主な戦術機
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「マブラヴ オルタネイティヴ」の記事における「主な戦術機」の解説
F-4「ファントム」 米国がNCAF-X(新概念戦術兵器開発計画)により、宇宙ステーション建設用に開発された船外作業ユニット(MMU)を軍事転用する形で開発した人類史上初の戦術機。いわゆる第1世代戦術機。1974年の実戦配備以来、日本など30ヶ国で採用され、派生機も数多く存在する。なお、ゲーム本編では触れられていないが、ソ連にも輸出され、MiG-21「バラライカ」や中国の殲撃8型(J-8)などの母体にもなった。2001年現在、米軍では全機退役しているが、日本など多くの国々では装備や主機などのマイナーチェンジを繰り返し、初採用から37年経った現在も国連軍や各国軍の中核を担っている。ちなみに実際の機体名称は「ファントムII」である(ファントムはFHの愛称)。 F-4J 77式戦術歩行戦闘機「撃震」(げきしん) F-4「ファントム」を日本でライセンス生産した戦術機。近接格闘戦を重視した日本独自の改修が繰り返され、米軍の最終生産型「F-4E」に相当する性能を獲得している。BETA侵攻に備える西部方面軍を中心に帝国軍で最も多く実戦配備されているほか、極東国連軍にもかなりの数が抽出配備されている。2001年時点で帝国軍の最新型は「Block214」型、国連軍で新型OS「XM3」に換装した機体は便宜上「Block215」型と類別されている。なお、1977年に「撃震」が制式採用される以前に開発・生産された「65式近接戦闘用短刀」及び「74式近接戦闘用長刀」があるが、65式短刀は航空宇宙軍で運用していたMMU用装備が転用され、74式長刀は米国での「ファントム」生産開始にあわせて制式採用された。しかし、欧州への戦術機供給を最優先とされたことで日本への「ファントム」供給がなくなったため、先に「人間には使えない巨大な刃物(武器)だけが基地に配備される」という皮肉な状態を招いてしまったことが当時の日本帝国における対米不信の醸成に拍車をかけることになった。 主に武達がUNLIMITEDで使用した機体。また、12・5事件の際に国連軍第207衛士訓練小隊の教官機(Block215型)がクーデター部隊の94式「不知火」を撃破したという非公式の記録もあり、OSと操縦する衛士の腕次第で第3世代機とも互角に渡り合えるほどの潜在性能の高さも実証されている。 F-4J改 82式戦術歩行戦闘機「瑞鶴」(ずいかく) 77式「撃震」を設計ベースとして開発された派生機で斯衛軍専用機にして日本帝国の国産戦術機第一号。F-4系統機の中では最も後発であり部分的に第二世代機の設計思想が見え隠れする機体、開発・設計主任は篁裕唯中佐。 欧州戦線・パレオロゴス作戦で得られたデータや衛士の戦訓などを徹底分析して機体を再設計、ベースとなった「撃震」より軽量化され機体性能も大幅に向上している。当初、斯衛軍を総括する帝国城内省は純国産機開発を熱望していたが、開発要求が出された1978年の時点では純国産機開発は不可能であったため、ライセンス機改修案(準国産戦術機案)を渋々認可することになった。その際に出された「“撃震”を上回る格闘性能の獲得」という絶対条件に応じるために、整備性・生産性を犠牲にしている技術的側面もある。なお、1986年8月に北海道で実施された日米合同演習で当時の米軍最新鋭機・F-15Cとの模擬戦に事前予想の”数分持ちこたえれば上等”という予測を覆して勝利し、日本帝国における国産戦術機開発への気運を高める礎ともなった。 「武御雷」と同様冠位十二階に準じた6種のカラーバリエーション(紫・青(R)、赤・黄(F)、白(A)、黒(C))が存在するが、R型の頭部センサーカバーに若干の変更が加えられているのみで他は外見上の違いや性能差(将軍専用機を除く)はほとんどなく、装甲の表面処理方法が違うのみである。過去に月詠がF型(赤)、篁唯依がF型(黄)に搭乗し、1998年の京都防衛戦に参加していた。また1997年の大陸からの撤退中の光州事件の最中には避難民と国連軍を救助すべく一個大隊がBETAを足止めし全滅している。 F-14AN3「マインドシーカー」 F-14「トムキャット」をベースに開発された特殊任務専用強襲偵察機。「オルタネイティヴIII」当時のソ連製戦術機は総合性能が低く「ハイヴ深層部への強行偵察が可能な複座戦術機」という要求仕様を満たすことができなかったため、「国連軍参加国は自国の装備を使用する」という慣例に逆らい例外的に米国のグラナン社から国連を通じてソ連に提供された。徹底的な軽量化が図られ、頭部や両肩、前腕に複合センサーユニットを搭載しているが、その代償としてフェニックスミサイル運用能力がオミットされている。機体の保守管理はスフォーニ設計局が担当しており、この「マインドシーカー」から得られた技術を元にしてSu-27「ジュラーブリク」やSu-47「ビェールクト」などの高性能戦術機を開発することになった。なお、頭部の形状がみみずくに似ていることから、ソ連では「ロークサヴァー」という名称で呼ばれている。 本来、F-14系戦術機の主操縦系は前部座席にあるが、この機体を運用したソ連軍フサードニク中隊の衛士は全員が「魔女(ESP発現体)に背中を預けたくない」と前部座席での操縦を拒み、後部座席に主操縦系を移して運用している。1992年の「スワラージ作戦」で初めて偵察任務に従事して以降、1995年に「オルタネイティヴIV」へ接収されるまで各地のハイヴ偵察任務に従事していた。 F-15「イーグル」 米軍が「ファントム」から得られたあらゆる実戦データを徹底解析した結果をベースに開発した第2世代戦術機。開発当初から発展性を考慮して余裕のある設計が施され、局地戦仕様機や現地改修機など様々な派生機が存在、日本帝国などの西側諸国で数多く実戦配備されており、2001年現在、米国を始め多くの国々で主力戦術機の座を堅持している。また、F-4「ファントム」に次ぐ配備数とバリエーションの豊富さから「第2世代の最高傑作機」と評されている。 初期生産型であるA型及びその複座型であるB型では燃料電池やジェットエンジンの進化が追い付かず設計どおりの性能を獲得できず、納期に間に合わせるために米軍の要求性能を辛うじてクリアする程度のものだったが、後期生産型であるC型・D型で設計どおりの性能を獲得、その後も跳躍ユニットをF-22に使用されている主機を非ステルス化したものに換装するなどのマイナーチェンジが繰り返されている。 F-15E「ストライク・イーグル」 F-15「イーグル」をベースに総合的に攻撃力を強化した派生機で、米軍の主力となっている第2.5世代型戦術機。国連軍でも活用されており作中では軌道降下兵団が使用している。F-15シリーズ最強とも言えるほどの高い性能に加え、最新の第3世代機と比べても何ら遜色のない稼働率と信頼性を誇る。外見は旧来のF-15系列機とほとんど変わらないが、内部は大幅に変更されており、まったくの別物と言っても過言ではない。そのため、旧来の機体をアップグレードさせるのはF-15Eの新造機を1機作るよりコストが高くつくという問題点もある。次期主力戦術機であるF-22の配備が遅れる中、米軍における事実上の主力戦術機として運用されている。 12・5事件ではF-4を主力としたクーデター軍相手に優位に立っていたが不知火を主力とする最精鋭の帝都防衛第1師団の前には歯が立たなかった。(このクーデター軍を足止めしたのはヴァルキリーズのXM3搭載型不知火である) F-15J 89式戦術歩行戦闘機「陽炎」(かげろう) 日本帝国軍が第3世代水準の純国産戦術機開発へ向けたノウハウ収得の為、F-15「イーグル」をライセンス生産した戦術機。当初は1987年に「試験導入」の名目で12機導入(4機輸入し、8機を試験的にライセンス生産)された。米国が「G弾ドクトリン」へとシフトし戦術機の生産が縮小されつつあったことが追い風となって技術転移は順調に進んだが、技術格差が大きかったことにより国産機開発期間の延長が決まり、後の純国産戦術機となる94式「不知火」生産配備までの繋ぎとして1989年に本格導入(追加調達188機)されることとなった。 「陽炎」は米軍のF-15Cをベースに戦術戦闘OSの換装、フレーム及び関節部の耐久性向上など、「撃震」同様近接格闘を重視した日本独自の仕様変更が施されている。また、「不知火」の量産・配備が順調に進んだことにより、1999年に調達を終了(保守部品の生産は継続)している。 なお、本編中では米軍のAMWS-21戦闘システムを使用していたが、外伝作品やボークスのa3シリーズでは日本帝国軍の87式突撃砲を装備している。 在日国連軍にも抽出配備されている他、2003年4月に実施された「錬鉄作戦(甲20号・鉄原ハイヴ攻略)」時に伊隅あきら中尉が搭乗、ライトニング中隊の指揮官として補給部隊護衛の任務に就いていた。 F-15EJ 試02式戦術歩行戦闘機「月虹」(げっこう) 米国・ボーニング社がF-15Eをベースに「先進戦術機技術開発計画」の一環として進められていた「フェニックス構想」及び「XFJ計画」から得られたノウハウなどをフィードバックさせて開発した準第3世代戦術機「サイレント・イーグル」の日本向け仕様機。限定的ながらステルス性能があり、アビオニクス換装とスラスターの増設により機動性も向上している。また、それに伴い肩と下腿部が大型化され、作戦行動時間の延長が図られている。 宗像大尉、風間中尉らの技研廠“ウルド”中隊で実施された評価試験の結果、総合性能や格闘能力ではXFJ-01・試01式「不知火・弐型」より大幅に劣るものの「近接戦闘を重視する日本帝国の衛士向け」としてはそこそこの性能を示しており、F-22「ラプター」に匹敵する戦術機を求めていた上層部は米国(ボーニング社)の政治的圧力に対する現場の抵抗とは裏腹に「対人類戦に備え、ステルス性能の確保を優先させるべきだ」として「月虹」の制式採用を内定させている。しかし、御前会議の席上で政威大将軍・煌武院悠陽に「BETAの駆逐もままならぬ今、人類同士の争いに備えた装備の調達は愚者の胸算用である」と一蹴され、対抗馬の「不知火・弐型」が制式採用されることとなった。「月虹」は次期主力機選定に敗北した後、技術研究部隊に移管されて前線での運用試験が継続されている。なお、日本向け仕様機のネーミング「月虹」は同じF-15系列機である89式「陽炎」と対を成すものとして命名されたものである。 F-22A「ラプター」 米軍の第3世代戦術機で次期主力最新鋭機。機動性や攻撃力・隠密性において圧倒的な性能を誇り、同時期の他の第3世代戦術機と比較しても追随を許さないほどの圧倒的な性能を有している。アクティヴステルスを有しステルス性が高くレーダー反射が小さいため、レーダーで捉えにくいのが特徴。そのステルス性は正面からの接近でさえレーダーで捕捉しにくいほどである。対BETA戦のみならず、対BETA戦後の対人類兵器戦まで意識した米軍の戦略ドクトリンに基づき「戦域支配戦術機」として設計された戦術機。12・5事件では「不知火」を主力とする沙霧大尉以下クーデター部隊に対し7:1という驚異的な撃墜比を見せたものの、パイロットの慢心や動揺、機体そのものに対する電子戦によって撃破されている。近接格闘能力も高いが、沙霧大尉の「不知火」と対峙したウォーケン少佐の機体は近接格闘戦の最中、工作員が仕掛けたウイルスによって機体制御が困難になった隙をつかれて撃破されている。 F-35A「ライトニング」 米軍の最新鋭戦術機。Hi-Low-Mix構想のLowを担う機体としてロックウィード・マーティン社を中心として開発された第三世代戦術機である。アクティブ・パッシブ技術や高速巡航技術を積み込んでいる。米軍機としては初めて固定装備であるブレードベーンを搭載しており、その高い運動性と相まって高い近接戦闘能力を誇っている。 開発経緯としては、米軍の費用軽減、各国戦術機開発機関への影響力保持、さらに西側諸国を巻き込み、BETA大戦後の対人類戦に於ける東側への包囲網形成と言ったものがある。 A-10Ⅱ 「サンダーボルト」 米軍の戦術歩行攻撃機。米陸軍がA-6と同様の阻止能力を持ち、地上戦闘が可能な機体として、フェイアチルド・リムパリック社が開発した。当初完全新規設計案やF-4を流用した機体開発を進めていたが、頓挫したため、A-6のフレームを使い、それ以外は完全新規設計という形で設計された。 重武装、重装甲であり、武装としては36mmガトリング砲や爆圧スパイク機構を搭載している。F-4一個小隊を超える火力を有することから、大砲鳥(カノンフォーゲル)や戦車級駆逐機(タンクキラー)と呼ばれている。ただし、機体の特性上、突撃級が光線級の次に危険な敵となっている。 A-6J 81式強襲歩行攻撃機「海神」(わだつみ) 米海兵隊のA-6「イントルーダー」をライセンス生産した日本帝国海軍海兵隊の水陸両用攻撃機。重装甲と充実した固定武装、可変機構が特徴。通常は専用の潜水母艦の艦首に変形して接続されており、戦闘時には離艦して海岸部まで侵攻後、人型になって海岸部を制圧、橋頭堡を確保する。水中潜行形態では最大20kt弱で航行可能。イントルーダーの採用から四半世紀が経過した現在も潜水可能な点が高く評価され、日本だけでなく米英でも第一線で使用され続けている。なお、帝国海軍の「海神」は航続距離を犠牲にする代わりに腕部のチェーンガンを片腕4門から6門に増設する改修が施されている。 97式戦術歩行高等練習機「吹雪」(ふぶき) 日本帝国軍がF-15J「陽炎」のライセンス生産で得た技術を基に、第3世代戦術機開発のために試作された概念実証実験機(TSF-X)をベースに訓練機として転用された機体。 当初、日本帝国では衛士の基礎操縦訓練に「撃震」を使用していたが、第1世代型「撃震」と第3世代型「不知火」とでは性能差があまりにも開きすぎており、衛士の部隊配属後さらに機種転換訓練をさせられるほど時間の余裕も、機種転換に「不知火」を回せるほどの余裕もない状況下で「第3世代機に乗るには、第3世代準拠の練習機で訓練するのが一番効率的だ」という思想からTSF-X6号機(「不知火」の量産試作機)をベースにして開発されることになった。このような経緯から、一部では「概念実証試験機をベースに開発されたこの“吹雪”こそが日本初の純国産戦術機」と見られる傾向もある。 練習機であるため主機出力は低く抑えられているが、それでもなお「撃震」に比べ遙かに高い運動性能を持っていることから緊急時には実戦での運用も想定されており、実弾兵装に換装するだけでそのまま実戦に投入することも可能。実際、北部方面軍などでは「撃震」の代替機として実戦運用されている機体もある。 UNLIMITED、ALTERNATIVEともに主に練習機として使用されており、武たちが初めて乗った訓練用戦術機でもある。また、試作1200mm超水平線砲を用いる際、伏せ撃ち姿勢を取るために右肩と腰の装甲を外して運用された機体もある。 94式戦術歩行戦闘機「不知火」(しらぬい) 米国製戦術機への依存状態からの脱却を目的に開発が進められた、日本帝国初の純国産戦術機であると同時に、世界初の第3世代戦術機でもある。帝国本土防衛軍の帝都防衛第1師団・第1戦術機甲連隊や富士教導団(アグレッサー部隊)など、帝国軍の精鋭部隊から中心に配備が進められており、国連軍では横浜基地のA-01部隊にのみ配備されている。 現在の戦術機の中では高いレベルの性能を持つが、帝国国防省の高い要求に応えるべく突き詰められた設計により改修・発展の余地がほとんどなく、現場からの改修要望に対して十分な対策を講じることができないなどの技術的な問題点もある(なお、現場から数多く寄せられる改修要望に応じるため、国連がアラスカで進めている「先進戦術機技術開発計画」の一環として「XFJ計画」を実施、不知火の改修・発展を図ることになる)。また、背中だけでなく両肩にもオプションマウントが内装されており、自律誘導弾システム(ミサイルランチャー)などの大型火器を装備することも可能。 12・5事件においては米軍の最新鋭戦術機「ラプター」相手に苦戦する衛士が多い中、沙霧大尉などが搭乗する一部の機体は近接格闘に持ち込んで「ラプター」を撃破するなど、機体の能力は高い。武たちが中盤以降A-01第9中隊に配属されてから使用することになる。 XFJ-01 試01式(04式)戦術歩行戦闘機「不知火・弐型」(しらぬい・2がた) 上記の「XFJ計画」で開発され、アラスカで試験が進められていた機体を仮採用し、日本帝国軍・富士教導団の技術研究廠中隊で評価試験を進めていた機体。制式採用寸前まで進んでいたが、米国(ボーニング社)からの政治的圧力によって仮採用が覆され、F-15SEJ・試02式「月虹」と再度比較検証(トライアル)を実施することになった。 涼宮茜中尉が指揮する技研廠“スクルド”中隊で評価試験が進められ、総合性能・格闘戦能力では「不知火・弐型」が上回っていたものの、ステルス性能や運用コストの面で不利に立たされ、国産機採用を望む声に反して「月虹」にトライアルで負けるのではないかと危惧されていた。案の定、軍上層部はステルス性能に固執して「月虹」の制式採用をすでに内定させており、「不知火・弐型」の試験は「XFJ計画」関係者の面子を保つための建前に過ぎなくなりつつあったが、政威大将軍・煌武院悠陽が御前会議で次期主力機選定の報告を受けた際に「BETAの駆逐もままならぬ今、人類同士の争いに備えた装備の調達は愚者の胸算用である」と「月虹」の採用を一蹴し、試01式「不知火・弐型」を“04式”として制式採用することが即日決定された。なお、EF-2000「タイフーン」の主要火器でもあるMk57中隊支援砲を制式採用した02式中隊支援砲の運用研究もこの「不知火・弐型」を用いて実施された。 00式戦術歩行戦闘機「武御雷」(たけみかづち) 82式「瑞鶴」の退役を控えて開発された日本帝国斯衛軍専用の第3世代純国産戦術機。現存する戦術機の中で最も優れた性能を誇る。途轍もなく高性能な戦術機であり、斯衛軍のシンボルともなっている。斯衛軍の戦術思想を反映するかのように剣術を主体とした近接格闘性能に特化しているが、その反面、自律誘導弾システムや追加装甲(盾)の装備・運用はほとんど考慮されておらず(ただし、国連軍A-01部隊に貸与された一部の機体には追加装甲を携行したケースも見られる)、また、整備性・生産性・汎用性を犠牲にしてでも高性能化を極限まで追求した設計のため、機体を稼動させるには職人的技術を持つ専属の整備チームが随伴するほどの高度な整備支援体制が必要となることからも、恒常的な運用はほとんど日本帝国国内に限定されているともいえる。年産30機程度の生産が限度のため、2001年現在、将軍専用機及び五摂家出身者、五摂家の警護を担当する独立警備小隊、斯衛軍最精鋭とされる第16斯衛大隊にのみ配備される程度にとどまっている。 この「武御雷」は将軍専用機(紫)及び五摂家(青)のR型、五摂家に近い有力武家(赤)と譜代武家(黄)のF型、一般武家出身者(白)のA型、武家出身ではない一般衛士用(黒)のC型等、衛士の出身によって冠位十二階に準じた色分けがされているが、これは周囲に展開する兵士の士気を高揚させると同時に、操縦する衛士自身にも「出身に恥じない戦い」を心がけさせる心理的効果を狙う側面もある。また、将軍専用機及び五摂家が使用するR型と武家以上の衛士が使用するF・A型、一般衛士用のC型では頭部の装飾・形状や装甲の表面処理方法、機体出力(性能)などに違いがあり、その中でも将軍専用機である紫のR型に至っては完全なワンオフチューンアップが施され、生体認証によるロック機構まで備えている。 武たちの「吹雪」が搬入された際に月詠が冥夜専用の戦術機としてR型(紫)を横浜基地に搬入させたが、特別扱いを嫌った冥夜は受け取りを拒みそのまま横浜基地ハンガー内に置かれていた。その後、冥夜の政治的な立場の消失により搬出されるところであったが、桜花作戦にともない冥夜が月詠に嘆願し同機体で出撃した。また第19独立警備小隊で運用されていたF型(赤)1機とA型(白)3機が国連軍A-01部隊に貸与された、同作戦では最終的には全機大破するも、作戦の要であるXG-70dを最終目標まで送り届けた。この他に、国連軍としてシベリアに派遣された極寒冷地仕様機(F型及びC型、全機「UNブルー(青)」で統一)や、国連による先進戦術機技術開発計画に持ち込まれた機体(F型(黄))も存在する。 なお、余談だが帝国軍でも武御雷の導入が検討されたものの、途轍もない高性能に比例するように1機あたりの調達費用と維持管理コストも途轍もなく高いことや、軍用機として運用する上での必須条件となる整備性・生産性・汎用性などが極めて低い点もあり、わずか数日で導入を断念することになったという話もある。 他にも、「The Euro Front」に登場する西独軍のEF-2000「タイフーン」、仏軍の「ラファール」や、米軍のF-5「フリーダムファイター」、F-16「ファイティング・ファルコン」、A-12「アヴェンジャー」、ソ連軍のSu-27「ジュラーブリク」、Su-47「ビェールクト」などが存在する。
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