元
「元」とは、物事の始まり、物事の根本、以前の、昔の、といった意味で用いられる漢字である。漢字の成り立ちから、頭や首、かしら、人の長、大きいなどの意味も持つ。
中国の貨幣単位も「元」という。
13世紀にフビライハンが建国した中国の王朝も「元」という。この元による日本侵攻を総称して「元寇」という。
「元」の発音・読み方
「元」は、音読みでは「ゲン」「ガン」、訓読みでは「もと」「はじめ」と読む。音読みの「ゲン」は漢音であり、「ガン」は呉音である。「元」の語源・由来
「元」という漢字は、象形文字であり、人の首や頭の部分を大きく象徴的に表した字とされる。これが「最も重要な部分」や「根本の部分」という意味に転じた。確かに首は人間の身体の中でも最も重要な部分の一つである。「元服」の「元」は、原義に近い「人の首や頭」を指す意味で用いられている。元服は、成人になった証として男子が頭に冠を身につける儀式である。
ちなみに「兀」は首を失ったさまを示す字形とされる。
「元寇」とは
「元寇」とは、鎌倉時代中期に起こった元の軍勢による日本侵攻のことである。俗に「蒙古襲来」ともいう。文永11年(西暦1274年)に起きた「文永の役」と、弘安4年(1281年)に起きた「弘安の役」を総称して「元寇」という。元寇は近世以降に定着した呼び名である。元寇を行った人物は初代皇帝チンギス・ハンの孫であり第5代皇帝に即位したフビライ・ハンである。当時(13世紀)のモンゴル帝国は、当時の中国王朝(南宋)や南方の大理国と交戦するなど、近隣諸国と衝突して勢力を拡大しつつあった。
1268年、フビライは、まずは日本に親書を送った。当時の執権であった北条時宗はこれを拒絶、侵略の前触れと受け取り、九州の防備を強化した。
1271年、フビライは大都(北京)を首都と定め「元(大元)」を建国した。そして1274年(文永11年)、元の軍勢が日本を来襲した。これが「文永の役」である。
文永の役では、元や高麗の連合軍が対馬や壱岐を襲い、博多から九州本土にも上陸しかけた。迎え撃つ日本軍は苦戦を強いられたが、暴風雨(いわゆる「神風」)が元軍を直撃して甚大な損害を与え、撤退させるに至った。
文永の役で日本征服に失敗したフビライは、南宋を完全に討ち滅ぼし、中国全土を支配下に収めた。そのころ日本では、元軍の再襲に備えて防備体制の強化に努めた。
1281年(弘安4年)、フビライは再び日本を襲来した。「弘安の役」である。弘安の役では南宋軍も元軍に加わり、東路軍と江南軍と二手に分かれ朝鮮側と中国本土から九州へ攻め入ろうとしたが、いずれも日本軍の奮戦により上陸侵攻が阻まれた。
弘安の役でも再び暴風が元の軍勢を襲った。海上にいた元軍はひとたまりもなく壊滅した。
元は、さらに3度目の日本侵攻を計画していたとされるが、1294年にフビライが死に、そのまま3度目の元寇は実現しなかった。
「元(通貨)」とは
通貨としての「元」は、中国(中華人民共和国)の法定通貨である「人民幣(人民元)」の通称、および、その通貨単位である。中国語では「yuan(ユアン)」と読むが、日本語では「げん」と読んでいる。人民幣(人民元)の略号は「RMB」である。これは「人民幣」の原語読み「RenMinBi」に由来する。通貨コードは「chinese yuan」にちなみ「CNY」である。
元の通貨記号は、日本円と同じく「¥」である。これは「元(yuan)」の読み方に由来する。
「元」は、もともと「圆(圓)」の簡略表記である。日本円の「円」も、旧字体で書けば「圓」である。
げん【×甗】
ゲン【(ドイツ)Gen】
げん【元】
げん【元】
読み方:げん
1 数学で、
げん【元】
読み方:げん
中国の王朝の一。モンゴル帝国第5代の皇帝フビライが1271年に建国。首都は大都(北京)。のち南宋を滅ぼして中国を統一。高麗(こうらい)・安南・タイ・ビルマなどをも従えて、大帝国を築いたが、1368年、明の太祖朱元璋(しゅげんしょう)に滅ぼされた。
げん【原】
読み方:げん
[音]ゲン(漢) [訓]はら もと
〈ゲン〉
3 物事のもと。起こり。始め。「原案・原因・原稿・原作・原子・原始・原色・原則・原油・原理・原料/起原・語原・根原・病原」
〈はら(ばら)〉「海原(うなばら)・野原・松原・高天原(たかまがはら)」
[名のり]おか・はじめ
げん【原】
げん【厳〔嚴〕】
読み方:げん
[音]ゲン(漢) ゴン(呉) [訓]おごそか きびしい いかめしい いつくし
〈ゲン〉
2 容赦がない。きびしい。「厳格・厳重・厳正・厳密/戒厳・冷厳」
げん【厳/×儼】
げん【幻】
読み方:げん
げん【弦】
読み方:げん
〈ゲン〉
1 弓のつる。「鳴弦」
2 (「絃」と通用)弦楽器の糸。糸を張った楽器。「弦歌・弦楽/管弦・三弦・調弦」
3 半月。また、半月の両端を結んだ直線。「下弦・初弦・上弦」
[名のり]いと・お・ふさ
げん【弦】
げん【×彦】
げん【▽患】
読み方:げん
⇒かん
げん【減】
げん【減】
げん【源】
読み方:げん
1 水流の発する所。「源泉・源流/水源地・抜本塞源(ばっぽんそくげん)」
2 物事の出てくるもと。「淵源(えんげん)・起源・語源・光源・根源・財源・資源・字源・震源・電源・病源・本源」
[名のり]はじめ・もと・よし
げん【玄】
げん【玄】
読み方:げん
2 老荘思想で説く哲理。空間・時間を超越し、天地万象の根源となるもの。
げん【現】
読み方:げん
[音]ゲン(呉) [訓]あらわれる あらわす うつつ うつし
〈ゲン〉
1 見えなかったものが見えてくる。あらわれる。あらわす。「現象/具現・再現・実現・出現・体現・表現」
2 今。まのあたり。実際の。「現行・現在・現実・現状・現代・現地・現物」
〈うつつ〉「夢現」
[名のり]あり・み
げん【現】
げん【▽監】
げん【×眩】
げん【眼】
読み方:げん
⇒がん
げん【▽研/▽拳/嫌/験】
読み方:げん
〈研〉⇒けん
〈拳〉⇒けん
〈嫌〉⇒けん
〈験〉⇒けん
げん【×絃】
げん【×絃】
読み方:げん
「弦(げん)2」に同じ。
げん【舷】
げん【舷】
げん【×衒】
げん【言】
読み方:げん
〈ゲン〉
1 いう。「言明・言論/極言・公言・助言・代言・断言・直言・不言・付言・放言・明言」
2 ことば。「言語・言行/格言・甘言・虚言・狂言・金言・苦言・至言・序言・食言・寸言・前言・体言・発言・評言・方言・名言・用言・流言」
〈ゴン〉
2 ことば。「言語道断/真言・雑言(ぞうごん)・無言・遺言(ゆいごん)」
[名のり]あき・あや・とき・とし・とも・のぶ・のり・ゆき
[難読]譫言(うわごと)・囈言(うわごと・たわごと)・言伝(ことづて)・戯言(ざれごと)・戯言(たわごと)・虚言(そらごと)
げん【言】
げん【×諺】
読み方:げん
げん【限】
げん【験】
げん
げん
げん
げん
ゲン
ゲン
ゲン
幻
元
姓 | 読み方 |
---|---|
元 | げん |
原
姓 | 読み方 |
---|---|
原 | げん |
玄
姓 | 読み方 |
---|---|
玄 | げん |
げん
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げん、ゲン
一般
- 弦 (曖昧さ回避)
- 元 (曖昧さ回避)
- 阮。ベトナムの王朝。
→詳細は「阮朝」を参照
- 漢字の部首である玄部の通称。
- 漢字の部首である言部の通称。
- 験担ぎ(ゲン担ぎ)の「ゲン」については、験を担ぐを参照。
男性名
漢字表記
漢字では「元」、「源」、「弦」、「玄」、「現」、「厳」などがある。
架空の人物
- ゲン - 平本アキラの漫画『アゴなしゲンとオレ物語』の主人公
- ゲン - 小原愼司の漫画『青猫について』の登場人物
- ゲン - あらいきよこの漫画『ビューティー・ポップ』の登場人物
- ゲン - さいとう・たかをの漫画『サバイバル』の登場人物
- ゲン - 伊原しげかつの漫画『ポケットモンスターダイヤモンド・パール物語 ポケモンDP』の登場人物
- ゲン - スクウェアのRPG『サガ フロンティア』の登場人物
- ゲン - 小原愼司の漫画『青猫について』の登場人物
- ゲン - 漫画『解体屋ゲン』(原作:星野茂樹、作画:石井さだよし)の主人公・朝倉巌の通称。
- 中岡元 - 中沢啓治の漫画『はだしのゲン』の主人公
関連項目
- ジェン (gen)
- GEN
- 「げん」で始まるページの一覧
- タイトルに「げん」を含むページの一覧
- Wikipedia:索引_けん
げん(演:草薙良一)
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「天てれドラマ」の記事における「げん(演:草薙良一)」の解説
翔の祖父。鮨職人。魚の神が何故か見えており、古い付き合いのような話ぶりをする。
※この「げん(演:草薙良一)」の解説は、「天てれドラマ」の解説の一部です。
「げん(演:草薙良一)」を含む「天てれドラマ」の記事については、「天てれドラマ」の概要を参照ください。
「げん」の例文・使い方・用例・文例
- 彼の侮辱にげんこつで答えてやった
- 子どもをげんこつで殴る
- 彼はげんこつでテーブルをドンとたたいた
- 彼らは私にげんこつを雨のように浴びせた
- 二人とも口げんかを止めないと,力づくでもやめさせますよ!
- 冷淡に;いいかげんに
- 彼がその大金を見たとき,その目にけげんそうな表情が浮かんだ
- いいかげんな企画は必ず失敗に終わる
- 彼は子供のことについて妻と口げんかした
- 彼はその侮辱にげんこつでこたえた
- 君のいいかげんな態度にはもううんざりだ!
- 「ふざけるのもいいかげんにしろよ!」と彼はむっとして言った。
- いいかげんにだまれ!
- いいかげんにしろよ。
- いいかげんにせえよ。
- お二人ともいいかげんにしないとおこりますよ。
- それでは、ごきげんよう。
- あなたはいいかげんにそれを覚えてください。
- おげんきで
- ごきげんいかがですか?
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