地層累重の法則とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 人文 > 概念 > 原則 > 地層累重の法則の意味・解説 

ちそうるいじゅう‐の‐ほうそく〔チソウルイヂユウ‐ハフソク〕【地層累重の法則】


地層累重の法則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/05 10:20 UTC 版)

地層累重の法則(ちそうるいじゅうのほうそく、英語: law of superposition)とは、地層は基本的に重力に従って、下から上に向かって堆積する(下にあるものほど古い)という法則である。(化石による)地層同定の法則と並ぶ層位学の基本法則であり、地層の新旧や年代判定を行う上での大原則である。ステノスミスの法則ともいう[1]

概要・歴史

デンマークの科学者ニコラウス・ステノが、1669年フィレンツェで出版した『固体の中に自然に含まれている固体についての論文への序文』において提唱した法則である。彼は、1666年10月にリヴォルノで捕らえられたサメを解剖した際、サメの歯とトスカーナ近辺で産出する化石の形状が類似していることを発見し、翌年に発表した解剖結果報告において、この化石が生物由来のものであると結論づけた。ステノは研究を進め、化石を含む岩層は海底で堆積したものと考えられること、水によって堆積した以上、最下層を除いては水平に堆積したものと考えられること、連続して堆積した場合、上に行くほど堆積した時期が新しくなることを見いだした[2]

これにより地球の発達過程が検証されるようになった。

次の3つの法則からなる。

  • 第1法則 地層は水平に堆積する(初原地層水平堆積の法則。Law of original horizontality)。
  • 第2法則 その堆積は側方に連続する(地層の側方連続の法則。Law of lateral continuity)。
  • 第3法則 古い地層の上に新しい地層が累重する。

1791年イギリスの土木技師ウィリアム・スミス運河の工事による経験から、これを証明し、確立させた。

実際の適用

この法則はあくまで単層以上の単元に対してのものであり、単層中の葉理に対しては適用できない。 また実際には褶曲断層、大規模な地すべりなどにより、上下が逆転している場合もある。 それでも本来下にあった層が年代的に古いことは変わらず、慎重に地層の連続性をたどれば、その時間経過を追えると考えられる。また古い地層に褶曲や不整合が見られても、さらにその上に堆積した地層との関係には本法則が適用できる。生痕化石や、かぎ層などによって本来の上下を判断できる場合もあり、それらと組み合わせて、手がかりとして使われることが多い。

関連項目

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 法則の辞典の解説”. コトバンク. 2018年1月8日閲覧。
  2. ^ ガブリエル・ゴオー 著、菅谷暁 訳 『地質学の歴史』みすず書房、1997年 (原著1987年)、86-102頁。ISBN 4622039583 

外部リンク




地層累重の法則と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「地層累重の法則」の関連用語

地層累重の法則のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



地層累重の法則のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの地層累重の法則 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS