民俗誌とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 文化 > 文芸 > > 民俗誌の意味・解説 

民俗誌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/20 03:28 UTC 版)

民俗誌(みんぞくし)とは、民俗採集と称されるフィールドワークを基本として、一定の地域、生活空間や生活集団における伝承文化を体系的に把握し、記述したもの。さまざまな民俗資料の発見と再構成の過程を経て作り出された民俗学研究における基本的な文献。資料論の見地からすれば、二次資料に相当する。民俗学においては、個人によるものだけではなく、共同調査による自治体史(誌)もこれに含めることができる。また、学術研究のみを目的として見聞きしたことを忠実に記録したものを「民俗調査報告」などと呼ぶ。

概略

民俗誌は、柳田國男1909年明治42年)、宮崎県椎葉村で聞き書きした狩猟についての話を『後狩詞記』としてまとめたものがはじまりとされることが多い。また、1922年大正11年)の小池直太郎『小谷口碑集』も民俗誌の古典とされている。

民俗誌の記述にあたっては、話者(情報提供者)と調査者の解釈の存在や、文化を記述することに潜む政治性が指摘されることが多く、それを考慮して、今日では項目ごとに事実を列挙するのではなく、明確なテーマ設定をおこなったうえでの分析的なもの、話者個人の語りを起こした生活誌、調査者の個人的体験を主体とした叙述的性格のもの、写真映像記録など視覚をもって語ろうとするもの、さまざまな民俗誌が構想されている。

学術目的の民俗調査報告書は、見聞きしたものを忠実に活字化する作業を行なうものであり、調査者の意思、意図、感想、推測、分析等は一切記述しないことを原則とする。

主要な民俗誌

民俗調査報告書

 機関誌として民俗調査報告書を刊行している研究機関は多い(特に大学附属の機関)。

関連項目

外部リンク





民俗誌と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「民俗誌」の関連用語

民俗誌のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



民俗誌のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの民俗誌 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS