TOQ-BOXとは? わかりやすく解説

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TOQ-BOX

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/09/07 06:50 UTC 版)

東横線 9000系9013編成 TOQ-BOX号 シャボン玉装飾
2005年7月2日、自由が丘駅~田園調布駅
東急バス TOQ-BOX号 (AO235)
日野・ブルーリボンシティ、2006年6月14日

TOQ-BOX(トークボックス)は、東京急行電鉄(現・東急電鉄)が運行している広告貸切列車および、東急バスが運行している広告を統一した路線バス車両である。現在も「トークボックス」は東急電鉄、東急バスの広告貸切列車の愛称として使用している[1][2][3]。ただし、「TOQ-BOX」車体装飾は実施していない。

概要

鉄道車両では、1986年(昭和61年)11月初旬から東横線8090系(8087編成)、田園都市線・新玉川線8500系(8635編成)で「動く展示空間」として運行を始めたのが最初となる[4]。TOQ-BOXの「TOQ」は「とうきゅう」と英語の「talk」(語り合う)を意味している[4]。車内広告が一社に統一されているほか、車体にはカラフルな虹や音符・楽器、またはシャボン玉のステッカーの装飾が施されており、外観で他の車両と容易に区別することができる。

中吊り・窓上・ドア上・車両仕切り部の広告は統一できるが、客用ドア窓ガラスのステッカー広告は、原則として全て東急の「東急東京メトロパス」(2006年までは「パスネット」)の広告となっていた。ただし例外として、2005年12月2日 - 2006年1月5日に運行された東横線用9000系9013編成『映画ふたりはプリキュア Max Heart2 雪空のともだち』広告統一車は、客用ドア窓ガラスのステッカー広告も統一されていた。また、8500系8634編成と、TOQ-BOXではない9011編成では、側扉ステッカーおよびつり革まで有名ブランド「コーチ」の広告で統一されていた。

このように電車1編成すべての車内広告を貸し切ったことは、首都圏では初めての事例であった[5]。当時の料金、は1編成2週間の利用で526万円であった[5]。ただし、東急電鉄では1981年(昭和56年)8月1日から8月31日まで東横線、田園都市線・新玉川線で「交通広告フェア - 新しい広告の拡がりを求めて - 」を開催[6]、このイベントで東横線での8000系1編成7両、田園都市線・新玉川線の8500系8両1編成すべての車内広告を貸し切ることが行われた[6]。内容は「カルピスソーダ号」、「TBSラジオ号」、「日産プリンス号」、「徳間書店号」などが運転された[6]。

TOQ-BOXではないが、1986年(昭和61年)3月に落成した東横線用の9000系9001編成では、運用開始から1年間は車内広告が東急グループ広告で統一されており、当時は大変珍しかった[7]。東横線用のTOQ-BOXは1988年(昭和63年)9月に8090系8087編成から9000系9006編成に、田園都市線・新玉川線用のTOQ-BOXは1987年(昭和62年)10月に8500系8635編成から8634編成に交代した[7][8]。

バス車両では、東急グループの企業である東急ケーブルテレビジョン(以下、東急CATV。現・イッツ・コミュニケーションズ)が1987年(昭和62年)10月2日に営業放送を開始することを記念し、同年7月1日から10月31日までのキャンペーン期間中にTOQ-BOXのバス版を20台運行したのが最初となる[9]。

車両と運行路線

鉄道車両

鉄道車両では、虹や音符、シャボン玉などの装飾は2010年6月頃に撤去され、同年11月までにラッピング対象となっていた全車両が装飾(8500系の側面帯を除く)を撤去しており、TOQ-BOX装飾は消滅した。なお、最後の車体装飾は1997年(平成9年)の東京急行電鉄創立75周年を記念した「東急電車デザインコンテスト」として一般から募集されたデザインが採用されたもので、当初は4年程度の使用が予定されていた[10]。

東横線
  • 9000系
    9006編成(虹・音符・楽器柄、TOQ-BOXロゴマーク貼り付け)
    9013編成(シャボン玉装飾)
  • 装飾撤去後、2編成とも大井町線に転属した。
田園都市線
  • 8500系
    8634編成(虹・音符・楽器柄、TOQ-BOXロゴマーク貼り付け)
    8637編成(シャボン玉柄装飾、元々は東急ケーブルテレビジョンの専用広告編成のため青帯)

バス車両

バス車両では、AO237号車の除籍を皮切りに、2013年2月までに他のTOQ-BOX車もすべて装飾解除され、東急バスからTOQ-BOX車はから消滅。事実上、TOQ-BOXの歴史に幕を閉じた。

AO237号車は除籍後、元東急グループの宗谷バスに移籍し、TOQ-BOXロゴは撤去されたが、ラッピング装飾は残されていた。

東急バス目黒営業所
東急バス青葉台営業所
東急バス弦巻営業所
東急バス虹が丘営業所
  • いすゞ自動車・エルガ
    NJ8753号車

沿革

鉄道車両

  • 1986年(昭和61年)11月初旬 - 東横線8087編成と田園都市・新玉川線8635編成がTOQ-BOX編成となる[4][8]。当初は前面に小型のTOQ-BOXロゴマークを、側面は各車両の戸袋部に4か所TOQ-BOXロゴマークが貼られた[11]。この当時、東横線の8090系は急行専用として運用されていた[7]。
  • 1987年(昭和62年)
    • 5月 - 東横線8087編成の前面のTOQ-BOXロゴマークが大型となり、先頭車前面・側面にシャボン玉装飾が追加された[12][8]。
    • 9月下旬 - 東急CATVが1987年(昭和62年)10月2日に営業放送を開始することを記念し[13]、田園都市・新玉川線8637編成が特別列車「CATV号」となり、前面と側面に東急CATVのシンボルカラーである青帯が巻かれ[13]、前面と側面の戸袋部に「東急ケーブルTV」ロゴマークが貼られた[14][8]。東急電鉄が協賛し、車内広告を東急CATVとしたTOQ-BOXとして運行開始したものである[13]。
    • 10月 - 田園都市・新玉川線では8635編成の検査入場に伴い、8634編成に交代する[8]。
  • 1988年(昭和63年)
    • 9月 - 東横線8087編成の8590系投入に伴う大井町線への転属を控え、TOQ-BOXの装飾を解除[8]。後任は9000系9006編成(9月12日から)となる[15]。装飾は8087編成に順じたものだが、先頭車側面にはシャボン玉に加えて虹が入れられた[15]。田園都市・新玉川線8634編成は同月の「オリンピック報道電車」の統一広告終了後、シャボン玉装飾が追加された[8]。
  • 1990年(平成2年)
    • 12月 - 東横線では9006編成の検査入場に伴い、9013編成が代理のTOQ-BOX編成として運用された(前面ロゴマークのみ貼り付け)[7]。
  • 1991年(平成3年)
    • 1月 - 東横線用の9006編成が検査出場して運用に復帰するが、9013編成の代理TOQ-BOXはそのまま継続され、東横線のTOQ-BOX編成は2本となる[7]。
    • 3月中旬 - 田園都市・新玉川線8637編成の青帯、東急ケーブルTV装飾はそのままに、先頭車のみシャボン玉装飾が追加される[16]。
    • 3月 - 東横線用の9013F編成の前面TOQ-BOXロゴマークが剥がされ、先頭車のみシャボン玉装飾が施工される[7]。
    • 9月 - 東横線9006編成の装飾がシャボン玉からビル街と山並みとなる[7]。側面の装飾は8両全車両となり、海側が「ビル街」、山側が「山」となり、先頭車のみ虹が入れられた[7]。前面は上り向き先頭車がビル街、下り向き先頭車が山の装飾となった。
    • 10月:田園都市・新玉川線8634編成の装飾がシャボン玉からビル街と山並みとなる[17]。装飾は9006編成に準じたものとなった。
  • 1997年(平成9年)
    • 10月下旬 - 東横線9006編成の装飾変更を控え、TOQ-BOX装飾をすべて剥離、前面のTOQ-BOXロゴマークのみ掲出となる[18]。
    • 11月初旬 - 田園都市・新玉川線8634編成の装飾変更を控え、TOQ-BOX装飾をすべて剥離、前面のTOQ-BOXロゴマークと赤帯のみ掲出となる[18]。
    • 11月24日 - 東横線渋谷駅でTOQ-BOX新デザイン発表セレモニーを開催、東横線9006編成が新TOQ-BOX装飾で運用開始[18]。同じ時期、田園都市・新玉川線8634編成も新TOQ-BOX装飾で運用開始[18]。前述したとおり、デザインは東急創立75周年を記念して一般から募集したものである[10]。これが最後のTOQ-BOX装飾となった。
  • 1998年(平成10年)10月 - 東横線9013編成の先頭車シャボン玉装飾が劣化に伴い、貼り替え[19]。同じく田園都市・新玉川線8637編成の青帯、「東急ケーブルTV」ロゴマーク、シャボン玉装飾が劣化に伴い、貼り替え[19]。9013編成、8637編成とも貼り替え前のステッカー剥離から貼り付けまでの2週間ほどは赤帯のまま運行された[19]。
  • 2001年(平成13年)7月下旬 - 田園都市・新玉川線8637編成で東急ケーブルTVの「イッツ・コミュニケーションズ」への社名変更に伴い、青帯はそのままに前面に「iTSCOM」ロゴマークを貼り付け[20]。側面戸袋部のロゴマーク貼り付けはなく、中央の側窓2枚に「iTSCOM」ロゴマーク(眺望を考慮して透ける仕様)が掲出された。
  • 2002年(平成14年)4月中旬 - 田園都市・新玉川線8637編成の「iTSCOM」ロゴマーク掲出を廃止、ただし青帯とシャボン玉装飾は残された[21]。

東横線、田園都市・新玉川線用ともTOQ-BOX編成が長津田車両工場に検査入場する場合、数週間の間 運用から外れるため、代理で別な編成がTOQ-BOXとして運用された[7]。

8637編成の装飾の変遷

  • 1989年 - 6号車から8号車を8642編成と交換。元の車両は制御装置を界磁チョッパからVVVFインバータに改造した上で8642Fに入った(当初は青帯がそのままだった)。
  • 2008年12月 - 側面に貼られていたシャボン玉のラッピングが剥がされ、前面のみになる。
  • 2010年11月 - 前面に貼られていたシャボン玉のラッピングが剥がされ、シャボン玉のラッピングが完全に撤去される。前面および側面の青帯はそのままである。
  • 2018年3月 - 側面ドア部分に青・黄色・緑・赤の塗装が追加される。
  • 2018年4月 - 車体にBunkamuraのロゴや内装が写されたステッカーが貼られる。また、車内広告もBunkamuraに統一されており、TOQ-BOXが事実上復活した。
  • 2023年1月25日 - 運用離脱[22]。

バス車両

  • 1987年(昭和62年)7月1日 - 東急CATVが1987年(昭和62年)10月2日に営業放送を開始することを記念し、10月31日までのキャンペーン期間中にTOQ-BOXのバス版を20台運行[9]。

脚注

  1. ↑ 【電車広告】東急 東横線 トークボックス 2週間(電車広告ドットコム)。
  2. ↑ トークボックス(東急エージェンシー・インターネットアーカイブ)。
  3. ↑ トークボックス 車内広告ジャック(東急エージェンシー・インターネットアーカイブ)。
  4. 1 2 3 東京急行電鉄社内報『清和』1986年11月号「動く展示空間 TOQ-BOX 号」p.8。
  5. 1 2 中央書院「運輸界」1986年10月号今月のことば「列車貸切広告」p.97。
  6. 1 2 3 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』1981年12月号LOCAL NEWS「東急の交通広告フェア」p.110 - 111。
  7. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』1994年12月臨時増刊号特集「東京急行電鉄」pp.244 - 246。
  8. 1 2 3 4 5 6 7 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2017年3月号特集「東京急行電鉄8000系」pp.60 - 62 。
  9. 1 2 東京急行電鉄社内報『清和』1987年7月号NEWS「交通広告フェア '87を開催」p.26。
  10. 1 2 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』1997年12月号MINI TOPICS「東急創立75周年記念イベントの話題」p.90。
  11. ↑ 交友社『鉄道ファン』1987年2月号POST「東急TOQ BOX号/大井町線に9000系」p.117。
  12. ↑ 交友社『鉄道ファン』1987年8月号POST「東急TOXBOX号に模様替え車」p.113。
  13. 1 2 3 東京急行電鉄社内報『清和』1987年10月号NEWS「CATV開局を祝して協賛」pp.24 - 25。
  14. ↑ 交友社『鉄道ファン』1987年12月号POST「東急CATV号/7700系正面に赤帯」p.115。
  15. 1 2 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』1988年12月号読者短信 pp.110 - 111 。
  16. ↑ 交友社『鉄道ファン』1991年6月号POST「東急8537F CATV車にシャボン玉ステッカー」p.121。
  17. ↑ 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』2017年3月号特集「東京急行電鉄8000系」pp.64 - 66 。
  18. 1 2 3 4 鉄道友の会『RAIL FAN』No.548(1998年8月)記事「1997年度 東急総決算」pp.18- 23。
  19. 1 2 3 鉄道友の会『RAIL FAN』No.561(1999年8月)記事「1998年度 東急総決算」pp.6- 11。
  20. ↑ 鉄道友の会『RAIL FAN』No.604(2003年2月)記事「2001年度 東急総決算」pp.6- 11。
  21. ↑ 鉄道友の会『RAIL FAN』No.613(2003年11月)記事「2002年度 東急総決算」pp.6- 13。
  22. ↑ “(お知らせ)8500系8637Fの運用離脱に伴う回送完了について” (PDF). 東急電鉄 (2023年1月25日). 2023年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月25日閲覧。

参考文献

  • 東京急行電鉄社内報『清和』
    • 1986年11月号「動く展示空間 TOQ-BOX 号」
    • 1987年7月号NEWS「交通広告フェア '87を開催」
    • 1987年10月号NEWS「CATV開局を祝して協賛」
  • 鉄道ジャーナル社『鉄道ジャーナル』1981年12月号LOCAL NEWS「東急の交通広告フェア」
  • 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』1994年12月臨時増刊号特集「東京急行電鉄」
  • 鉄道友の会『RAIL FAN』
    • No.548(1998年8月)記事「1997年度 東急総決算」
    • No.561(1999年8月)記事「1998年度 東急総決算」
    • No.604(2003年2月)記事「2001年度 東急総決算」
    • No.613(2003年11月)記事「2002年度 東急総決算」

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