用言とは? わかりやすく解説

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よう‐げん【用言】

読み方:ようげん

単語文法上の性質から分類したものの一。自立語の中で、活用があるもの。一般に動詞・形容詞形容動詞の3品詞細分される。⇔体言


体言・用言

(用言 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/10 21:53 UTC 版)

体言(たいげん)と用言(ようげん)は、日本語朝鮮語品詞に関する文法用語。体言は「自立語で、活用がなく、主語となる語[1]」つまり名詞を主に指す。用言は「自立語で、活用があり、述語連体修飾語となる語」つまり動詞形容詞形容動詞を主に指す。

日本語

賀茂真淵
「体言・用言」を論じた初期の人物の一人[1]

学校文法を含め、現代日本語文法理論で広く使われている[2]

体言は、名詞との関係が文法理論によって異なる[1]。通説になっているのは、体言イコール名詞(数詞代名詞含む)とする橋本文法の説である[1][3]山田文法における体言は、実在する概念を指すものとされ、名詞にあたる「実質体言」と数詞・代名詞にあたる「形式体言」とに分けられる[1][4]時枝文法における体言は、「詞と辞」のうち語形変化しない詞とされ、名詞のほか形容詞・形容動詞の語幹接頭辞なども含まれる[1][5]

用言は、文法理論によって形容動詞を含まない場合や助動詞を含む場合がある[2]

日本語学史においては、江戸時代国学から使われており、賀茂真淵『語意考』[1]契沖和字正濫鈔[1]本居春庭『詞八衢』[2]鈴木朖『言語四種論』[6]東条義門『玉緒繰分』[6]、幕末の権田直助『語学自在』[6]などで使われている。そもそも「体・用」は中国哲学の伝統的な対概念であり、仏教宋学詩学書の『詩人玉屑中国語版』、二条良基『連理秘抄』などの連歌論で使われたものが、国学に伝わったと推定される[6][7][8]

朝鮮語

日本語と同様に、朝鮮語学・朝鮮語文法でも「体言」(チェオン、체언)と「用言」(ヨンオン、용언)が使われている[9]。ただし、漢字語と同義の固有語の「イムジャシ」(임자씨、体言)[10]と「プリシ」(풀이씨、用言)[11]も多く用いられる。

関連項目

脚注

  1. ^ a b c d e f g h 鈴木 (2001), p. 427f.
  2. ^ a b c 用言』 - コトバンク
  3. ^ 橋本進吉『国語法要説』1934年
  4. ^ 山田孝雄『日本文法論』1908年
  5. ^ 時枝誠記『日本文法口語篇』1950年
  6. ^ a b c d 工藤 (1993).
  7. ^ 永山 (1962), p. 27.
  8. ^ 山田孝雄『国語学史要』1935年 NDLJP:1216534/71
  9. ^ 趙義成. “朝鮮語を知る ― 文法”. www.tufs.ac.jp. 2023年1月7日閲覧。
  10. ^ 체언(體言)”. 韓国民族文化大百科事典. 2023年1月7日閲覧。
  11. ^ 국어풀이씨가름: 표해식국어문법(國語用言分類: 表解式國語文法) - 한국민족문화대백과사전”. 韓国民族文化大百科事典. 2023年1月7日閲覧。

参考文献

外部リンク


用言

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 08:54 UTC 版)

南部弁」の記事における「用言」の解説

動詞の活用は、基本的に共通語と同じであるが、五段活用をする動詞では「書こう」「やろう」にあたる形は無く代わりに「書くべ」のように「べ」「べえ」を用いる。一段動詞未然形は、助動詞「える」「せる」「さる」が付く場合、「起きらえる」「起きらせる」「起きらさる」のように、ラ行四段活用化している。岩手県では、仮定形で、「かげんば」(書けば)、「おぎれんば」(起きればのような形だけでなく、四段動詞で「かがんば」、一段動詞で「おぎらんば」のような古い形が残っている。青森県岩手県北西部安代町など では、「買う」を「かる」と言うなど、ワ行四段ラ行四段変化している。サ行変格活用の「する」の終止形は「し/す」または「する/しる」で、「し/す」の方が普通。「する」の否定形(しない)は「しねぁ」のほか「さねぁ」の形も現れ仮定形(すれば)は「せんば」(青森県では「へんば」とも)が一般的命令形(しろ)は「せ」と言う形容詞は、連母音の融合活用影響及ぼした例が認められる南部弁ではai→ɛという連母音の融合が起こるため「高い」の終止形全域で「たげぁ」となるが、これが連用形にも影響して「たげぁぐねぁ」(高くない)、「たげぁがった」(高かったのような形を使う地域がある。「たがくねぁ」(高くない)、「たががった」(高かった)のように融合しない地域もある。過去形は「あががった」(赤かった)、「さびがった」(寒かった)のように、共通語同じく「-かった」を使い津軽弁の「-くてあった」形ではない。また、「べ」「べえ」は、「あげぁべ」(赤いだろう)、「すんずしべ」(涼しいだろう)のように終止形直接付く場合と、「あかかんべ」「すんずしがんべえ」のようにカリ活用を使う場合とある。仮定形では、「あげぁんば」(赤ければ)、「すずしんば」(涼しければ)のように、終止形直接「ば」が付いた形が使われ青森県南部地方では「あかから」、「かなすから」(悲しければのような形もある。 形容動詞は、連体形が「静がな」(静かな)のように「な」語尾場合と、「静がだ」のように終止形同形を使う場合があり、どちらを使うかは地域によっても違う。仮定形では、青森県で「静がんだら」(静かなら)、岩手県中北部方言では「静がんだらんば」「静がんだんば」のような形を使う。

※この「用言」の解説は、「南部弁」の解説の一部です。
「用言」を含む「南部弁」の記事については、「南部弁」の概要を参照ください。

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用言

出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 10:47 UTC 版)

名詞

ようげん、稀:はたらくことば】

  1. (日本語文法) 日本語単語のうち、自立語であり、活用があって、単独述語として使えるもの。動詞形容詞形容動詞があてはまる。旧称「はたらくことば」。
  2. (朝鮮語文法) 動詞形容詞存在詞・指定詞の総称

関連語


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