オベリスクとは? わかりやすく解説

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オベリスク【obelisk】

読み方:おべりすく

古代エジプトで、神殿門前両脇立てられ石造記念碑方形で上に向かって細くなり、先端ピラミッド形柱面には象形文字碑文図像を刻む。方尖(ほうせん)方尖塔。方尖碑。

1の形をした記念碑

[補説] 語源は、ギリシャ語のobelosで、串(くし)の意。

オベリスクの画像 オベリスクの画像
ローマポポロ広場のオベリスク
「オベリスク」に似た言葉

オベリスク 【obelisk】

古代エジプトで、神殿門前左右に立てた方形で上に細くなった白い石柱頂上ピラミッド型太陽神象徴であり、朝、太陽初光尖頂宿る考え、そこへ銅板張ったりした。柱面に王の事跡文や絵を刻むものが多い。方尖塔(オベリスクはギリシア語焼き串の意)。

オベリスク

上ほど細い方形頂上ピラミッド型石造りの塔から転じて、この形をしたトレリスのことをいう。つる植物誘引に使う。

オベリスク(方尖塔)

作者E.M.フォースター

収載図書短篇集 2 永遠の命
出版社みすず書房
刊行年月1995.1
シリーズ名E.M.フォースター著作集


オベリスク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/21 02:40 UTC 版)

ナヴォーナ広場のオベリスク(Obelisco Agonalis、イタリア)

オベリスク: obélisque[注 1]: obelisk[注 2])は、一つの石から掘り出した四角柱で、その先端は四角錘につくられる[1]

古代エジプト(特に新王国時代)時代から古代ローマ時代にかけて、広場、競技場、神殿などに立てられた記念碑(モニュメント)の一種。近代および現代においては、エジプトによらず欧米の主要都市の中央広場などにも建設され、その地域を象徴する記念碑である。その意味でメンヒルに類似する。

ルクソール神殿(エジプト)の前にあったオベリスクのうちの1本が、ナポレオン3世の時代(フランスの植民地時代)にパリのコンコルド広場に移設されたことは有名[1]

ルネッサンス期以降、オベリスクは都市の象徴的な塔と考えられた[1]

オベリスクの名称は後世のギリシャ人がobeliskos(串)と呼んだのが起源で、当時のエジプトでは「テケン(保護・防御)」と呼ばれていた。日本語では方尖柱(ほうせんちゅう)と呼ばれることもある[2]

形状

ほとんどは四角形の断面をもち、上方に向かって徐々に狭まった、高く長い直立の石柱である。大きいものではその重量が数百トンにも及ぶ。

先端部はピラミッド状の四角錐(ピラミディオン)になっており、創建当時はここがの薄板で装飾され、太陽神のシンボルとして光を反射して輝くようにされていたとされる。また、その影を利用して日時計としての役割も果たした。

歴史

古代オベリスクの起源は、太陽信仰のヘリオポリスベンベンを模式化したものと考えられている。側面には王の名や神への讃辞がヒエログリフで刻まれ、太陽神とともに王の威を示す象徴とされた。

のちの時代にローマ帝国がエジプトに侵攻すると、オベリスクは戦利品として頻繁に略奪された。4世紀に首都となったコンスタンティノポリス競馬場にも略奪したオベリスクが運ばれ、現在のイスタンブールにも残っている。以降の時代も欧州諸国からの略奪は続き、それらの国の公園や広場の装飾品に用いられた。フランスコンコルド広場や、バチカンのサン・ピエトロ広場にあるオベリスクはよく知られている。そのため、現代エジプト国内に残されたオベリスクはカルナック神殿ルクソール神殿などにわずかに残るのみとなった。

エジプトのオベリスクはその多くが花崗岩で制作されていたが、20世紀以降に南米で制作されたオベリスクの中には鉄筋コンクリート製のものもある。

現存する30本の古代オベリスク

現在、世界に現存する古代オベリスクは30本であり、内13本がローマに、7本がエジプトにある。近代や現代に建設されたオベリスクは、世界各地に無数に存在する。

象が台座のObelisco della Minerva
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ

イタリア

ローマ
フィレンツェ
カターニア(シチリア島)
ウルビーノ

エジプト

ヘリオポリス
  • ヘリオポリス・オベリスク - カイロ郊外のヘリオポリス。高さ20.41m[3]
  • カイロ空港・オベリスク
カイロ
  • ゲジーラ島・オベリスク - カイロタワーの近く
カルナック
ルクソール

フランス

パリ
Luxor Obelisk (フランス)
アルル

イギリス

ロンドン
ウィンボーン

アメリカ

ニューヨーク

トルコ

イスタンブール

イスラエル

カイザリア

その他の小型オベリスク(屋内)

エジプト(屋内)

ルクソール
  • ラムセス3世・オベリスク - ルクソール博物館内

イギリス(屋内)

オベリスク様建造物

アメリカ(オベリスク様)

アルゼンチン

ベネズエラ

ブラジル

日本

その他

未完成のオベリスク(エジプト)

エジプト(その他)

  • 未完成のオベリスク(切りかけのオベリスク) - 花崗岩の産地エジプトアスワンの石切り場にある。18-19王朝のもので、製作中にひびが入ってしまったために未完成のまま放置されている。重さ約1,170トン、高さは約40メートル。完成していれば世界最大のオベリスクとなった。

エチオピア

ステッレ(エチオピア)

ロシア

ギャラリー

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c 戸谷英世・竹山清明『建築物・様式ビジュアルハンドブック』株式会社エクスナレッジ、2009年、146頁。 
  2. ^ 松村明 編「オベリスク」『大辞林 4.0三省堂、2019年。 
  3. ^ a b c d e f g h i j k 古代エジプト神殿大百科 (2002)、59頁

参考文献

  • リチャード・H・ウィルキンソン 著、内田杉彦 訳『古代エジプト神殿大百科』東洋書林、2002年。ISBN 4-88721-580-0 

関連項目

外部リンク


オベリスク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 19:43 UTC 版)

ルクソール神殿」の記事における「オベリスク」の解説

他のエジプト建造物共通して使われ一般的手法として、象徴的表現すなわち錯視表現があった。ルクソール神殿入口隣接する2本のオベリスク(西側の少し小さい1本は現在パリコンコルド広場Place de la Concorde〉にある)は同じ高さではなかったが、そうであるよう錯覚作り出していた。神殿配置一体になり、それらは等しい高さであるよう見えるが、錯視表現用いてそれが後方の壁のため同じ大きさ見えるよう、相対的な距離を増すように形作った象徴的に、壁からの高さと距離を強調し、すでにあった従来通路整備した視覚的かつ空間的効果であったパリコンコルド広場中心部には、このルクソール神殿から運んできたオベリスク (Luxor Obelisk) である「クレオパトラの針」が置かれている。 ルクソール神殿に残るオベリスク(第1塔門入口正面左側) パリ・コンコルド広場のオベリスク

※この「オベリスク」の解説は、「ルクソール神殿」の解説の一部です。
「オベリスク」を含む「ルクソール神殿」の記事については、「ルクソール神殿」の概要を参照ください。

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