広告 トリプルメディア

広告

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/04 20:09 UTC 版)

トリプルメディア

ネット、SNSの一般化に伴い、従来からの「有料の媒体」といった視野では、マネジメントの対象としても、現象の理解としても、広告が捉えきれなくなってきた。そこで、従来の「支払ったメディア(ペイドメディア、paid media)」に加えて、自社の公式サイトや自社発信の投稿のSNS記事などの「所有するメディア(オウンドメディア、owned media)」、いわゆるクチコミである「獲得したメディア(アーンドメディア、earned media)」の3つのメディアを有機的に連携しマネジメントしたり、マーケティングコミュニケーションの基本として認識することが国際的に提唱されている[15]

広告コンテンツ

従来からの広告論が、その産業界の構造に準じて「広告メディア」の分類から広告を理解しようとしていた。このページの項目建てもその流れにある。しかしながら、ネットの一般化によって、必ずしもメディアを中心に広告を分類、認識することが適切ではない場合も増えてきた。本質的に「広告コンテンツ」つまり「広告のメッセージ」と「演出要素」をこのページでも章立てしていく必要性がある。その場合の項目には「デザイン」「コピーライティング(キャッチコピー)」「動画」「画像」「デジタルコンテンツ」「タレント」「音楽コマーシャルソング)」「その他の広告コンテンツ」「レコメンデーション機能」などが考えられ、それらの知識を持つ者から適切に記述されることが期待されている。

広告の規制

広告の内容については、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)や医薬品医療機器等法などの法令、業界の公正競争規約などで規制されるほか、各メディアで独自の広告掲載基準を持っており[16]、表現が基準に合わない場合には修正を要請されたり、場合によっては掲載を拒否されることもある。しかし、掲載基準の運用は全体的に甘いため、誇大表現の広告が後を絶たず、特に不動産業貸金業(中でもスポーツ新聞夕刊紙などで広告している、トイチと呼ばれる登録間もないサラ金業者)など社会問題を引き起こしている業種も存在する。そのほか、屋外広告物法のような規制も存在する。

業種に対する規制

上述のとおり第二次世界大戦中は広告税が存在したが内容についての規制ではなかった。

現代の日本では、法令や自主基準などによる、特定の業種に対する広告の規制もある。医療機関、医業等(病院診療所など)の広告は医療法第69条で規制されてきたが(診療科目や診療時間・休診日、住所、電話番号、地図程度しか出せなかった)、2001年に規制が一部緩和された(医師名、所属学会ホームページURLなど)。

弁護士法律事務所の広告も、統括組織である日本弁護士連合会(日弁連)の方針で規制されていたが、2000年10月より撤廃された。主に債務整理破産手続等を担当する法律事務所を中心に、一般に対する広告が目立つようになった。かつては銀行など個々の金融機関の広告も規制されていたが、撤廃されている。

一方、タバコの広告は、1990年代以降、財務省令などで規制が強化された。法規制ではない自主規制では、アルコール飲料(酒類)や貸金業などの広告がある。特に貸金業の広告は、一般紙や放送メディアでは条件が厳しくなっているか、断られる場合も多い。

広告論と広告学科

広告を学問として研究教育している「広告学」や「広告論」があり、欧米アジア諸国では大学に「広告学部」や「広告学科」が、また、大学院に「広告研究科」が置かれ、広告論やマーケティング・コミュニケーション論、広告媒体論、広告クリエイティブ論、広告心理学、広告調査論(効果測定)などを体系的に研究・教育を行っている。

アメリカでは1901年にノースウェスタン大学でW.D.スコット博士が「広告心理学」の講座を開講し、その後「広告学科」が設置され、今日15以上の大学に広告学科があり、10以上の大学に広告専攻の大学院博士課程がある。中国では1983年に最初の広告学科がアモイ大学に置かれ、1993年に大学院に広告専攻が出来、今日北京大学をはじめ200以上の大学に広告学部や広告学科があり、広告の研究が盛んである。台湾では7以上の大学に広告関連学科があり、2以上の大学院に広告専攻が置かれている。韓国では30以上の大学に置かれている。ヨーロッパではドイツベルリン大学に1921年に広告学科が出来、多くの大学に広告学科が置かれている。日本では1921年(大正10年)に明治大学で広告論の講座が開設され、今日2,100以上の広告関連講座数があるが、広告学部や広告学科はない。


  1. ^ Hong Liu, Chinese Business: Landscapes and Strategies (2013), p. 15.
  2. ^ 小林太三郎著「現代広告入門」第2版、ダイヤモンド社、昭和58年、10-12ページ
  3. ^ 小林太三郎著「現代広告入門」第2版、ダイヤモンド社、昭和58年、10-12ページ
  4. ^ a b 後藤将之『マス・メディア論』<有斐閣コンパクト> 有斐閣 1999年 ISBN 4641076219 pp.196-199.
  5. ^ 清水公一 (2018). 『広告の理論と戦略』第18版、第2刷. 創成社、39ページ 
  6. ^ Behal, Vikas; Sareen, Sania (2014). "GUERILLA MARKETING: A LOW COST MARKETING STRATEGY". International Journal of Management Research and Business Strategy. 3 – via Google Scholar.
  7. ^ 『大藏省令第149号廣告税法施行規則ニ依リ結社指定』、官報。1942年。
  8. ^ 東洋経済オンライン 広告市場は09年度も大幅減少に! メディアは火だるま(1)
  9. ^ 国際連合. “ディビッド・ケイ「表現の自由」国連特別報告者 訪日報告書』(A/HRC/35/22/Add.1)”. 外務省. 2018年7月27日閲覧。 “日本の5大民放組織が,それぞれ主流全国日刊紙と繋がっている。これは,情報市場への参加者数を制限している。”
  10. ^ 清水公一、木村有宏、新川三郎(2014)「屋外広告指標推定システムの構築」『日経広告研究所報』276号、日経広告研究所、38-45ページ。
  11. ^ 清水公一(2018)『広告の理論と戦略』第18版、第2刷、創成社、187-190ページ。
  12. ^ 清水公一(2018)『広告の理論と戦略』第18版、第2刷、創成社、187-190ページ。
  13. ^ a b 電通広告事典プロジェクトチーム「電通広告事典」2008 電通
  14. ^ https://ci.nii.ac.jp/naid/120006368708/ 水野由多加(2017)「ネーミングライツ(命名権)についての断章」『関西大学社会学部紀要』49(1), 205-217. https://ci.nii.ac.jp/naid/120006624697  同(2018)「ネーミングライツ(命名権)についての断章(続)」『関西大学社会学部紀要』50(1), 61-74.
  15. ^ [1]
  16. ^ 産経新聞の例産経新聞媒体資料インターネット版より
  17. ^ 電通、セプテーニ・ホールディングスと資本業務提携”. CNET Japan (2018年10月30日). 2019年1月25日閲覧。






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