醸成
読み方:じょうせい
人々にある状態を引き起こす意では、「醸成」の類語に「惹起」「涵養」がある。「惹起」は、具体的なよくないものを引き起こすのに用いることが多い一方、「醸成」は漠然とした雰囲気や機運を生じさせることに用いることが多い(「革命を惹起する/革命の機運を醸成する」)。また、「惹起」のほうが、それを引き起こすのにかかる時間が短く感じられる。「涵養」は、よいものと捉えられる能力や意識などを少しずつ育てていく意で、「徳性を涵養する」のように文化的なものについて用いることが多い。したがって、「不安を醸成する」とは言えるが、「不安を涵養する」とは言わない。
(執筆:稲川智樹)
醸成とは、醸成の意味
醸成とは、原料を発酵させて酒、醤油、味噌などを造ること、転じて一定の範囲の人々の間に少しずつ特定の雰囲気や考え方などを形成することを意味する言葉である。現在、一般には後者の意で用いられることがほとんどである。主に文章で用いられる、やや硬い漢語である。サ変他動詞化して「醸成する」の形になる。読み方は「じょうせい」である。「醸」は「かもす」意、「成」は「なす」意である。醸成は、英語では ferment と表現する。醸成の使い方、例文
醸成の類語
原料を発酵させて酒などを造る意の言葉には、「醸成」のほかに「醸造」「吟醸」がある。「醸造」はこの意味で最も一般的な表現で、「醸造所」「醸造酒」「本醸造」のように他の語と複合して名詞を作りやすい。「吟醸」は、特に吟味された材料や製法で醸造を行う意である。人々にある状態を引き起こす意では、「醸成」の類語に「惹起」「涵養」がある。「惹起」は、具体的なよくないものを引き起こすのに用いることが多い一方、「醸成」は漠然とした雰囲気や機運を生じさせることに用いることが多い(「革命を惹起する/革命の機運を醸成する」)。また、「惹起」のほうが、それを引き起こすのにかかる時間が短く感じられる。「涵養」は、よいものと捉えられる能力や意識などを少しずつ育てていく意で、「徳性を涵養する」のように文化的なものについて用いることが多い。したがって、「不安を醸成する」とは言えるが、「不安を涵養する」とは言わない。
(執筆:稲川智樹)
じょう‐せい〔ヂヤウ‐〕【醸成】
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