用言・助動詞とは? わかりやすく解説

用言・助動詞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/20 01:56 UTC 版)

雲伯方言」の記事における「用言・助動詞」の解説

断定 断定の助動詞は、山陽「-じゃ」であるのに対し雲伯方言を含む山陰一帯で「-だ」となっている。出雲南部広島県との県境付近では、過去形限り「-じゃった」が「-だった」と併用される。隠岐でも終止形は「-だ」であるが、過去形には「-だった」と「-じゃった」の両方用いられる隠岐の島北部では「-じゃった」が優勢島後南部では「-だった」が優勢で、島前では「-だった」が一般的だが、知夫里には「-じゃった」もある。 打ち消し 動詞打ち消しは「未然形+ん」が一般的だが、高齢層を中心に未然形+の」も用いられる。さらに、隠岐では「未然形+ぬ」という形もある。雲伯方言盛んな「ウ→オ」の変化で、「ぬ」が「の」に変化したとみられる。また強く否定する言い方として、西伯耆では四段動詞で「書きゃせん(しぇん)/書きゃへん」、一段動詞で「起きりゃせん(しぇん)/起きりゃへん/起きらへん」、カ変「くりゃせん(しぇん)/くりゃへん/くらへん」、サ変「すりゃせん(しぇん)/すりゃへん/すらへん」が用いられる。これが出雲では「行かせん」「見らせん」のようになる隠岐には、打ち消し強調に「書かしぇの」(書きはしない)という形がある。 過去打ち消しは、隠岐では「書かざった」(書かなかった)のように「-ざった」を用いる。出雲では「-ざった」は少なく「-(ん)だった」が一般的で、出雲南部には「-じゃった」もある。また隠岐の島前には、過去打ち消し強調として「えけさった」(行きはしなかった)のような「-さった」がある。 このほか、打ち消しの意味含んだ言い方として出雲では、「行かな」(行かないと)、「行かんこに」(行かずに)、「行かんで・行かで」(行かずに)、「行ったてて・行きたてて」(行ったって)、「行かでも」(行かなくても)と言う隠岐では、「行かのなら」(行かなければ)、「行かすと・行けーで」(行かないで)、「行けーでも」(行かなくても)と言う。また隠岐では、「行かーつけ」(行くものか)のような「-つけ」を使う否認形式や、「えも行かぬ」(行けないのような古語法もある。 音便形 ワ行四段動詞が「-て・た」に接続する場合西日本方言大部分で「買うた」「食うた」などのウ音便になるが、雲伯方言では「買った」「食った」などの促音便となる。また、「-アウ」型の動詞(特に二拍語)は、隠岐除き、「かあた」(買った)や「ああた」(会ったのような活用となる。また、出雲には「食うた」もある。 「行く」の過去形は、高齢層では「行ったではなく「いきた」や「えきた」になる。 意志・推量・勧誘行こうのような五段動詞意志勧誘には、雲伯方言では「行か」「行かあ」「行かい/行かえ」「行かや」などが使われるまた、出雲では「こい」が付いた「行かこい」のような形が多く使われるまた、「-だろう」は「-だら」や「-だらあ」が用いられるほか、出雲南部隠岐では「-じゃらあ」も用いられる。また出雲市付近では「-であらむず」から変化した「-だらじ」もわずかながら用いる。 進行・結果 中国方言などでは「-している」と言う場合に、動作進行中場合には「-よる」と言い完了した動作結果には「-とる・ちょる」と言うアスペクト(相)の区別がある。雲伯方言のうち、西伯耆ではこの区別があるが、出雲隠岐ではこの区別がほとんど無い。「降る」を例にとると、西伯耆では進行には「ふりょーる」などと言い完了には「ふっちょる」「ふっちょー」などと言う一方出雲隠岐では進行・完了ともに「ふっとる」「ふっちょる」などと言う。ところが、出雲隠岐でも、過去の進行には西伯耆同じように「-よった」の形(「ふりょーった」など)を使う。 様態・伝聞 様態(-そうだ)には、「-さな・さーな・さーげな・さげな・げな」を用いる。伝聞には、「ださな」(だそうだ)などのように「-さーな・さな・げな」を用いるほか、出雲米子市などでは「-しこだ」も盛んである。 動詞の五段化 出雲サ変の五段化した「さん」(しない)という形がある。また出雲で、一段活用をする動詞命令形に「開けれ」「起きれ」「せれ」のような形が聞かれる個別の動詞 西日本一般五段活用をする「飽く」「借る」は、隠岐出雲では上一段活用の「飽きる」「借りる」である。また、隠岐には上一段活用の「待ちる」(待つ)がある。 ナ行変格活用の「しぬる・しぬー」(死ぬ)、「いぬる・いぬー」(帰る)が存在している(ほぼ中国地方全域にある)。 「行く」の過去形音便形にならず「えきた」(行った)となる。

※この「用言・助動詞」の解説は、「雲伯方言」の解説の一部です。
「用言・助動詞」を含む「雲伯方言」の記事については、「雲伯方言」の概要を参照ください。

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