フィラエ・オベリスクとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > フィラエ・オベリスクの意味・解説 

フィラエ・オベリスク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/09 22:57 UTC 版)

背景のキングストン・レイシーとフィラエ・オベリスク

フィラエ・オベリスク(Philae obelisk)は、1815年に上エジプトフィラエ島で発見され、その直後にウィリアム・ジョン・バンクスが入手した2つのオベリスクのうちの1つである。エジプトヒエログリフ古代ギリシア語の2つの言語で碑文が書いてあり[1]、互いの文書の翻訳ではなかったが、これらを比較することで、バンクスはヒエログリフ文字での「プトレマイオス」と「クレオパトラ」の名前を認識できたと信じた。彼の解読は、後にトマス・ヤングジャン=フランソワ・シャンポリオンによって確認され、シャンポリオンによる最終的なヒエログリフの解読に寄与した。この碑文には、フィラエにおけるエジプトの神官による要請と、プトレマイオス8世クレオパトラ2世3世からの肯定的な返事が記録されており、その日付は紀元前118年から紀元前117年であった。

1820年代にバンクスはフィラエで発見されたオベリスクを入手し、ドーセットのウィムボーン・ミンスターにある自身の邸宅キングストン・レイシーに移した。この作業は、著名な探検家であるジョヴァンニ・バッティスタ・ベルツォーニが担当した。この邸宅は、現在はナショナル・トラストとなり、庭ではこのオベリスクを見ることができる。

このオベリスクがあったフィラエ島は、彗星探査機ロゼッタの着陸機フィラエの名前の由来となった[2]

出典

  1. ^ The Greek inscription has been referred to by scholars as "OGI 137–139; SB 8396; Lenger, C. Ord. Ptol., 51 f.; A. Bern., 19".
  2. ^ FACT SHEET”. ESA (2014年11月8日). 2014年11月13日閲覧。

関連文献

  • Edwyn R. Bevan, The House of Ptolemy (London: Methuen, 1927) pp. 322–323 Textus
  • E. A. Wallis Budge, The decrees of Memphis and Canopus (3 vols. London: Kegan Paul, 1904) vol. 1 pp. 139–159 Incomplete copy at Google Books
  • Erik Iversen, Obelisks in exile. Vol. 2: The obelisks of Istanbul and England (Copenhagen: Gad, 1972) pp. 62–85
  • T. G. H. James, Egyptian antiquities at Kingston Lacy, Dorset: the collection of William John Bankes. San Francisco: KMT Communications, 1993–94
  • Stephanie Roberts, "The Real Cleopatra's Needle" in Ancient Egypt (Dec. 2007/Jan. 2008)
  • Anne Sebba, The exiled collector: William Bankes and the making of an English country house. London: John Murray, 2004



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フィラエ・オベリスク」の関連用語

フィラエ・オベリスクのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フィラエ・オベリスクのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフィラエ・オベリスク (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS