直刀とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 武具 > > 直刀の意味・解説 

ちょく‐とう〔‐タウ〕【直刀】

読み方:ちょくとう

刀身がまっすぐで反(そ)りのない刀。日本では平安中期ごろまで用いられた。


直刀

読み方:チョクトウ(chokutou)

から鋒までまっすぐな刀。


直刀(ちょくとう)

反りのない(焼入れの際にわずかに内あるいは外に反る例もある)真直な姿の大刀のこと(短刀含まない)。発生上古時代大陸から伝えられたものとされており、日本国内で独自の発展をして平造から斬撃に利のある切刃造へと大きな変化をしている。またこの直刀は時代の変化によって外装様式異なるため、その外装一部である柄頭形態により、環頭大刀円頭大刀等と呼び分けている。

直刀/黒漆平文大刀拵

主名称: {直刀/黒漆平文大刀拵}
指定番号 175
枝番 00
指定年月日 1955.06.22(昭和30.06.22)
国宝重文区分 国宝
部門種別 工芸品
ト書
員数 1口
時代区分 平安
年代
検索年代
解説文: 平安時代作品

直刀〈無銘/〉

主名称: 直刀〈無銘/〉
指定番号 1805
枝番 00
指定年月日 1957.06.18(昭和32.06.18)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1口
時代区分 奈良
年代
検索年代
解説文: 奈良作品

直刀

主名称: 直刀
指定番号 1886
枝番 00
指定年月日 1973.06.06(昭和48.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1口
時代区分 奈良
年代
検索年代
解説文:  切刃造り、丸棟、内反【らちぞ】り、カマス鋒の大刀である。鍛え板目で、刃寄り柾に流れ地斑交じる刃文直刃ほつれ物打二重刃となり、元を大きく焼き落とす。
 伝世大刀で、地【じ】・刃【は】の出来優れ仕立で、手抜緒の孔を下端大きく穿【うが】つなど奈良特色示している。民間伝世する上古刀稀有で、保存のよい優品である。
重要文化財のほかの用語一覧
工芸品:  白鞘入剣  百工比照  直刀  直刀  睡布袋図ニ所物  短刀  短刀

直刀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/03 02:17 UTC 版)

古墳時代の直刀。メトロポリタン美術館所蔵。

直刀(ちょくとう)とは、のうちで刀身に反りのないまっすぐな形の物の事。対して、反りを持つものは彎刀(わんとう)という。

日本では、平安時代中期以前のものはこの形となり、それ以降の刀身に鎬があり反りをもった彎刀を太刀(たち)と呼び、直刀には大刀(たち)の字を当てる。また短いものは[要出典]横刀(たち)の字を当てる。日本美術史および日本刀研究における分類では「上古刀」に位置づけられるものである(日本刀の項も参照)。

直刀の歴史(日本)

弥生時代

日本における直刀の出現は、弥生時代の後期中葉に遡り、墳丘墓などの遺跡から西日本を中心に出土している[1](なかご)の尻に鉄製の環が付く「素環頭大刀(そかんとうのたち)」の他、環のつかないものも出土しているが、多くは中国大陸からの舶載品と考えられている[2]

古墳時代

鉄製の刀剣が日本で生産されるようになったのは古墳時代以降だが、古墳時代前半代は、直刀よりも直刃、両刃の直剣が多かった。両刃の剣は5世紀末までに廃れ、古墳時代後期以降は直刀が用いられた[3]。同時代後期の直刀は、「装飾付大刀」と呼ばれ、金・銀・金銅装の煌びやかな刀装具に飾られたものが大量に出現した[4]。本来の武器としての使用の他に、儀礼用(儀仗)に使われることもあり、刀身に文字が彫ってある物も散見される。

蝦夷蕨手刀と呼ばれる直刀を使用していたが、次第に柄部が反り騎乗にて振り下ろす使い方に適すようになり、毛抜形蕨手刀を経て、次第に和人へ伝わり彎刀となり、毛抜形太刀を経て日本刀へと進化していった。

これに対して津野仁は、方頭大刀のうち共鉄造りのものが日本刀の出発点であるとして、日本刀の起源に一石を投じた[5]

飛鳥・奈良時代

中大兄皇子中臣鎌子らの起こした乙巳の変辺りから切刃造りの直刀が出土していることから、飛鳥時代にはすでに平造り・切刃造りの直刀が製造されたことが窺える。

柄の長さの変化

古墳時代全体を通して直刀のの長さは15センチ以上の両手持ちが用いられたが、6世紀後葉になると、柄の長さ10センチ以下の片手持ちの直刀が主流となり、刀身も75センチ以下となる。推古朝期に両手打ちから片手打ちへと変化したのは、馬具の出土量の増加からも、騎兵戦闘を指向して武器の換装が行われたものと考えられている[3]

北海道における直刀

本州・四国・九州においては、平安期以降、彎刀の出現と共に直刀は廃れていくが、北海道においては、13世紀 - 14世紀まで木柄・直刀が確認され、この頃に出現し始めた蝦夷刀・蝦夷拵が15世紀に確立するまで続いた(関根達人 & 佐藤里穂 2015)。

著名な直刀

備考

  • の皇帝は、卑弥呼に対して、諸々の器物を与えたが、その中には、五尺刀二口も含まれている。魏の五尺を120.6センチとすると、日本で出土する3世紀頃の鉄刀は、どれも100センチ前後であり、今のところ、魏の五尺刀とみられる鉄刀は発見されていない[7]。その為、当時の倭人にとって、五尺刀はかなり長大な刀とみられる。
  • 弥生時代後期の倭王は大陸の皇帝に鉄刀を賜る事で、権威を誇示した。こうした大陸皇帝の政策(懐柔)を倭国の政治的中心国であった大和国も模しており、大陸の影響力が低くなった4世紀代から5世紀にかけて鉄剣・鉄刀を与えている。
  • 古墳後期の直刀の柄の長さの変化は、騎馬民族王朝説の否定にも繋がっている。古墳前・中期に列島を征圧していったとするなら、所持している刀の柄は騎上で実戦的な片手打ちが主流でなければおかしく、出土している両手打ち(古墳前中期で主流)の直刀の柄とは矛盾している(柄の長さからして騎兵向きといい難い)[8]

脚注

  1. ^ 野島 2004, p. 541-551.
  2. ^ 会下 2007, p. 26.
  3. ^ a b 岡安 2007, p. 54.
  4. ^ 大阪府立近つ飛鳥博物館 1996.
  5. ^ 八木 2016, pp. 128–131.
  6. ^ 『大日本刀剣史. 下巻』春秋社、1940年、117-119頁。 
  7. ^ 石野博信 2005.
  8. ^ 大阪府立近つ飛鳥博物館 2004, p. 26.

参考文献

関連項目


直刀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/08/09 13:22 UTC 版)

ボリス・ジンネマン」の記事における「直刀」の解説

斬る事に特化した武器であり、装備可能武器の中で最もHACK(斬り攻撃力)補正高く、かつディレイ(攻撃間隔指標で、この値が小さいほど攻撃テンポ速くなる)が短い。またボリスの他にルシアン・イスピン・マキシミンの3人が装備できる、TWでは最も使用人口が多いポピュラー武器である。

※この「直刀」の解説は、「ボリス・ジンネマン」の解説の一部です。
「直刀」を含む「ボリス・ジンネマン」の記事については、「ボリス・ジンネマン」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「直刀」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「直刀」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



直刀と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「直刀」の関連用語

直刀のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



直刀のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
銀座長州屋銀座長州屋
Copyright (c)1998-2025 Ginza Choshuya Co.Ltd. All rights reserved
文化庁文化庁
Copyright (c) 1997-2025 The Agency for Cultural Affairs, All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの直刀 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのボリス・ジンネマン (改訂履歴)、日本刀 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS