲撃を受けることになった。元は「志田祐実」という名の幕臣で、月慈という名の許婚もいたが、すべてを捨てて逸刀流に入党したという過去を持つ。江戸城襲撃において撤退中に銃創を負うも、旧友とその部下十数人を殺害し、相討ちで死亡した。実写映画版では登場しないが、酒宴の場において彼の持つ野太刀のような刀を持っていた剣士がいた。 果心居士(かしんこじ) 声 - 佐々木梅治(第2作) 「水科(みずしな)先生」という名で江戸市中で薬屋を営みつつ、密かに諜報活動を行う老人。凜・瞳阿の江戸城潜入に陰ながら協力し、怖畔を援護に差し向けた。江戸城騒動の後、常陸へ向かう阿葉山・若手剣士らに随行する。その道中、自らが「山の民」であることを利用し、故郷である筑波山南麓で追走する六鬼団の伴殷六と杣燎らを迎え撃つ。伴を破り、その後ただ一人残った燎を前に勝利寸前まで追い詰めるも、自らの仕掛けた罠を逆に利用され敗れた。 怖畔(おずはん) 声 - 和泉祥二(第2作) 南方系の装束の男で、常に仮面をかぶっており素顔は見せない。身体能力が極めて高く、仮面に仕込んだ特殊な笛で耳障りな音を発し周囲を混乱させるなど、奇襲戦法を得意とする。果心居士の命を受け、凜・瞳阿の江戸城潜入に助力した。後、天津、凶、馬絽と共に江戸城襲撃に参加する。撤退中に行方不明となるが、最終話にて阿蘇で瞳阿、夷作と再会する。まともな日本語は話さないが、瞳阿など逸刀流の数名とは会話が成立している模様である。 圭反藤諒(かそり ふじあき) 逸刀流の残党。20人の仲間を殺害した万次に対するけじめとして、凶・把山とともに万次をおびき出し、万次に同行していた偽一と対峙する。先端のみ両刃になっている鉤状の刀剣・鯱鉤(しゃちばり)を武器にし、互いの肉を抉りあう死闘を演じるも、最後は鎖により首を絞めつけられ、苦悶のなか絶命する。 把山繰重(わやん くりしげ) 逸刀流の残党。隻眼の元マタギ。若い頃に熊を突き殺したことがある。閑馬永空の遺品から刀・井上真改 蟲殺(いのうえしんかい こさつ)と血仙殺を持ち出して万次を追い詰めるも、回復した万次に敗れる。 亜門國光(あもん くにみつ) 声 - 野口雄介(第2作) 門下生。元は仲条流という相模大和最大規模の道場の剣士であり、門下生達のまとめ役の一人。太った体型で、叢咲曰く「お相撲さん」。常陸へ向かう最中に追撃に来た六鬼団と交戦し、叢咲と相打ちして果てる。 品田(しなだ) 声 - 瀧村直樹(第2作) 門下生である禿頭の男。冷静かつ理知的な性格で、道中に六鬼団の動きについて阿葉山から尋ねられたり、阿葉山を六鬼団から逃がす作戦を立案するなど、門下生のまとめ役の一人として働く。襲撃に来た荒篠と交戦し、片腕を失いながらも決死の攻撃を仕掛けるが常人離れした荒篠の装甲に刃届かず敗北し、死亡する。 有臼(ありうす) 声 - 鷲見昂大(第2作) 門下生の剣士。鷲鼻が特徴。門下生の中では剣力が特に優れた三人のうちの一人。阿葉山を討ちに現れた百琳と交戦し、敗死。 冶刀院(やとういん) 声 - 上村祐翔(第2作) 門下生。童顔で柔和な顔つきだが、門下生の中では有臼、鼓田と並び抜きんでて剣力が優れていると品田に評される。義母を犯そうとして家を叩き出された過去があり、剣力を磨いて兄と父親を斬り義母を我が物にする目的で逸刀流に入った下劣な内面を持つ。有臼を斃した百琳と交戦し、押さえつけて犯そうとしたところを援護に現れた御岳に斬られる。 鼓田(こだ) 声 - 江頭宏哉(第2作) 門下生。揉み上げに繋がった口髭を顔に生やしている。門下生の中では特に剣力に優れた三人の内の一人。百琳と交戦し至近距離から放たれた矢を避けるなど優れた瞬発力を見せるが、避け方の癖を見切られ、額に矢を受けて斃れた。 勝又新吾郎(かつまた しんごろう) 声 - 前堂友昭(第2作) 門下生。無精髭を生やした男。六鬼団による逸刀流道場襲撃時には燎と交戦するも敗北し傷を負う。常陸へ向かう途中の六鬼団襲撃の折には呉嘉が敗れた後に足江進に挑むも、敗死する。たんぽぽ曰く「地味め」、燎曰く「弱くはないが負ける気はしない」とのこと。 呉嘉(くれひろ) 声 - ハーゲン(第2作) 門下生。元はオランダの商船員で遭難後、相模大和の仲条流道場に拾われた過去を持つ。六鬼団の襲撃の折には似たような背景を持つ同郷の足江進と交戦し、死闘の末に敗れる。 谷津芝(やつしば) 門下生。常陸へ向かう途中に襲撃に現れた荒篠により討たれる。 舞良(まいら)・佐竹(さたけ) 声 - 古賀明(第2作) 門下生。常陸へ向かう途中に襲撃に現れた荒篠と交戦し、敗死する。
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