死刑 死刑の方法

死刑

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/11 17:01 UTC 版)

死刑の方法

2021年時点で、事実上廃止国を除いた55カ国の死刑存置国で行われている、処刑方法は以下の通り。

一覧

絞首

日本韓国北朝鮮マレーシアエジプトイランヨルダンイラクパキスタンバングラデシュシンガポール

韓国は、1997年12月30日に23人を死刑執行してから行われておらず、事実上死刑廃止国として扱われている。

電気椅子

米国アラバマ州フロリダ州サウスカロライナ州アーカンソー州ケンタッキー州テネシー州オクラホマ州ミシシッピ州

ただし、州によって条件が異なり、アラバマ州、フロリダ州、サウスカロライナ州は処刑対象者が薬殺刑を選択できるが、アーカンソー州1983年7月3日)、ケンタッキー州1998年3月30日)、テネシー州1999年[29])、ミシシッピ州1984年6月30日)の場合は、死刑判決がカッコ内の年月日以前に受けた場合でないと、選択できない。

更にオクラホマ州は、薬殺刑の執行が不可能な場合にのみ銃殺か電気処刑の選択が出来るように運用されている。

そして、ネブラスカ州は、かつて電気処刑による死刑執行が行われたが、2008年2月に同州最高裁判所が憲法違反判決を出したため、翌年に、薬物注射による死刑に切り替えている[30]

ガス室

米国アリゾナ州カリフォルニア州ミズーリ州ノースカロライナ州。ただし処刑対象者が薬殺刑を選択できる。

コロラド州メリーランド州は、かつてガス殺刑も選択すれば執行できたが、前者は2013年に、後者は2020年に死刑が廃止された。

またミシシッピー州もガス殺刑を選択できたが、1998年に選択から削除されている[30]

そしてアメリカ国内で、1977年の死刑再開以降、ガス殺刑で執行されたのは11件であり、1999年3月3日のアリゾナ州でのドイツ国籍を有するウォルター・ラグランドの執行を最後にアメリカ国内で行われていない。

薬殺

中華人民共和国(主に経済犯罪に対して。但し、以下の北京を始めとした一部地域では、罪種問わず。)、タイ王国ベトナム、米国の連邦・軍・死刑制度存置

中華人民共和国において、2020年12月時点で、昆明長沙成都北京深圳上海広州南京重慶杭州瀋陽大連鞍山平頂山焦作市武漢黒竜江省ウルムチで薬殺刑が完全導入されており、大部分は都市である。そして、地方人民法院によって、死刑執行方法の運用が異なり、財政支援がないことや無用なトラブルを避けることを理由に薬殺刑に消極的になっている所がある。その為、同じ汚職の罪で、ある者は銃殺刑により施行され、別の者は北京で執行された為、薬殺刑となったケースが生じ、不公平さを露呈している[31]

銃殺

ベラルーシ、中華人民共和国(主に一般犯罪に対して。但し、北京を始めとした一部地域は、罪種問わず薬殺刑)、キューバ北朝鮮ソマリアインドネシアイランイエメン、アメリカ合衆国ユタ州・オクラホマ州・ミシピッピ州・サウスカロライナ州[32]、死刑を実施するすべての国で死刑囚の身分が現役軍人の場合。

日本でも戦前には陸軍海軍軍法会議[33]で適用される場合があった。

また、アメリカでは2022年4月時点で前述の4州のみあるが、あくまでも薬殺刑が執行不可能である場合にのみ執行される。

1977年の死刑執行再開以降、アメリカ国内で銃殺刑に処されたのが3件のみであり、全てユタ州で行われていた。また、サウスカロライナ州で後述の法律により、2022年4月29日に銃殺刑が行われる予定であったが[34]、2022年4月20日にサウスカロライナ州最高裁判所により、執行を一時停止している[35])。

死刑囚ロニー・リー・ガードナーの希望により銃殺刑が、2010年6月18日に行われ、この執行を最後にアメリカ国内では行われていない[36]

また、ユタ州では、2004年5月4日以降、銃殺刑を選択することを禁じられたが、2015年3月23日に薬殺刑の執行が不可能である場合に限って認められることとなった[37]。そして、2021年5月14日のサウスカロライナ州で、死刑執行用の薬物が入手できず執行出来ない状況を打破する為、電気椅子だけでなく、銃殺刑も薬殺刑が執行不可能である場合に選択できるような法律が成立した[38]

イエメンのフーシ派勢力支配地域では、治安要員による銃殺刑後に、クレーンにより銃殺刑後の死体が吊るされる[39]

斬首

サウジアラビアナイジェリア北部(特定の種類の犯罪でシャリーア裁判所で死刑判決を下された場合)[40]

イランも斬首刑が行われていたが、2001年を最後に執行されていない。また、ナイジェリアのシャリーア裁判所では不倫殺人同性愛行為に対し死刑判決を下してきたが、現在までに死刑が執行されたことはない[41]

石打ち

アフガニスタンアラブ首長国連邦イエメンイランサウジアラビアスーダンブルネイナイジェリア北部、モーリタニア[40]

シャリーア刑罰として、主に不倫同性愛行為をした場合に行われる。
但し、アラブ首長国連邦、ナイジェリア北部は執行された例がなく[41]、イエメンも滅多に執行されることはない。また、ブルネイは国際批判により、死刑執行自体を2019年5月5日より一時停止している。そして、モーリタニアも1987年の執行を最後に、死刑の執行は行われていない。更に、アフガニスタンは2001年のタリバーン政権崩壊以降、少なくとも2021年のタリバーンによる武力による全土掌握するまで同性愛を理由とした死刑執行はされていない[42]

その他にも、北朝鮮にてハンマーによる撲殺刑が行われたケースもある[43]

公開処刑

イラン[44]、北朝鮮、サウジアラビア、ソマリア、イエメン(フーシ派勢力支配地域[39][45])などで行われる。

また、中国では以前は公開処刑がテレビで放送されていたほか、バスに死刑執行(薬殺刑)設備を積んだ移動死刑設備がある。

ギャラリー

死刑執行人

死刑の執行は罪人を殺すという行為を実際に行う者を死刑執行人と呼ぶ。

ヨーロッパ諸国や明治時代以前の日本では、中世時代から死刑執行を業務とする死刑執行人が存在していた。

アメリカや明治以降の日本などでは刑務官が行っている(なお、ヨーロッパ諸国では死刑は廃止されているため、死刑執行人も現存しない)。


注釈

  1. ^ 54カ国中15カ国。但し、通常犯罪のみ廃止の国や事実上の廃止国は含まれていない。
  2. ^ 10年以上死刑執行がなされておらず、死刑執行をしない政策または確立した慣例を持っていると思われる国。死刑を適用しないという国際的な公約をしている国も含まれる。
  3. ^ ただし、現在でもイスラム法を重要視している国では不倫や婚前前性交渉を理由に死刑になる場合が存在する。
  4. ^ インドネシアは2013年・2015年・2016年の3年[63][64]バーレーンは2016年と2019年[65][66]ヨルダンは2014年・2015年[67]・2017年、クウェートは2013年と2017年、オマーンは2015年と2020年、カタールは殺人の罪でネパール人出稼ぎ労働者の死刑執行があった2020年のみ[68]インドは2012年・2013年・2015年・2020年の4年、タイは強盗殺人の罪で執行された2018年の1年のみ[69]であった。
  5. ^ ラトビアはEU加盟に当たって、軍法上で死刑制度を存続させていたが、2012年に死刑を全廃した。
  6. ^ 日本では毎年1000人近い殺人犯が検挙されるが、死刑判決が確定するのは、そのうち数十人である。

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